【過去問】消防設備士甲1・乙1の法令③|スプリンクラー設備の設置対象

【過去問】消防設備士甲1・乙1の法令③|スプリンクラー設備の設置対象

消防法令の共通用語、防火対象物の区分、届出などの基礎は、先に共通法令の無料講義で確認できます。この講義では共通事項を繰り返さず、1類で問われるスプリンクラー設備の設置対象判定に絞ります。

スプリンクラー設備の設置対象は、1類法令の中でも条件が多い範囲です。

最初から全数値を横並びで覚えず、次の6ルートに分けます。

これから覚える6つ

  1. 面積にかかわらず必要な用途
  2. 建物全体の床面積に応じて必要な用途
  3. 地階・無窓階・4階以上の階
  4. 舞台部・ラック式倉庫・地下街
  5. 複合用途防火対象物
  6. 規則で設置を要しない部分

強欲な青木
3,000、6,000、300、500……全部を表で覚えたら混ざります。

最初に「面積にかかわらず」か「面積で判定」かを分けます。次に用途、階、部分の順で見れば、使う数字が絞れます。
消防設備士

 

 

現在地:法令3(3/5)



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>> 消防設備士「過去問テスト」

併せて、ご参照ください。

 

🚿 設置判定の6ルート

問題文を読んだら、次の順番で判定します。

  1. 用途は病院・社会福祉施設等か
  2. 地階を除く階数は11以上か
  3. 平屋建か、平屋建以外か
  4. 地階・無窓階・4階以上10階以下か
  5. 舞台部、ラック式倉庫、地下街等の個別基準か
  6. 複合用途なら特定用途部分の合計と所在階はどこか
設置判定の6ルート

消防法施行令第12条第1項は、用途、階数、床面積、舞台部、ラック式倉庫、地下街、指定可燃物等の設置対象を定めています。

スプリンクラーの設置判定は「用途 → 階 → 面積 → 個別部分 → 複合用途」の順。

 

 

🏥 面積にかかわらず必要な医療・福祉用途

火災時に自力避難が難しい人が利用する施設の一部は、原則として延べ面積にかかわらず設置対象です。

代表例は次のとおりです。

  • 病床を有する所定の病院
  • 4人以上の患者を入院させる施設を有する所定の診療所
  • 老人短期入所施設
  • 養護老人ホーム、特別養護老人ホーム
  • 乳児院
  • 一定の救護施設、障害児入所施設、障害者支援施設

一部の施設には「介助がなければ避難できない者を主として入所させるか」や275㎡以上という条件があります。また、火災発生時の延焼を抑制する所定の構造を有するものには例外があります。

面積にかかわらない用途

 

面積に応じて判定する医療用途

同じ医療施設でも、用途区分によって床面積判定になります。

  • 入所施設を有する助産所等:平屋建以外で3,000㎡以上となる区分
  • 無床診療所等:平屋建以外で6,000㎡以上となる区分

診療科、病床・入所施設の有無、収容人数を問題文から確認します。

強欲な青木
診療所と書いてあれば、全部同じ基準ではないんですね?

はい。病床の有無、診療科、入院人数で区分が変わります。「診療所」という一語だけで判定しないでください。
消防設備士

消防法施行令第12条第1項第1号・第4号。医療・福祉用途について、面積にかかわらない対象と床面積に応じる対象を区分しています。

医療・福祉用途は「病床・入所・人数」を先に確認。施設名だけで決めない。

 

 

🏨 11階以上は用途で設置範囲が変わる

地階を除く階数が11以上の特定防火対象物では、原則として全階が設置対象です。

ホテル、飲食店、物品販売店舗などが代表例です。

非特定用途の防火対象物は、11階以上の階が設置対象になります。10階以下の階まで自動的に全階設置となるわけではありません。

11階以上の設置範囲

消防法施行令第12条第1項第3号・第12号。11階以上の特定用途とそれ以外の防火対象物における設置範囲を定めています。

11階以上は「特定用途なら原則全階」「非特定用途なら11階以上の階」。

 

 

🏬 平屋建以外は3,000㎡・6,000㎡を判定

所定の特定防火対象物で平屋建以外の場合は、用途に応じた床面積の合計で判定します。

基準 主な用途例
3,000㎡以上 百貨店・マーケット等、所定の病院・診療所
6,000㎡以上 劇場、飲食店、旅館・ホテル、無床診療所、幼稚園、蒸気浴場等

平屋建の物品販売店舗やホテル等へ、この3,000㎡・6,000㎡の基準をそのまま適用しません。

3,000と6,000の用途

 

地階・無窓階・4階以上10階以下

建物全体が基準未満でも、階の用途と床面積によって設置対象になります。

  • 地階・無窓階:所定用途で1,000㎡以上
  • 4階以上10階以下:用途に応じて1,000㎡以上または1,500㎡以上

強欲な青木
建物全体が6,000㎡未満でも、無窓階が1,000㎡あれば設置対象になることがありますね。

そのとおりです。建物全体の基準と各階の基準は別ルートです。
消防設備士

消防法施行令第12条第1項第4号・第11号。平屋建以外の用途別床面積と地階・無窓階・4階以上10階以下の階別基準を定めています。

3,000・6,000は平屋建以外の全体判定。1,000・1,500は地階等の階別判定。

 

 

🎭 舞台部は300㎡・500㎡

劇場、公会堂、集会場等の舞台部は、舞台がある階によって基準が変わります。

舞台部の位置 設置が必要になる床面積
地階・無窓階・4階以上 300㎡以上
1階~3階 500㎡以上

3階にある300㎡の舞台部は基準未満ですが、4階にある300㎡の舞台部は基準以上です。

舞台部300・500

舞台部は「地階・無窓・4階以上=300」「1~3階=500」。

 

 

📦 ラック式倉庫・地下街・準地下街

 

ラック式倉庫

次の2条件を両方満たすラック式倉庫は設置対象です。

  • 天井の高さが10mを超える
  • 延べ面積700㎡以上

「10m以上」ではなく「10mを超える」です。

 

地下街・準地下街

  • 地下街:延べ面積1,000㎡以上
  • 準地下街:延べ面積1,000㎡以上、かつ、特定用途部分500㎡以上
個別用途の境界値

消防法施行令第12条第1項第5号から第7号。ラック式倉庫、地下街、準地下街の基準を定めています。

 

 

🏢複合用途は特定用途部分を合計する

特定用途を含む複合用途防火対象物では、特定用途部分の床面積を建物全体で合計します。

合計が3,000㎡以上になると特定用途部分がある階にスプリンクラー設備を設置します。

たとえば、次の建物を考えます。

  • 1~3階:マーケット 合計2,400㎡
  • 4階:キャバレー 800㎡
  • 5~7階:事務所

特定用途部分は、2,400+800=3,200㎡です。3,000㎡以上なので、マーケットとキャバレーがある1~4階が設置対象です。事務所だけの5~7階は、この3,000㎡ルートでは対象になりません。

複合用途3,000㎡判定

強欲な青木
3,000㎡を超えたら、建物全体へ設置するのではないんですか?

このルートでは、特定用途部分がある階です。事務所や共同住宅だけの階まで自動的に含めません。ただし、11階以上など別の設置基準は別途確認します。
消防設備士

消防法施行令第12条第1項第10号・第11号。特定用途を含む複合用途防火対象物について、特定用途部分の合計と所在階・階別面積を基準にします。

複合用途は「特定用途部分を合計 → 3,000㎡以上 → 特定用途がある階」。

 

 

🚫 設置を要しない部分を最後に確認する

設置対象となる建物でも、規則で定める階段、浴室、便所、通信機器室、機械室、電気設備の場所、直接外気に開放された廊下、所定の手術室等には、スプリンクラーヘッドを設けない部分があります。

さらに、防火上有効な区画等を備えた部分には、特定施設水道連結型スプリンクラー設備に関する面積算定上の扱いがあります。

設問が「設置を要しない部分を考慮しない」としている場合は、この例外を持ち込まず、用途・階・面積だけで判定します。

消防法施行規則第13条第3項、第13条の5の2。ヘッドを設けない部分と防火上有効な措置が講じられた部分の条件を定めています。

設置義務を判定した後に、規則上の設置不要部分を確認する。問題文が除外している条件は持ち込まない。

 

 

✍過去問で確認しよう

この単元の収録過去問は、全部で5問です。

 

劇場の舞台部で、消防法令上、スプリンクラー設備の設置義務がないのは次のうちどれか。

  1. 無窓階にある床面積が300㎡の舞台部
  2. 3階にある床面積が300㎡の舞台部
  3. 4階にある床面積が350㎡の舞台部
  4. 5階にある床面積が400㎡の舞台部

 

消防法令上、スプリンクラー設備の設置を必要としないものは、次のうちどれか。

  1. 公会堂の2階にある舞台部で、床面積が300㎡のもの
  2. 5階建の旅館で、床面積の合計が6,000㎡のもの
  3. 3階建の複合用途防火対象物で、百貨店として使われる部分の床面積の合計が3,000㎡のもので、百貨店の存する階
  4. 天井までの高さが12mのラック式倉庫で、延べ面積が3,000㎡のもの

 

1階から3階がマーケット(床面積の合計が2,400㎡)、4階がキャバレー(床面積800㎡)、5階から7階が事務所である複合用途防火対象物におけるスプリンクラー設備の設置義務として、消防法令上、正しいものは次のうちどれか。

  1. 建物全体に、スプリンクラー設備の設置義務がある。
  2. 1階から3階のみに、スプリンクラー設備の設置義務がある。
  3. 1階から4階のみに、スプリンクラー設備の設置義務がある。
  4. 4階のみに、スプリンクラー設備の設置義務がある。

 

消防法令上、床面積に応じたスプリンクラー設備の設置義務がある防火対象物は、次のうちどれか。

  1. 平屋建の養護老人ホーム
  2. 地階を除く階が2の、患者を入院させるための施設を有しない診療所
  3. 地階を除く階数が11のホテル
  4. 平屋建の乳児院

 

スプリンクラー設備を設置しなければならない防火対象物として、消防法令上、誤っているものは次のうちどれか。ただし、地階及び無窓階並びに規定に定めるスプリンクラー設備の設置を要しない構造及び階の部分等については、考慮しないものとする。

  1. 階数が3の、老人短期入所施設で、床面積の合計が3,000㎡のもの
  2. 階数が3の、入所施設を有する助産所で、床面積の合計が3,000㎡のもの
  3. 階数が2の、8人の患者を入院させるための施設を有する内科の診療所で、床面積の合計が250㎡のもの
  4. 階数が2の、入院させるための施設を有しない皮膚科の診療所で、床面積の合計が250㎡のもの


強欲な青木
迷わずに回答できましたか?
もし、まだ自信がないのであれば繰り返し「過去問テスト」等を使って類題を解くことをオススメします!
消防設備士

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上記以外に新傾向問題の情報など提供あり次第、解説を毎年追記して更新しています。これから消防設備士の試験を受けられる方は是非ご覧下さい。


強欲な青木
舞台部は階、医療施設は病床、複合用途は特定部分の合計を見るんですね。

はい。設置基準の入口を選べれば、使う数字は1つか2つに絞れます。
消防設備士

 

➡次に進みましょう

法令の3/5講義が終了です。次は「ヘッドの水平距離・配置・設置基準」を学習します。 下のタイムラインで点灯している講義から、そのまま次の学習へ進めます。