令和2年度における消防設備士試験の合格率は、甲種・乙種共に30%台となっています。
消防設備士試験の合格率
消防設備士の試験は、決して難易度が高いものではないにも関わらず、合格率が30%台と低水準になっています。
‥アンタ、プロなんやから説明しいや!
専門家が消防設備士試験の合格率が低水準な理由を分析し、これから受験される方が不合格になる可能性が減るように助言します。
これから消防設備士の試験に挑戦しようか悩んでいる方は、自分が合格者になる為にも必ず最後までお読み下さい。
消防設備士試験の合格率は平均わずか30%!低い理由と対策
◎ 類別の消防設備士試験合格率を分析!
令和2年度における消防設備士試験の合格率は、甲種・乙種共に30%台となっています。
消防設備士乙6の合格率が42.7%である理由
消防設備士乙6は消火器具の整備・点検をする為の免状で、一番初めに挑戦されることが多い受験者数No.1の類です。
消防設備士6類は乙種のみで、実技試験に製図を含む甲種はありません(※消火器には工事の業務が無いため)。
消火器は認知度の高い消防用設備等の一つであり、勉強内容も他の類に比べて取っ付きやすいでしょう。
その為、乙種の中では、他の類より約10~40倍もの受験者数ですが、合格率は42.7%と比較的合格し易い類となっています。以下の “【過去問まとめ】消防設備士乙6の試験問題と解答・解説【無料サイト】” ページに、どんな過去問が出ているかを全部まとめましたので、これから消防設備士を受ける方は参考にして下さい。
こちらもCHECK
【過去問まとめ】消防設備士乙6の試験問題と解答・解説【無料サイト】
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消防設備士甲4の合格率が37.2%である理由
消防設備士甲4は主に自動火災報知設備の工事・整備および点検をする為の免状で、最も需要のある類です。
消防設備士甲4の製図では機器や配線を図面に書き込む問題もあり、実務で行う作業に近い試験です。
その為、消防設備士として着工届の図面作成における補助業務などを経験していると有利でしょう。
受験資格さえ満たすことができれば、乙種ではなく甲種の4類に挑戦することを強く勧めます。
甲種の受験資格
甲種の受験資格は数種類ありますが、以下の3つが満たしやすいです。
- 第二種電気工事士を取得する。
- 第三級陸上特殊無線技士(講習のみ)を取得する。
- 乙種消防設備士免状の交付を受けた後に、2年以上の実務経験を積む。
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理系の学部を卒業していれば、受験資格を満たした状態になるので便利です。
具体的に出る問題については、前ブログ “【過去問】消防設備士甲種4類の試験に出た問題と解答@R3東京【実技】” をご参照下さい。 続きを見る
【過去問】消防設備士甲種4類の試験に出た問題と解答@R3東京【実技】
消防設備士甲1の合格率が31.2%である理由
消防設備士甲1はスプリンクラー設備や屋内消火栓設備の工事・整備および点検をする為の免状で、甲種の中では2番目に受験者数の多い類です。
消火設備に関する消防設備士の免状は、以下の3つに分類されています。
消火設備の類別
- 1類‥スプリンクラー設備・屋内消火栓設備(合格率:31.2%)
- 2類‥泡消火設備(合格率:33.2%)
- 3類‥不活性ガス消火設備・ハロゲン化物消火設備(合格率:39.8%)
上記の消火設備3つの中で、一番初めに受験する可能性が高いのが1類でしょう。
その為、消火設備の試験に慣れていない受験者が多いことから、合格率が低くなっていると推測されます。
具体的に出る問題については、前ブログ “【過去問5回分】消防設備士甲1の実技試験に出た過去問を徹底解説!” をご参照下さい。 続きを見る
【過去問5回分】消防設備士甲1の実技試験に出た過去問を徹底解説!
消防設備士乙4の合格率が35.4%である理由
消防設備士乙4は主に自動火災報知設備の整備・点検のみに従事する為の免状で、甲4と異なり工事に係わる実務はできません。
ここで、消防設備士4類の甲種と乙種の合格率を比較してみます。
消防設備士4類の甲種と乙種の合格率
- 甲4‥37.2%(実技試験に製図あり)
- 乙4‥35.4%
消防設備士4類の甲種と乙種の合格率は、わずか1.8%の差しかありません。
参考【よくある質問】消防設備士の「甲種」と「乙種」は◯◯◯が違います!
続きを見る
よって、上述した受験資格さえ満たすことができれば、甲4を受験した方が得でしょう。
㊙ 管理人の消防設備士試験合格率
管理人が消防設備士試験を受けた「類毎の順番」と「合否結果」は以下の通りです。
順番 | 類 | 合否 | 順番 | 類 | 合否 |
一回目 | 6類 | ◯ | 六回目 | 2類 | ✕ |
二回目 | 4類 | ◯ | 七回目 | 3類 | ◯ |
三回目 | 1類 | ◯ | 八回目 | 2類 | ◯ |
四回目 | 5類 | ◯ | 九回目 | 特類 | ✕ |
五回目 | 7類 | ◯ | 十回目 | 特類 | ◯ |
2類と特類は一度ずつ不合格となっている為、管理人の消防設備士試験合格率は80%でした。
消防設備士の試験を受ける順番については、前ブログ “オススメ!消防設備士試験に挑む順番” を参照下さい。 続きを見る
どれから受けるべき?消防設備士試験を受ける順番と難易度ランキング
しっかり勉強できれば、合格率100%の一発ストレートも十分可能な試験です。
◎ 消防設備士試験の合格率が低い理由
消防設備士全体の合格率は30%台と低水準である原因に、以下の不合格となる理由3つが挙げられます。
消防設備士試験の合格率が低い理由3つ
- 消防設備士試験をナメていた
- 過去問が公開されず、対策が難しい
- 実務未経験者にとって慣れない問題が出る
それぞれ実際の体験に基づくエピソードがありますので、簡潔に紹介していきます。
1⃣ 消防設備士試験をナメていた
管理人が一度だけ不合格であった2類の試験ですが、振り返ると他の類より取り組み方が甘かったです。
2類をナメて不合格になった原因3つ
- 参考書を一冊しか用意せず、出題範囲を十分に理解していなかった。(準備不足)
- 電気工事士技能試験の翌日が試験日で、無茶なスケジュールだった。(無計画)
- 他の類は一発で合格できた為、その調子で受かると思い込んでいた。(慢心)
もし一発合格を狙うなら、上述した敗因と逆のことをしましょう。
一発合格を狙うためにすること3つ
- 参考書類を最低2冊は用意し、出題範囲の問題を繰り返し解いておく。
- 勉強時間を確保し、特に試験2週間前からは勉強に専念する計画を立てる。
- 合格率が30%台の資格であり、サボれば普通に不合格になることを忘れない。
消防設備士試験は6割以上の人が落ちる資格です、油断大敵!
2⃣ 過去問が公開されていない
消防設備士の試験は問題を持ち帰ることができず、他の試験の様に過去問を使った対策が難しい資格です。
過去問の情報を仕入れておくだけで、有利に得点を稼げます!
3⃣ 実務未経験者にとって慣れない問題が出る
毎年、ほんの少しずつ新傾向の問題が出ていると情報が入っています。
例えば2年前、実務に従事していれば分かる以下の出題がありました。
Q. 写真に示すワイヤーの役割を答えなさい。
どうせ消防設備士の免状を取得するなら、最速かつ実務で役に立つ効率の良い勉強方法を選びましょう。
【㊙一番カンタン!】消防設備士の試験に過去問だけで合格する裏ワザ
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このブログで紹介した「過去問テスト」を用いた対策をすれば、合格率30%から少なくとも管理人と同じ合格率80%までは上げられるはずです。
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一発合格する為に、最善を尽くそう!
◎ まとめ
- 令和2年度における消防設備士試験の合格率は、甲種・乙種共に30%台となっていた。
- 決して難易度が高いものではないにも関わらず、合格率が30%台と低水準になっている理由を分析した。
- 消防設備士4類の甲種と乙種の合格率は、わずか1.8%の差しかなく、受験資格さえ満たすことができれば、甲4を受験した方が得であった。