【過去問】消防設備士甲1・乙1の規格③|消防用ホース・結合金具

【過去問】消防設備士甲1・乙1の規格③|消防用ホース・結合金具

消防用ホースは、見た目の太さだけで規格を判断できません。種類、使用圧、呼称、内径、長さ、表示、結合金具の構造を一つの送水経路として確認します。

試験でよく問われる境界は次のとおりです。

これから覚える5つ

  1. 保形ホース:水流の有無にかかわらず断面が常時円形
  2. 設計破断圧表示の除外:設計破断圧が使用圧の3倍以上
  3. 平ホースの標準長さ:10・15・20・30m
  4. 実長:表示長さ以上、表示長さの110%以下
  5. 差込式受け口のつめ:3個以上、等間隔、同一形状

step
保形ホース:水流の有無にかかわらず断面が常時円形

step
設計破断圧表示の除外:設計破断圧が使用圧の3倍以上

step
平ホースの標準長さ:10・15・20・30m

step
実長:表示長さ以上、表示長さの110%以下

step
差込式受け口のつめ:3個以上、等間隔、同一形状

強欲な青木
保形ホースは、水を流すと丸くなるホースですよね。

それでは平ホースとの区別になりません。保形ホースは水流がなくても断面が常時円形に保たれます。
消防設備士

ホースからノズルまでの規格全体図

ホースは「種類→使用圧→呼称→長さ→結合」の順に見る。

 

 

現在地:規格3(3/5)|この講義5問・単元全25問


 

🧵消防用ホースの4分類

規格省令は消防用ホースを四つに分けます。

種類 定義の要点
平ホース ジャケットにゴム又は合成樹脂の内張りを施したもの。保形・大容量泡・濡れホースを除く
保形ホース 断面が常時円形に保たれるもの
大容量泡放水砲用ホース 大容量泡放水砲用防災資機材等の用途にのみ使用
濡れホース 水流によりホース全体が均一に濡れるもの

「保形」は、水を流したときだけ円形になる意味ではありません。常時円形なので、ホースリールへ巻いたままでも通水しやすく、易操作性1号・2号消火栓等に用いられます。

濡れホースは、外側が均一に濡れることで高温環境下のホース保護に役立ちます。単なる漏水不良とは区別します。

平・保形・大容量泡・濡れホース

強欲な青木
濡れホースは、劣化して漏れているホースですか。

規格上の濡れホースは、水流でホース全体が均一に濡れるよう設計された種類です。局部漏水とは異なります。
消防設備士

消防用ホース規格省令第二条は、平ホース、保形ホース、大容量泡放水砲用ホース、濡れホースをそれぞれ定義しています。

保形は「水流で円形」ではなく「常時円形」。

 

 

🧶 ジャケット・内張り・被覆

平ホースの基本構造は、強度を受け持つジャケットと水密を保つゴム又は合成樹脂の内張りです。

  • ジャケット:繊維等で形成し、内圧・引張り・摩耗へ耐える骨格
  • 内張り:水を漏らさず、内面を平滑にして摩擦損失を抑える
  • 被覆:必要に応じて外面を摩耗・薬品等から保護
  • 結合部:ホースと結合金具を確実に装着し、抜け・漏水を防ぐ

ホース内面は、しわ等の不均一な部分がなく、水流の摩擦損失が少ないことが必要です。つぶれ、剥離、局部的な膨れは、流路を狭め、強度を低下させます。

保形ホースは補強構造で断面を保持しますが、最小曲げ半径より小さく曲げると流路が変形するため、表示と設置状態を確認します。

消防用ホースの多層断面

強欲な青木
内張りがあれば、ジャケットに傷があっても水は漏れませんよね。

ジャケットは内圧を支える重要部です。摩耗や糸切れは膨れ・破断につながるため、内張りだけで良否を決めません。
消防設備士

消防用ホース規格省令は、平ホースのジャケット・内張り、内面の均一性、被覆・塗装、耐圧・破断等の構造性能を定めています。

強度はジャケット、水密は内張り。両方が必要。

 

 

🏷表示と設計破断圧

消防用ホースには、製造者名又は商標、製造年、届出番号、呼称、長さ、使用圧等を容易に消えないよう表示します。種類に応じて、保形ホースの最小曲げ半径、大容量泡放水砲用・濡れホースである旨等も表示します。

設計破断圧は、通常「設計破断圧」という文字と数値を表示します。ただし次のホースは、この表示を省略できます。

設計破断圧 ≧ 使用圧 × 3

対象は平ホース、保形ホース、濡れホース、大容量泡放水砲用ホースです。「使用圧の2倍」「4倍」ではありません。

これは設計破断圧そのものが不要という意味ではなく、3倍以上の設計余裕があるときの表示除外です。使用圧の表示は別に必要です。

使用圧・設計破断圧と表示

強欲な青木
3倍以上なら、使用圧も表示しなくてよいですか。

省略できるのは設計破断圧の表示です。使用圧や呼称などの表示まで消えるわけではありません。
消防設備士

消防用ホース規格省令第五条は、設計破断圧が使用圧の3倍以上の所定ホースを、設計破断圧の表示対象から除外しています。

3倍は強度基準の読み替えではなく「表示除外」の条件。

 

 

📏平ホースの長さと許容範囲

平ホースの標準長さは、乾燥状態で次の4種類です。

10m・15m・20m・30m

実際の長さは、表示長さ以上、表示長さの110%以下でなければなりません。

表示長さ 許容実長
10m 10〜11m
15m 15〜16.5m
20m 20〜22m
30m 30〜33m

「10%の誤差」ではなく、短い側は認めず、長い側だけ110%までです。乾燥状態で測ることにも注意します。

はしご付消防自動車、屈折はしご付消防自動車、船舶用その他特殊用途は例外です。

10・15・20・30mと110%

強欲な青木
20m表示なら、10%短い18mでも誤差の範囲ですか。

短い側は認められません。20m以上22m以下です。
消防設備士

消防用ホース規格省令第十条は、平ホースを乾燥状態で10・15・20・30mとし、表示長さ以上110%以下と定めています。

実長の範囲は100〜110%。90〜110%ではない。

 

 

📊使用圧と呼称の組合せ

平ホースは使用圧と呼称の組合せが決まっています。過去問は表全体の暗記ではなく、端の組合せを狙います。

使用圧(MPa) 認められる呼称
2.0 100、90、75、65、50、40
1.6 150、125、100、90、75、65、50、40
1.3 150、125、100、90、75、65、50、40
0.9 150、125、65、50、40、30、25
0.7 65、50、40、30、25

したがって、使用圧1.6MPaに呼称30はありません。最小は呼称40です。一方、0.7MPaの呼称65、0.9MPaの呼称50、1.3MPaの呼称40は表にあります。

呼称は必ずしも内径の整数値そのものではありません。例えば呼称65の内径は63.5mm以上66.5mm以下です。呼称と内径許容範囲を分けます。

使用圧・呼称マトリクス

強欲な青木
高圧用ほど細いホースまで揃っているのではないですか。

規格表の組合せで判断します。1.6MPaには呼称30がなく、最小は40です。
消防設備士

消防用ホース規格省令第六条の表は、使用圧1.6MPaの呼称を150から40までとし、呼称30を含めていません。

表問題は「存在する最小・最大」の境界を確認する。

 

 

🔗差込式差し口の構造

差込式結合金具は、差し口と受け口を押し込んでかん合し、押し輪を操作して離脱します。

差し口は、差し金具、押し輪等で構成され、次の構造が必要です。

  • 受け口と容易にかん合・離脱できる
  • ホースを装着しない状態でも押し輪が脱落しない
  • 押し輪は十分な強度を有する
  • 離脱操作で押し輪に変形等が生じない

ホースを外したときに押し輪が落ちる構造では、点検・交換時に部品を紛失し、結合機能を損なうおそれがあります。

差込式差し口と押し輪

強欲な青木
ホースを外した整備中なら、押し輪も外れてよいですか。

ホース未装着でも押し輪が脱落しない構造が必要です。
消防設備士

消防用結合金具規格省令第七条は、差し口の容易なかん合・離脱、押し輪の脱落防止、強度、離脱操作時の無変形を定めています。

差し口は「押し輪が脱落しない」。

 

 

🦷 差込式受け口のつめ

受け口は、受け金具、つめ、つめばね、パッキン等で構成されます。

つめの条件は三つです。

  1. 3個以上
  2. 等間隔に配置
  3. 同一の形状

「つめがそれぞれ異なる形状」は誤りです。同じ形状のつめを等間隔に配置することで、差し口を周方向に均等に保持します。

つめ室は、砂その他の異物が容易に入らない構造とします。異物混入、つめ・ばねの固着、パッキンの傷や脱落は、かん合不良や漏水の原因になります。

点検時は、呼称・使用圧の適合、つめの戻り、押し輪の動き、パッキン、かん合・離脱、漏水の有無を確認します。

受け口の3つめ・等間隔・同一形状

強欲な青木
抜け止めを強くするため、つめを違う形にした方がよいのでは。

規格は同一形状・等間隔です。周方向へ均等にかん合させます。
消防設備士

強欲な青木
つめが3個あれば、砂が入っていても押し込めば使えますか。

つめ室は異物が容易に入らない構造です。固着やかん合不良を防ぐため、異物を除去して作動を確認します。
消防設備士

消防用結合金具規格省令第八条は、受け口のつめを3個以上、等間隔、同一形状とし、つめ室を異物が容易に入らない構造とするよう定めています。

同省令は差込式結合金具について、かん合・離脱に必要な力、耐圧・漏れ、落下等の性能試験も定めています。

受け口のつめは「3・等・同」。

 

 

⚠よく出る注意ポイント

  1. 保形ホースは水流で断面が円形 → 常時円形
  2. 濡れホースは漏水不良 → 水流で全体が均一に濡れる規格品
  3. 設計破断圧が使用圧の2倍なら表示除外 → 3倍以上
  4. 3倍以上なら使用圧も表示不要 → 除外は設計破断圧表示だけ
  5. 平ホース長さは10・15・20・35m → 30m
  6. 表示長さの90〜110% → 100〜110%
  7. 使用圧1.6MPaに呼称30あり → 最小40
  8. 呼称65なら内径65mmちょうど → 63.5〜66.5mm
  9. ホース未装着なら押し輪は脱落可 → 脱落しない
  10. 受け口のつめは異形 → 3個以上・等間隔・同一形状

 

 

✍過去問ベースの類題で確認しよう

※以下は、原題の論点・条件・正答を維持しつつ、表・図・文章を学習用に再構成した類題です。原題の問題文・図版そのものではありません。

この単元の収録類題は、全部で5問です。

 

消防用ホースについて、誤っているものはどれか。

  1. 平ホースは、ジャケットにゴム又は合成樹脂の内張りを施した所定のホースである。
  2. 大容量泡放水砲用ホースは、その防災資機材等の用途にのみ用いる。
  3. 濡れホースは、水流によりホース全体が均一に濡れる。
  4. 保形ホースは、水流により断面が円形に保たれる。

 

設計破断圧の表示を省略できる条件として、使用圧の何倍以上か。

  1. 2倍
  2. 3倍
  3. 4倍
  4. 5倍

 

平ホースの標準長さA・Bの正しい組合せはどれか。

「乾燥状態で10m、15m、A m又はB m」

選択肢 A B
20 30
20 35
25 30
25 35

 

平ホースの使用圧・呼称の組合せとして、誤っているものはどれか。

  1. 0.7MPaに呼称65がある。
  2. 0.9MPaに呼称50がある。
  3. 1.3MPaに呼称40がある。
  4. 1.6MPaに呼称30がある。

 

差込式結合金具の構造について、誤っているものはどれか。

  1. 差し口は、ホース未装着時も押し輪が脱落しない。
  2. 受け口のつめは、それぞれ異なる形状である。
  3. 受け口のつめは3個以上である。
  4. 差し口は、受け口と容易にかん合・離脱できる。

 

 

まとめ

  • 平ホースはジャケット+ゴム又は合成樹脂の内張り
  • 保形ホースは水流の有無にかかわらず断面が常時円形
  • 濡れホースは水流でホース全体が均一に濡れる
  • 設計破断圧が使用圧の3倍以上なら、その表示を省略できる
  • 平ホースの標準長さは10・15・20・30m、実長は100〜110%
  • 使用圧1.6MPaの最小呼称は40
  • 差し口の押し輪はホース未装着でも脱落しない
  • 受け口のつめは3個以上・等間隔・同一形状

ホース規格は、用語だけを丸暗記せず、断面、圧力、長さ、結合部の順に実物の送水経路へ当てはめると整理できます。

 

➡次に進みましょう

強欲な青木
次はどこへ進めばいいですか?

規格の3/5講義が終了です。次は「閉鎖型・放水型ヘッドと作動試験」を学習します。
消防設備士

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【過去問】消防設備士甲1・乙1の規格④|閉鎖型・放水型ヘッドと作動試験
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