構造・機能等の「規格」については計6問の出題があります。
【6類】構造・機能(規格)
◎ 能力単位
こんな過去問が出題されています。
消火器の能力単位について、次のうち誤っているものは次のうちどれ?
(1)消火器は、能力単位の合計が1以上でなければならない。
(2)大型消火器の能力単位は、A火災に適応するものについては10以上でなければならない。
(3)大型消火器の能力単位は、B火災に適応するものについては20以上でなければならない。
(4)大型消火器の能力単位はAー10以上で、かつBー20以上でなければならない。
火災の分類
火災の分類
火災は、大きく以下の3つに分類されています。
- A火災‥B火災以外の火災(普通火災)
- B火災‥第四類の危険物並びに可燃性固体類及び可燃性液体類に係るものの火災(油火災)
- C火災‥変圧器・配電盤その他これらに類する電気設備のある場所で感電の危険を伴う火災(電気火災) ※C火災については規格省令上は定義されていません
ーーー
◎ 能力単位の測定
火災模型を使用して消火試験を行い、消火した火災模型の大きさ・数によって消火器の能力単位が決定されます。
A火災(普通火災)に対する能力単位の測定
A火災の火災模型は、杉の角材で作った第1模型・第2模型を用いて、いくつ完全に消火できたかによって能力単位を決定します。
第1消火試験とは‥
A火災における第1模型および第2模型を用いた消火試験を「第1消火試験」といいます。
消火能力単位の算出方法は以下の通りです。
- 第1模型n個を消火‥n×2単位
- 第2模型1個を消火‥1単位
- 第1模型n個と第2模型1個を消火‥(n×2)+1単位
ーーー
※第2模型は2個以上使用できません。
こんな過去問が出題されています。
消火試験で下記の模型を消火した場合の能力単位で、次のうち正しいものはどれ?
第1模型 + 第1模型 + 第1模型 + 第2模型
(1)4
(2)5
(3)6
(4)7
B火災(油火災)に対する能力単位の測定
B火災の火災模型はサイズに応じて16種類あり、それらについて「第2消火試験」および「第3消火試験」を行って能力単位を測定します。
- 第2消火試験‥模型番号1以上のもの1個の消火試験を行います。
- 第3消火試験‥第2消火試験で消火した模型番号の1/2以下のものを2個以上5個以下用いて、番号の大きい数値の順に点火・消火試験を行います。
能力単位(N)の算出方法は、第2消火試験と第3消火試験において消火した能力単位を合計し、その平均値(端数切捨て)をとります。
N=(n₁ + n₂) ÷ 2
n₁:第2消火試験で消火した模型の番号
n₂:第3消火試験で消火した模型の番号
こんな過去問が出題されています。
B火災の能力単位の測定で、誤っているものは次のうちどれ?
(1)第2消火試験と第3消火試験を行う。
(2)第2消火試験と第3消火試験で使用する模型にはサイズに応じて0.5~20と模型番号が振られた計16種類がある。
(3)第2消火試験は、模型番号0.5以上のもの1個の消火試験を行う。
(4)第3消火試験は、第2消火試験で消火した模型番号の1/2以下のものを2個以上5個以下用いる。
◎ 消火器の規格
消火器の運搬方式
消火器は保持装置および背負いヒモまたは質量(車輪の質量を除く)によって、以下の通り分類されています。
消火器の質量毎の分類
- 28 kg以下‥手さげ式・据置式・背負式
- 28 kgを超え35 kg以下‥据置式・背負式・車載式
- 35 kgを超えるもの‥車載式
※大型消火器は全て車載式です。
手さげ式消火器
手にさげた状態で使用する消火器
据置式消火器
消火器本体を移動させず、ノズル及びホースを火元まで移動させて使用する消火器。
背負式消火器
消火器本体を背負いひもを利用して背負い、使用する消火器。
車載式消火器
消火器本体を安定した状態で走行できる車輪付き消火器。
こんな過去問が出題されています。
消火器の携帯または運搬方式の分類として、次のうち正しいものはどれ?
(1)手さげ式消火器は、手にさげた状態で使用するもので質量が28 kg以下のもの。
(2)据置式消火器は、床面に据え置いた状態で使用するもので質量が28 kgを超え35 kg以下のもの。
(3)背負式消火器は、背負った状態で使用するもので質量が28 kgを超え35 kg以下のもの。
(4)車載式消火器とは、車輪を有するもので質量が35 kgを超えるもの。
消火器の動作数
消火器の放射開始までの動作数は、消火器の運搬方式毎に以下の通り規定されています。
消火器の動作数
- 手さげ式消火器‥1動作(※化学泡消火器を除く)
- 背負式消火器・据置式消火器・化学泡消火器‥2動作以内
- 車載式消火器‥3動作以内
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ただし、保持装置から取り外す動作・背負う動作・安全栓を外す動作・ホースを外す動作は動作数に含まれません。
こんな過去問が出題されています。
消火器の放射までの動作数について、次のうち正しいものはどれ?
(1)手さげ式消火器‥1動作
(2)化学泡消火器‥2動作
(3)据置式消火器・背負式消火器‥2動作
(4)車載式消火器‥3動作
自動車用消火器
自動車に設置する消火器を自動車用消火器といい、その消火器種別は以下の5種類に限られています。
自動車用消火器5種類
自動車用消火器は全てB火災(油火災)に適応するものであることが特徴です。
- 霧状放射の強化液消火器
- 機械泡消火器
- ハロゲン化物消火器
- 二酸化炭素消火器
- 粉末消火器
ーーー
なお、自動車用消火器には「自動車用」と表示しなければなりません。
こんな過去問が出題されています。
自動車に設置する消火器として、次のうち不適当なものはどれ?
(1)強化液消火器(霧状放射するもの)
(2)粉末消火器
(3)二酸化炭素消火器
(4)化学泡消火器
◎ 大型消火器
大型消火器とみなされる条件として「能力単位」と「消火薬剤の量」があります。
大型消火器の能力単位
大型消火器の能力単位は、A火災もしくはB火災どちらかについて以下に掲げる数値以上のものでなければなりません。
適応火災の種別 | 能力単位 |
A火災 | 10以上 |
B火災 | 20以上 |
大型消火器の消火薬剤充てん量
大型消火器の消火薬剤充てん量は、以下の基準を満たすものでなければなりません。
消火器の種別 | 消火薬剤の量 |
水または化学泡消火器 | 80 ℓ以上 |
強化液消火器 | 60 ℓ以上 |
機械泡消火器 | 20 ℓ以上 |
二酸化炭素消火器 | 50 kg以上 |
ハロゲン化物消火器 | 30 kg以上 |
粉末消火器 | 20 kg以上 |
参考消火器の技術上の規格を定める省令 第9条〔大型消火器の消火剤〕
こんな過去問が出題されています。
大型消火器の条件を満たすものとして、次のうち正しいものはどれ?
(1)能力単位がA-10・Bー20の強化液消火器で消火薬剤の量が50 ℓのもの
(2)能力単位がA-5・Bー20の機械泡消火器で消火薬剤の量が30 ℓのもの
(3)能力単位がA-5・Bー10の二酸化炭素消火器で消火薬剤の量が80 kgのもの
(4)能力単位がA-20・Bー30の粉末消火器で消火薬剤の量が10 kgのもの
◎ 消火器の放射性能
消火器は正常な操作方法で放射した場合、以下に適合するものと規定されています。
消火器の放射性能
- 放射の操作が完了した後、すみやかに消火薬剤を有効に放射するものであること。
- 放射時間は、温度20℃において10秒以上であること。
- 消火に有効な放射距離を有するものであること。
- 充塡された消火剤の容量又は質量の90%(化学泡消火薬剤にあっては85%)以上の量を放射できるものであること。
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こんな過去問が出題されています。
消火器の放射性能について、次のうち正しいものはどれ?
(1)放射時間は、温度10℃において20秒以上であること。
(2)放射時間は、温度20℃において30秒以上であること。
(3)充塡された消火剤の容量又は質量の90%(化学泡消火薬剤にあっては85%)以上の量を放射できるものであること。
(4)充塡された消火剤の容量又は質量の85%(化学泡消火薬剤にあっては80%)以上の量を放射できるものであること。
◎ 消火器の使用温度範囲
消火器は以下の温度範囲において正常の操作でき、かつ消火および放射の機能を有効に発揮する性能のものでなければなりません。
消火器の使用温度範囲
こんな過去問が出題されています。
消火器の種別毎に規定された使用温度範囲について、次のうち正しいものはどれ?
(1)化学泡消火器‥5℃以上40℃以下
(2)粉末消火器‥5℃以上40℃以下
(3)二酸化炭素消火器‥5℃以上40℃以下
(4)強化液消火器‥5℃以上40℃以下
◎ 蓄圧式消火器の気密性
蓄圧式の消火器は、消火剤を充塡した状態で、使用温度範囲の上限の温度に24時間放置してから使用温度範囲の下限の温度に24時間放置することを3回繰り返した後に温度20℃の空気中に24時間放置した場合において、圧縮ガス及び消火剤が漏れを生じないものでなければなりません。
こんな過去問が出題されています。
蓄圧式消火器の気密試験に関する次の記述の空欄部分に該当する語句の組み合わせで、次のうち正しいものはどれ?
「蓄圧式の消火器は、消火剤を充塡した状態で、使用温度範囲の上限の温度に( A )放置してから使用温度範囲の下限の温度に( B )放置することを( C )繰り返した後に温度( D )の空気中に24時間放置した場合において、圧縮ガス及び消火剤が漏れを生じないものでなければなりません。」
A | B | C | D | |
(1) | 24時間 | 24時間 | 3回 | 20℃ |
(2) | 24時間 | 24時間 | 5回 | 30℃ |
(3) | 12時間 | 12時間 | 3回 | 20℃ |
(4) | 12時間 | 12時間 | 5回 | 30℃ |
◎ 二酸化炭素消火器の充てん比
二酸化炭素消火器の本体容器の内容積は、充てんする液化炭酸の質量1kgにつき1,500c㎥以上の容積としなければなりません。
上式に基づき、充てん比1.5以上と呼ばれます。
参考消火器の技術上の規格を定める省令 第12条の2〔蓄圧式の消火器の気密性〕
こんな過去問が出題されています。
二酸化炭素消火器に充てんする液化炭酸の充てん比について、次のうち正しいものはどれ?
(1)0.5以上
(2)1.0以上
(3)1.5以上
(4)2.0以上
◎ 消火器の塗色
消火器の外面は、その25%以上を赤色仕上げとしなければならないと規定されています。
加えて、高圧ガス保安法の適用を受ける以下の消火器については、それぞれ外面の1/2以上を規定の色に塗色します。
- 二酸化炭素消火器‥50%以上を緑色に塗色
- ハロン1301消火器‥50%以上をねずみ色に塗色
こんな過去問が出題されています。
消火器(住宅用消火器を除く)の外面における塗色の規定について、次のうち誤っているものはどれ?
(1)粉末消火器‥50%以上赤色
(2)二酸化炭素消火器‥50%以上緑色、残り20%以上赤色
(3)ハロン1301消火器‥50%以上ねずみ色、残り20%以上赤色
(4)強化液消火器‥25%以上赤色
◎ 消火器の表示
消火器には、その見やすい位置に次の各号に掲げる事項を記載した簡明な表示をしなければなりません。
消火器の表示
- 一 水消火器、酸アルカリ消火器、強化液消火器、泡消火器、ハロゲン化物消火器、二酸化炭素消火器又は粉末消火器の区別
- 二 住宅用消火器でない旨
- 三 加圧式の消火器又は蓄圧式の消火器の区別
- 四 使用方法(手さげ式の消火器及び据置式の消火器にあっては、併せて図示すること。)
- 五 使用温度範囲
- 六 B火災(変圧器、配電盤その他これらに類する電気設備の火災(以下「電気火災」という。)を除く。)又は電気火災に使用してはならない消火器にあっては、その旨
- 七 A火災又はB火災に対する能力単位の数値
- 八 放射時間
- 九 放射距離
- 十 製造番号
- 十一 製造年
- 十二 製造者名
- 十三 型式番号(自動車用消火器を除く。)
- 十四 第十二条第一項第一号に規定する試験に用いた圧力値
- 十五 安全弁の作動圧力値
- 十六 充塡された消火剤の容量又は質量
- 十七 総質量(充塡された消火剤を容量で表わすものを除く。)
- 十八 ホースの有効長(据置式の消火器に限る。)
- 十九 取扱い上の注意事項として次に掲げる事項
イ 加圧用ガス容器に関する事項(加圧式の消火器に限る。)
ロ 指示圧力計に関する事項(蓄圧式の消火器に限る。)
ハ 標準的な使用条件の下で使用した場合に安全上支障がなく使用することができる標準的な期間又は期限として設計上設定される期間又は期限
ニ 使用時の安全な取扱いに関する事項
ホ 維持管理上の適切な設置場所に関する事項
ヘ 点検に関する事項
ト 廃棄時の連絡先及び安全な取扱いに関する事項
チ その他取扱い上注意すべき事項
ーーー
こんな過去問が出題されています。
消火器本体に表示する事項について、次のうち誤っているものはどれ?
(1)A火災・B火災およびC火災に対する能力単位の数値
(2)放射時間
(3)放射距離
(4)製造者名
適応火災の表示
消火器には、見やすい位置に適応火災の表示をしなければなりません。
火災の区分 | 絵表示 | 絵表示の色 |
A火災 | 炎は赤色、可燃物は黒色とし、地色は白色とする。 | |
B火災 | 炎は赤色、可燃物は黒色とし、地色は黄色とする。 | |
電気火災 | 電気の閃光は黄色とし、地色は青色とする。 |
絵表示の大きさは、充塡する消火剤の容量又は質量が、2ℓまたは3kg以下のものにあっては半径1cm以上、2ℓまたは3kgを超えるものにあっては半径1.5cm以上の大きさとする。
こんな過去問が出題されています。
消火器の適応火災の表示について、次のうち正しいものはどれ?
(1)充塡する消火剤の容量又は質量が、2ℓまたは3kg以下のものにあっては半径1cm以上、2ℓまたは3kgを超えるものにあっては半径1.5cm以上の大きさとする。
(2)充塡する消火剤の容量又は質量が、2ℓまたは3kg未満のものにあっては半径1cm以上、2ℓまたは3kgを超えるものにあっては半径1.5cm以上の大きさとする。
(3)充塡する消火剤の容量又は質量が、2ℓまたは3kg以下のものにあっては半径1cm以上、2ℓまたは3kgを超えるものにあっては半径2cm以上の大きさとする。
(4)充塡する消火剤の容量又は質量が、2ℓまたは3kg未満のものにあっては半径1cm以上、2ℓまたは3kgを超えるものにあっては半径2cm以上の大きさとする。
旧規格消火器
旧規格の適応火災表示である消火器は既に型式失効しており、継続的に設置できるのは2021年12月31日までとなっています。
参考旧規格消火器が継続的に設置できるのは2021年12月31日まで
◎ 消火器の部品に関する規格
キャップなど(減圧孔)
キャップもしくはプラグまたは口金には、充塡その他の目的でキャップ又はプラグをはずす途中において本体容器内の圧力を完全に減圧することができるように有効な減圧孔又は減圧溝を設けなければなりません。
参考消火器の技術上の規格を定める省令 第13条(キャップ、プラグ、口金及びパッキン)
こんな過去問が出題されています。
消火器のキャップ等に関する次の記述ついて、次のうち誤っているものはどれ?
(1)キャップ又はプラグは、第十二条第一項第一号に規定する試験を行って場合において、漏れを生ぜず、かつ、著しい変形を生じないこと。
(2)キャップ若しくはプラグ又は口金には、充塡その他の目的でキャップ又はプラグをはずす途中において本体容器内の圧力を完全に減圧することができるように有効な減圧孔又は減圧溝を設けること。
(3)キャップ又はプラグは、減圧が完了するまでの間は、本体容器内の圧力に耐えることができること。
(4)パッキンは、充塡された消火剤に侵されないものであって、かつ、消火器を使用温度範囲外で使用した場合でも、当該消火器の機能に悪影響を与えないものであること。
ホース
消火器にはホースを取り付けなければなりませんが、以下の3つについては例外としてホースを取り付けなくてもよいことになっています。
- ハロゲン化物消火器でその消火剤の質量が四キログラム未満のもの
- 粉末消火器でその消火剤の質量が一キログラム以下のもの
- 住宅用消火器
こんな過去問が出題されています。
次の消火器のうち、ホースを取り付けなくてもよいものはどれ?
(1)ハロゲン化物消火器でその消火剤の質量が5kg未満のもの
(2)二酸化炭素消火器でその消火剤の質量が4kg未満のもの
(3)強化液消火器でその消火剤の質量が2kg以下のもの
(4)粉末消火器でその消火剤の質量が1kg以下のもの
消火器のホースは、次の各号に適合するものでなければなりません。
- 本体容器の耐圧試験を行なった場合において、漏れを生ぜず、かつ著しい変形を生じないこと。
- 長さは、消火剤を有効に放射するに足るものであること。(据置式の消火器にあっては、有効長が10m以上であること)
- 使用温度範囲で耐久性を有するものであって、かつ、円滑に操作できるものであること。
- ホースを延長して使用するものにあっては、延長の操作により変形、き裂その他の異常を生じないものであること。
据置式の消火器
SECOM社が据置式消火器「トマホークマッハⅡ」を販売しています。
消火器本体を移動させず、ノズルを持ってホースを伸ばすことで消火活動が行えるため、本体を持ち上げられない女性や高齢者も使用できます。
参考https://www.secom.co.jp/flashnews/backnumber/20130820.html
こんな過去問が出題されています。
消火器のホースに関する以下の記述のうち、誤っているものはどれ?
(1)本体容器の耐圧試験を行なった場合において、漏れを生ぜず、かつ著しい変形を生じないこと。
(2)長さは、消火剤を有効に放射するに足るものであること。(移動式の消火器にあっては、有効長が10m以上であること)
(3)使用温度範囲で耐久性を有するものであって、かつ、円滑に操作できるものであること。
(4)ホースを延長して使用するものにあっては、延長の操作により変形、き裂その他の異常を生じないものであること。
ノズル
消火器(車載式の消火器を除く)のノズルには、開閉式及び切替式の装置を設けてはなりません。
ただし、据置式の消火器及び背負式の消火器のノズルにあっては、開閉式の装置を設けることができます。
参考消火器の技術上の規格を定める省令 第十六条、大型粉末消火器の使用方法について 大阪市旭区
こんな過去問が出題されています。
消火器のノズルに関する以下の記述のうち、誤っているものはどれ?
(1)粉末ABC消火器10型のノズルには、開閉式及び切替式の装置を設けてはならない。
(2)車載式消火器50型のノズルには、開閉式及び切替式の装置を設けてはならない。
(3)据置式消火器のノズルには、開閉式の装置を設けることができる。
(4)背負式消火器のノズルには、開閉式の装置を設けることができる。
ろ過網
ホース・ノズルの目詰まりを防ぐための「ろ過網」は、化学泡消火器に設けられます。
ろ過網の規格
こんな過去問が出題されています。
ろ過網に関する以下の記述のうち、誤っているものはどれ?
(1)ホース・ノズルの目詰まりを防ぐために設けられる。
(2)ろ過網の目の最大径は、ノズルの最小径の1/4以下であること。
(3)ろ過網の目の部分の合計面積は、ノズルの開口部の最小断面積の30倍以上であること。
(4)ろ過網は化学式消火器にのみ設けられ、機械泡消火器には設けられていない。
安全栓
消火器には、不時の作動を防止するため安全栓を設けなければなりません。
ただし、手動ポンプにより作動する水消火器又は転倒の一動作で作動する消火器については、この限りでない。
安全栓は、一動作で容易に引き抜くことができ、かつ、その引き抜きに支障のない封が施されていなければなりません。
また、手さげ式の消火器のうち押し金具をたたく一動作及びふたをあけて転倒させる動作で作動するもの以外の消火器並びに据置式の消火器の安全栓については以下の規定があります。
安全栓の規格
- 一 内径が2cm以上のリング部、軸部及び軸受部より構成されていること。
- 二 装着時において、リング部は軸部が貫通する上レバーの穴から引き抜く方向に引いた線上にあること。
- 三 リング部の塗色は、黄色仕上げとすること。
- 四 材質は、JISG4309(ステンレス鋼)のSUS304に適合し、又はこれと同等以上の耐食性及び耐候性を有すること。
- 五 上方向(消火器を水平面上に置いた場合、垂直軸から30°以内の範囲をいう。)に引き抜くよう装着されていること。
- 六 安全栓に衝撃を加えた場合及びレバーを強く握った場合においても引き抜きに支障を生じないこと。
- 七 引き抜く動作以外の動作によっては容易に抜けないこと。
こんな過去問が出題されています。
手さげ式消火器の安全栓に関する以下の記述のうち、誤っているものはどれ?
(1)内径が2.5cm以上のリング部、軸部及び軸受部より構成されていること。
(2)リング部の塗色は、黄色仕上げとすること。
(3)上方向(消火器を水平面上に置いた場合、垂直軸から30°以内の範囲をいう。)に引き抜くよう装着されていること。
(4)安全栓に衝撃を加えた場合及びレバーを強く握った場合においても引き抜きに支障を生じないこと。
使用済み表示装置
手さげ式の消火器には使用した場合、自動的に作動して使用済であることが判別できる装置を設けなければなりません。
ただし、以下の消火器に使用済み表示装置は必要ありません。
使用済み表示装置が不要な消火器
こんな過去問が出題されています。
手さげ式消火器のうち、使用済み表示装置を設けなければならないものとして誤っているものはどれ?
(1)指示圧力計のある蓄圧式粉末消火器
(2)指示圧力計のない加圧式粉末消火器
(3)指示圧力計のある蓄圧式強化液消火器
(4)バルブを有しない加圧式粉末消火器
安全弁
安全弁とは、本体容器の圧力が異常に上昇した時に減圧するためのものです。
安全弁の規格
- 一 本体容器内の圧力を有効に減圧することができること。
- 二 みだりに分解し、又は調整することができないこと。
- 三 次項に規定する安全弁の取付ねじは、JISB0202に適合し、かつ、パッキンをはめ込んだ場合において、確実に取付部にかみ合うこと。
- 四 封板式のものにあっては、噴き出し口に封を施すこと。
- 五 「安全弁」と表示すること。
こんな過去問が出題されています。
消火器の安全弁に関する次の記述のうち、誤っているものはどれ?
(1)本体容器内の圧力を有効に減圧することができること。
(2)分解および清掃を容易に行える構造であること。
(3)封板式のものにあっては、噴き出し口に封を施すこと。
(4)「安全弁」と表示すること。
指示圧力計
蓄圧式の消火器(二酸化炭素消火器およびハロン1301消火器を除く。)には、指示圧力計を設けなければなりません。
指示圧力計の規格
- 一 指示圧力計の指示圧力の許容誤差は、使用圧力の範囲の圧力値の上下10%以内であること。
- 二 指標は、見やすいものであること。
- 三 指針及び目盛り板は、耐食性を有する金属であること。
- 四 圧力検出部及びその接合部は、耐久性を有すること。
- 五 ケースは、温度60℃の温水中に20分間浸す試験を行った場合において、漏れがなく、かつ圧力がケース内に閉そくされた場合に有効に減圧することができる構造であること。
- 六 圧力検出部の材質、使用圧力範囲(単位:MPa)及び「〇消」の記号を表示すること。
- 七 使用圧力の範囲を示す部分を緑色で明示すること。
- 八 指示圧力計の取付ねじは、JISB0202に適合し、かつ指示圧力計を取り付けた場合において、確実に取付部にかみ合うものであること。
- 九 外部からの衝撃に対し保護されていること。
ーーー
こんな過去問が出題されています。
消火器の指示圧力計に関する次の記述のうち、誤っているものはどれ?
(1)指示圧力の許容誤差は、使用圧力の範囲の圧力値の上下10%以内であること。
(2)ケースは、温度60℃の温水中に20分間浸す試験を行った場合において、漏れがなく、かつ圧力がケース内に閉そくされた場合に有効に減圧することができる構造であること。
(3)使用圧力の範囲を示す部分を赤色で明示すること。
(4)圧力検出部の材質、使用圧力範囲(単位:MPa)及び「〇消」の記号を表示すること。
◎ 消火薬剤の規格
消火薬剤は、著しい毒性又は腐食性を有しないものであって、かつ著しい毒性又は腐食性のあるガスを発生しないものでなければなりません。
強化液消火薬剤
強化液消火薬剤は、次の各号に適合するアルカリ金属塩類等の水溶液でなければなりません。
強化液消火薬剤の規格
- アルカリ金属塩類の水溶液にあってはアルカリ性反応を呈すること。
- 凝固点が零下20℃以下であること。
- 強化液消火器用の粉末状のアルカリ金属塩類等は、水に溶けやすいものであること。
- 消火器を正常な状態で作動した場合において放射される強化液は、防炎性を有すること。
ーーー
こんな過去問が出題されています。
強化液消火薬剤の規格に関する次の記述のうち、誤っているものはどれ?
(1)アルカリ金属塩類の水溶液にあってはアルカリ性反応を呈すること。
(2)凝固点が零下20℃以下であること。
(3)強化液消火器用の粉末状のアルカリ金属塩類等は、水に溶けにくいものであること。
(4)消火器を正常な状態で作動した場合において放射される強化液は、防炎性を有すること。
粉末消火薬剤
粉末消火薬剤は、防湿加工を施したナトリウムもしくはカリウムの重炭酸塩その他の塩類又はりん酸塩類・硫酸塩類その他防炎性を有する塩類で、次の各号に適合するものでなければなりません。
粉末消火薬剤の規格
- 呼び寸法180μm以下の消火上有効な微細な粉末であること。
- 温度30℃及び相対湿度60%の恒温恒湿槽中に48時間以上恒量になるまで静置した後に、温度30度及び相対湿度80%の恒温恒湿槽そう中に48時間静置する試験において、質量増加率が2%以下であること。
- 水面に均一に散布した場合において、一時間以内に沈降しないこと。
- りん酸塩類等には淡紅色系の着色を施すこと。
こんな過去問が出題されています。
粉末消火薬剤の規格に関する次の記述のうち、誤っているものはどれ?
(1)呼び寸法180μm以上の消火上有効な微細な粉末であること。
(2)水面に均一に散布した場合において、一時間以内に沈降しないこと。
(3)りん酸塩類等には淡紅色系の着色を施すこと。
(4)防湿加工を施したナトリウムもしくはカリウムの重炭酸塩その他の塩類又はりん酸塩類・硫酸塩類その他防炎性を有する塩類であること。
泡消火薬剤
泡消火薬剤は防腐処理を施したものであり、耐火性を持続することができるものであるものと規定されています。
温度20℃の消火薬剤を充填した消火器から放射される泡の容量は、以下の通り規定されています。
化学泡消火薬剤
- 手さげ式および背負式消火器‥消火薬剤の容量の7倍以上
- 車載式消火器‥消火薬剤の容量の5.5倍以上
機械泡消火薬剤
- 消火薬剤の容量の5倍以上
浸潤剤(しんじゅんざい)等
消火薬剤には、浸潤剤・不凍剤その他消火薬剤の性能を高め、または性状を改良するための薬剤を混和し、または添加することができる。
こんな過去問が出題されています。
消火薬剤の規格に関する次の記述のうち、誤っているものはどれ?
(1)消火薬剤は、著しい毒性又は腐食性を有しないものであって、かつ著しい毒性又は腐食性のあるガスを発生しないものでなければならない。
(2)車載式化学泡消火器は、温度20℃の消火薬剤を充填した消火器から放射される泡の容量が消火薬剤の容量の5.5倍以上であること。
(3)機械泡消火器は、温度20℃の消火薬剤を充填した消火器から放射される泡の容量が消火薬剤の容量の7倍以上であること。
(4)消火薬剤には、浸潤剤・不凍剤その他消火薬剤の性能を高め、または性状を改良するための薬剤を混和し、または添加することができる。