この講義では、屋外消火栓設備と水噴霧消火設備をまとめて学びます。
どちらも水を使う設備ですが、役割と数値の読み方が違います。
これから覚える2つ
- 屋外消火栓設備:建築物の外部からホースを延ばして放水する
- 水噴霧消火設備:噴霧ヘッドから細かな水滴を放射し、防護対象物や床面を包む
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1屋外消火栓設備:建築物の外部からホースを延ばして放水する
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2水噴霧消火設備:噴霧ヘッドから細かな水滴を放射し、防護対象物や床面を包む
この講義で学ぶのは、全部で6項目です。
- 屋外消火栓設備の設置対象
- 屋外消火栓の40mと放水性能
- 屋外消火栓の水源水量
- 水噴霧消火設備の設置対象と噴霧ヘッド
- 駐車場の20L/min・20分・50㎡
- 道路・駐車場の排水設備
現在地:法令2(2/5)|この講義5問・単元全25問
🚒 屋外消火栓設備の全体像
屋外消火栓設備は、水源、加圧送水装置、配管、屋外消火栓、ホース格納箱、ホース、ノズルで構成します。
水の流れは、次の5段階です。
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1水源に水を確保する
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2加圧送水装置で圧力を与える
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3地中・屋外配管で送る
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4屋外消火栓へホースを接続する
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5建築物の外部から放水する
消防法施行令第19条第3項、消防法施行規則第22条。屋外消火栓の配置、水源、放水性能、放水用器具、非常電源、加圧送水装置の細目を定めています。
🏭 屋外消火栓設備が必要になる建築物
設置判定に使う床面積は、建物の階数で範囲が変わります。
- 地階を除く階数が1:1階の床面積
- 地階を除く階数が2以上:1階と2階の床面積の合計
この床面積が、建築物の構造ごとの基準以上になると屋外消火栓設備が必要です。
| 建築物の構造 | 設置が必要になる床面積 |
|---|---|
| 耐火建築物 | 9,000㎡以上 |
| 準耐火建築物 | 6,000㎡以上 |
| その他の建築物 | 3,000㎡以上 |
同一敷地内の建築物を一つとみなす場合
同一敷地内にある2以上の建築物について、耐火建築物・準耐火建築物を除き、外壁間の中心線からの水平距離が次の範囲にある部分を持つときは、一つの建築物とみなす場合があります。
- 1階:3m以下
- 2階:5m以下
消防法施行令第19条第1項・第2項。構造別の3,000㎡・6,000㎡・9,000㎡と同一敷地内の近接建築物を一つとみなす条件を定めています。
屋外消火栓の設置面積は「平屋=1階」「2階以上=1階+2階」。構造別に3,000・6,000・9,000㎡。
📏屋外消火栓は水平距離40m以下
屋外消火栓は、建築物の各部分から一のホース接続口までの水平距離が40m以下となるように設けます。
ここで問われるのは、歩行距離ではなく水平距離です。
消防用ホースも、ホース接続口から水平距離40mの範囲内にある建築物の各部分へ有効に放水できる長さとします。
水源・放水性能・ポンプ吐出量
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 水源水量 | 7㎥ × 設置個数n |
| 計算個数n | 設置個数が2を超えるときは2 |
| ノズル先端の放水圧力 | 0.25MPa以上 |
| ノズル先端の放水量 | 350L/min以上 |
| ポンプ吐出量 | 400L/min × n以上 |
| 過大圧力防止 | ノズル先端0.6MPa以下 |
設置個数が1個なら水源は7㎥以上、2個以上なら14㎥以上です。
7㎥ × 2個 = 14㎥
消防法施行令第19条第3項第1号から第4号、消防法施行規則第22条第10号。水平距離40m、水源7㎥×最大2、0.25MPa・350L/min、ポンプ400L/min×最大2、0.6MPa超過防止を確認します。
屋外消火栓は「水平40m・水源7㎥・放水350L/min・ポンプ400L/min」。個数は最大2。
🧰屋外消火栓箱と表示
屋外消火栓の開閉弁は、地盤面から高さ1.5m以下、または地盤面から深さ0.6m以内に設けます。
地盤面下に屋外消火栓を設ける場合、ホース接続口は地盤面から深さ0.3m以内です。
屋外消火栓箱には、次の基準があります。
- 屋外消火栓から歩行距離5m以内に設ける
- 箱の表面へ「ホース格納箱」と表示する
- 屋外消火栓の直近へ「消火栓」と表示した標識を設ける
- 加圧送水装置の始動を示す表示灯は赤色
屋外消火栓に面する建築物の外壁の見やすい箇所に屋外消火栓箱を設ける場合は、歩行距離5m以内のただし書があります。
屋外消火栓本体までの配置は水平距離40m。ホース格納箱は原則として屋外消火栓から歩行距離5m以内。
🌧️ 水噴霧消火設備の役割
水噴霧消火設備は、噴霧ヘッドから細かな水滴を放射し、防護対象物やその周囲の火災を消火します。
水噴霧消火設備を選択できる代表的な部分には、次があります。
- 道路の用に供される部分
- 駐車の用に供される部分
- 一部の指定可燃物を貯蔵・取扱う部分
駐車場等では、水噴霧以外に泡、不活性ガス、ハロゲン化物、粉末など、法令で認められた設備から選択できる場合があります。
道路・駐車場の設置対象
| 部分 | 基準 |
|---|---|
| 道路の屋上部分 | 600㎡以上 |
| 道路の屋上以外 | 400㎡以上 |
| 駐車部分の地階・2階以上 | 200㎡以上 |
| 駐車部分の1階 | 500㎡以上 |
| 駐車部分の屋上 | 300㎡以上 |
| 機械式駐車 | 収容台数10台以上 |
駐車部分では、すべての車両が同時に屋外へ出られる構造の階を除いて判定します。
消防法施行令第13条第1項の表。道路、駐車部分、機械式駐車、指定可燃物等について、選択できる消火設備と設置基準を定めています。
水噴霧等の設置対象は、道路が屋上600・その他400、駐車が地階等200・1階500・屋上300、機械式10台。
🚿 噴霧ヘッドの配置と放射量
噴霧ヘッドは、防護対象物の形状、構造、性質、数量、取扱方法に応じ、火災を有効に消火できる個数と位置に設けます。
高圧の電気機器がある場所
電気機器と噴霧ヘッド・配管の間には、電気絶縁を保つために必要な空間を確保します。
指定可燃物を貯蔵・取扱う部分
防護対象物のすべての表面が、噴霧ヘッドの有効防護空間に入るように設けます。
標準放射量は床面積1㎡につき10L/minです。
道路・駐車部分
道路幅員や車両の駐車位置を考慮し、次の両方を満たすように設けます。
- 防護対象物を水噴霧で有効に包含する
- 車両の周囲の床面火災を有効に消火する
標準放射量は床面積1㎡につき20L/minです。
消防法施行令第14条第1号・第3号、消防法施行規則第16条第1項・第17条第1項。高圧電気機器との絶縁空間、防護対象物の包含、10L/min・20L/minの標準放射量を定めています。
指定可燃物は10L/min。道路・駐車場は20L/min。問題文の防護対象物を先に確定する。
💧 駐車場の水源は「50㎡・20L・20分」
駐車の用に供される部分に設ける水噴霧消火設備の水源は、次の式で計算します。
水源水量 = 計算床面積 × 20L/min・㎡ × 20分
計算床面積は、実際の床面積が50㎡を超えるとき50㎡とします。
| 実際の床面積 | 計算床面積 |
|---|---|
| 50㎡以下 | 実際の床面積 |
| 50㎡を超える | 50㎡ |
最大となる計算は、次のとおりです。
50㎡ × 20L/min・㎡ × 20分 = 20,000L = 20㎥
したがって、駐車場の水噴霧消火設備で覚える組合せは、50㎡・20L/min・20分です。
道路部分は、最大となる道路区画面積を基準に、1㎡につき20L/minの水量で20分間放射できる量を確保します。
指定可燃物の場合は、50㎡を上限とする点と20分間は同じですが、1㎡につき10L/minです。最大水源水量は10㎥です。
消防法施行規則第17条第3項。道路は最大の道路区画面積、駐車部分は床面積を最大50㎡として、1㎡につき20L/minの水量で20分間放射できる水源を求めます。
駐車場は「50㎡で頭打ち × 20L/min・㎡ × 20分 = 最大20㎥」。指定可燃物の10L/minと混同しない。
🛢️ 道路・駐車場には排水設備を設ける
道路や駐車場へ水噴霧消火設備を設けるときは、噴霧水と漏れた油を有効に排水する設備が必要です。
道路部分
- 排水溝へ有効に排水できる勾配をつける
- 道路の中央または路端に排水溝を設ける
- 排水溝は長さ40m以内ごとに1個の集水管を設ける
- 集水管を消火ピットへ連結する
- 消火ピットは油分離装置付きとし、火災危険の少ない場所に設ける
駐車部分
- 駐車場所の床面を排水溝へ向かって100分の2以上の勾配とする
- 車路に接する部分を除き、高さ10cm以上の区画境界堤を設ける
- 車路の中央または両側に排水溝を設ける
- 排水溝は長さ40m以内ごとに1個の集水管を設ける
- 集水管を油分離装置付きの消火ピットへ連結する
排水溝と集水管は、加圧送水装置の最大能力の水量を有効に排水できる大きさと勾配にします。
消防法施行令第14条第2号、消防法施行規則第17条第4項・第5項。道路と駐車部分の排水溝、集水管、消火ピット、駐車床の2%勾配、10cm以上の区画境界堤を定めています。
駐車場の排水は「勾配2%・堤10cm・集水管40m・油分離ピット」。道路には2%と10cmの数値をそのまま当てない。
⚠よく出る注意ポイントポイント
よく出る引っかけは、全部で8つです。
- 屋外消火栓の40mを歩行距離とする → 水平距離
- 屋外消火栓の水源係数を6㎥・8㎥とする → 7㎥
- 設置個数をすべて掛ける → 最大2個
- 放水量350L/minとポンプ吐出量400L/minを入れ替える
- 駐車場の標準放射量を10L/minとする → 20L/min
- 駐車場の放射時間を10分とする → 20分
- 駐車場が50㎡を超えても実面積で水源計算する → 50㎡で頭打ち
- 道路と駐車場の排水基準を全部同じにする → 2%勾配・10cm堤は駐車部分
📝試験問題を解くときの手順
解く手順は、全部で6つです。
step
1屋外消火栓か水噴霧かを判別する
step
2屋外消火栓なら設置面積か設備性能かを分ける
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340mは水平距離、7㎥は水源係数と確認する
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4水噴霧なら道路・駐車場・指定可燃物を判別する
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5駐車場なら20L/min・20分・最大50㎡を使う
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6問題が正しいものか誤っているものかを再確認する
✍過去問で確認しよう
この単元の収録過去問は、全部で5問です。
屋外消火栓設備に関する次の記述のうち、文中の( )に当てはまる語句及び数値の組合せとして、消防法令上、正しいものは次のうちどれか。
「屋外消火栓は、建築物の各部分から一のホース接続口までの(A)が(B)m以下となるように設けること。」
| 選択肢 | (A) | (B) |
|---|---|---|
| 1 | 水平距離 | 40 |
| 2 | 水平距離 | 50 |
| 3 | 歩行距離 | 40 |
| 4 | 歩行距離 | 50 |
屋外消火栓設備の水源水量を算出する場合、屋外消火栓の設置個数に乗ずる数量として、消防法令上、正しいものは次のうちどれか。
- 6㎥
- 7㎥
- 8㎥
- 9㎥
水噴霧消火設備の噴霧ヘッドについて、消防法令上、誤っているものは次のうちどれか。
- 高圧の電気機器がある場所においては、当該電気機器と噴霧ヘッド及び配管との間に電気絶縁を保つための必要な空間を保つこと。
- 指定可燃物が貯蔵されている防火対象物に設置する噴霧ヘッドは、防護対象物のすべての表面を当該ヘッドの有効防護空間内に包含するように設けること。
- 防火対象物の駐車の用に供される部分に設置する噴霧ヘッドは、防護対象物を水噴霧により有効に包含し、かつ、車両の周囲の床面の火災を有効に消火することができるように設けること。
- 防火対象物の駐車の用に供される部分に設置する噴霧ヘッドは、床面積1㎡につき10L/minの水量を標準放射量で放射することができるように設けること。
消防法令上、防火対象物の駐車の用に供される部分に水噴霧消火設備を設置する場合、床面積1㎡あたりの最小放水量と最小放水時間の組合せとして、正しいものはどれか。
| 選択肢 | 1㎡あたり最小放水量 | 最小放水時間 |
|---|---|---|
| 1 | 10L/min | 10分 |
| 2 | 15L/min | 10分 |
| 3 | 20L/min | 20分 |
| 4 | 25L/min | 20分 |
防火対象物の駐車の用に供される部分に設置する水噴霧消火設備の水源水量について、次の文中の( )内に当てはまる数値の組合せとして、消防法令上、正しいものは次のうちどれか。
「水噴霧消火設備の水源の水量は、当該防火対象物又はその部分の床面積(当該床面積が(ア)㎡を超える場合にあっては、(ア)㎡とする。)1㎡につき(イ)L/minの量の割合で計算した水量で、(ウ)分間放射することができる量以上の量としなければならない。」
| 選択肢 | (ア) | (イ) | (ウ) |
|---|---|---|---|
| 1 | 100 | 10 | 10 |
| 2 | 100 | 20 | 10 |
| 3 | 50 | 10 | 20 |
| 4 | 50 | 20 | 20 |
まとめ
最後に、全部で12ポイントを確認します。
- 屋外消火栓の設置面積は、その他3,000㎡・準耐火6,000㎡・耐火9,000㎡
- 設置面積は平屋なら1階、2階以上なら1階と2階の合計
- 屋外消火栓は建築物の各部分から水平距離40m以下
- 屋外消火栓の水源は7㎥×最大2個
- 屋外消火栓は0.25MPa以上・350L/min以上
- 屋外消火栓のポンプ吐出量は400L/min×最大2個
- 道路の水噴霧等は屋上600㎡・その他400㎡
- 駐車部分は地階等200㎡・1階500㎡・屋上300㎡・機械式10台
- 指定可燃物の水噴霧は10L/min・㎡
- 道路・駐車場の水噴霧は20L/min・㎡
- 駐車場の水源は最大50㎡×20L/min・㎡×20分=最大20㎥
- 駐車場の排水は2%勾配・10cm堤・集水管40m・油分離ピット
➡次に進みましょう
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【過去問】消防設備士甲1・乙1の法令③|スプリンクラー設備の設置対象







