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【過去問】潮解性・風解性・昇華性とは?該当する毒物劇物を解説|毒物劇物取扱者

消防設備士

青木さん、今回は潮解性・風解性・昇華性。貯蔵方法と鑑別の両方で効いてくる性質です。

強欲な青木

潮解と風解、いつも逆に覚えてまう。

消防設備士

多いです。潮解=湿る、風解=乾く。これだけ先に押さえましょう。

💪実力試し(3問)

問題1

潮解性を有する物質はどれか。

  1. 硫酸銅(II)五水和物
  2. 水酸化ナトリウム
  3. 沃素
  4. 蓚酸二水和物
解答と解説を見る

正解:2

解説:水酸化ナトリウムは潮解性があり、空気中の水分と二酸化炭素を吸収して溶けたようになる。だから密栓保存する。

間違えやすいポイント:硫酸銅(II)五水和物と蓚酸二水和物は風解性、沃素は昇華性。3つとも別の性質。

問題2

風解性の説明として正しいものはどれか。

  1. 空気中の水分を吸って溶けること
  2. 結晶水を失って粉末になること
  3. 固体から直接気体になること
  4. 光により変色すること
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正解:2

解説:風解とは結晶水をもつ物質が空気中で結晶水を失い、白い粉末になる現象。硫酸銅(II)五水和物は濃い藍色の結晶から白色粉末に変わる。

間違えやすいポイント:1は潮解、3は昇華。硫酸銅の色の変化(藍色→白)は鑑別問題でもそのまま出る。

問題3

毒物及び劇物取締法第3条の4により、業務その他正当な理由による場合を除いて所持が禁止されているものはどれか。

  1. メタノール
  2. トルエン
  3. ピクリン酸
  4. クロロホルム
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正解:3

解説:ピクリン酸は爆発性があるため、政令で所持が制限されている。ほかに亜塩素酸ナトリウム(30%以上)、塩素酸塩類(35%以上)、ナトリウムが該当する。

間違えやすいポイント:トルエンとメタノールは第3条の3(興奮・幻覚・麻酔=シンナー乱用)の対象。3条の3と3条の4は別物なので混同しない。

🔰基礎教養学習

⓪ 3つの性質を一言で

性質何が起きるか貯蔵での対応
潮解性空気中の水分を吸って湿り、溶けたようになる密栓する
風解性結晶水を失って乾いた白い粉末になる密栓する
昇華性固体から直接気体になる密栓する
強欲な青木

対応は3つとも密栓なんか。

消防設備士

はい。空気に触れさせないという点では同じです。分かれるのは鑑別のときです。

① 潮解性のある毒物劇物

水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、塩化亜鉛、塩素酸ナトリウム、重クロム酸ナトリウム、無水クロム酸、酢酸タリウム、亜硝酸カリウム、シアナミド、モノクロル酢酸、硝酸バリウム、三塩化チタン

覚え方は、水酸化ナトリウム・水酸化カリウム・塩化亜鉛・無水クロム酸の4つを核にすること。ここが繰り返し出ます。

② 風解性のある毒物劇物

物質名変化
硫酸銅(II)五水和物(胆ばん)濃い藍色の結晶 → 白い粉末(150℃で結晶水を失う)
蓚酸二水和物無色の結晶 → 白い粉末
炭酸ナトリウム十水和物無色の結晶 → 白い粉末

風解するのは結晶水(・nH₂O)を持つ物質だけです。化学式に「・5H₂O」「・2H₂O」と書かれていたら風解性を疑ってください。

③ 昇華性のある毒物劇物

沃素、三酸化二砒素(亜砒酸)、塩化第一水銀、塩化第二水銀、ピクリン酸

沃素は熱すると紫色の蒸気になります。この色が鑑別でそのまま問われます。三酸化二砒素は200℃付近で昇華します。

潮解性・風解性・昇華性の比較図

④ 引火性・発火性・爆発性

性質物質名注意点
引火性四アルキル鉛、二硫化炭素、アクリルニトリル、アクロレイン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール火気厳禁。蒸気は空気より重く低所に滞留する
発火性黄燐、ナトリウム、カリウム、燐化水素、モノゲルマン黄燐は水中、ナトリウム・カリウムは石油中に貯蔵
爆発性ピクリン酸、亜塩素酸ナトリウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム急熱・打撃で爆発。金属製容器を使わない

⑤ 法第3条の4との関係

爆発性・発火性のある物質のうち、次の4つは業務その他正当な理由がなければ所持できません(施行令第32条の3)。

物質濃度の条件
亜塩素酸ナトリウム及びこれを含有する製剤30%以上
塩素酸塩類及びこれを含有する製剤35%以上
ナトリウム(濃度の条件なし)
ピクリン酸(濃度の条件なし)

この4つを交付するときは、相手の氏名と住所を確認し、帳簿に記載して5年間保存する義務があります(法第15条第2項・第3項)。

消防設備士

性状の話がそのまま法規につながります。爆発性だから所持が制限される、という理屈で覚えると忘れません。

⑥ 引っかけポイント

その1:潮解と風解は逆
潮解は水を吸う、風解は水を失う。「潮」は満ち潮の潮で水が来るイメージ、と結びつけると間違えません。

その2:蓚酸は風解も昇華もする
蓚酸二水和物は乾燥空気中で風解し、さらに加熱すると昇華します。「どちらか一方」と決めつけない。

その3:ピクリン酸は昇華性かつ爆発性
性質が2つ重なる代表例。貯蔵では金属容器を使わず、乾燥させない(水を含ませておく)。

その4:3条の3と3条の4は別
3条の3は興奮・幻覚・麻酔(トルエン等のシンナー乱用)、3条の4は引火性・発火性・爆発性(ピクリン酸等の所持)。条文番号で混乱しやすい。

その5:黄燐は水中、ナトリウム・カリウムは石油中
どちらも発火性ですが保存する液体が逆。ナトリウムは水と激しく反応するので水中に入れてはいけません。

強欲な青木

潮解=湿る、風解=乾く。これだけは絶対に忘れんとくわ。

🥊過去問演習(全10問)

Q1. 潮解性を有する物質はどれか。

Q2. 風解の説明として正しいものはどれか。

Q3. 昇華性を有する物質はどれか。

Q4. 黄燐の貯蔵方法として正しいものはどれか。

Q5. 毒物及び劇物取締法第3条の4により、業務その他正当な理由による場合を除いて所持が禁止されているものはどれか。

Q6. 法第3条の4の政令で定める物のうち、亜塩素酸ナトリウムの濃度要件として正しいものはどれか。

Q7. 次のうち、風解性を有する物質の組合せとして正しいものはどれか。

Q8. ナトリウム及びカリウムの貯蔵方法として正しいものはどれか。

Q9. 潮解性を有する物質として誤っているものはどれか。

Q10. 引火性を有する物質として正しいものはどれか。

目次

📝 まとめ

潮解・風解・昇華はいずれも「空気に触れると変化する」性質で、対応はどれも密栓です。分かれるのは何が起きるかで、潮解は湿り、風解は結晶水を失って乾き、昇華は気体になります。

引火性・発火性・爆発性は貯蔵方法と直結し、さらに法第3条の4の所持制限にもつながります。亜塩素酸ナトリウム30%以上・塩素酸塩類35%以上・ナトリウム・ピクリン酸の4つは数字ごと覚えてください。

📌 次のステップ

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📚 この科目の全体像(学習ロードマップ)

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この記事を書いた人

高専から大学院まで9年間にわたり化学を専攻。
消防整備士として10年の実務経験を積み、独立・起業。

消防設備士全類、危険物取扱者全類をはじめ、第二種電気工事士、AI・DD総合種、第三種電気主任技術者など、多数の国家資格を保有。

神戸高等技術専門学院にて危険物取扱者 乙種第4類およびDO第3種の講師を担当。
また、月刊誌「電気と工事(オーム社)」にてコラムを連載中。

実務・教育・執筆の三軸から、専門性と実践力を兼ね備えた情報発信を行っている。

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