令和3~4年度には電子申請等の標準モデルが構築され、大規模消防本部で早期導入されるまでの計画が既に公表されています。
参考消防関係法令に基づく書面規制、押印、対面規制の見直し及び手続のオンライン化について
これまで電子申請が実施されていた消防本部は全体の約7%に留まっており、電子化が遅れている業界だったと言える状況でした。
参考火災予防分野における各種手続の電子申請などの導入に向けた検討の経緯
される見込みぃ♪だよな消防設備士ぃ?♪
防火管理者が電子申請をする近未来
◎ オンライン化される申請・届出は?
以下の消防法令における申請・届出等がオンライン化される見込みであると公表されています。
参考火災予防分野における電子申請等の導入に向けた検討について_消防庁予防課 月刊フェスク2021.6
オンライン化される消防法令関係の申請・手続き
- 消防計画作成(変更)届出書
- 防火・防災管理者選任(解任)届出書
- 全体についての消防計画作成(変更)届出書
- 防火対象物点検結果報告書
- 統括防火・防災管理者選任(解任)届出書
- 自衛消防組織設置(変更)届出書
- 消防用設備等(特殊消防用設備等)設置届出書
- 消防用設備等(特殊消防用設備等)点検結果報告書
- 工事整備対象設備等着工届出書
- 防災管理点検結果報告書
「防火管理者」とは‥収容人員が一定数以上の建物に選任義務の生じる「火災による被害」を防止するための業務を行う責任者です。防火管理者講習を受けた建物の管理的または監督的な地位にある者がなると規定されており、例えば(5)項ロ 共同住宅であればマンション管理組合の誰かが、(6)項ロ 福祉施設等であれば施設長さんが防火管理者になるケースがあります。よって、一般的に防火管理者は防火管理のプロではない人が担うことが多いです。
毎年45万人の防火管理者が消防署へオンライン上で届出
令和元年度は防火管理者の届出書の総件数が約45万件 / 年であったとデータ上で取りまとめられています。
参考火災予防分野における電子申請等の導入に向けた検討について_消防庁予防課 月刊フェスク2021.6
ただ届けただけ‥で終わらせない為の、工夫を凝らす機会だと思いませんか?
マイナンバーを用いたオンライン上の申請
消防法令関係の手続きもまた「市町村共通の電子申請基盤であるマイナポータル・ぴったりサービス」を利用した申請が想定されています。
参考火災予防分野における各種手続の電子申請などの導入に向けた検討の経緯
しかし防火管理者と消防署が繋がる仕組みが構築された後の課題として、例えば超高齢化社会におけるデジタルに疎い人置いてけぼり問題があるでしょう。
◎ 防火管理者への支援が不可欠!
まずオンライン化によって防火管理業務の円滑化が期待される中で、すぐに直面する問題として以下の2点が挙げられます。
- そもそもオンラインコンテンツが苦手で利用できない。
- 防火管理業務を適切に行いたいが、その方法が分からない。
この二つの壁を攻略する為に消防設備士が補助できれば、より消防法令関係の手続きオンライン化の価値が向上させられるでしょう。
オンライン化における補助の必要性
これまで消防計画や防火管理者の届出類は「消防署で聞けば何とかなる」という人海戦術的な労働集約型の運用でしたが、今後は人ではなくPCやスマホ等が目の前にある状態で同じく何とかなる様に工夫する必要があるでしょう。
防火管理業務の周知
これまで残念ながら防火管理者という制度については形骸化していた面があり、名ばかりで実際には責務を果たせていない建物も放置されていました。
防火管理者の業務
防火管理者の仕事として、主に以下の7つが挙げられます。🔗
- 消防計画に基づく "消火" "通報" "避難" 訓練の実施
- 消防用設備等の点検及び整備
- 避難または防火上必要な構造・設備の維持管理
- 収容人員の管理
- その他防火管理上必要な業務
オンライン化のタイミングで防火管理業務の実施状況を改善する為にも、消防署と防火管理者の間にいる消防設備士が支援をする事で最適に近づけそう。
◎ “普及” への工夫
電子申請が普及させる為の工夫については、その必要性が消防庁予防課さんの資料上でも謳われています。
参考火災予防分野における電子申請等の導入に向けた検討について_消防庁予防課 月刊フェスク2021.6
例えば、以下の2つの規模に対する電子申請マーケティングを挙げてみます。
電子申請の普及マーケティング例
- マスマーケティング‥世間に広く周知することを志向した発信(啓発ポスターやSNS等)によって、人の意識に比較的浅く電子申請について根付かせるもの。
- ダイレクトマーケティング‥直接お客さん(建物オーナーや防火管理者等)に電子申請について周知し、その利用を促すもの。
あと、今回の電子申請における普及の工夫ばかりは地域の消防設備士だからこそ貢献できる部分あるとホンマに思ってますよ。
次世代の当たり前を作るタイミングは、今です。
電子申請の仕組みが導入されて消防署と防火管理者がの連携が密になれば、これまで形骸化しつつあった防火管理業務の責務も浮き彫りになってくる。その初期段階ですべき普及活動と、その後の防火管理者の補助について消防設備士が貢献できる部分がある。
◎ まとめ
- 新型コロナの影響で消防関係書類手続きの電子化が進み、令和3~4年度には電子申請等の標準モデルが構築されて大規模消防本部で早期導入されるまでの計画が既に公表されていた。
- 「市町村共通の電子申請基盤であるマイナポータル・ぴったりサービス」を利用した申請が想定されており、防火管理者がオンライン上で消防署と繋がることが期待された。
- 電子申請の仕組み導入初期段階ですべき普及活動と、その後の防火管理者の補助について消防設備士が貢献できる部分があった。