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消防設備士2類 過去問講義
このページの対象と到達目標
このページは、消防設備士甲種第2類の製図等を初めて学ぶ人のための入口です。泡消火設備の系統図を、完成図の形だけで覚えず、配管・配線・機器記号を「水又は泡水溶液の流れ」「感知・制御信号」「電源」の三系統に分けて読みます。乙種第2類の範囲へ製図問題として転用するものではありません。

- 実線の配管と破線の配線を、凡例を確認してから追える。
- 火災感知用ヘッド、感知器、泡消火薬剤貯蔵槽、混合器、一斉開放弁、流水検知装置、受信機を役割で区別できる。
- 系統図で交差した線を、接続と早合点せず、接続記号・凡例・線種を確認できる。
- 弁の通常状態、配線の耐火・耐熱区分、機器の配置・系統数を、設計条件を確認せず一般化しないと理解する。
系統図は三つの流れに分ける
泡消火設備の系統図は、最初から一枚全体を読もうとすると線が混ざります。まず、次の三つに色分けするつもりでたどります。
| 流れ | 主な始点と終点 | 主な機器 | 最初に確認すること |
|---|---|---|---|
| 水・泡水溶液 | 加圧送水装置等→混合→一斉開放弁→放出口 | ポンプ、混合器、泡消火薬剤貯蔵槽、一斉開放弁、フォームヘッド | どの線が配管か、流れの向きはどちらか。 |
| 感知・制御信号 | 感知部・手動起動部→受信・制御→起動 | 火災感知用ヘッド、感知器、手動起動弁、受信機、起動盤 | どの線が配線か、感知と起動を混同していないか。 |
| 電源 | 非常電源等→制御盤等→負荷 | 非常電源、ポンプ起動盤、電動機、受信機 | 配線区分と電源の供給先を、現行基準・設計条件で確認したか。 |
この三つを分けてから、最後に「感知又は手動起動→一斉開放弁の開放→泡水溶液の放射」という因果関係をつなげます。感知器又はヘッドの記号の近くにあるからといって、その線が水の配管とは限りません。線種の凡例が先です。
機器記号は、名称ではなく仕事で読む
記号の形を正確に暗記する前に、各機器が何をするかを一言で置きます。
| 機器 | 系統図での仕事 | 混同しやすい相手 |
|---|---|---|
| 火災感知用ヘッド | 熱などを契機に、起動へつながる感知を担う | 泡水溶液を放射するフォームヘッド |
| 感知器 | 火災を感知して信号を送る | 受信機、手動起動弁 |
| 受信機 | 感知信号を受け、表示・制御へつなぐ | 感知器そのもの |
| 泡消火薬剤貯蔵槽 | 泡消火薬剤を貯蔵する | 混合器、加圧送水装置 |
| 混合器 | 水と泡消火薬剤を混合する | 一斉開放弁 |
| 一斉開放弁 | 起動後、放射側へ泡水溶液を通す | 止水弁、流水検知装置 |
| 流水検知装置 | 流水に伴う状態を検知して信号へつなぐ | 一斉開放弁 |
同じ「泡消火設備の記号」でも、機器の仕事は違います。例えば、泡消火薬剤貯蔵槽は薬剤を保管する場所、混合器は薬剤と水を混合する場所、一斉開放弁は放射側へ通水するための弁です。これらを一つの機器だと考えると、配管と制御の意味を取り違えます。
凡例は図面のルールブック
製図問題では、実線を配管、破線を配線として示す凡例があります。しかし、その対応をすべての設備図に無条件で流用してはいけません。実施設計図では、線種、色、端子記号、接続点、弁の通常状態の表示方法が異なることがあります。
新規の練習図を描くときも、少なくとも次を凡例へ明示します。
| 凡例に書くこと | なぜ必要か |
|---|---|
| 配管と配線の線種 | 流体の流れと信号の流れを混同しないため。 |
| 流れの向き | 一斉開放弁の一次側・二次側、放射側を逆に読まないため。 |
| 機器の名称又は抽象記号 | 感知、制御、送水、混合、放射の役割を追うため。 |
| 弁の通常状態 | 通常開・通常閉を想像で補わないため。 |
| 配線区分の根拠 | 耐火・耐熱・一般配線を、設備・回路・設置条件ごとに確認するため。 |
消防法施行規則では、泡消火設備の操作回路及び所定の灯火回路の配線について、スプリンクラー設備の規定の例によることを求めています。また、泡消火設備の加圧送水装置・非常電源等には別の準用関係があります。したがって、記号だけから「この線は必ず耐火配線」と決めず、どの回路か、どの設備か、現行の条文・告示・設計図書のどれによるかを確認します。
典型的なつまずき
| つまずき | なぜ誤るか | 立て直し方 |
|---|---|---|
| 破線を見ずに、近い機器同士を配管でつなぐ | 線種と凡例を後回しにしている | 最初に配管だけ、次に配線だけをなぞる。 |
| 火災感知用ヘッドとフォームヘッドを同じものとする | どちらもヘッドという名称だけを見ている | 感知するのか、泡を放射するのかを一言で確認する。 |
| 貯蔵槽と混合器を入れ替える | 薬剤の保管と混合の工程が混ざっている | 薬剤は貯蔵→混合→泡水溶液、の順で追う。 |
| 線の交差を接続と判断する | 接続記号・凡例を見ていない | 交差、接続点、端子、矢印を別々に確認する。 |
| 弁の通常状態を図形の向きだけで決める | 設備条件・弁表を確認していない | 図面の凡例・弁表・設計図書で確認する。 |
過去問テスト
図解で確認した条件を、選択肢の言葉と対応させて判断しましょう。
問1 機器記号A・B・C
理解用の系統図では、Aは感知のためのヘッド、Bは感知信号を送る機器、Cは泡消火薬剤を保管する機器を表す。A・B・Cの名称の組合せとして正しいものは次のうちどれか。
- A:火災感知用ヘッド/B:感知器/C:泡消火薬剤貯蔵槽
- A:フォームヘッド/B:受信機/C:混合器
- A:火災感知用ヘッド/B:一斉開放弁/C:加圧送水装置
- A:泡ノズル/B:流水検知装置/C:一斉開放弁
問2 配管と配線の凡例
理解用の系統図で、実線を泡水溶液の配管、破線を感知・制御の配線として凡例に定めた。読み方として正しいものは次のうちどれか。
- 実線は配管、破線は配線として、別の流れとして追う。
- 実線と破線が交差すれば、必ず配管と配線を接続する。
- 破線は常に泡水溶液を放射側へ送る配管である。
- 実線は常に非常電源の耐火配線を表す。
問3 電源からポンプ起動盤への接続
理解用の系統図で、非常電源からポンプ起動盤へ接続する配線を、問題の凡例Aとして表す。問題条件において、Aに当たる配線区分として正しいものは次のうちどれか。
- 耐火配線
- 耐熱配線
- 一般配線
- 配管
実務での確認メモ
| 確認場面 | 先に確認すること | このページだけで決めないこと |
|---|---|---|
| 製図を始める前 | 用途、設備方式、放射区域、設計条件、凡例 | 完成図の配置、機器数、配管径、数値 |
| 配管を読む時 | 水源・混合・一斉開放弁・放出口、流れの向き、弁表 | 弁の通常状態、管種、耐圧、施工方法 |
| 配線を読む時 | 感知・受信・制御・電源の信号経路、端子、凡例 | 耐火・耐熱・一般の区分、ケーブル種別、施工時間 |
| 点検・改修時 | 現況図、機器銘板、試験記録、変更履歴、復旧状態 | 旧図面だけを根拠にした操作・改造 |
系統図は、安全な作業手順そのものではありません。設備を停止・起動・隔離・復旧する作業は、現場の安全手順、設計図書、製造者資料、点検要領及び資格者の判断に従います。
まとめ
- 系統図は、水・泡水溶液、感知・制御信号、電源の三つに分けて読む。
- 記号は外形ではなく、感知・受信・貯蔵・混合・通水・検知という仕事で覚える。
- 配管と配線は、必ず凡例、線種、接続点、流れの向きと一緒に読む。
- 弁の通常状態、機器配置、配線区分は、図面固有の条件を確認し、一般化しない。
- 甲種の製図等では、凡例と根拠をそろえ、接続の役割から判断する。
次は SEI-02「配管・弁・起動系統の訂正」 で、誤接続を流れ・弁・起動信号に分けて訂正する方法を学びます。
ここまでの順番を、問題を解く順番で繰り返すなら、消防設備士「過去問テスト」で時間を測って確認してください。
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの消防設備士「過去問テスト」で確認できます。
参考資料
本文では、図解と選択肢の条件を使って、機器の役割と判断の順番を整理します。実務の設計・施工・操作・点検は、現行法令、設計図書、銘板、当該型式のメーカー資料および所轄の指導を優先してください。
次は【実技(製図)②】配管・弁・起動系統の訂正|消防設備士甲2【過去問】へ進みましょう。