その理由を大きく3つに分けて説明していきます。
専門家(プロ)として仕事をするなら、どうせ甲種消防設備士の免状を取得することになる為、初めから将来を見据えて消防設備士の資格に挑戦した方がいい。
“消防点検” については消防法第17条の3の3にて定められています。
そこに「消防設備士免状の交付を受けている者又は総務省令で定める資格を有する者に点検させ、その他のものにあっては自ら点検‥」と謳われており、この “総務省令で定める資格” ってのが「消防設備点検資格者」になります。
「消防設備点検資格者」より「消防設備士」な理由3つ
①消防点検資格者は「受講料等」が高い!
消防設備点検資格者講習の “受講料等” は以下の通りです。
- 科目免除なし‥32,384円
- 科目免除あり‥30,384円
一方、消防設備士試験の “試験手数料” は以下の通りです。
- 甲種‥5,700円
- 乙種‥3,800円
消防設備士の試験には参考書を購入する費用と不合格になるリスクがあるので総額は変動しますし “類” も多いですが、全ての設備を点検する資格を得る為の費用に倍以上の差があるのです。
②消防点検資格者にも受験資格アリ!
消防用設備点検に従事できる人を増やすべく用意された “課金ゲー” の制度なので誰でも大枚叩けば資格をGETできる‥わけでは無いんです。
消防法施行規則第31条の6で、例えば以下の受験資格が謳われています。
学校教育法による大学若しくは高等専門学校、旧大学令による大学又は旧専門学校令による専門学校において機械、電気、工業化学、土木又は建築に関する学科又は課程を修めて卒業した後、消防用設備等又は特殊消防用設備等の工事又は整備について1年以上の実務の経験を有する者
③消防点検資格者だと工事ができないオワタ‥
会社の事業形態に寄りますが、消防設備業を営む上で “工事” に携われないのは致命的でしょう。
人に与えられた限りある時間や費用をかけるのであれば、ハナから工事もできる消防設備士を取得した方がいいと思いませんか。
◎ 消火器具の点検がオワコン化!?
これは未だ(案)の段階の資料ですが、つい先日 “有資格者による点検等について(案)” という資料が総務省消防庁より発布されていたと同業の友人より情報提供がありました。
「有資格者による点検の範囲を見直す」=「無資格者でも点検できる範囲を見直す」って話で、内容を見ていると『う~ん、妥当だなァ』と思う一方で、ちゃっかり消火器具の点検も外観だけなら全て無資格でもOKじゃね!?‥って提案されてます。
参考消防設備点検資格者のみ再講習がオンライン化された件
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◎まとめ
- 消防設備点検資格者講習の “受講料等” が、消防設備士の試験を突破した場合と比較して全ての設備を点検する資格を得る為の費用に倍以上の差があった。
- 消防設備点検資格者講習を受けるに際して、甲種消防設備士より厳しい位の受験資格が設けられていた。
- 消防設備業を営む上で “工事” に携われないのは致命的であり、点検した人もしくは関わった人が改修工事をした方が “勝手知ったる” で効率も良いので世の中的に自然なので、人に与えられた限りある時間や費用をかけるのであれば、ハナから工事もできる消防設備士を取得した方が良かった。