レッスン3-4:毒物・劇物の鑑別(有機)

毒劇先生青木さん、今回は有機毒劇物の鑑別。特徴的な色反応がキーワード!
💪実力試し(3問)
問題1
フェノールの鑑別反応として正しいものはどれか。
- 塩化鉄(III)で紫色
- ヨウ素で青紫色
- 硝酸銀で白沈殿
- さらし粉で青色
解答と解説を見る
正解:1
解説:フェノール類(-OHを持つ芳香族)はFeCl₃水溶液で紫色を呈する(エノール性構造の特徴)。
間違えやすいポイント:FeCl₃紫色=フェノール類、ヨウ素青紫=デンプン、さらし粉紫=アニリン。
問題2
アニリンの鑑別反応として正しいものはどれか。
- NaOHで白沈殿
- さらし粉で紫色
- FeCl₃で赤色
- AgNO₃で黒沈殿
解答と解説を見る
正解:2
解説:アニリン C₆H₅NH₂はさらし粉(次亜塩素酸カルシウム)で紫色。さらに二クロム酸で黒(アニリンブラック、染料)。
間違えやすいポイント:アニリン=さらし粉紫色、フェノール=FeCl₃紫色。どちらも紫色だが試薬が違う!
問題3
ホルムアルデヒド(ホルマリン)の鑑別反応として正しいものはどれか。
- アンモニア性硝酸銀で銀鏡反応
- FeCl₃で紫色
- KIで赤色
- NaClで沈殿
解答と解説を見る
正解:1
解説:ホルムアルデヒドはアルデヒド基-CHOを持つため、アンモニア性硝酸銀(トレンス試薬)で銀鏡反応(銀が析出)。フェーリング反応でもCu₂O赤沈殿。
間違えやすいポイント:アルデヒド=銀鏡反応・フェーリング反応(還元性)。アセトン(ケトン)は反応しない。
🔰基礎教養学習
⓪ 有機毒劇物の代表鑑別反応一覧
| 物質 | 試薬 | 反応 |
| フェノール | FeCl₃ | 紫色 |
| クレゾール | FeCl₃ | 紫色(フェノール類の反応) |
| アニリン | さらし粉 | 紫色 |
| アニリン | K₂Cr₂O₇ | 黒色(アニリンブラック) |
| ホルムアルデヒド | アンモニア性AgNO₃ | 銀鏡反応 |
| アセトアルデヒド | フェーリング液 | Cu₂O赤沈殿 |
| メタノール | サリチル酸+濃H₂SO₄ | 赤色(サリチル酸メチル生成) |
| シュウ酸 | KMnO₄酸性 | 脱色(CO₂発生) |
| シュウ酸 | CaCl₂ | 白沈殿(CaC₂O₄) |
| クロロホルム | レゾルシノール+NaOH加熱 | 赤色 |
| ピクリン酸 | KCN | 赤色 |
| ニコチン | ヨウ素 | 茶色沈殿 |
① フェノール類の鑑別
-OHを持つ芳香族(フェノール・クレゾール・カテコール等)は、FeCl₃水溶液で紫色〜青紫色を呈する。エノール性-OHの特徴的反応で、アルコール(-OH持つ脂肪族)は反応しない。
② アニリン(芳香族アミン)の鑑別
- さらし粉(CaCl(OCl)):紫色
- 二クロム酸カリウム(K₂Cr₂O₇):黒色(アニリンブラック、染料原料)
- ジアゾ化 + アルカリ性β-ナフトール:赤色染料(カップリング反応)
③ アルデヒドの鑑別(還元性)
| 試薬 | 反応名 | 結果 |
| アンモニア性AgNO₃ | 銀鏡反応(トレンス試薬) | 銀析出→鏡面 |
| フェーリング液 | フェーリング反応 | Cu₂O赤沈殿 |
| ヨードホルム反応 | I₂+NaOH | アセトアルデヒド+エタノールで黄沈殿CHI₃ |
④ メタノールの鑑別
サリチル酸 + 濃硫酸で加熱→サリチル酸メチルが生成(赤色、湿布の香り)。エタノールだとサリチル酸エチル(異なる反応)になるので区別可能。
⑤ シュウ酸の鑑別
- KMnO₄酸性溶液:脱色(シュウ酸がKMnO₄を還元)
- CaCl₂:白沈殿(CaC₂O₄)
- 硫酸+熱:CO+CO₂発生
✅理解度チェックテスト(3問)
チェック1(○✕)
次の記述は正しいか誤りか、○✕で答えてください。
「フェノール類は塩化鉄(III)水溶液を加えると紫色を呈する。」
答えを見る
正解:○(正しい)
解説:正しい。FeCl₃+フェノール類→紫色は超頻出の鑑別反応。
チェック2(穴埋め)
次の文の【 】に入る最も適切な語句を選んでください。
ホルムアルデヒドはアンモニア性硝酸銀水溶液で【 】反応を示す。
- 青変
- 銀鏡
- 沈殿
- 発熱
答えを見る
正解:2
解説:銀鏡反応。銀イオンが還元されて金属銀が析出し、鏡面を作る。
チェック3(4択)
アニリンをさらし粉で鑑別すると何色を示すか。
- 赤色
- 青色
- 紫色
- 黄色
答えを見る
正解:3
ポイント:アニリン+さらし粉→紫色。芳香族アミンの代表的鑑別反応。
深掘り解説
テーマ1:FeCl₃反応の原理
フェノール類の-OHはフェノキシド(-O⁻)になりやすく、Fe³⁺と錯形成して紫色の錯イオンを作る。アルコールは-OHが弱酸性でないためこの反応が起こらない。
テーマ2:銀鏡反応とフェーリング反応
アルデヒドの還元性を利用した鑑別。アルデヒド + Ag⁺ → 銀析出(鏡面)、アルデヒド + Cu²⁺ → Cu₂O赤沈殿。ケトンは還元性がなく反応しない(区別できる)。
テーマ3:ヨードホルム反応
CH₃CO- または CH₃CH(OH)-構造を持つ化合物(アセトアルデヒド・アセトン・エタノール等)はI₂+NaOH処理で黄色のヨードホルム CHI₃ 沈殿生成。メタノールやホルムアルデヒドはこの構造を持たず反応しない(区別可能)。
🥊過去問演習(全10問)
📝まとめと次の学習へのつなぎ
今回の学習ポイント
- フェノール類:FeCl₃で紫色
- アニリン:さらし粉で紫色
- アルデヒド:銀鏡反応・フェーリング反応(還元性)
- メタノール:サリチル酸+H₂SO₄で赤色
- シュウ酸:KMnO₄脱色・CaCl₂白沈殿
毒劇先生物質と特異試薬の組合せを色とセットで暗記!
次回予告:レッスン3-5「毒物・劇物の取扱(保管)」
次回は保管方法。物質ごとの最適保管条件を学びます。
📍 他のレッスンへ
章全体の学習進度はサイドバーからも確認できます。前後のレッスンで関連事項を横断的に復習しましょう。

