先日、関西防災設備協会より以下の文言が記載されたお知らせが弊社に届きました。
標記の件につきまして、大阪市消防局予防部規制課O司令との協議に参りました。
04月20日付で大阪市消防局ホームページに記載されたコロナ禍における届出書類の郵送受付について既に情報を得た方もいらっしゃると思いますが、コロナ禍終息後も同様の運用を続けて欲しい旨協議しました。
前向きに考えるとのことでしたが、郵送受付についてはWEB上で公開したものの消防局から所轄へ明確な指導は行き届いていないようでした。予防課現場での運用状況の確認を取ってみるとのことで話を終えています。
この件について早速10月04日にO司令からの回答をいただきましたので下記によりご報告申し上げます。参考の上、今後の業務にお役立てください。
大阪市消防局予防部規制課O司令の回答および、現場における郵送の実態について管理人の経験をベースに紹介していきます。
なぜ郵送で消防関係書類の届出がされないのか
◎ 大阪市消防局予防部規制課O司令の回答
以下の通り、大阪市消防局予防部規制課O司令より回答があったと報告されています。
記
1)大阪市内各署において郵送での受付は、消防局のホームページに記載の通り実施済みですが、まだまだ件数が少ない状況です。
2)基本的には、事前協議等が必要だと思われる規模・構造・用途の物件は対面でお願いします。
3)着工届出書については、図面を折り込んでいるので簡易書留等でお願いします。(紛失防止のために)
4)書類の訂正等についての、指導を通知させて頂きますので、申請者消防設備士の連絡先(携帯番号等を付箋にて記載して下さい。)
5)郵送での手違いを防止する為にも、発送後に申請者消防設備士の方から担当署員迄、確認の電話をかけてください。
以上
郵送で消防署への届出類が提出できるにもか関らず実施されていない理由について、以下の3点が挙げられます。
郵送で届出しない理由3つ
- 郵送で提出できることを知らない or 忘れている
- 郵送で提出することのメリットが現場に理解されていない
- 対面でのコミュニケーションが好き
では、まず郵送できる届出類について再度確認していきましょう。
◎ 郵送で提出できる消防関係書類
消防設備士が実務で作成(※補助を含む)および提出する書類の全てが、現在は郵送で提出することが可能です。
消防関係書類のほとんどが郵送で提出可能です、積極的に活用していきましょう。
◎ 郵送で提出することのメリット
次に郵送で消防関係書類を提出するメリットとして、以下の3点を挙げます。
郵送のメリット3つ
- 非接触で手続きが可能
- 生産性の向上
- ECO(車移動を省略できる)
非接触で手続き
言わずもがな対面でのコミュニケーションの機会が増える程、新型コロナウイルス感染のリスクは高まります。
あれだけ外出自粛をしていたり、今なおマスク会食を推奨している中で郵送できる書類をわざわざ対面で手渡しする時代では無いでしょう。
生産性の向上
冒頭でも述べた通り、車移動に費やす時間は何も生み出さない完全なムダです。
また、仕事の価値は生産性に左右されます。
生産性とは‥
生産性 = 成果(付加価値) ÷ 投入資源(コスト)
よって、もし皆様お望みの「自分の給料を上げる」≒「市場価値の高い仕事をする」を志向するならば、業務内のムダを取り除く必要があります。
ECO
車移動の排ガスを削減することは、世界的に取り組んでいる課題です。
果たして「郵送でも可能な仕事を、わざわざ車移動してやっている業界」で次世代が働きたいと思うでしょうか?
◎ 実際にあった現場での話
先日、とある弊社員のバーターで急遽「非常コンセント設備」および「スプリンクラー設備」の設置届を作成・提出する案件を担当しました。
来署して提出する様に手配が組まれましたが、自己判断で『これ郵送でいけるじゃん、郵送しよ♪』と郵送で業務を進めることにして別現場へ行きました。
ところが‥
‥ってな流れで、消防署へ設置届を提出しに車移動する運びとなりました。
この時点で機会費用¥2,000円程度の損失が確定し、お客様が支払ったコストの一部を無駄に使ってしまったことになりました。
(※本来であれば、弊社の利益もしくは値引ができた費用)
消防署でも待ち時間がある
消防署へ到着すると、更に20分程度の待ち時間がありました。
そして提出時、一部修正箇所があったので相談時に変更しました。
修正依頼の電話で手続き可能
その後、担当の消防吏員さんから『修正箇所ありまして‥再度、来署願えますか?』と電話がありました。
消防署の予防担当者様が来署を熱望される気持ちは分かります。
来署を熱望された理由
対面で修正箇所を支持した方が「今までと同じやり方で」かつ「話が早い」と感じるためでしょう。
しかし、我々が来署することで「お客様が余分に費用を負担することに繋がる」ことは、ご理解頂きたいところです。
◎ 対面でのコミュニケーションが好まれる場面
よって未だに “消防署の予防担当者様” および “消防設備士” 間で対面のコミュニケーションに依存して業務を進めてしまおうとするきらいがあります。
例えば冒頭で大阪市消防局予防部規制課O司令より “事前協議等が必要だと思われる規模・構造・用途の物件は対面で‥” と陳述して頂いた件が挙げられるでしょう。
それ以外は、郵送にしましょう。
なぜなら、郵送による手続きを積極的に活用すればするほど、それがスタンダードとして受け入れられるからです。
こんな “郵送” 等という分かり易い業務効率化すら浸透していないのに、電子申請の普及等といった次のステップに移れるとは考えにくいですし。
まず、郵送する。
とにかく、郵送する。
郵送するのは、あたりまえ。
対面でのコミュニケーションでないと我々の業務は成り立たないとか日和ってる奴いる!?
郵送は、郵送を実行し続けることでスタンダードになります。
◎ まとめ
- 青木防災㈱も所属する関西防災設備協会より、コロナ禍終息後も同様の運用を続けて欲しい旨を大阪市消防局予防部規制課O司令との協議した際の回答が通知された。
- 大阪市消防局予防部規制課O司令によると郵送での受付は件数が少ない状況であると回答されていた。
- 消防関係書類のほとんどが郵送で提出可能であり、積極的に活用することでスタンダードにすることができた。
各種届け出書類の郵送についてお知らせ
関西防災設備協会