甲種4類の消防設備士免状取得者のみが行うことが出来る独占業務として、自動火災報知設備の施工があります。
やがて消防点検の動作も‥
消防設備士のシンボリックな姿として「長い棒を持って天井の感知器を試験する様子」が挙げられます。
自動試験機能付きの自動火災報知設備が普及すれば、それも過去のものになっていくかもしれません。
自動試験機能付きP型自動火災報知設備を設置しました
◎ 自動火災報知設備の種類
自動火災報知設備には、大きく以下の二つの機構があります。
P型
一般的な自動火災報知設備で、感知器や発信機の電気的な接点(+と-)が閉じて電流が流れることで火災信号となるもの。
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R型
感知器や発信機それぞれにアドレスが設定されており、伝送信号(通信)によって火災信号を検知するもの。
その自動試験機能について、昨今では一般的なP型の自動火災報知設備にも備わったモデルが登場しています。
◎自動試験機能付き導入に際して
初期コストとして機器代が若干高いですが、その後のメンテナンス等も任せて頂けるお客様の現場であれば弊社でも「自動試験機能付きのP型」を施工することがあります。
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自動試験機能付きP型自動火災報知設備の施工について、配線方法や機器の取り付け方は従来と全く同じです。
◎ 自動試験機能付きにすると‥
自動試験機能付きP型を選ぶことによる変更点としては、主に以下の三つが挙げられます。
- ①価格
- ②設定方法
- ③所轄消防署への提出書類内容
特に価格について従来のものと比較すると、目先の面では初期コストに開きがあるので選ばれにくい事情がありました。
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◎ 自動試験機能付きP型自動火災報知設備の設定
自動試験機能付きP型の感知器にも、R型と同様に固有のアドレスを設定することができます。
アドレス設定器
アドレス設定には、専用のアドレス設定器が必要となります。
SDカード書き込み
加えて、他の情報登録は全てSDカードを用いてパソコン上で行える仕様となっています。
現在はSDカードの価格も昔と比べて大幅に下がり、入手しやすい環境にあるからこそ取り入れられる手法でしょう。
パソコン上にてSDカードへ情報の登録が終わったら、受信機内のSDカードスロットに差し込みます。
感知器の取付
アドレス設定が完了した感知器ヘッドを、配線工事を完了したベースに取り付けます。
◎ 自動試験結果の確認方法
自動試験機能付きP型は常時建物内の感知器や発信機の状態を監視しており、その結果は受信機上で容易に確認することが可能です。
点検結果の報告方法については、例えば大阪市中央消防署の様な全国でも5本の指に入るレベルの所轄消防署だとP型の自動試験結果を添える等の手法に対応して頂けますが、旧態依然とした風土が根強い頑固な田舎だと遅れている可能性あるので所轄消防署に問い合わせてみて下さい。
煙感知器の感度試験も省略可能!
煙感知器については「感度試験」という煙感知器を取り外し、かつ専用の高価な「感度試験器(ウン十万円する)」機器を用いた試験を行う必要があります。
自動試験機能付きP型であれば、この煙感知器の感度試験という定期点検時の面倒な作業が一つ省略可能となっています。
感知器作動箇所の特定も容易に
更に、実際に火災信号が発された際にも、受信機上で作動した感知器に設定していた名称が表示されます。
これにより、受信機を見ただけで感知器の位置まで特定することが可能となっています。
自動試験機能付きP型は、自動火災報知設備の役目である「火災の早期発見」という性能についても向上していると言えるでしょう。
◎ ソーシャルディスタンス消防点検
自動試験機能付きP型自動火災報知設備はR型と同様に受信機上で感知器や発信機の状況が確認できますから、受信機の設置されている部屋のみ入室すれは足ります。
従来は初期コストを出来るだけ抑えたい要望もあって自動試験機能付きP型を納入することは難しい面がありましたが、現在はソーシャルディスタンス確保というニーズはあるので導入についても納得度が格段に向上しているでしょう。
これから数十年後には、自動試験機能付きは当たり前になっており、消防設備士のシンボリックな姿である「長い棒を持って天井の感知器を試験する様子」というのは中々見られなくなるかもしれません。
自動試験機能付きP型が当たり前‥といった世の中にする為に、消防設備士は発信し、お客様に納得してもらうことが次のステップとして大切でしょう。
📺CM
感染症対策にもなる自動試験機能付きP型の自動火災報知設備に関する「設計」「施工」「維持管理」についても、大阪市平野区にあります青木防災㈱のプロフェッショナル集団にお任せ下さいませ。
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◎ まとめ
- 弊社にて自動試験機能付きP型の自動火災報知設備を設計・施工した際の模様について紹介した。
- 自動試験機能付きP型は、自動火災報知設備の役目である「火災の早期発見」という性能についても向上していた。
- 自動試験機能付きP型自動火災報知設備はR型と同様に受信機上で感知器や発信機の状況が確認できる為、新型コロナウイルス禍においては「入室を伴う点検」を省略できるという圧倒的な魅力を備えていた。