以前、こんな質問の電話が会社宛てに掛かってきました。
消防設備士の甲種と乙種って、問題が違うんですか?
乙種2類を受けようと思っているんですけど‥
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結論から言いますと、表題の通り消防設備士の甲種と乙種の試験内容については「問・題・数」に違いがあります。
消防設備士の甲種と乙種は「問・題・数」が違います!
◎ そもそも甲種と乙種って何が違うの?
まず以下に、消防設備士免状の甲種と乙種に関する違いについて説明していきます。
【甲・乙の違い】①受験資格
乙種は受験資格なしで誰でも挑戦できるのに対して、甲種には受験資格が設けられています。
甲種の受験資格(抜粋)
- 学校教育法による大学・高等専門学校・高校又は中等教育学校において機械・電気・工業化学・土木又は建築に関する学科又は課程を卒業した者
- 乙種消防設備士免状の交付を受けた後二年以上工事整備対象設備等の整備の経験を有するもの
- 前二号に掲げる者に準ずる者として総務省令で定める者
【甲・乙の違い】②従事できる作業内容
甲種消防設備士の免状があれば工事と整備・点検の両方に携われる一方で、乙種消防設備士の免状では整備・点検のみ携わることができると限定されています。
免状ごとの独占業務
甲種‥工事および整備・点検
乙種‥整備・点検のみ
工事のない6類(消火器具)と7類(漏電火災警報器)については、乙種の免状区分しか存在しません。
【甲・乙の違い】③試験の問題数と難易度
消防設備士試験の内容自体も甲種と乙種では問題数や難易度(実技試験に製図のパートがあるか)等、若干異なります。
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◎ 甲種と乙種の問題数の違いを比較!
次に、消防設備士の甲種と乙種それぞれの「筆記試験」に関する問題数の内訳を示します。
試験科目 | 特類 | 1類 | 2類 | 3類 | 4類 | 5類 | 6類 | 7類 | |||
甲種 | A | 消防関係法令 | 共通 | 15 | 8 | 8 | 8 | 8 | 8 | ※ 乙 種 の み | |
類別 | 7 | 7 | 7 | 7 | 7 | ||||||
(小計) | 15 | 15 | 15 | 15 | 15 | ||||||
B | 基礎的知識 | 機械 | 6 | 6 | 6 | 10 | |||||
電気 | 4 | 4 | 4 | 10 | |||||||
(小計) | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | ||||||
C | 構造・機能など | 機械 | 10 | 10 | 10 | 12 | |||||
電気 | 6 | 6 | 6 | 12 | |||||||
規格 | 4 | 4 | 4 | 8 | 8 | ||||||
(小計) | 20 | 20 | 20 | 20 | 20 | ||||||
構造・機能および工事または整備の方法 | 15 | ||||||||||
火災および防火に係る知識 | 15 | ||||||||||
(合計) | 45 | 45 | 45 | 45 | 45 | 45 | |||||
乙種 | a | 消防関係法令 | 共通 | ※ | 6 | 6 | 6 | 6 | 6 | 6 | 6 |
類別 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | 4 | ||||
(小計) | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | ||||
b | 基礎的知識 | 機械 | 3 | 3 | 3 | 5 | 5 | ||||
電気 | 2 | 2 | 2 | 5 | 5 | ||||||
(小計) | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | ||||
c | 構造・機能など | 機械 | 8 | 8 | 8 | 9 | 9 | ||||
電気 | 4 | 4 | 4 | 9 | 9 | ||||||
規格 | 3 | 3 | 3 | 6 | 6 | 6 | 6 | ||||
(小計) | 15 | 15 | 15 | 15 | 15 | 15 | 15 | ||||
(合計) | 30 | 30 | 30 | 30 | 30 | 30 | 30 |
甲種は合計45問となっているのに対して、乙種は合計30問と問題数が15問違うことが分かります。
また、消防設備士の甲種と乙種それぞれの「実技試験」に関する問題数の内訳を示します。
実技試験の内訳
- 甲種‥鑑別5問+製図2問
- 乙種‥鑑別5問のみ
よって、甲種と乙種は「甲種の方が乙種より筆記試験の問題数が15問多くて、甲種にのみ実技試験の製図2問が追加されている」ことが違いとなります。
◎ 甲種と乙種どっちを受ければいい?
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㊙ 乙種の過去問は甲種にも出る(※逆パターンもあり)
甲種の過去問対策に乙種の過去問を使っても意味が無いのかと言えば、そんなことありません。
乙種と同じ問題が甲種にも出ますし、その逆パターンも頻繁に発生しています。
よって、もし一発合格したいのであれば甲種の「過去問テスト」および乙種の「過去問テスト」の両方やっておくことを強くオススメします!
消防設備士の免状は甲種だけ取ればいいですが、甲種を取るために乙種の過去問も対策しておくことは非常に有益です。
以上、強欲な青木でした!
◎ まとめ
- 消防設備士の甲種と乙種の試験内容については「問・題・数」に違いがあり、甲種は合計45問となっているのに対して乙種は合計30問と問題数が15問となっていた。
- 問題数が違うだけで筆記試験の難易度に違いはないが、甲種にのみ「製図」という壁が設けられていた。
- 車の免許でもMT(ミッション)を取るのと同じ感じで、やるなら甲種一択だと管理人は思っていた。
甲と乙って‥
40代(未経験)男性