記述式である実技試験が、消防設備士試験の合否を分けます。
乙種の場合「鑑別」のみで、甲種と異なり「製図」のパートがありません。
「鑑別」とは‥違いや種類により区別して見分けること。めきき。
6割以上の正答率が必須ですので、確実に突破できる実力を身につけて試験に挑みましょう。
【6類】実技(鑑別)
◎ 消火器の判定(手さげ式)
機種の名称
写真より、消火器のノズル・ホースおよび火災適応表示を見て機種を判定します。
ちなみに、こんな過去問が出題されています。
下の写真に示す消火器の名称と、その適応火災をA・B・Cで答えよ。
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| 消火器の名称 | 適応火災 |
1⃣ | 化学泡消火器 | A・B |
2⃣ | 二酸化炭素消火器 | B・C |
3⃣ | 強化液消火器 | A・B・C |
4⃣ | 機械泡消火器 | A・B |
5⃣ | 粉末ABC消火器 | A・B・C |
<解説>
1⃣の化学泡消火器は、「王冠の様なキャップの形状」から判別します。
2⃣の二酸化炭素消火器は、「ホーン握りの形状」および「赤と緑で塗られている本体の色」で判別します。
3⃣の強化液消火器は、「指示圧力計があること」および「霧状噴霧ノズルの形状」から判別します。(※蓄圧式粉末ABC消火器の外観と似ているので注意)
4⃣の機械泡消火器は、「指示圧力計があること」および「大きな発報ノズルの形状」から判別します。
5⃣粉末ABC消火器(加圧式)は、「指示圧力計が無いこと」および「ノズルの形状」から判別します。
加圧方式
消火器の加圧方式は、大きく「蓄圧式」と「加圧式」に分類されます。
さらに、加圧式には「ガス加圧式」と「反応式」の2つがあります。
ちなみに、こんな過去問が出題されています。
下の写真の消火器の加圧方式(放射圧力方式)について答えよ。
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<解説>
[ A ]の粉末ABC消火器には蓄圧ゲージがない為、ガス加圧式であると判定できます。
[ B ]の化学泡消火器は反応式であり、[ C ]の機械泡消火器は蓄圧式であると判定。
[ D ]の二酸化炭素消火器に蓄圧ゲージはありませんが、液化炭酸の気化ガスにより加圧方式である為、蓄圧式に分類されます。
使用温度範囲
消火器の使用温度範囲は【6類】構造・機能(規格)では「化学泡消火器は+5℃~-40℃」で「その他の消火器は0℃~40℃」と習いました。
しかし「正常に操作することができ、かつ消火および放射の機能を発揮できる場合は10℃単位で拡大できる」と規定されています。
実技試験の鑑別では、拡大した使用温度範囲について問われます。
- 化学泡消火器‥5~40℃
- ガス加圧式粉末消火器‥-10~40℃ or -20~40℃
- 強化液消火器‥-20~40℃
- 機械泡消火器‥-20~40℃
- 二酸化炭素消火器‥-30~40℃
- 蓄圧式粉末消火器‥-30~40℃
ちなみに、こんな過去問が出題されています。
下の写真の消火器の名称と使用温度範囲を答えよ。
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| 消火器の名称 | 使用温度範囲 |
1⃣ | ガス加圧式粉末ABC消火器 | 10~40℃ or -20~40℃ |
2⃣ | 二酸化炭素消火器 | -30~40℃ |
3⃣ | 強化液消火器 | -20~40℃ |
4⃣ | 機械泡消火器 | -20~40℃ |
5⃣ | 化学泡消火器 | 5~40℃ |
<解説>
化学泡消火器のみ5℃以下では使用不可です。二酸化炭素消火器と蓄圧式粉末消火器は-30℃まで使用可能です。
消火作用
消火器の消火作用には、主に次の3つが挙げられます。
- 冷却作用‥温度を下げて消火する。水系消火器は冷却作用があるのでA火災に適応。
- 窒息作用‥燃焼継続に必要な空気(酸素)の供給を遮断 or 酸素濃度を下げて消火する。B火災に適応。
- 抑制作用‥燃焼恵贈させている連鎖反応を遅らせる or 中断して消火する。粉末消火器の主な消火作用。
ちなみに、こんな過去問が出題されています。
下の写真の消火器の名称と消火作用および適応火災をA・B・Cで答えよ。
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| 消火器の名称 | 消火作用 | 適応火災 |
1⃣ | 化学泡消火器 | 冷却作用、窒息作用 | A、B |
2⃣ | 二酸化炭素消火器 | 窒息作用 | B、C |
3⃣ | 強化液消火器 | 冷却作用、抑制作用 | A、B、C |
4⃣ | 機械泡消火器 | 冷却作用、窒息作用 | A、B |
5⃣ | 粉末ABC消火器 | 抑制作用、窒息作用 | A、B、C |
水消火器および強化液消火器が、特に指定が無い限り「霧状」として回答します。強化液消火器は「霧状」放射の場合のみ、B・C火災に適応します。
◎ 大型消火器
大型消火器は能力単位がA-10以上またはB-20以上であり、かつ以下の消火薬剤の充てん量以上となっています。
- 化学泡消火器‥80 ℓ以上
- 強化液消火器‥60 ℓ以上
- 機械泡消火器‥20 ℓ以上
- 粉末消火器‥20 kg以上
- 二酸化炭素消火器‥50 kg以上
下の写真で、大型消火器に該当しないものを1つ選んで記号で答えよ。消火器名称下の数値は消火薬剤の充てん量を示す。
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(4)
<解説>
大型消火器の二酸化炭素消火器は、薬剤充てん量が50 kg以上とされています。
下の写真で、危険物施設に設置する第4種消火設備に該当しない消火器に該当しないものを2つ選んで記号で答えよ。消火器名称下の数値は消火薬剤の充てん量を示す。
参考MiSUMi-VONA
◎ 消火器の動作数
消火器を確実に放射するまでの動作数(保護装置から取り外す・背負う・安全栓を外す等)は、携帯または運搬方式の区分によって規定されています。
- 手さげ式(化学泡消火器を除く)‥1動作
- 化学泡消火器(手さげ式)・据置式および背負式‥2動作以内
- 車載式‥3動作以内
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参考【6類】構造・機能(規格)
写真の二酸化炭素消火器について、以下の設問に答えよ。
⑴ この消火器は、何動作以内で放射できるか答えよ。
⑵ この消火器は、何kg以上の消火薬剤を放射できなければならないか、計算式と共に答えよ。
⑶ この消火器の使用温度範囲について、規格省令上で含めなければならない範囲を答えよ。
◎ 消火器の部品
安全栓
写真の矢印➡で示す部分について、以下の設問に答えよ。
⑴ 名称を答えよ。
⑵ これを設けなければならない理由を答えよ。
⑶ 手さげ式の消火器のうち、これを取り付けなくてもよいものを答えよ。
指示圧力計
写真の矢印➡で示す部分について、以下の設問に答えよ。
⑴ 矢印Aの名称を答えよ。
⑵ 矢印Aの機器を取りくけなくてもよい蓄圧式消火器の種類を全て答えよ。
⑶ 矢印B(BeCu)は、ある部分の材質を表している。その “ある部分” の名称と “BeCu” の意味を以下の選択肢から記号で答えよ。
- ア:ステンレス鋼
- イ:黄銅
- ウ:リン青銅
- エ:ベリリウム銅
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⑴ | 指示圧力計 |
⑵ | 二酸化炭素消火器、ハロン1301消火器 |
⑶ | ある部分の名称:ブルドン管(圧力検出部) | BeCuの意味:エ |
〈解説〉
蓄圧式消火器には指示圧力計を取り付けなければなりませんが、二酸化炭素消火器およびハロン1301消火器には取付け不要です。
指示圧力計の使用圧力範囲(0.7~0.98MPa)は緑色で表示されており、ブルドン管(圧力検出部)の材質の記号が表示されています。
ブルドン管の材質の記号として、以下の4つが挙げられます。
- SUS‥ステンレス鋼
- Bs‥黄銅
- PB‥リン青銅
- BeCu‥ベリリウム銅
減圧孔
写真の矢印➡で示す部分について、以下の設問に答えよ。
⑴ 矢印で示す部分の名称を答えよ。
⑵この部分の機能を答えよ。
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⑴ | 減圧孔 |
⑵ | 消火器のキャップを外す際に、本体容器内の圧力を減圧するため。 |
〈解説〉
消火器の技術上の規格を定める省令 第十三条にて、以下の通り謳われています。
四 キャップ若しくはプラグ又は口金には、充塡その他の目的でキャップ又はプラグをはずす途中において本体容器内の圧力を完全に減圧することができるように有効な減圧孔又は減圧溝を設けること。
参考【6類】構造・機能(規格)
排圧栓
写真の矢印➡で示す部分について、以下の設問に答えよ。
参考資格と旅行のブログ
⑴ 矢印で示す部分の名称を答えよ。
⑵この部分の機能を答えよ。
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〈解説〉
排圧栓がある消火器の場合、整備でフタを開ける前には必ず排圧栓を開けて残圧を抜きます。
Dr. タマ王
めっきり排圧栓のある消火器見かけんノォ‥減圧孔の方が便利じゃから。
今、弊社にあった消火器20本以上みたけど‥排圧栓ある消火器無かったわ。
管理人
圧力調整器
写真の機器について、以下の設問に答えよ。
参考ジモティー 岡山版
⑴ この部品の名称を答えよ。
⑵装着されている消火器の名称を答えよ。
⑶機能について記述せよ。
⑷一次側圧力計の指針は何を示しているか答えよ。
⑸二次側圧力計の指針は何を示しているか答えよ。
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⑴ | 部品の名称 | 圧力調整器 |
⑵ | 消火器の名称 | 大型ガス加圧式粉末消火器 |
⑶ | 機能 | 加圧用ガス容器内の高圧ガスを消火器の使用圧まで減圧して消火器本体に導入する機能。 |
⑷ | 一次側指針が示す数値 | 加圧用ガス容器内のガス圧力値。 |
⑸ | 二次側指針が示す数値 | 圧力調整後の圧力値。 |
〈解説〉
圧力調整器は、大型ガス加圧式粉末消火器の加圧用ガス容器と消火器本体の間に取り付けられています。消火器使用時に加圧用ガス容器のバルブを開くと、加圧用ガス容器内の高圧ガスが、圧力調整器内で必要な圧力に調整されてガス導入管へ送り出される仕組みです。
ガス加圧式粉末消火器の部品
図を見て、以下の設問に答えよ。
参考消火器の種類 神戸市
⑴ A~Cの名称を答えよ。
⑵B・Cの機能を答えよ。
⑶この消火器の名称を答えよ。
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⑴ | A~Cの名称 | A:加圧用ガス容器、B:逆流防止装置、C:粉上り防止封板 |
⑵ | B・Cの機能 | 粉末消火薬剤がサイホン管内に入り込み、固まることを防止する機能。 |
⑶ | 消火器の名称 | ガス加圧式粉末消火器 |
〈解説〉
ガス導入管に付いている逆流防止装置は、ガスは放出しても粉末は流入しない構造です。
加圧用ガス容器
下の加圧用ガス容器の写真について、以下の設問に答えよ。
参考ボンベ モリタ宮田工業㈱、2.1L 窒素ボンベ ESCOオンラインショップ
⑴ 高圧ガス保安法の適用を受けない容器を全て選び、記号を答えよ。
⑵ ガスの再充填が可能な容器はどれか、記号を答えよ。
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〈解説〉
高圧ガス保安法の適用を受ける容器は、以下の通り塗色されます。
- ねずみ色⇒窒素(N₂)を充填したもの
- 緑色⇒二酸化炭素(CO₂)を充填したもの
C. の外面は亜鉛メッキであり、内容積100c㎥以下であることから、高圧ガス保安法の適用を受けません。
ーーー
高圧ガス保安法の適用を受けない容器は、再充填できません。
B. の容器については作動封板付きである為、容器弁を交換することで再充填可能です。
【補足】
高圧ガス保安法の適用を受ける容器でも、例外として再充填できない「再充填禁止容器」の規定もあります。
再充填禁止容器‥高圧ガスを一度充填した後再度高圧ガスを充填することができないものとして製造された容器
参考容器保安規則 第二条
下の加圧用ガス容器の写真について、以下の設問に答えよ。
参考【6類】構造・機能(機械) 加圧用ガス容器
⑴ この加圧用ガス容器が何c㎥以下とされているか答えよ。
⑵ TW285は何を表しているか答えよ。
⑶ C60は何を表しているか答えよ。
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⑴ | 加圧用ガス容器の内容積 | 100c㎥以下 |
⑵ | TW285の意味 | ガスが充填された加圧用ガス容器の総重量が285gであること。 |
⑶ | C60 | ねじの種類が “C” で、充填ガスの質量が60gであること。 |
〈解説〉
内容積100c㎥以下の加圧用ガス容器の刻印については、以下の意味が示されています。
参考【6類】構造・機能(機械) 加圧用ガス容器
◎ 消火器毎の性能
機械泡消火器
下の写真に示す消火器について、以下の設問に答えよ。
参考機械泡(水成膜)消火器 ㈱初田製作所
⑴ 矢印で示すノズルを有する消火器の名称を答えよ。
⑵ 矢印で示すノズルの機能について記述せよ。
⑶ この消火器の消火作用を2つ答えよ。
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⑴ | 消火器の名称 | 機械泡消火器 |
⑵ | ノズルの機能 | ノズル元の空気吸入孔から空気を吸入し、機械的に泡を作る機能。 |
⑶ | 消火作用2つ | 冷却作用、窒息作用 |
〈解説〉
機械泡消火器は冷却作用でA火災に、泡の窒息作用によりB火災に適応します。
二酸化炭素消火器
下の写真に示す消火器について、以下の設問に答えよ。
参考二酸化炭素消火器 ㈱初田製作所
⑴ 矢印で示す部分の名称を答えよ。
⑵ 矢印で示す部分の機能を答えよ。
⑶ この消火器の適応火災を2つ答えよ。
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⑴ | 矢印部分の名称 | ホーン握り |
⑵ | 矢印部分の機能 | 消火器噴射時に気化熱でノズルが冷却される為、凍傷を防止する機能。 |
⑶ | 適応火災2つ | B火災(油火災)、C火災(電気火災) |
〈解説〉
二酸化炭素消火器は放出時に液化二酸化炭素が気化し、その際の気化熱でノズル部分が冷却されるのでホーン握りがついています。
下の写真に示す消火器について、以下の設問に答えよ。
参考二酸化炭素消火器 ㈱初田製作所
⑴ 矢印で示す部分の名称を答えよ。
⑵ 矢印で示す部分の機能を答えよ。
⑶ この消火器が設置できない防火対象物の用途を答えよ。
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⑴ | 矢印部分の名称 | 安全弁 |
⑵ | 矢印部分の機能 | 内圧上昇時に圧力を排出し、容器が破裂することを防ぐ。 |
⑶ | 設置できない建物用途 | (16の2)地下街、(16の3)準地下街 |
〈解説〉
二酸化炭素消火器は窒息性がある為、地下街・準地下街や地階・無窓階には設置できません。
化学泡消火器
下図に示す消火器について、以下の設問に答えよ。
参考化学泡消火器 ㈱初田製作所
⑴ A・Bで示す部分の名称を答えよ。
⑵ この消火器の名称を答えよ。
⑶ 加圧方式による分類を答えよ。
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⑴ | A・Bの名称 | A:内筒、B:外筒(本体容器) |
⑵ | 消火器の名称 | 破蓋転倒式化学泡消火器 |
⑶ | 加圧方式 | 反応式 |
参考加圧方式【6類】構造・機能(機械)
〈解説〉
図の化学泡消火器には「押し金具」がある為、内筒の蓋を押し破ってから転倒させる破蓋転倒式であると分かる。
◎ 消火器の点検
指示圧力計の点検
下の写真の蓄圧式消火器の指示圧力計は指針が使用圧力範囲(緑色範囲)より下にあり、点検時に「不良」と判定された。以下の各設問に答えよ。
⑴ 指示圧力計がこの状態になる原因を2つ挙げよ。
⑵ ⑴の原因を判定するには、どのような試験を行えばよいか答えよ。
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⑴ | 消火器が使用された。 | 圧力が漏れていた。 |
⑵ | 消火器を秤量する。(総重量より値が小さければ放射済) | 消火器を秤量する。(総重量と値が同じであれば圧漏れ) |
気密試験
下の写真は、消火器を水槽へ入れて「気密試験」を行っているものである。以下の各設問に答えよ。
⑴ この消火器の加圧方式を答えよ。
⑵ 気密試験で圧漏れが確認された場合、どのようなことが起こるか答えよ。
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⑴ | 蓄圧式 |
⑵ | 圧力が漏れている部分から、気泡が発生する。 |
機能点検
以下の消火器について、各設問に答えよ。
加圧方式 | 機能点検の対象 | 放射能力を除く項目 | 放射能力試験本数 |
( ⑴ )式 | 製造年から( ⑵ )年を経過したもの | 抜取り数 | 抜取り数の( ⑶ )%以上 |
耐圧性能試験
下図について、各設問に答えよ。
⑴ AおよびBの名称を答えよ。
⑵ どんな試験をする機器か簡潔に答えよ。
⑶ 試験の対象となる消火器を答えよ。
消火器の点検・整備に必要な器具
消火器の点検・整備を行う以下の器具について、各設問に答えよ。
⑴ A~Dの名称を答えよ。
⑵ Aの用途を答えよ。
⑶ Dの用途を答えよ。
消火器の整備作業
蓄圧式粉末消火器の整備手順に関する以下の記述について、空欄A~Dに当てはまる語句または文を答えよ。
step
1( A )して薬剤量を確認する。
step
2( B )の示度を確認する。
step
3容器内圧を排出し、( C )になったのを確認する。
step
4キャップを開け、バルブ本体を本体容器から取り出す。
step
5薬剤を( D )に移す。
step
6消火薬剤の性状を確認する。
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A | 総質量を秤量 |
B | 指示圧力計 |
C | 指示圧力計の指針が0 |
D | 別の容器 |
蓄圧式粉末消火器の整備手順に関する以下の記述について、空欄A~Dに当てはまる語句または文を答えよ。
step
1( A )により、本体容器内・バルブ・サイホン管を清掃しながら、レバーの作動が円滑か、流通部に詰まりが無いかを確認する。
step
2各部分について点検を行う⇒( B )を新しいものと交換する。
step
3消火薬剤を充填する。
step
4バルブ部分を本体容器に挿入し、キャップを十分に締める。
step
5( C )を規定圧充てんする。
step
6( D )を行う。
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A | 乾燥した圧縮空気または窒素ガス |
B | パッキン・バルブ軸 |
C | 窒素ガス |
D | 気密試験(漏れ試験) |
放射試験
写真のガス加圧式粉末消火器(総重量:5.1kg、薬剤量:3.0kg、加圧用ガス容器:B-38)の放射試験を実施し、放射後の消火器の総重量を測定したら2.6kgであった。次の各設問に答えよ。
⑴ 放射残量は何kgか答えよ。
⑵ 放射試験の良・否を判定せよ。
⑶ 判定理由を述べよ。
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⑴ | 0.538kg |
⑵ | 否 |
⑶ | 薬剤の放射率が90%未満のため |
〈解説〉
放射試験後に、総重量が5.1kg⇒2.6kgとなった為、本体容器から放射された薬剤および加圧用ガスの質量は合計で5.1kg-2.6kg=2.5kgとなります。
加圧ガスの容器記号がB38につき、加圧ガスの質量は38g=0.038kgです。よって放射された薬剤の質量は2.5kg-0.038kg=2.462kgとなります。
本体容器に残った消火薬剤である放射残量は、3kg-2.462kg=0.538kgとなります。
消火器の薬剤放射率の許容量は、充填された薬剤質量の90%以上であり、放射後の残量が10%未満でなければなりません。
よって、2.5kg×0.1(=10%)=0.25kgであり、放射残量0.538kgの方が大きい値である為、判定は「否」となります。
化学泡消火器の充てん
化学泡消火器の充てん手順に関する以下の記述について、空欄A~Dに当てはまる語句または文を答えよ。
step
1外筒・内筒の内外面およびキャップを水洗いし、特にろ過網・ホース・ノズルは水を通してよく洗う。
step
2外筒液面表示の約8割まで水を入れ、これを別の容器に移して( A )を少しずつ入れて撹拌しながら十分に溶かす。
step
3外筒に( B )を注入する。
step
4液面表示まで水を加える。
step
5内筒の約( C )の水を別の容器に移し、( D )を少しずつ入れ、撹拌しながら十分に溶かす。
step
6内筒に( E )を注入する。
step
7液面表示まで水を加える。
step
8内筒蓋をセットし、内筒を外筒へ静かに挿入する。
step
9キャップを確実に締めて、本体容器外面を水で流して掃除する。
消火器具の点検表
写真の消火器の機能点検を行った結果、異常は無かった。以下の点検票について、抜けている部分へ「◯」もしくは「/」を記入せよ。
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写真の蓄圧式粉末ABC消火器の機能点検に異常がなかった場合の報告書記入例は、以下の通りである。
〈解説〉
「内筒等」と「液面表示」および「ろ過網」については、化学泡消火器の点検項目である為「/」。
「加圧用ガス容器」と「カッター・押し金具」および「粉上り防止用封板」については、ガス加圧式粉末消火器の点検項目である為「/」。
「指示圧力計」および「サイホン管・ガス導入管」のサイホン管は蓄圧式粉末ABC消火器にある為「◯」。
「押し金具」とは‥大型消火器の加圧用ガスボンベを開封する為に、手の平で押し込むボタン部分のこと。
◎ 消火器の設置
下図の防火対象物へ条件に従って消火器を設置する場合に、次の各設問に答えよ。
単位:m
【条件】
主要構造部は耐火構造
令別表第一(5)項イ 旅館の用途
4階建て
内装仕上げは不燃材料
設置する消火器の能力単位はA-3・B-7
(※歩行距離その他の消防用設備等による設置本数の減免は考慮しない)
⑴ この防火対象物の延べ面積を計算式とともに答えよ。
⑵ 必要な能力単位を計算式とともに答えよ。
⑶ 法令上、最低限必要となる消火器の本数を計算式とともに答えよ。
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⑴ (28 × 20) × 4 = 2240 ㎡
⑵ 2240 ÷ (100 × 2) = 11.2 単位
⑶ 11.2 ÷ 3 = 3.73 ≒ 4
〈解説〉
⑴は建物の(縦 × 横)に階数の4を積算した数字が延べ面積となる。
⑵の必要能力単位について、(5)項イ 旅館は通常「延べ面積 ÷ 100㎡」で求められる。設問の条件に “耐火構造” かつ “内装制限を不燃材料(難燃材料以上)” とある為、割る数値を「100 × 2 」で倍読みできる。よって、延べ面積 ÷ 200㎡=11.2単位と導ける。
⑶の消火器必要本数は「必要な消火能力単位 ÷ 設置する消火能力単位」で導ける。よって11.2単位 ÷ 3(消火器の能力単位:Aー3)= 3.73 を切り上げた4本が最低限必要な本数となる。
参考能力単位の計算 【6類】消防関係法令(類別)
下図の防火対象物へ条件に従って消火器を設置する場合に、次の各設問に答えよ。
単位:m
【条件】
主要構造部は耐火構造
内装仕上げは不燃材料
設置する消火器の能力単位はA-3・B-7
(※歩行距離その他の消防用設備等による設置本数の減免は考慮しない)
⑴ 必要な能力単位を計算式とともに答えよ。
⑵ 法令上、最低限必要となる消火器の本数を計算式とともに答えよ。
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| 1階 | 2階 | 3階 | 4階 |
⑴ | 300 ÷ (100 × 2) = 1.5 | 300 ÷ (50 × 2) = 3 | 300 ÷ (50 × 2) = 3 | 300 ÷ (200 × 2) = 0.75 |
⑵ | 1.5 ÷ 3 = 0.5 ≒ 1本 | 3 ÷ 3 = 1本 | 3 ÷ 3 = 1本 | 0.75 ÷ 3 = 0.25 ≒ 1本 |
参考能力単位の計算 【6類】消防関係法令(類別)
消火器の付加設置
下図の防火対象物へ条件に従って消火器を設置する場合に、次の各設問に答えよ。
単位:m
【条件】
主要構造部は耐火構造
令別表第一(12)項イ 工場の用途
平屋建て
内装仕上げは不燃材料
設置する消火器の能力単位はA-3・B-7
(※歩行距離その他の消防用設備等による設置本数の減免は考慮しない)
⑴ 工場部分に設置する消火器の本数を答えよ。
⑵ ボイラー室に設置する消火器の本数を答えよ。
⑶ 変電室に設置する消火器の本数を答えよ。
⑷ 少量危険物に設置する消火器の本数を答えよ。
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⑴ 684 ÷ (100 × 2) =3.42、3.42 ÷ 3 = 1.14 (≒ 切り上げて2本)
⑵ 72 ÷ 25 = 2.88、2.88 ÷ 3 = 0.96 (≒ 切り上げて1本)
⑶ 84 ÷ 100 = 0.84、0.84 ÷ 3 =0.28 (≒ 切り上げて1本)
⑷ 少量危険物は指定数量の1/5未満の危険物である為、危険物の量 ÷ 指定数量 = 1未満 (≒ 切り上げて1本)
参考能力単位の計算 【6類】消防関係法令(類別)、消防法施行規則 第6条〔大型消火器以外の消火器具の設置〕
〈解説〉
⑵のボイラー室は多量火気使用場所に該当する為、必要消火能力単位は「床面積 ÷ 25 ㎡」で求めます。
5 第一項の防火対象物又はその部分に鍛造場、ボイラー室、乾燥室その他多量の火気を使用する場所があるときは、前四項の規定によるほか、令別表第二において建築物その他の工作物の消火に適応するものとされる消火器具を、その能力単位の数値の合計数が、当該場所の床面積を25㎡で除して得た数以上の数値となるように設けなければならない。
参考消防法施行規則 第6条〔大型消火器以外の消火器具の設置〕
⑶の変電室は電気設備設置場所に該当する為、必要消火能力単位は「床面積 ÷ 100 ㎡」で求めます。
4 第一項の防火対象物又はその部分に変圧器、配電盤その他これらに類する電気設備があるときは、前三項の規定によるほか、令別表第二において電気設備の消火に適応するものとされる消火器を、当該電気設備がある場所の床面積100㎡以下ごとに一個設けなければならない。
参考消防法施行規則 第6条〔大型消火器以外の消火器具の設置〕