また、以下のコメントを頂きましたので本記事の執筆に至りました。
特類は、参考となる資料がほとんど無いため、過去問のご提供は、受験する人にとって、勉強のより所になります。
価格は、多少高くなっても、受験される方は、購入されるのではないでしょうか。ご提供よろしくお願い致します。
特類は受験される方が非常に少ないのでコンテンツを作っても反響が乏しいですが、他にも同様のお声を頂いておりますので着手してみます。
特類の構造・機能パートに出る問題は、大まかに以下の通りです。
- 1~5類の法令で出題された “構造・機能”
したがって過去問の傾向を把握した上で、元の法令も読んでおけば正答率を上げられるでしょう。
では消防関係法令パートに引き続き、管理人が大阪会場で受験した計2回の特類に出題された問題を元に、過去問の傾向を解説していきます。
【過去問】消防設備士 特類【構造・機能】
①屋内消火栓
屋内消火栓の配管に関する基準について、次のうちから誤っているものを一つ答えよ。
- 専用とすること。ただし、屋内消火栓設備の起動装置を操作することにより直ちに他の消火設備の用途に供する配管への送水を遮断することができる等当該屋内消火栓設備の性能に支障を生じない場合においては、この限りでない。
- 加圧送水装置の吐出側直近部分の配管には、逆止弁及び止水弁を設けること。
- 主配管のうち、立上り管は、管の呼びで40mm以上のものとすること。
- 配管の耐圧力は、当該配管に給水する加圧送水装置の締切圧力の1.5倍以上の水圧を加えた場合において当該水圧に耐えるものであること。
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②閉鎖式スプリンクラーヘッド
スプリンクラー設備について、次のうちから誤っているものを一つ答えよ。
- 閉鎖式スプリンクラーヘッドを用いるスプリンクラー設備は、当該ヘッドが作動した場合に直ちに放水することが求められている。
- 流水検知装置は、閉鎖型ヘッドが作動した場合、水の流れを検知して加圧起動装置を自動的に起動させるとともに、警報装置に信号を発する。
- 予作動式スプリンクラー設備は、配管の凍結防止やヘッドの事故などによる不時放水防止を図るものであり、ヘッドが開放後1分以内に放水を開始するものである。
- ラック式倉庫用スプリンクラー設備は、ラック式倉庫以外の倉庫には設置することができない。
③スプリンクラー設備の制御弁
スプリンクラー設備の制御弁の位置について、正しい記述を次のうちから一つ選んで答えよ。
- 開放型スプリンクラーヘッドを用いるスプリンクラー設備にあっては、配管の系統ごとに制御弁を設ける。
- 閉鎖型スプリンクラーヘッドを用いるスプリンクラー設備にあっては、放水区域ごとに床面からの高さが0.8以上1.5m以下の箇所に制御弁を設ける。
- ラック式倉庫の閉鎖型スプリンクラーヘッドを用いるスプリンクラー設備あっては、その当該防火対象物の階ごとに床面からの高さが0.8以上1.5m以下の箇所に制御弁を設ける。
- 特定施設水道連結型スプリンクラー設備にあっては防火対象物又はその部分ごとに、それぞれ制御弁を設ける。
④スプリンクラー設備の送水口
スプリンクラー設備の送水口の設置高さについて、正しいものを一つ選んで答えよ。
- 送水口の結合金具は、地盤面からの高さが0.3m以上1m以下で、かつ、送水に支障のない位置に設けること。
- 送水口の結合金具は、地盤面からの高さが0.5m以上1m以下で、かつ、送水に支障のない位置に設けること。
- 送水口の結合金具は、地盤面からの高さが0.5m以上1.5m以下で、かつ、送水に支障のない位置に設けること。
- 送水口の結合金具は、地盤面からの高さが0.5m以上1.5m以下で、かつ、送水に支障のない位置に設けること。
⑤泡ヘッド
泡消火設備の泡ヘッドに関する次の記述のうち、正しいものを一つ選んで答えよ。
- フォームヘッドは、デフューザーにより泡消火薬剤を発泡させる。
- フォームヘッドは、デフューザーから泡消火薬剤を発泡させるための空気を取り入れる。
- フォームウォータースプリンクラーヘッドは、上向型と下向型とがある。
- フォームウォータースプリンクラーヘッドは、デフレクタにより泡消火薬剤を発泡させる。
デフューザー【diffuser】は “散布器” と訳すことができます。
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⑥不活性ガス消火設備の圧力上昇防止措置
不活性ガス消火設備が設置された防護区画内の圧力上昇を防止する為の措置について、正しいものを一つ選んで答えよ。
- 防護区画には消火剤放出時の圧力上昇により防護区画が破壊されないように算出した大きさ以上の避圧口を設けること。ただし、防護区画の窓・内装材等が消火剤放出時の圧力上昇に十分耐えうる場合はこの限りでない。
- 避圧口以上の大きさを有するダクトを設置し、避圧に効果的な曲折部を設けること。
- 避圧口は噴射ヘッドから放射された消火剤が直接当たる場所には設置すること。
- 避圧口から排出される消火剤等は、屋内の安全な場所に排出すること
⑦二酸化炭素消火設備の構造
二酸化炭素消火設備の構造に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか一つ選んで答えよ。
- 防火区画にに設ける出入口の扉は、当該防護区画の内側から外側に開放される構造とするとともに、ガス放出による室内圧の上昇により容易に開放しない自動閉鎖装置付きのものとすること。
- 防火区画の開口部に自動閉鎖装置を設けない場合は、当該開口部の床面からの高さが階高の3分の2を超える位置にあること。
- 自動閉鎖装置を設けない開口部の面積の合計値は、通信機器室又は指定可燃物の貯蔵・取扱所にあっては、囲壁面積の数値の1%以下であること。
- 自動閉鎖装置を設けない開口部の面積の合計値は、防火対象物 (通信機器室又は指定可燃物の貯蔵・取扱所を除く) の囲壁面積の数値又は囲壁面積の数値のうちのいずれか小さい方の数値の10 %以下であること。
⑧二酸化炭素消火設備の選択弁について
二酸化炭素消火設備の選択弁に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか一つ選んで答えよ。
- 選択弁は、防護区画内に設けること。
- 選択弁には選択弁である旨及びいずれの防護区画又は防護対象物の選択弁であるかを表示すること。
- 一の防火対象物又はその部分に防護区画又は防護対象物が二以上存する場合において貯蔵容器を共用するときは、防護区画又は防護対象物ごとに選択弁を設けること。
- 貯蔵容器から噴射ヘッドまでの間に選択弁等を設けるものには、貯蔵容器と選択弁等の間に、消防庁長官が定める基準に適合する安全装置又は破壊板を設けること。
⑨粉末消火設備
粉末消火設備に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか一つ選んで答えよ。
- 全域放出方式のものにあっては、起動装置の作動から放出までの時間が20秒以上となる遅延装置が設けられていること。
- 鋼管にあっては、JISH3300に適合し、調整圧力または最高使用圧力の1.5倍以上の圧力に耐えるものであること。
- 加圧用または蓄圧用ガスは、窒素ガスまたは二酸化炭素とすること。
- 貯蔵容器などから、配管屈曲部までの距離は、当該管径の30倍以上であること(消火薬剤と加圧ガスが分離しない構造のものを除く)。
⑩煙感知器
煙感知器に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか一つ選んで答えよ。
- 煙感知器は、天井と煙感知器の下方最頂部が0.6 m以内となるように設置する。
- 10 m以下の廊下又は廊下の各部分から1の階段に至るまでの歩行距離が10 m以下のものは当該部分に設ける煙感知器を省略できる。
- 階段部分には、2種の煙感知器であれば15 mごとに設ける。
- 廊下部分に3種の煙感知器を設ける場合は、歩行距離30 mごと1個以上設置する。
3種の煙感知器って‥
煙感知器は、その感度が高い方から順番に1種・2種・3種と分かれています。
3種の煙感知器は感度が鈍い為、火災を感知するエリアも狭く設定されています。
取付け面の高さ | 感知器の種別 | |
一種及び二種 | 三種 | |
4m未満 | 150㎡ | 50㎡ |
4m以上20m未満 | 75㎡ |
現場では主に、誤報を避けたい防火戸・防火シャッター連動用に設置されています。
⑪ガス漏れ火災警報設備の設置場所
空気に対する比重が1未満のガスを扱う場合、検知器の設置位置として正しいものはどれか
- 換気口の空気の吹出し口から1.5 m以内の場所。
- ガス燃焼器の排ガスに触れやすい場所。
- ガス燃焼器及び当該機器が接続される末端のガス栓または貫通部から水平距離で8 m以内に設けること。
- ガス燃焼器及び当該機器が接続される末端のガス栓または貫通部から水平距離で12 m以内に設けること。
⑫ガス漏れ火災警報設備の音声警報装置
ガス漏れの発生を防火対象物の関係者及び利用者に警報する装置について、誤っているものを一つ選んで答えよ。
- スピーカーは、各階ごとに、その階の各部分から一のスピーカーまでの水平距離が35m以下となるように設けること。
- 音圧及び音色は、他の警報音又は騒音と明らかに区別して聞き取ることができること。
- 常時人がいない場所には、音声警報装置を設けないことができる。
- 検知器の作動と連動し、音響によりガス漏れの発生を検知区域において防火対象物の関係者に警報する装置は、当該検知区域警報装置から1m離れた位置で音圧が70dB以上となるものであること。
⑬金属製はしごの突子
金属製はしごの突子について、正しいものを一つ選んで答えよ。
- 固定はしごであって、縦棒が一本の場合は横桟に二か所、突子を設けること。
- 固定はしごであって、縦棒が二本の場合は横桟に一か所、突子を設けること。
- つり下げはしごにあっては、使用の際、防火対象物から10cm以上の距離を保有するための有効な突子を横桟の位置ごとに設けたものであること。ただし、当該突子を設けなくても、使用の際、防火対象物から10cm以上の距離を保有することができるものにあっては、この限りでない。
- つり下げはしごであって、縦棒が二本の場合は横桟に一か所、突子を設けること。
突子(とっし)とは…
突子(とっし)は避難はしご降下の際「横滑りを防止する」為、つまりグラグラしない様に設けられるものです。
避難はしごが壁面に『ペタァ‥』と接触すると手足が掛かり辛い為、空間を設ける役割もあります。
⑭ハッチ式避難はしご
ハッチ式避難はしごの降下空間に関する記述として、正しいものはどれか
- 器具を中心とした半径0.5 mの円柱形に含有される範囲以上。
- 器具を中心とした半径1 mの円柱形の範囲。
- 縦棒の中心線からそれぞれ外方向に0.2 m以上及び器具の前面から奥行0.65 m以上の角柱形の範囲。
- ハッチ開口部から降着面などまで当該ハッチの開口部の面積以上を有する角柱形の範囲。
⑮救助袋
救助袋に関する次の記述のうち、正しいものを一つ選んで答えよ。
- 袋本体は合成繊維または木綿(もめん)布を用い、袋の直径は0.4mのものが多い。
- 垂直式救助袋は斜降式救助袋と比べて1/5~1/3位の狭い避難空地で足りる。
- 垂直式・斜降式救助袋の取っ手の数は、共に4個以上あればよいとされている。
- 垂直式・斜降式救助袋には、下部支持装置を必ず設けること。
コチラもご覧下さい
【✍追記】過去問出題情報
特類の過去問出題情報を頂き次第、取り急ぎここに追記していきます。
今日、地元で今年最後の消防設備士試験でした。
特類受験してまいりました。
長くなりそうなので、項目を分けて投稿しようと思います。
まずは【消防法令関係】から。
・統括防火管理者の選任
・既存防火対象物に対する法令適用の特例
・特殊消防用設備等およびその性能評価に関する手続き等について
・特殊消防用設備等に関する変更手続きについて
・連結送水管の設置基準
・避難口誘導灯の設置不要の距離
・複合用途防火対象物におけるスプリンクラー設備の設置について
・ 高発泡用放出口を用いた泡消火設備を設置する防護区画の冠泡体積
・移動式のハロゲン化物消火設備について
・屋上広場に避難橋を設置することにより、その直下階に設ける避難器具の個数を減免できる場合の必要な条件
【特類 構造・機能】
この項目は1〜5類について万遍なく順番に2問ずつ程度イヤらしい問題が出題されました。
・屋内消火栓について
・屋内消火栓、閉鎖型SPなどの放水性能
・フォームウォータースプリンクラーヘッドについて
・天井面から6mの位置に設置できない感知器
・自火報受信機のスイッチ高さ(いすに座った場合)
・ガス漏れの検知方式について
・緩降機の着用具について
・垂直式救助袋について
比較的解けたと思いましたが、失念多く…すみません💦
【火災および防火】
前回は5割オーバー取れましたが、今回はちょっと心配です…
・フラッシュオーバーについて
・予混合火災について
・機械排煙について
・消防活動拠点について
・総合操作盤の表示について
・自火報感知器の種類と作動原理
・開口部のある二つの部屋の中性帯について
・火災による避難時の心理
・泡消火設備に使用される消火薬剤の特徴
・屋上に設ける避難橋の設置減免について
・避難階段および特別避難階段の構造について
・加圧防排煙について
文章中に「建築基準法上」と出てきた問題が15問中3問ありました。
正しい(誤り)組み合わせはどれか?という問題が15問中3問も出ました。いくつあるか?では無いのできちんと理解してる必要があります。
45問通してみると自火報の感知器は補償式が2問に出てきました。ノーガードだったぜ😇
ここで篩い落とすという気概を感じましたね…
受かってると良いな。
相変わらず自信は無いです。
合格発表は1/11正午です。
◎ まとめ
- 特類の構造・機能パートに出る問題は1~5類の法令で出題された “構造・機能” である為、過去問の傾向を把握した上で、元の法令も読んでおけば正答率を上げられた。
- 消防関係法令パートに引き続き、管理人が大阪会場で受験した計2回の特類に出題された問題を元に、過去問の傾向を解説した。
- 構造・機能パートも過去に出た問題の傾向を把握した上で準備すれば得点源にできた。
お世話になります。
伊藤文雄