レッスン2-7:分子と共有結合

毒劇先生今回は共有結合と分子を学びます。
強欲な青木共有結合ってイオン結合と何が違うんすか?
毒劇先生結合の仕組みが違います!イオン結合は電子を渡す・もらう、共有結合は電子を互いに出し合って共有。H₂は水素原子2個が電子を1個ずつ出し合い、2個の電子を共有して結合。これでHeと同じ2電子配置になり安定化します。
強欲な青木水H₂Oの形って、なんで折れ線型なんすか?
毒劇先生酸素原子の非共有電子対(ローンペア)の影響!Oは最外殻電子6個、うち2組の非共有電子対が電子対同士で反発して、H-O-Hの結合角が約105°に曲がる。これが水の折れ線型構造と極性の原因です。
強欲な青木水素結合って何すか?
毒劇先生F・O・Nのような電気陰性度の強い原子と、H(水素)の間に働く特殊に強い分子間力。水の沸点が100℃と異常に高いのは、水分子同士が水素結合で強く引き合うため。H₂SやH₂Seは水素結合が弱いため-60℃など低い沸点になります。
💪実力試し(3問)
まずは腕試し。本番レベルの問題3問を解いてから、解説で確認しましょう。
問題1
共有結合の説明として正しいものはどれか。
- 金属原子間で自由電子が結合を作る。
- 陽イオンと陰イオンが静電気的に結合する。
- 非金属原子間で、最外殻電子を出し合って電子対を共有する結合。
- 電気陰性度の異なる原子の間に水素結合が形成される。
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正解:3
解説:選択肢3が正しい。共有結合は非金属同士が最外殻電子を出し合って『共有電子対』を作る結合。1は金属結合、2はイオン結合、4は水素結合の説明。
間違えやすいポイント:『電子を渡す=イオン結合』『電子を共有=共有結合』の区別が重要。
問題2
次のうち極性分子はどれか。
- メタン CH₄
- 二酸化炭素 CO₂
- 水 H₂O
- 窒素 N₂
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正解:3
解説:選択肢3 水H₂Oは折れ線型構造のため双極子モーメントが相殺せず極性分子。CH₄は正四面体対称、CO₂は直線型対称で極性相殺。N₂は等しい原子同士のため無極性。
間違えやすいポイント:分子の極性は『結合の極性』と『形状』の両方で決まる。対称な分子は極性結合があっても無極性分子になる。
問題3
水素結合を形成しうる組合せはどれか。
- C-H と O=C
- F-H と O(HF と H₂O)
- C-C と C-H
- Cl-H と Cl-H(HClとHCl)
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正解:2
解説:水素結合はH原子と電気陰性度の大きい『F・O・N』の間に形成される。選択肢2のHF(F-H)とH₂O(O-H)の組合せが該当。HClは塩素の電気陰性度が水素結合するには不十分。
間違えやすいポイント:水素結合の相手=F・O・N(『FON』と覚える)。Clは電気陰性度3.0で水素結合には含めない。
🔰基礎教養学習
本単元は①共有結合の仕組み ②分子の形と極性 ③分子間力 ④共有結合結晶と分子結晶の4ブロック構造。
⓪ 共有結合の基本形
| 結合 | 定義 | 例 |
| 単結合 | 共有電子対1組(2電子) | H-H(H₂)・Cl-Cl(Cl₂) |
| 二重結合 | 共有電子対2組(4電子) | O=O(O₂)・O=C=O(CO₂) |
| 三重結合 | 共有電子対3組(6電子) | N≡N(N₂)・C≡C(アセチレン) |
| 配位結合 | 一方が電子対を提供 | NH₄⁺(アンモニウムイオン)・H₃O⁺ |
① 主要分子の電子式・構造式
| 分子 | 電子式(概略) | 形状 |
| 水素 H₂ | H:H(H-H) | 直線 |
| 水 H₂O | H-O-H、Oに非共有電子対2組 | 折れ線型(角度約105°) |
| アンモニア NH₃ | H-N-H H、Nに非共有電子対1組 | 三角錐型 |
| メタン CH₄ | 中心C、4つのH | 正四面体 |
| 二酸化炭素 CO₂ | O=C=O | 直線型 |
| アセチレン C₂H₂ | H-C≡C-H | 直線型 |
毒劇先生分子の形状は中心原子の電子対の反発で決まります(VSEPR理論)。共有電子対と非共有電子対が互いに反発し、最も遠くなる配置を取ります。
② 極性と無極性
👉結合の極性(電気陰性度の差)
電気陰性度の異なる原子が結合すると、共有電子対が片方に偏って極性が生じます。極性結合の代表:O-H、N-H、F-H、C=O、C-Cl等。
👉分子の極性(形状による相殺)
| 分子 | 結合の極性 | 分子の形状 | 分子の極性 |
| CO₂ | C=O(極性) | 直線対称 | 無極性(相殺) |
| H₂O | O-H(極性) | 折れ線型 | 極性(相殺されず) |
| NH₃ | N-H(極性) | 三角錐型 | 極性 |
| CH₄ | C-H(弱極性) | 正四面体対称 | 無極性 |
| CCl₄ | C-Cl(極性) | 正四面体対称 | 無極性 |
③ 分子間力と水素結合
| 力の種類 | 強さ | 主な物質 |
| ファンデルワールス力 | 弱 | 全ての分子(無極性分子でも) |
| 双極子-双極子相互作用 | 中 | 極性分子同士(HCl等) |
| 水素結合 | 強(特殊) | F-H・O-H・N-Hを持つ分子(H₂O・HF・NH₃・アルコール) |
👉水素結合の効果
- H₂Oの沸点100℃は異常に高い(同族のH₂S=−60℃と比較)
- HFの沸点19.5℃も同族HCl(−85℃)と比べ異常に高い
- 氷が水より密度が小さい(水素結合による隙間のある結晶)
- DNA二重らせんの塩基対も水素結合
④ 共有結合結晶 vs 分子結晶
| 分類 | 構造 | 性質 | 例 |
| 共有結合結晶 | 結晶全体が巨大な共有結合網 | 融点極高・硬い・電気通さない | ダイヤモンド・黒鉛※・SiO₂・SiC |
| 分子結晶 | 分子が分子間力で緩く集合 | 融点低・柔らかい・昇華しやすい | H₂O(氷)・CO₂(ドライアイス)・I₂・ナフタレン |
強欲な青木ダイヤモンドは共有結合で全体が1つの巨大分子みたいな状態っすね。
毒劇先生その通り!ダイヤモンドは地球上で最も硬い物質。黒鉛は層内は共有結合で硬いが、層間はファンデルワールス力で滑りやすい。この違いが同じ炭素なのに性質が対照的な理由です。
✅理解度チェックテスト(3問)
チェック1(○✕)
次の記述は正しいか誤りか、○✕で答えてください。
「共有結合は、主に非金属原子同士が最外殻電子を出し合って電子対を共有することで形成される。」
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正解:○(正しい)
解説:正しい。共有結合の代表例は水H₂O、メタンCH₄、アンモニアNH₃など、すべて非金属原子同士の結合。
チェック2(穴埋め)
次の文の【 】に入る最も適切な語句を選んでください。
水分子H₂Oが特に強い分子間力で結びつくのは【 】が形成されているためである。
- イオン結合
- 金属結合
- 水素結合
- 配位結合
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正解:3
解説:水素結合は、水素原子とF・O・N原子の間に形成される特に強い分子間力。水の高い沸点や氷の結晶構造を生み出す。
チェック3(4択)
次のうち、共有結合の結晶(共有結合結晶)はどれか。
- 塩化ナトリウム NaCl
- ドライアイス CO₂
- ダイヤモンド C
- 鉄 Fe
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正解:3
ポイント:ダイヤモンドは炭素原子同士が共有結合で網目状に結合した共有結合結晶。1はイオン結晶、2は分子結晶、4は金属結晶。
深掘り解説
テーマ1:配位結合──NH₃が酸を捕まえる仕組み
配位結合は、片方の原子が電子対を一方的に提供する特殊な共有結合。アンモニアNH₃の非共有電子対が水素イオンH⁺に提供されて、アンモニウムイオンNH₄⁺が生成する典型例。結合後は普通の共有結合と区別できません。H₂O + H⁺ → H₃O⁺(オキソニウムイオン)も配位結合。
テーマ2:毒物劇物の共有結合化合物
| 物質 | 結合の特徴 | 区分 |
| シアン化水素 HCN | C≡N三重結合・極性 | 毒物 |
| ホスゲン COCl₂ | C=O・C-Cl結合 | 毒物 |
| ニコチン | C-N結合を含む複素環 | 毒物 |
| 塩化水素 HCl | H-Cl極性結合 | 劇物(塩酸) |
| フッ化水素 HF | H-F極性結合・水素結合 | 毒物 |
| クロロホルム CHCl₃ | C-H・C-Cl結合 | 劇物 |
| ホルムアルデヒド HCHO | C=O二重結合 | 劇物 |
テーマ3:極性の目安・電気陰性度差
電気陰性度差を目安に結合を分類:差 0〜0.4:ほぼ無極性の共有結合(C-H, C-C等)、差 0.4〜1.7:極性共有結合(O-H, N-H, C=O等)、差 1.7以上:イオン結合性が強い(Na-Cl差2.1, K-F差3.2等)。この差が大きいほど電子の偏りが大きく、分子や化合物の性質に影響します。
🥊過去問演習(全10問)
📝まとめと次の学習へのつなぎ
今回の学習ポイント
- 共有結合=非金属同士が電子対を共有(H₂O・CO₂・NH₃等)
- 単結合・二重結合・三重結合・配位結合の4種類
- 分子の形は電子対の反発で決定(H₂O折れ線、NH₃三角錐、CH₄正四面体)
- 極性分子=結合の極性が分子全体で相殺されず残る(H₂O・NH₃)
- 水素結合=F・O・NとHの間の強い分子間力(FON+Hで覚える)
- 共有結合結晶(ダイヤモンド・黒鉛・SiO₂)は融点高・硬い
- 分子結晶(氷・ドライアイス・I₂)は融点低・昇華性
毒劇先生共有結合は化学の中核。水の特異な性質はすべて水素結合で説明できます!
強欲な青木分子の形で極性が決まる、面白いっす!
次回予告:レッスン2-8「原子量と分子量」
次回からは計算問題ゾーン突入!原子量・分子量・式量の定義、計算の具体例(H₂O=18, CO₂=44, H₂SO₄=98等)を学びます。計算の基礎なので、確実にマスターしましょう。
📍 他のレッスンへ
章全体の学習進度はサイドバーからも確認できます。前後のレッスンで関連事項を横断的に復習しましょう。

