こんな方に読んでほしい記事です。
- 国家資格「消防設備士」について全く知らない
- やりたい仕事や就きたい職業が定まっていない
- 消防設備士の魅力を伝えるために言語化したい
消防設備士として、消防設備業界で働いている管理人が情報のソースです。
消防設備士について全く知らない人や、聞いたことはあったけど深く知らない人は一度目を通して下さいませ。
消防設備士の仕事
国家資格「消防設備士」についてトッププロが徹底解説!
◎ 消防法で規定された国家資格2つ
消防法で規定されている国家資格の中で群を抜いて有名なのが「危険物取扱者」ですが、実は多くの場合それと並んで「消防設備士」が紹介されています。
危険物取扱者と消防設備士
危険物取扱者が活躍できる職場
危険物取扱者の免状取得者は、消防法で規定された一定数量以上の危険物を貯蔵または取扱う施設に配置されます。
危険物取扱者の職場は、一定数量以上の危険物が貯蔵または取扱われている箇所となります。
消防設備士が活躍できる職場
消防設備士の職場は、消防用設備等の設置義務が規定されている令別表第一の防火対象物の建物用途が該当します。
消防用設備等の設置義務が規定されている建物(※主に居住用の一戸建て以外)全てが消防設備士の職場に該当し得ます。
参考【令別表第1】防火対象物の用途とは?プロなら暗記しよう【判定例一覧】
続きを見る
◎ 消防設備士免状の種類8つ
消防設備士の免状は取り扱える設備毎に計8つの分類があります。
消防設備士免状の種類8つ
特類‥下記の消防用設備に該当しない消防用設備等
1類‥スプリンクラー設備、屋内・屋外消火栓設備など
2類‥泡消火設備
3類‥不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備
4類‥自動火災報知設備、誘導灯など
5類‥救助袋、緩降機等の避難器具
6類‥消火器具
7類‥漏電火災警報設備
参考どれから受けるべき?消防設備士試験を受ける順番と難易度ランキング
続きを見る
甲種と乙種
また、甲種と乙種にも分かれており、独占業務の範囲が異なります。
甲種と乙種の独占業務の範囲の違い
- 甲種‥工事、整備および点検
- 乙種‥整備および点検
第二種電気工事士の取得とかで受験資格満たせるので、全然ハードル低いですけど。
ちなみに特類は甲種のみ、6類(消火器具)と7類(漏電火災警報器)は乙種のみです。
参考【よくある質問】消防設備士の「甲種」と「乙種」は◯◯◯が違います!
続きを見る
独占業務
消防設備士の独占業務については、消防法令第17条の5〔消防設備士〕で以下のように定められています。
消防設備士免状の交付を受けていない者は、次に掲げる消防用設備等又は特殊消防用設備等の工事(設置に係るものに限る。)又は整備のうち、政令で定めるものを行ってはならない。
上記の “政令で定めるもの” の内容について、消防法施行令第36条の2〔消防設備士でなければ行ってはならない工事又は整備〕で以下の通り規定されています。
法第十七条の五の政令で定める消防用設備等又は特殊消防用設備等の設置に係る工事は、次に掲げる消防用設備等の設置に係る工事とする。
- 屋内消火栓設備
- スプリンクラー設備
- 水噴霧消火設備
- 泡消火設備
- 不活性ガス消火設備
- ハロゲン化物消火設備
- 粉末消火設備
- 屋外消火栓設備
- 自動火災報知設備 9の2 ガス漏れ火災警報設備
- 消防機関へ通報する火災報知設備
- 金属製避難はしご(固定式のものに限る。)
- 救助袋
- 緩降機
(第一号から第三号まで及び第八号に掲げる消防用設備等については電源・水源及び配管の部分を除き、第四号から第七号まで及び第九号から第十号までに掲げる消防用設備等については電源の部分を除く。)
よって、上記の消防用設備等については消防設備士の免状を持っている者でなければ工事または整備ができないルールとなっています。
甲種消防設備士の方が独占業務の色が強く、より多くの場合に必要とされています。
◎ 建設業とビルメンテナンス業
消防設備士は、その独占業務の内容ゆえに「建設業」と「ビルメンテナンス業」の2つの異なる業界で働くことが可能です。
建設業界における消防設備士
主に建物に対して必要となるスプリンクラーや火災報知器などの設置工事を手掛けます。
参考【8F建て】連結送水管の新設工事【設置基準】、湿式の連結送水管の補給水槽の交換工事
ちなみに建設現場における消防設備士を含む設備業者は3次請け以降に位置することが多い為、立場は弱い傾向にあります。
参考防災屋(消防設備士)が現場で必要とされる理由を解説|マーケティング
続きを見る
ビルメンテナンス業における消防設備士
建物に設置されている消防用設備等のメンテナンス(点検・整備による維持管理)を実施します。
参考消防設備士が関わるべき5つの点検、絶縁抵抗と接地抵抗の違いと測定方法
また、建物のメンテナンスにおいても消防設備業界は完全に警備業界の下位市場となっています。
ちなみに防災屋に就職・転職する場合は「建設業」の色が強いのか、それとも「ビルメンテナンス業」なのかで業務内容や給与を含む待遇が異なる為、事前に何かしらの方法で調べておいた方がいいです。
参考現役消防設備士が語る転職市場のリアル|年収が上がる転職先はある?
続きを見る
◎ なぜ「消防設備士」をしているのか
消防設備士をしている理由は十人十色でしょう。
魅力の押し売りやデタラメな夢を好き勝手バラまいて人を振り回すつもり毛頭ありませんので、あくまで参考程度にご覧下さい。
①まだまだ最適化されていない
例えば消防設備業界に関心を持ったキッカケが「福岡市整形外科医院火災」の報道で、防火管理が適切にされていない建物があり、それが原因で多くの死者が出てしまっているという現状が未だにあることでした。
自分が貢献したり改善することに寄与できそうな業界課題の存在は、管理人が消防設備士をしている理由の一つです。
②市場成長のポテンシャルがある
例えば我々の仕事は消防法に基づく消防用設備等の設置・点検であり、それが消防署ではなく民間企業が国家資格に基づいて実施するルールとなっています。
要は消防署の業務の一端を担っている構造ですが、その「消防感」つまり権威が全然お客様に理解されていないギャップを埋めることで市場成長が可能と見込んでいます。
良くも悪くも、どう転ぶか分かりませんが、消防設備業界には未だ市場成長のポテンシャルはあると思っています。
【✍追記】
オレンジ・カラー・レンジの記事を「ボジョ」にて更新しています。
③熱意を持って取り組める業務内容
消防用設備の設計・施工およびメンテナンス業に従事することはシンプルに「大切な人の命を想う」ことに繋がる為、熱意を持って取り組みやすいことも消防設備士が続けられる理由です。
つまり消防設備士の仕事は、「成功と善行を同時に追える」業務なのです。
別に、それっぽい理由ナシで単に『猫が好きだから、消防設備業界に足を踏み入れました♪』とかでも全然いいと思います。(笑)
※その他、消防設備士について不明な点や質問ありましたら、コメント欄にて受け付けさせて頂きます。お気軽にコメント寄せて頂けますと、管理人と弊猫が喜びます。
◎ まとめ
- 国家資格「消防設備士」について現役の消防設備士である管理人が、資格の概要から消防設備士してる理由まで徹底解説した。
- 消防設備士は、その独占業務の内容ゆえに「建設業」と「ビルメンテナンス業」の2つの異なる業界で働くことが可能であった。
- 「消防設備士をしている理由」や「魅力になり得える特徴」について述べたが、それっぽい理由ナシで単に『猫が好きだから、消防設備業界に足を踏み入れました♪』とかでも全然よかった。