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7.5次産業化した市場は “改修” の得意な消防設備士が生き残る説

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点検タマ王
これからも消防設備士を生業として食っていけるんでしょうか?
情報化が進んで新規参入者が増えると単価も下がるから、満足に食っていくには何かしらの工夫が必要かもね!
管理人
強欲な青木
…ってか7.5次産業って、何のことですか?
管理人が作った “造語” で、消防設備士の実務における「改修」を2.5次産業って位置づけていることに由来してます。
管理人

 

消防設備士の実務は、大きく以下の3つに分けられます。

  • 工事
  • 改修
  • 点検

古典的な産業分類において、建設業は第二次産業に該当します。

弊社もまた「建設業の許可票」を事務所内に掲げている通り、建設業における消防施設工事業を営んでおります。

よって我々が携わる生業の一つである “工事” については、第二次産業となっています。

加えて、消防用設備点検や防火対象物点検を始めとする “点検” については、サービス業であり第三次産業に該当するでしょう。

 

ここで『点検後の “改修” って、どっちに該当すんの?』という話になる為、第二次産業と第三次産業の間だと強調する意味も込めて「第2.5次産業」と表現しています。

第二次産業の2と第三次産業の3に2.5を加えて2+3+2.5=7.5次産業ってワケなんです、You know what I mean?
管理人
強欲な青木
テメェ…次ナメ腐った英語まぜたら去勢すんぞ。

 

ちなみに、農業とかだと以前より「6次産業化」とか盛んに謳われてましたよね。

6次産業(ろくじさんぎょう)とは、農業や水産業などの第一次産業が食品加工・流通販売にも業務展開している経営形態を表す、農業経済学者の今村奈良臣が提唱した造語。 また、このような経営の多角化を6次産業化と呼ぶ。

 

では、表題の「7.5次産業化する市場では…説」について、検証していきます。

 

7.5次産業化する市場では「改修」の得意な消防設備士が生き残る説

◎「改修」は最も経験値を要する業務

ねじ 改修

「改修」と一口に言いましても、大雑把に以下の3つの様な業務があるでしょう。

  1. 消防用設備点検や防火設備定期検査後の不良個所改修
  2. 定期点検を承っている建物にある各設備トラブル対応
  3. 前倒しで起こり得る故障などに備えた設備の定期更新

特に、②のトラブル対応は消防設備士の業務の中でもパターンが多いです。

例えば「スプリンクラー設備の誤作動や水漏れ」及び「自動火災報知設備の誤発報原因特定」なんかは、原因不明スタートですから “謎解き” から始まることも。

青木防災㈱勤続38年のベテラン石崎部長も『誤報対応が一番難しい』と仰っていました。
管理人
強欲な青木
謎解きのパターンは平準化しきれない部分あるから、名探偵のニーズがあるってワケ…。

水没して誤作動した熱感知器を、交換すること自体は容易でしょう。

しかし水没の原因を突き止めなければ、再び同じ現象が起こって消防設備士が走るハメになります。

当然お客様も『オイ…またかよ!何とかしてくれ消防設備士ィィィ!!』ってな気分に。

 

感知器誤作動の原因として、弊社対応したレアケースに以下の様なものが…。

  • 天井裏で出産した猫の破水で濡れて感知器が発報
  • 冬場の朝6時に仕込みの必要なメニューの鍋が出す蒸気による昇温で熱感知器が発報
  • 階段近くの喫煙スペースで大量の老人が一斉に煙草を吸うことで発生した大量の煙が流れて煙感知器が発報

 

『あれ…防火戸が閉まってる?』と思って現地見に行ったら、老人の集団が煙草を吸っててモックモク‥って白い風景が脳裏に焼き付いてます。
管理人
正義タマスケ
正義タマスケ
現場に行って原因が特定できなかった時って、実は “とある人間” の仕業だった…ってこともあったりする為、瞬時に把握しきれない部分アリ。

こんな感じで、一概にマニュアル化しきれない部分があることも「改修」が得意な消防設備士が重宝される一因となるでしょう。

 

◎「改修」は建物情報を知っている人がすべき?

建物 消防設備士 改修

消防用設備等の設置については消防法で定められていますが、その設置され方については建物ごとのクセがあったりします。

何らかの理由があって、配線や配管ルート等が通常とは異なる感じで敷設されたりすることありますね。
管理人
工事タマスケ
工事タマ王
その図面には無い情報を知った上で「改修」に取り組めば、より効率良く作業ができるって話ですな。

 

以前、弊社で長らく消防用設備点検をしていた企業さんがコスト削減の為、破格で作業実施する他社に乗り換えられたことがありました。

その時に「改修」だけ、弊社に振って下さるんですね。

おそらく理由は価格面だったかと思います。

弊社員は当該建物の「どこに何があって、どうなっているのか‥。」を熟知した上で改修に取り組むワケです。

他の人が逐一、調べながら作業するのとは改修の効率が格段に違います。

中には、消防用設備点検を他社に取られてしまったものの、また「改修」をキッカケに戻って下さる方もいらっしゃいますね。
管理人
カッパ
カッパ
ず~っと「改修」ばかりを振って下さるパターンもありますね、点検も欲しいですよ正直…。

 

◎「改修」は最適なメンテナンス提案ができる!

改修 最適な提案

新設建物における “工事” については「消防検査をクリアする」というゴールがあるでしょう。

また “点検” については「消防用設備点検報告書の項目上で○✕を判定する」というゴールが決まっています。

(※いずれも消防法を遵守した状況)

“工事” および “点検” も、あらかじめ明確なゴールが設定されているのです。

 

一方で2.5次産業と題した「改修」については、お客様によって求めるレベルが異なります。

例えば『劣化している為、交換をオススメします。』という案件があったとして、お客様の反応には以下のパターンが‥。

成金タマスケ
成金タマスケ
そうでっか、ンなら全部交換しといて~。
強欲な青木
何やて!?壊れるまで使うからエエわ~。

お客様の声を聞いた上で、最適な状態にする為の仕事が求められるのが「改修」の特徴でしょう。

 

機械的に全てを完璧な状態にする為、際限なく費用を捻出して頂ける…みたいな状況は非現実的なんです。

そこには依然としてニーズに対する交渉が発生し、人間が介在する余地が残されてしまうでしょう。

工事と点検業務は市場化が進行すると、だんだんサービスの単価維持が難しくなってきます。

接客上の人間味が伴う「改修」が得意な消防設備士は、価値が留まるので相対的に生き残っていくと導かれるのです。

非効率で業界の生産性が下がり、薄給のままでは人が来ないので “ふるい” にかけられることで相対的に生き残る…といった市場化については個人的に大賛成です!
管理人
強欲な青木
ただ市場化で7.5次産業における “工事” や “点検” の単価がイタズラに下落させられ、結果的に参入できない業界になってしまっては商売あがったりですから要注意かと。

 

以上、7.5次産業化する市場でも「改修」の価値は留まる為、結果的に生き残りやすいサービスとなっている話でした。

 

◎ まとめ

  • 古典的な産業分類において建設業は第二次産業に該当し、消防用設備点検や防火対象物点検を始めとする “点検” については、サービス業であり第三次産業に該当する為その中間に位置する「改修」を「第2.5次産業」と表現して2+3+2.5=7.5次産業としていた。
  • 原因不明スタートですから “謎解き” から始まることもある「改修」は、一概にマニュアル化しきれない部分があることも「改修」が得意な消防設備士が重宝される要素となっていた。
  • 「改修」については、お客様によって求めるレベルが異なる為、依然としてニーズに対する交渉が発生するので人間が介在する余地が残った。
  • この記事を書いた人

管理人

【経歴】鈴鹿高専材料工学科 ⇒ 静岡大学工学部(3年次編入学) ⇒ 院 ⇒ 鈴与㈱ ⇒ 某A防災㈱ ⇒ 青木マーケ㈱※独立
【保有資格】消防設備士全類・危険物取扱者全類・第二種電気工事士・工事担任者(AI・DD総合種)・第三種電気主任技術者
【主な活動】月刊誌「電気と工事(オーム社)」コラム執筆・ブログ(月間40万PV)・YouTubeチャンネル「強欲な青木&消防設備士」の動画作成

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