資格試験

消防設備士と電気工事士はどっちを先に取る?答えは「乙6と同時に申し込む」

消防設備士と電気工事士はどっちが先?

著者:青木俊輔(強欲な青木)/青木マーケ(株) 取締役 COO、(株)防災屋 代表取締役 社長、(一社)予防団 共同代表理事
保有資格(本記事に関係するもの):消防設備士全類、第二種電気工事士、第三種電気主任技術者
確認日:2026年10月19日
更新内容:初版


この記事の結論

消防設備の仕事をするなら、どちらか一方ではなく両方が必要です。取る順番は次のとおりです。

1.消防設備士 乙種第6類(受験資格なし)と第二種電気工事士(受験資格なし)を、ほぼ同じ時期に申し込む
2.第二種電気工事士の免状で、甲種消防設備士の受験資格を満たす
3.消防設備士 甲種第4類(自動火災報知設備)を受ける

電気工事士を早めに取る理由は2つです。電気工事士の免状があれば甲種消防設備士を受験でき、さらに自動火災報知設備などの仕事では電源の工事に電気工事士が必要になるからです。

一方、電気工事の会社で働く人や、消防設備の仕事をする予定がない人は、電気工事士を先に(または電気工事士だけを)取れば十分です。

消防設備士 乙種第6類(合格率35.6%)と第二種電気工事士(学科56.6%・技能71.8%)を同じ時期に申し込み、電気工事士の免状を受験資格にして甲種第4類(合格率34.5%)へ進む流れを示した図
強欲な青木
消防設備士と電気工事士、結局どっちを先に取ればいいんですか?
乙6を取るタイミングで、電気工事士も近くで申し込む。これが最初の順番です。
消防設備士
強欲な青木
同時進行なら迷わなくて済みますね!

2つの資格でできる仕事の違い

項目 消防設備士 第二種電気工事士
もとになる法律 消防法 電気工事士法
試験の実施団体 一般財団法人消防試験研究センター 一般財団法人電気技術者試験センター
できる仕事 消防用設備等の工事・整備・点検(甲種)、整備・点検(乙種)。類ごとに対象の設備が決まっている 一般用電気工作物等(主に一般住宅や小規模な店舗など、600V以下で受電している施設の電気工作物)の電気工事
区分 甲種(特類・第1〜5類)、乙種(第1〜7類) 第一種・第二種(第一種は最大電力500kW未満の自家用電気工作物の工事にも従事できる)

出典:一般財団法人消防試験研究センター「消防設備士試験」https://www.shoubo-shiken.or.jp/shoubou/ 、一般財団法人電気技術者試験センター「電気工作物の概要(電気技術者資格との関係)」https://www.shiken.or.jp/shiken/qualification/ (確認日 2026-10-19)

消防設備士(消防用設備の工事・整備・点検)と電気工事士(一般用電気工作物等の電気工事)の範囲が、自動火災報知設備・誘導灯などの電源まわりで重なることを示した図

消防設備の現場では、この2つの範囲が重なります。自動火災報知設備の受信機や誘導灯は建物の電源につながっていて、電気工事士法では、一般用電気工作物等などの電気工事の作業に電気工事士等の資格を持つ人が従事することを義務づけています(電気技術者試験センター「電気工作物の概要」)。青木は、消防設備士の業務の中に「電気工事士を持っていないとできないもの」が混ざっている、と話しています(YouTube「消防設備士と相性の良い国家資格トップ10」2025年7月16日公開)。

消防法施行令第36条の2では、自動火災報知設備の工事・整備のうち「電源の部分」が、消防設備士でなければ行ってはならない範囲から除かれています(e-Gov法令検索「消防法施行令」https://laws.e-gov.go.jp/law/336CO0000000037 、確認日 2026-10-26)。書籍『消防設備士0類』でも、消防用設備に関わる作業のすべてが消防設備士の独占業務ではないと説明しています(第1章の導入部分。書籍執筆時の記述)。

強欲な青木
消防設備士を持っていれば、関係する電気の工事もできるんじゃないんですか?
自動火災報知設備の工事をやるなら、電源を引っ張ってこないといけない。消防設備士の業務の中に、電気工事士を持っていないとできないものが混ざっているんです。
消防設備士

電気工事士が甲種消防設備士の受験資格になる

甲種消防設備士(特類以外)を受けるには受験資格が必要です。その一つが「電気工事士免状の交付を受けている者」です(消防試験研究センター「甲種について」https://www.shoubo-shiken.or.jp/shoubou/annai/qualified01.html 、確認日 2026-10-19)。

ほかに学歴(指定の学科の卒業など)や、乙種の免状を取った後の2年以上の整備経験でも満たせますが、第二種電気工事士は受験資格がなく誰でも受けられるので、乙種を取ってから2年待つより早く甲種へ進めます。試験に合格しただけでなく、免状の交付を受けている必要がある点に注意してください。受験資格の詳しい条件は、青木の公式サイトの記事で解説しています。
https://www.aoki-of-greed.com/2026/10/11/消防設備士の受験資格と甲種-乙種の違い-電気工事士-乙6-点検資格者から考える取得ルート/
青木も、電気工事士で甲種の受験資格を満たすのが「王道」だと話しています(YouTube「国家資格『消防設備士』の受験資格と甲種・乙種の違いとは?」2025年4月28日公開)。

試験と合格率の違い

項目 消防設備士 乙種第6類 消防設備士 甲種第4類 第二種電気工事士
受験資格 不要 必要 不要
試験の形式 筆記(四肢択一30問)+実技(記述式 鑑別等5問) 筆記(四肢択一45問)+実技(記述式 鑑別等5問・製図2問) 学科(四肢択一)+技能(配線図の課題を工具を使って時間内に完成させる)
合格率(令和5年度) 38.1% 32.3% 学科59.4%、技能71.1%
合格率(令和6年度) 36.2% 34.0% 学科58.2%、技能70.3%
合格率(令和7年度) 35.6% 34.5% 学科56.6%、技能71.8%

出典:

第二種電気工事士の技能試験は、学科試験の合格者(または学科免除者)だけが受けられます。工具を使って実際に配線を完成させる試験なので、工具をそろえて手を動かす練習が必要です。

技能試験の練習は、入社後に先輩に工具の使い方を見てもらいながら進めるのがおすすめです。

消防設備士の合格率と難易度の詳しい説明は、こちらの記事にまとめています。
https://aokimarke.com/exam-passing30rate/

強欲な青木
技能試験って、工具を使って実際に配線するんですよね…不器用なので不安です。
データマスケ
データマ王
技能試験の合格率は、令和5〜7年度とも70%を超えています。技能試験を受けた人の7割以上が合格しています。
強欲な青木
練習すれば何とかなりそうです!

青木の考え:電気工事士は「一択」、乙6と同時に申し込む

ここからは青木本人の考えです。

消防設備士と相性のいい資格の1位

青木は「消防設備士と相性のいい国家資格」の1位に電気工事士を挙げ、「一択」だと話しています。甲種消防設備士の受験資格を満たすためにも取るし、自動火災報知設備の工事では電源を引いてこなければならず、消防設備士の業務の中に電気工事士がないとできない作業が混ざっているから、という理由です(前掲の2025年7月16日公開の動画)。2位以下の資格と、それぞれ仕事にどうつながるかは、青木の公式サイトの記事で紹介しています。
https://www.aoki-of-greed.com/2026/10/15/消防設備士と相性の良い資格トップ10-電気工事士-点検資格-施工管理から次の学びを選ぶ/

強欲な青木
相性のいい資格の1位は、迷わず電気工事士なんですね。
電気工事は圧倒的ですよ。1位は一択です。
消防設備士

申し込みのタイミング

取る順番について、青木は乙種第6類と第二種電気工事士を「近いタイミングで申し込む」ことをすすめています(YouTube「国家資格『消防設備士』は何種類ある?取る順番で合格率が上がります」2025年5月1日公開)。未経験で消防設備の会社に入った人には、第二種電気工事士と甲種第4類を「入社直後に申し込んで」と答えています(青木本人への確認、2026年10月)。

講習を受けるだけで取れる第三級陸上特殊無線技士でも甲種の受験資格は満たせますが、青木は、電気工事士はどうせ仕事で使うので、最初から電気工事士を取るほうがよいと話しています(前掲の2025年5月1日公開の動画)。

強欲な青木
第三級陸上特殊無線技士なら、講習だけで甲種の受験資格が取れるんですよね?
わざわざお金を払って使わない資格を取らなくても、電気工事士はどうせ使うんだから、最初から電気工事士を取ればいいんです。
消防設備士

電気工事士を持っていると科目免除もできるが…

電気工事士の免状を持っていると、申請によって消防設備士の試験の電気に関する一部の問題が免除されます。ただ青木自身は、科目免除を一度も使いませんでした(YouTube「電気工事士で試験問題数を最大7割カットできる裏ワザ」2025年6月10日公開)。

甲4・乙7で何問が免除になるか、免除する・しないの選び方は、青木の公式サイトの記事で詳しく解説しています。
https://www.aoki-of-greed.com/2026/10/11/消防設備士は科目免除するべき-電気工事士による甲4-乙7の免除と-得点力-学習計画からの選び方/

強欲な青木
電気工事士を持っていたら、免除を使って楽に受かりますよね?
僕は全部、科目免除しませんでした。ほとんど勉強せずに6割取れる科目なら、免除せずに得点源にしたほうが得なんです。
消防設備士

例外:電気工事士だけでいい人、電気工事士を待たなくていい人

  • 電気工事の会社で、住宅や店舗の電気工事をする人:第二種電気工事士を先に取れば仕事は始められます。消防設備の工事も請け負うなら、その後に甲種第4類を検討してください
  • 工業系の学科を卒業していて、すでに甲種の受験資格がある人:電気工事士を待たずに甲種第4類を受けられます。青木も学歴で受験資格を満たしました(書籍『消防設備士0類』第1章02)。ただし仕事で電源を触るなら、電気工事士も必要です

電気工事士は、消防設備の仕事に限らず建物の仕事全般でつぶしが効く資格なので、迷ったら取っておいて損はないと思います。

次にやること

消防設備士の類をどの順番で取るかは、こちらで解説しています。
https://aokimarke.com/jyunban/

消防設備士の乙種第6類と甲種第4類は、実際に出た問題をもとにした「過去問テスト」で本番形式の練習ができます(冊子版とPDF版があります)。

第二種電気工事士の試験日程と申し込みは、電気技術者試験センターの公式サイトで確認してください。
https://www.shiken.or.jp/construction/second/

参考文献

  • この記事を書いた人

aokimarke

平成元年生まれ
消防設備士12年目の経営者

【◎経 歴】
鈴鹿高専 ⇨ 静岡大学(3年次編入)⇨ 院 ⇨ 鈴与㈱ ⇨ 消防設備士など

【◎免 許】
消防設備士全類、危険物取扱者全類、第二種電気工事士、工事担任者(AI・DD総合種)、電験三種、予防技術検定(消防用設備等)など

【◎活 動】
月刊誌:電気と工事(オーム社)にてコラム執筆、消防設備士「過去問テスト」および予防技術検定「過去問テスト」の制作・販売、YouTubeチャンネル「強欲な青木&消防設備士」の動画作成・編集、青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団など

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