以下の様な問い合わせを、弊社お客様より頂きました。
先日、所轄消防署で指導受けてた分の是正お見積りの件なんすけど、この拡声器って防災用メガホンじゃないとアカンのっすか?
Amaz◯nで調べたら¥1,400円くらいであるんすけど、コレじゃダメなのか教えて欲しいっす。
消防法上で設置が有効な拡声器(メガホン)の種類って?
◎ 防災用メガホンという製品
当初、非常放送設備関連で最強のTOA㈱社製の “非常用防災用メガホン” の中から安い物を選んで提案していました。
◎ 所轄消防署の指導内容

今回、所轄消防署より拡声器の設置指導が入った背景はザックリ以下の通りです。
- 立入検査時に(16)項イ 複合用途防火対象物の(6)項ハ 部分の収容人員が、所轄消防署が把握していた人数を超えていた。
- 当該建物は元々 “自主設置” 扱いで自動火災報知設備が設置されていたが、(6)項ハ 部分にも非常警報器具の設置義務が生じることとなった。
- 非常警報器具として拡声器の設置が提案されていた。
自主設置‥消防法上の設置義務は生じていないが、自主的に消防用設備等が設置されていること。
非常警報器具の設置基準
拡声器の設置義務が生じる根拠は、消防法施行令 第24条〔非常警報器具又は非常警報設備に関する基準〕にて以下の通り謳われています。
非常警報器具は、別表第一(四)項、(六)項ロ、ハ及びニ、(九)項ロ並びに(十二)項に掲げる防火対象物で収容人員が20人以上50人未満のもの(次項に掲げるものを除く。)に設置するものとする。
ただし、これらの防火対象物に自動火災報知設備又は非常警報設備が第二十一条若しくは第四項に定める技術上の基準に従い、又は当該技術上の基準の例により設置されているときは、当該設備の有効範囲内の部分については、この限りでない。
非常警報器具の種類
拡声器を含む非常警報器具の種類については、消防法施行令 第7条〔消防用設備等の種類〕にて以下の通り謳われています。
- 警鐘
- 携帯用拡声器
- 手動式サイレン
- その他の非常警報器具
検定対象機械器具等と型式認定品
消防用設備等はモノの質や性能を担保する為、一定の試験をクリアしていなければ設置できないというルールがあります。
参考消防法施行令 第37条〔検定対象機械器具等の範囲〕、消防法施行規則 第31条の4〔消防用設備等の認定〕

そして、拡声器を含む非常警報器具については検定対象機械器具や型式認定品に該当していない為、設置する物に適用されるルールは特にありません。
所轄消防署に問い合わせてみた結果‥

弊社員が、設置すべき拡声器について所轄消防署の指導を仰ぎたかった為、予防課に問い合わせた結果が以下の通りです。
✂ーーー数分後‥ーー✂
社内で100均のメガホンについて相談


再び予防担当者さんにTEL(二連続、二回目)

社内でメガホンとは何か?‥について相談

せめて、阪神タイガースを応援できる位のメガホンを用意しましょう。

所轄消防署によって消防法の取扱いは異なります、詳しくは所轄消防署の予防担当者様へご相談下さいませ。
◎ まとめ
- 所轄消防署の立入検査が入った際に『拡声器を設置して下さい』と指導があった現場について、お客様より防災用メガホンではなくAmaz◯nの¥1,400円くらいの物でいいですか?と質問があった。
- 拡声器を含む非常警報器具については検定対象機械器具や型式認定品に該当していない為、設置する物に適用されるルールは特になかった。
- 設置すべき拡声器について所轄消防署の予防課に問い合わせたところ、100均の拡声器つまり電池式でない「応援の時のメガホン」でもいいとの見解であった。
拡声器って安モンでもエエんすか?
青木防災㈱お客様