資格試験

危険物乙種はどの順番で取る?甲種の受験資格を満たす最短ルート【乙4→1・3・5類】

危険物乙種はどの順番で取る?

著者:青木俊輔(強欲な青木)/青木マーケ(株) 取締役 COO、(株)防災屋 代表取締役 社長、(一社)予防団 共同代表理事
保有資格(本記事に関係するもの):危険物取扱者全類(甲種・乙種第1〜6類・丙種)
確認日:2026年10月19日
更新内容:初版


この記事の結論

危険物取扱者の甲種を受ける方法は、大きく3つあります(消防試験研究センター「受験資格(危険物取扱者試験)」)。

1.大学などで化学に関する学科を卒業している(または化学の授業科目を15単位以上取っている)
2.乙種の免状を取った後、製造所等で危険物を取り扱う実務を2年以上している
3.乙種の免状を次の4種類以上持っている:「第1類か第6類」「第2類か第4類」「第3類」「第5類」

化学系の学歴も実務経験もない人は、3の「乙種4種類」が近道です。多くの人が最初に受ける乙種第4類を持っているなら、残りは次の3つです。

  • 第1類か第6類のどちらか1つ
  • 第3類
  • 第5類

2つ目以降の乙種は、すでに乙種の免状があるため「法令」と「物理・化学」が免除され、「性質・消火」の10問だけで受験できます。

危険物甲種の受験資格になる乙種4種類の組合せと、乙4から乙1か乙6、乙3、乙5を経て甲種へ進む流れ
強欲な青木
危険物の甲種って、乙種を全部取らないと受けられないんですか?
全部はいらないです。「1類か6類」「2類か4類」「3類」「5類」の4つがそろえば受けられます。乙4を持っているなら、あと3つですね。
消防設備士

甲種の受験資格(公式)

受験資格 内容 証明書類の例
化学に関する学科の卒業 大学・短大・高専・専修学校(一定の条件あり)などで化学に関する学科・課程を修めて卒業 卒業証明書など
化学の授業科目15単位以上 大学・短大・高専などで化学に関する授業科目を15単位以上修得 単位修得証明書など
乙種免状+実務2年以上 乙種の免状の交付を受けた後、製造所等で危険物の取扱いの実務経験が2年以上 乙種免状と実務経験証明書
乙種免状4種類以上 「第1類または第6類」「第2類または第4類」「第3類」「第5類」の4種類以上の免状 乙種免状
修士・博士 化学に関する事項を専攻した修士・博士 学位記など

出典:一般財団法人消防試験研究センター「受験資格(危険物取扱者試験)」https://www.shoubo-shiken.or.jp/kikenbutsu/annai/qualified.html 、「よくある質問(危険物取扱者試験)」Q7・Q8・Q10 https://www.shoubo-shiken.or.jp/faq/index_kiken.html (確認日 2026-10-19)

実務経験は、ガソリンスタンドを含む製造所等での危険物の取扱いの経験で、複数の製造所等の期間を合算できます(同 Q7・Q8)。

乙種を取る順番

1つ目は乙種第4類

乙種第4類(ガソリンや灯油などの引火性液体)は、危険物取扱者の中でも受験者が圧倒的に多い区分です。令和7年度は乙種第4類だけで222,545人が受験しています(同センター「試験実施状況(令和7年4月~令和8年3月)」)。ガソリンスタンドなど仕事で求められることも多く、最初の1つにするのが自然です。

乙4だけで止める人も多いですが、消防の仕事に関わるなら、甲種まで取っておくと「危険物のことはこの人に聞けばいい」と頼られる存在になれます。

乙種第4類は、法令15問・物理学及び化学10問・性質並びに火災予防及び消火の方法10問の計35問です。

2つ目以降は「性質・消火」の10問だけ

すでに乙種の免状を1つでも持っている人が他の類を受けるときは、「危険物に関する法令」と「基礎的な物理学及び基礎的な化学」が免除され、「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」の10問だけを受けます。試験時間は35分です(同センター「試験科目及び問題数(危険物取扱者試験)」、よくある質問 Q11)。

区分 令和5年度 令和6年度 令和7年度 令和7年度の受験者数
乙種第1類 70.0% 66.6% 65.7% 7,931人
乙種第2類 66.8% 67.0% 66.0% 8,840人
乙種第3類 69.2% 66.3% 65.1% 10,275人
乙種第4類 32.0% 31.7% 31.9% 222,545人
乙種第5類 68.4% 63.8% 62.1% 10,972人
乙種第6類 69.2% 67.2% 67.6% 10,402人

出典:一般財団法人消防試験研究センター「試験実施状況」令和5年度 https://www.shoubo-shiken.or.jp/result/r05/ 、令和6年度 https://www.shoubo-shiken.or.jp/result/r06/ 、令和7年度 https://www.shoubo-shiken.or.jp/result/r07/ (確定値、確認日 2026-10-19)

乙種第4類以外の類は、3年とも60%台です。受験者の多くが乙種の免状を持っていて、10問だけで受けていることが影響していると考えられます(免除の仕組みは公式資料で確認。合格率への影響は編集部の推定です)。

甲種の受験資格に必要な残り3つ

乙種第4類を持っている場合、甲種の受験資格に必要なのは次の3つです。

必要な区分 選び方
第1類(酸化性固体)または第6類(酸化性液体) どちらか一方でよい
第3類(自然発火性物質及び禁水性物質) 必須
第5類(自己反応性物質) 必須

第2類(可燃性固体)は、第4類を持っていれば甲種の受験資格には不要です。

青木のおすすめは、乙4から始めて、そのあとは乙1から順に取っていく順番です(青木本人への確認、2026年10月)。乙1から順に進めると、乙1・乙3・乙5を取った時点で甲種の受験資格の4種類がそろいます(乙2は乙4と同じ枠なので、受験資格のためには必要ありません)。

注意点:免状が届いてから次を申し込む

  • 試験に合格しても、免状の交付を受けるまでは資格を取ったことになりません。次の試験の願書を出すときまでに免状が届いていないと、科目免除は受けられません(同 Q12)
  • 免状は全国共通です。別の都道府県で取った免状でも、科目免除を受けられます(同 Q15)
  • 同じ日に複数の類を受けられるかは、受験する都道府県の支部によって違います(同 Q17)

乙種を全類そろえるか、甲種を取るか

乙種の全類を持っている人は、甲種を持っている人と同じように、すべての危険物を取り扱えます。ただし危険物保安監督者になるための要件に違いがあり、乙種を全類そろえても甲種に切り替わることはありません(同 Q2)。

ここからは青木本人の経験と考えです。

青木は乙種を全類そろえた後に、甲種も受けています。乙種を全部持っていれば取り扱える危険物は同じなので、甲種は「無駄」と言いながらも、世間的には甲種のほうが上位の資格として見られること、「危険物取扱者の全類持ち」と言うなら甲種まで持っていないと言いにくいことが理由だと話しています(YouTube「国家資格『危険物取扱者』甲種の試験に一発合格できる勉強方法を解説!」2026年7月6日公開)。

強欲な青木
乙種を4つ取ったら、残りも全部埋めたくなりそうですね。
そうなんですよ。乙種を4つ取らせてから甲種、っていう仕組みがうまいんです。免状の欄が埋まっていくと、結局全部取りたくなります。
消防設備士
強欲な青木
これから取るなら、乙種を全部そろえるのと甲種を取るのは、どっちがいいですか?
これから取るなら、受験資格を満たした時点で甲種を目指すのがおすすめです。甲種を取れば乙種はいらないので、残りの乙種を全部受けるのは、お金と時間がもったいないと思います。
消防設備士

甲種は化学専攻でも1回落ちた

青木は、高専から大学院まで9年間化学を専攻していたのに、大学院2年のときに受けた甲種で一度不合格になっています。「物理学及び化学」が10問しかなく、そこを50%(5問)しか取れなかったのが原因でした(同動画)。甲種の勉強は、試験の2週間ほど前から始めたそうです(青木本人への確認、2026年10月)。

強欲な青木
化学専攻でも落ちるなんて…甲種はそんなに難しいんですか?
普通に勉強して受かると思ってたら、物理・化学で50%でした。10問しかないから、5問間違えたらアウトなんです。甲種を受けるなら、この10問の対策をしてください。
消防設備士

甲種の勉強方法(3科目それぞれ6割の対策、第1〜6類の性質を横断して覚える方法など)は、青木の公式サイトの記事で詳しく解説しています。
https://www.aoki-of-greed.com/2026/10/11/危険物甲種の勉強方法-化学専攻でも落ちた理由と3科目の対策-危険物取扱者/

乙種第4類の勉強方法はこちらです。
https://www.aoki-of-greed.com/2026/10/11/危険物乙4の勉強方法-3科目6割と物理-化学の苦手を克服する-危険物取扱者/

次にやること

危険物取扱者の試験の全体像(区分、試験科目、合格基準、合格率)は、こちらにまとめています。(危険物取扱者の試験ガイド|甲種・乙種・丙種の違い、合格基準、合格率と過去問テスト)

乙種の2つ目以降と甲種は、実際に出た問題をもとにした「過去問テスト」(PDF版)で本番形式の練習ができます。

これから乙種第4類を受ける方はこちらです。

参考文献

  • この記事を書いた人

aokimarke

平成元年生まれ
消防設備士12年目の経営者

【◎経 歴】
鈴鹿高専 ⇨ 静岡大学(3年次編入)⇨ 院 ⇨ 鈴与㈱ ⇨ 消防設備士など

【◎免 許】
消防設備士全類、危険物取扱者全類、第二種電気工事士、工事担任者(AI・DD総合種)、電験三種、予防技術検定(消防用設備等)など

【◎活 動】
月刊誌:電気と工事(オーム社)にてコラム執筆、消防設備士「過去問テスト」および予防技術検定「過去問テスト」の制作・販売、YouTubeチャンネル「強欲な青木&消防設備士」の動画作成・編集、青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団など

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