【過去問】消防設備士甲1・乙1の規格②|自家発電・蓄電池・逆変換装置

【過去問】消防設備士甲1・乙1の規格②|自家発電・蓄電池・逆変換装置

電源・蓄電池・変換装置の基礎は、先に電気に関する基礎知識の無料講義で確認できます。この講義では電気基礎、設置義務、設備側の配線を繰り返さず、自家発電設備・蓄電池設備・変換装置の構造・性能・試験規格に絞ります。必要時間は法令⑤、給電系統と切替えは電気②で扱います。

消防用設備の非常電源は、停電時に「電気を持っている」だけでは足りません。決められた時間内に非常用負荷へ切り替え、一般負荷を切り離し、必要時間の電力を確実に供給する必要があります。

自家発電設備と蓄電池設備は、動き始める速さが違います。

これから覚える4つ

  1. 自家発電設備:原則40秒以内に電圧確立・投入
  2. 直交変換装置を有する蓄電池設備:40秒以内
  3. その他の蓄電池設備:停電直後
  4. 40秒を超える自家発電設備:40秒経過後から投入まで適合蓄電池で補給する例外あり

強欲な青木
発電機があるなら、始動するまで消防設備が止まってもよいですか。

原則40秒以内です。さらに時間がかかる設備は、40秒経過後から発電機投入までを適合する蓄電池設備でつなぎます。
消防設備士

非常電源の全体タイムライン

非常電源は「切替時間・負荷分離・供給時間」の三点で見る。

 

 

現在地:規格2(2/5)



問題の掲載方針

この記事の確認問題は、過去問ベースの類題です。原題の論点・条件・正答を維持しつつ、文章・表・図を学習用に再構成しており、原題の問題文・図版そのものではありません。




最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)ショップの消防設備士「過去問テスト」毎年更新しています。

>> 消防設備士「過去問テスト」

併せて、ご参照ください。

 

⏱自家発電設備は40秒以内

自家発電設備は、常用電源が停電した場合、原則として自動的に電圧確立、投入、送電を行います。停電から電圧確立・投入までの所要時間は40秒以内です。

運転・保守管理者が常駐し、停電時に直ちに操作できる場所に設置するものは、電圧確立を自動、投入を手動とできます。この場合、手動投入操作そのものに要する時間は40秒の所要時間から除かれます。

発電設備は停電時に、非常用負荷回路と他の回路を自動的に切り離せる必要があります。発電出力を監視できる電圧計・電流計も設けます。

自家発電設備の40秒シーケンス

強欲な青木
60秒以内という選択肢もよく見ますが、余裕を含めた数字ですか。

告示は40秒以内です。60秒は典型的な誤りです。
消防設備士

自家発電設備の基準第二第一号は、停電から電圧確立・投入までを40秒以内とし、非常用負荷回路と他回路の自動切離し、電圧計・電流計の設置を定めています。

自家発電の基本数字は60秒ではなく40秒。

 

 

🔋蓄電池で始動待ちを橋渡しする

自家発電設備の中には、原動機が安定して電圧を確立するまで40秒を超えるものがあります。その場合でも無条件に遅れてよいわけではありません。

例外は次の流れです。

  1. 停電発生
  2. 40秒までは自家発電設備が立ち上がる
  3. 40秒を超えた時点から発電機の電圧確立・投入まで、適合する蓄電池設備が電力を供給
  4. 発電機確立後、蓄電池から発電機へ自動切替

蓄電池容量は、発電機が定格運転を開始するまで消防用設備を有効に作動させられる必要があります。単なる信号用の小容量電池では足りません。

蓄電池による40秒以後の橋渡し

強欲な青木
停電直後から発電機投入まで、必ず蓄電池で送るのですか。

告示の例外文は、停電後40秒経過から発電機の電圧確立・投入までを蓄電池で補給する場合です。設備全体の要求に応じた無停電性は別途確認します。
消防設備士

自家発電設備の基準は、40秒経過後から発電機の電圧確立・投入まで適合蓄電池で電力を補給する場合に、40秒制限の例外を認めています。

例外の時間帯は「40秒経過後→発電機投入まで」。

 

 

🔀蓄電池設備の切替時間

蓄電池設備の切替は、直交変換装置の有無で分けます。

蓄電池設備 電圧確立・投入
直交変換装置を有する 常用電源停電から40秒以内
その他 常用電源停電直後

「逆変換装置」は直流を交流へ変換する装置です。「直交変換装置」は交流→直流の充電機能と直流→交流の放電機能を併せ持ち、常用・非常用を兼用する設備等に使われます。

停電時には一般負荷等を自動で切り離し、非常用負荷へ必要な電力を優先供給します。常時一般負荷へも電力を供給する設備は、非常用負荷に必要な電力量を常に確保します。

直交変換装置の有無と切替

強欲な青木
蓄電池なら、どの方式も停電直後に投入ですよね。

直交変換装置を有するものは40秒以内、その他は停電直後です。装置名を先に確認します。
消防設備士

蓄電池設備の基準第二第一号は、直交変換装置を有するものを40秒以内、その他を停電直後に電圧確立・投入すると定めています。

「直交あり40秒、その他は直後」。

 

 

🧪蓄電池の種類と単電池電圧

現行の蓄電池設備の基準は、鉛蓄電池、アルカリ蓄電池、リチウムイオン蓄電池、ナトリウム・硫黄電池、レドックスフロー電池等を扱います。

告示が単電池当たりの公称電圧を数値で定める代表は次のとおりです。

種類 単電池当たり公称電圧
鉛蓄電池 2V
アルカリ蓄電池 1.2V
ナトリウム・硫黄電池 2V
レドックスフロー電池 1.3V

「鉛蓄電池1.2V」は、アルカリ蓄電池との入れ替えです。

2025年の改正で、リチウムイオン蓄電池設備についても常用・非常用兼用電源として設置できる運用が明確化されました。リチウムイオン蓄電池は適合規格や安全性を確認し、上表の鉛・アルカリの数値を流用しません。

蓄電池種類と単電池電圧

強欲な青木
鉛蓄電池は1.2V、アルカリ蓄電池は2Vでしたか。

逆です。鉛2V、アルカリ1.2Vです。NaSは2V、レドックスフローは1.3Vです。
消防設備士

現行の蓄電池設備の基準は、鉛2V、アルカリ1.2V、NaS 2V、レドックスフロー1.3Vを単電池当たりの公称電圧として定めています。

1.2Vは鉛ではなくアルカリ。

 

 

🚗 消防用に自動車用鉛蓄電池は使わない

非常電源用の鉛蓄電池は、自動車用以外で、告示が指定する据置鉛蓄電池・小形制御弁式鉛蓄電池等のJIS適合品又は同等以上の構造・性能を有するものです。

自動車用バッテリーは大容量に見えても、消防用非常電源の規格適合を意味しません。始動用途と長時間・安定供給を求める据置用途は設計が異なります。

蓄電池設備には次の共通性能も必要です。

  • 0℃から40℃までの周囲温度で機能に異常がない
  • 出力電圧又は出力電流を監視できる電圧計又は電流計
  • 原則として液面を容易に確認できる構造
  • 酸霧・アルカリ霧のおそれがある場合は放出防止装置
  • 補液が必要なものは減液警報装置

シール形・制御弁式では液面確認構造を省略でき、補液不要なら減液警報も不要です。「自動減液補充装置を必ず設ける」という規定ではありません。

据置用と自動車用の用途差

強欲な青木
自動車用でも容量が大きければ、非常電源に使えますよね。

容量だけでは決まりません。鉛蓄電池は自動車用以外で、所定のJIS又は同等以上の構造・性能が必要です。
消防設備士

蓄電池設備の基準第二第二号は、鉛蓄電池を自動車用以外とし、据置用・小形制御弁式等の規格又は同等以上を求めています。

「大容量の自動車用」でも不適合。

 

 

🔌充電装置と過充電防止

蓄電池設備は自動的に充電し、充電電源電圧が定格電圧の±10%で変動しても異常なく充電できる必要があります。また、設備には過充電防止機能を設けます。

充電装置には、次の機能を持たせます。

  • 充電中である旨の表示
  • 蓄電池の充電状態を点検できる装置
  • 入力側の過電流遮断器等
  • 充電装置事故が放電回路へ影響しない保護
  • 電池種別に応じた自動充電と必要な充電方式への自動切替

教材で狙われるのは「過充電」と「過放電」の入れ替えです。告示に明記されるのは過充電防止機能です。放電中表示と過放電防止装置をセットにした選択肢は、告示の記載ではありません。

ただし、実機で過放電保護が不要という意味ではありません。ここでは「告示に定められているか」という問い方に限定して判断します。

充電装置の監視・保護回路

強欲な青木
過充電防止と過放電防止は、両方とも告示に書かれていますか。

この出題範囲で告示に明記されるのは過充電防止です。実機の安全機能と条文に書かれた条件を分けて読みます。
消防設備士

蓄電池設備の基準第二第一号は自動充電、充電電源±10%変動時の機能維持、過充電防止、出力電圧又は電流の監視を定めています。

試験では「過充電=規定あり、過放電=この条文に規定なし」。

 

 

🔄逆変換装置と直交変換装置

逆変換装置は蓄電池の直流を交流へ変換する装置で、一般にインバータが該当します。告示上の主な条件は次のとおりです。

  • 半導体を用いた静止形
  • 充電回路ではなく放電回路に組み込む
  • 出力点検スイッチ・出力保護装置を設ける
  • 無負荷から定格負荷まで、端子電圧±10%変動時も発振周波数が定格の±5%以内
  • 無負荷から定格負荷まで出力波形に有害なひずみがない

直交変換装置は交流→直流と直流→交流を併せ持ちます。2025年の運用通知は、常用・非常用兼用で一般負荷へも供給する場合、停電時に一般負荷を切り離し、非常用負荷に必要な電力量を常時確保することを示しています。

逆変換装置は、規格②の理解に必要な現行規格として本文と独自図で扱います。

逆変換・直交変換と負荷分離

強欲な青木
インバータは充電するときに使うので、充電回路へ入れますよね。

逆変換装置は直流を交流にするため、放電回路へ組み込みます。充電と放電の両方向を担うのが直交変換装置です。
消防設備士

強欲な青木
常用時に一般負荷へ使い切っても、停電時は残った分で動かせばよいですか。

非常用負荷に必要な電力量を常時確保します。停電時は一般負荷等を切り離して非常用負荷へ優先供給します。
消防設備士

蓄電池設備の基準第二第四号は、逆変換装置を半導体静止形として放電回路へ組み込み、出力点検・保護、周波数±5%、有害な波形ひずみなしを求めています。

令和7年7月30日消防予第333号は、直交変換装置を充電・逆変換機能の両方を持つ装置とし、常用・非常用兼用時の非常用電力量確保と停電時の一般負荷切離しを示しています。

逆変換は放電回路。直交変換は充電と放電の両方向。

 

 

✍過去問ベースの類題で確認しよう

※以下は、原題の論点・条件・正答を維持しつつ、表・図・文章を学習用に再構成した類題です。原題の問題文・図版そのものではありません。

この単元の収録類題は、全部で5問です。

 

自家発電設備の電圧確立・投入時間Aと例外時に電力を補給する設備Bの正しい組合せはどれか。

選択肢 A B
40秒以内 蓄電池設備
40秒以内 燃料電池設備
60秒以内 蓄電池設備
60秒以内 燃料電池設備

 

直交変換装置を有する蓄電池設備のAとその他の蓄電池設備のBについて、正しい組合せはどれか。

選択肢 A B
40秒以内 常用電源が停電した直後
40秒以内 停電から10秒後
60秒以内 常用電源が停電した直後
60秒以内 停電から10秒後

 

非常電源用蓄電池の構造・機能について、基準に適合しないものはどれか。

  1. 補液が必要なものには減液警報装置を設ける。
  2. 停電時、非常用負荷回路と他の回路を自動的に切り離せる。
  3. 鉛蓄電池の単電池当たり公称電圧は1.2Vである。
  4. 充電装置に充電中表示を設ける。

 

蓄電池設備の構造・性能について、基準に適合しないものはどれか。

  1. 0℃から40℃まで機能に異常を生じないものを用いた。
  2. 出力電圧を監視できる電圧計を取り付けた。
  3. 自動車用の大容量鉛蓄電池を用いた。
  4. 出力電流を監視できる電流計を取り付けた。

 

非常電源用蓄電池設備の構造・性能について、誤っているものはどれか。

  1. 自動的に充電する。
  2. 充電電源電圧が定格の±10%で変動しても異常なく充電できる。
  3. 放電中表示と使用による過放電防止装置を設ける。
  4. 出力電圧又は出力電流を監視できる計器を設ける。


強欲な青木
迷わずに回答できましたか?
もし、まだ自信がないのであれば繰り返し「過去問テスト」等を使って類題を解くことをオススメします!
消防設備士

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上記以外に新傾向問題の情報など提供あり次第、解説を毎年追記して更新しています。これから消防設備士の試験を受けられる方は是非ご覧下さい。


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