以下の様な外観の「破壊錠」ですが、ご覧になられた事はありますでしょうか?
操作方法についても後述しますので、もし自分が火災現場にいて避難しなければならないとしたら‥と想像して確認下さいませ。
破壊錠の仕組みと消防法上の指導
◎ 所轄消防署による指導内容
建物が消防法に則った状態かを所轄消防署が現地確認する「立入検査」にて『避難口誘導灯が設置されている扉の鍵が閉まっていて出られないので早急に改修して下さい』という指導がありました。
☝火災発生時に外へ避難する為の扉には、非常口のアレでお馴染みの避難口誘導灯が設置されています。
☝避難経路となっているドア前に障害物があった為、それについては撤去する指導がなされていました。
☝加えて、鍵が無ければ内側からも開けられない仕様になっていた為、これを非常時のみ手で開けられる物に交換する必要があったのです。
◎ 避難経路と破壊錠
大阪市火災予防条例 第54条〔避難施設等の管理〕にて、避難経路の扉における破壊錠について以下の通り謳われています。
避難口に設ける戸(そでとびら、くぐり戸の類を含む。)は、当該防火対象物の公開時間内、その他多数の者が使用している時間内は避難に際し、屋内からかぎを用いることなく解錠することができ、かつ、その解錠方法が見やすい箇所に表示されていること。
各市町村ごとに火災予防条例があり、おそらく同じ様な文言が謳われています。
◎ 破壊錠の施工
所轄消防署相談後における破壊錠の施工については、業務提携先の昭和建産西部販売㈱様に行って頂いております。
常時閉めきりで非常時のみ解錠したい場合
非常時には透明のアクリルカバーを割り、サムターンを回してドアノブを回す仕組みです。
平常時でも鍵でのみ開閉したい場合
施工前
鍵がかかっていたら内側から開けられない為、避難に支障をきたす状態でした。
施工中
破壊錠シリンダーの設置場所に開ける穴は、通常とは異なります。
施工後
非常時に、アクリルカバーを外してレバーを回すことで解錠できる仕組みになりました。
外側
その側のドアノブについては、従前と同じ仕様になっています。
◎ 破壊錠の仕組み
破壊錠を非常時に解錠する方法が付近に表示されている場合もありますが、ここでも仕組みについて確認しておきます。
step
1アクリルカバーを取る(もしくは割る)
本体にも解錠方法について記載ありますが、避難時の慌てている時でも出来る様に今一度確認しておきましょう。
step
2ツマミを矢印の方向に回す
鍵が無くても、手でドアを解錠できる仕組みとなっているのです。
【余談】「解錠」と「開錠」の違い
鍵を開ける “かいじょう” という単語を使うに際して、漢字で「解錠」と「開錠」ってどちらでも良いのかな‥と調べたら意味が異なりました!
「解錠」と「開錠」の違い
特に鍵屋さんにとっては、例えば車のキーを締め出してしまった場合に「解錠」するか「開錠」するかで手間が全然違うので使い分け必至な言葉の様です。
もし、どこかで「破壊錠」を見かけた際には『あっ、青木防災㈱が言ってたアレだ!』と想起して頂けましたら幸いです。
所轄消防署の指導に基づく是正の際は、弊社までお気軽にお声かけ下さいませ。
皆さまが利用される建物の避難経路にある扉の鍵、大丈夫ですか?
◎ まとめ
- 「立入検査」にて『避難口誘導灯が設置されている扉の鍵が閉まっていて出られないので早急に改修して下さい』という指導があった。
- 破壊錠とは「非常時のみ手で開けられる鍵」のことであり、大阪市火災予防条例 第54条〔避難施設等の管理〕の「屋内からかぎを用いることなく解錠することが‥」の部分を満たす為に役立った。
- 所轄消防署の指導に基づく是正の際は、弊社までお気軽にお声かけ頂きたかった。