⑥Outlet(販路)
※ここでの “販路” とは、サービスもしくは製品の「購入場所」に関する事を指しています。
我々のサービスの特徴として最終的には、主に現場(お客様の建物)で実施されることが挙げられます。
また、サービスを購入する際の接点は弊社の場合、以下の通り新規お客様と既存お客様で異なっています。
新規お客様への販路
- コンテンツによるインバウンドマーケティング
- 紹介(コネ)
- 所轄消防署による指導時に大阪消防設備協同組合員のリストが渡され、そこから選ばれる
弊社のホームページは “コンテンツによるインバウンドマーケティング” いわゆるコンテンツマーケティングに該当します。
既存お客様への販路
- 契約書の周期
- 随時(お声かけ)
- 所轄消防署による指導など
所轄消防署さんが定期的に立入検査など是正指導の動きをされることで、それが我々にとって営業をして頂けている様なことになっています。
⑦Operations(活動)
お客様は何をキッカケに購入を思い立ち、どんな情報をどのように集めてブランドを比較した上でサービスを選んでいるのかを考えます。
消防設備市場のサービスが、どのように購入されるのかを先述した③Objectives(目的)の図を元に補足してみます。
我々にサービスが依頼される背景として、絶対的なニーズを創出しているのが「消防法クリア」を果たす為でしょう。
よって我々が第一に着手すべき営業はサービスの質の案内ではなく、消防法で実施義務が規定されている事実を周知することになります。
他のサービスの “ついで” に消防
建物全体において非常時しか出番のない「消防」の存在感は薄く、いわば他の衛生設備や電気設備の “ついで” 的な扱いとなっています。
お客様から選んでもらう際のルールについて、今一度確認してみましょう。
選ばれる為のルール
お客様が購買意思決定を下す際に、以下の事項が判断基準として挙げられます。
- 価格‥安い方がいい(お得にみえる)
- 近さ‥近い方がいい(対応が早そうにみえる)
- 何となく “良さそう” ‥組合の会員であったり、Web上での見栄えや口コミ・評判がいい方が選ばれやすい
そして一度選ばれれば、消防設備業界のサービスは慣性型購買されやすい性質もあって再び選んでもらいやすいでしょう。
「慣性型購買」とは‥消費者が製品カテゴリ―に対して関与が低く、ブランド間差異を近くしていない場合「いつも買っている」「価格が安いから」「なんとなく知っている」等の理由でブランドが継続的に選択される購買のこと。
消防設備業界は “慣性” に頼り過ぎて選ばれる為の企業努力を怠ってきた為、警備業界やビル管理業界の下請けとして差別化されていないサービスを時に破格で提供せざるを得ない事態になっていると思っています。
お客様に「青木防災㈱は違う」と思って頂く為に、選ばれる理由作りの工夫が必要!
PULL型の営業を徹底すべき理由
営業は “PUSH型” と “PULL型” の2つに分けることができます。
- PUSH型‥企業側から顧客に対して、積極的にかける営業。(Ex. テレアポ、飛び込み営業)
- PULL型‥顧客から直接問い合わせを頂いて対応する営業。(Ex. 広告、展示会、Web コンテンツ)
現在の消防設備業界は、まだ認知にリソースを割くべき段階だと言えます。
その状況に業者側も甘んじていて、本来は防火管理を最適にする為のサービスを提供しなければならないところを、単に消防用設備等が設置された状態および維持に留まっています。
依然として設置・点検はされていても、お客様が有事の際に消防用設備等を使えない‥といった状態の建物が散見されます。
例えば‥
- 弊社お客様が如何に防火管理を適切に行っているかを知ってもらう為に発信する。
- その発信をみた方が、理想的な防火管理の状態像を頭の中に描く。
- 同様の状態を実現する為に、お問い合わせを頂く。
ほぼ押してる(PUSH)位のPULL型営業が刺さるフェーズだと伺えますし、それをしていくべきだと思っています。弊社の強みである広報力ともシナジーがあります。
適切なニーズを作り出すことで、真にお客様の為になる防火管理が実現できますし、やがて業界発展にも繋がるのではないでしょうか。
以上、長くなりましたが消防設備業界における7つのO(オー)を考えてみました。
これらを参考に青木防災㈱の次の戦略を練っていくこととします。
◎ まとめ
- 効果的かつ効率的なマーケティングを行う為の準備として、現役の消防設備士が「7つのO(オー)」のフレームワークを用いて市場把握をしていった。
- アメリカ合衆国の経営学者であるコトラー氏は、標的市場(消費者の購買行動)を理解するために「7つのO(オー)」で整理した。
- 我々がすべきは「PULL型営業の徹底」であり、適切なニーズを作り出すことで、真にお客様の為になる防火管理が実現でき、やがて業界発展にも繋がった。