【過去問】消防設備士甲1・乙1の規格①|加圧送水装置・呼水・性能試験

【過去問】消防設備士甲1・乙1の規格①|加圧送水装置・呼水・性能試験

加圧送水装置の規格問題は、ポンプ単体の問題ではありません。ポンプ、電動機、制御盤、呼水装置、逃し配管、性能試験装置、起動用水圧開閉装置を一つの系統として覚えます。

この講義では、特に出題されやすい四つの線を追います。

これから覚える4つ

  1. ポンプ本体:最高吐出圧力の1.5倍を3分間
  2. 呼水装置:有効水量100L以上、条件付きで50L以上
  3. 性能試験装置:吐出側逆止弁の一次側、流量調整弁と差圧式流量計
  4. 電動機:認められる始動方式、停電復旧後の自動再始動

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ポンプ本体:最高吐出圧力の1.5倍を3分間

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呼水装置:有効水量100L以上、条件付きで50L以上

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性能試験装置:吐出側逆止弁の一次側、流量調整弁と差圧式流量計

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電動機:認められる始動方式、停電復旧後の自動再始動

強欲な青木
数字が多いので、100L、50L、15・50・40だけ覚えればよいですか。

数字の主語が重要です。呼水槽の容量なのか、補給水管・溢水用排水管・呼水管の口径なのかを系統図上で結びます。
消防設備士

加圧送水装置の規格全体図

位置・流れ・数値を一つの系統図で覚える。

 

 

現在地:規格1(1/5)|この講義5問・単元全25問


 

🧱ポンプ本体の耐圧力

ポンプ本体は、最高吐出圧力の1.5倍の圧力を3分間加えたとき、漏水や著しい変形等が生じないものでなければなりません。

ここでいう最高吐出圧力は、次のように定義されます。

  • 特定施設水道連結型スプリンクラー設備:定格全揚程を水頭圧力へ換算した圧力
  • それ以外:締切全揚程を水頭圧力へ換算した圧力+最高押込圧力

締切全揚程は、吐出側を閉じて流量が0になった状態でポンプが生じる揚程です。吸込側に押込圧力がある設備では、それも加えた圧力がポンプ本体へ作用します。

試験では「1.2倍」「5分間」と入れ替えられます。正しい組合せは1.5倍・3分間です。

最高吐出圧力と耐圧試験

強欲な青木
定格吐出量で運転したときの圧力を1.5倍するのですか。

原則は最高吐出圧力です。一般の設備では締切全揚程の換算圧力に最高押込圧力を加えます。
消防設備士

加圧送水装置の基準第四は、ポンプ本体へ最高吐出圧力の1.5倍を3分間加え、漏水・著しい変形等が生じないことを定めています。

耐圧は「定格」ではなく「最高吐出圧力」が基準。

 

 

🪣 呼水装置の役割と構成

陸上ポンプは、ポンプ内部や吸込管に空気が残ると水を吸い上げられません。呼水装置はポンプと吸込系統を水で満たし、始動時に確実に吸水できる状態を保ちます。

呼水装置は、次の要素で構成されます。

  1. 呼水槽
  2. 溢水用排水管
  3. 排水管と止水弁
  4. 呼水管と逆止弁・止水弁
  5. 減水警報装置の発信部
  6. 水道、高架水槽等から自動補給する装置

呼水槽の材質は、鋼板、合成樹脂又はこれらと同等以上の強度、耐食性、耐熱性を有するものです。腐食のおそれがある場合は有効な防食処理を施します。

呼水装置の構成と水の流れ

強欲な青木
呼水槽は、消火に使う主水源の一部ですか。

主水源ではありません。ポンプ・吸込管を水で満たし、始動直後の吸水を確実にする付属装置です。
消防設備士

加圧送水装置の基準第六第二号は、呼水槽、溢水用排水管、排水管、呼水管、減水警報発信部、自動補給装置を呼水装置の構成として定めています。

呼水装置は「貯める・満たす・補給する・警報する」。

 

 

📐呼水槽の容量と配管口径

呼水装置の数値を一覧にします。

項目 基準
呼水槽の有効水量 100L以上
フート弁の呼び径150以下の場合 50L以上でも可
補給水管 呼び15以上
溢水用排水管 呼び50以上
呼水管 呼び40以上

有効水量を80L、例外を40Lとする選択肢は誤りです。現行の告示は100L以上、フート弁の呼び径が150以下なら50L以上です。

口径は「補給15・溢水50・呼水40」の順です。役割を水の流れで結ぶと覚えやすくなります。

  • 補給水管:減った水を入れるため、呼び15以上
  • 溢水用排水管:余分な水を逃がすため、呼び50以上
  • 呼水管:ポンプへ呼水を送るため、呼び40以上
100・50Lと15・50・40の対応

強欲な青木
フート弁が150Aなら、呼水槽は40Lでよいですか。

150以下なら例外を使えますが、50L以上です。40Lでは不足します。
消防設備士

同基準は呼水槽100L以上、フート弁の呼び径150以下なら50L以上を許容し、配管口径を補給15・溢水50・呼水40以上としています。

容量は100→条件付き50、配管は補給15・溢水50・呼水40。

 

 

🔔減水警報と自動補給

呼水槽が減水しても、ポンプ始動の瞬間まで気づけない構造では困ります。減水警報装置の発信部はフロートスイッチ又は電極とし、貯水量が有効水量の2分の1となる前に、音響警報用の信号を発信します。

「3分の1となる前」は誤りです。警報時点は2分の1になる前です。

自動補給装置は、呼水槽が減水したとき、水道、高架水槽等からボールタップ等により自動的に水を補給します。警報と補給は別機能です。

  • 減水検出:フロートスイッチ又は電極
  • 信号:音響警報を発するための信号
  • 作動時点:有効水量の1/2となる前
  • 補給:水道・高架水槽等からボールタップ等で自動補給
呼水槽の水位制御と減水警報

強欲な青木
水位が半分になってから警報すればよいですか。

半分となる前です。余裕を持って異常を知らせ、自動補給の状態も点検します。
消防設備士

同基準は、フロートスイッチ又は電極によって、呼水槽の貯水量が有効水量の2分の1となる前に音響警報用信号を発することを定めています。

警報点は「1/2となる前」。1/3ではない。

 

 

📊ポンプ性能試験装置

性能試験装置は、実際の消火栓やヘッドから放水せず、試験配管へ流してポンプの吐出性能を確認する装置です。

接続位置と構成は次のとおりです。

  • ポンプ吐出側逆止弁の一次側へ接続
  • ポンプ負荷を調整する流量調整弁を設置
  • 流量計等を設置
  • 流量計の流入側・流出側に、性能に応じた整流用直管部を確保
  • 流量計は差圧式で、定格吐出量を測定できるもの
  • 配管は定格吐出量を十分に流せる口径

逆止弁の一次側はポンプ側です。二次側へ接続すると建物側配管・設備の状態に影響され、ポンプ単体の試験系として整理しにくくなります。

流量調整弁で流量を変え、流量計と圧力計で運転点を読み、性能曲線と比較します。「連成計」ではなく「流量計」です。

性能試験配管の正しい接続

強欲な青木
逆止弁の二次側から試験配管を取れば、実際の配管も含めて試験できますよね。

規格上の性能試験装置は一次側です。ポンプ負荷を流量調整弁で調整し、流量計で定格吐出量を確認します。
消防設備士

加圧送水装置の基準第六第四号は、性能試験配管を吐出側逆止弁の一次側へ接続し、流量調整弁、流量計等を設けることを定めています。

同号は、流量計を差圧式で定格吐出量を測定できるものとし、整流直管長を流量計の性能に応じ、配管口径を定格吐出量が十分流れる大きさとしています。

一次側・流量調整弁・差圧式流量計の三点セット。

 

 

⚙電動機の始動方式

ポンプ用交流電動機には、次の始動方式が認められています。

  • じか入れ始動
  • スターデルタ始動
  • クローズドスターデルタ始動
  • リアクトル始動
  • コンドルファ始動
  • 二次抵抗始動
  • その他これらに類する方式

ただし、出力11kW以上の低圧電動機は、じか入れ始動から除かれます。大きな始動電流による電圧降下等を抑えるため、減電圧始動等を用います。

直流電動機は、交流電動機に規定する方式と同等以上に始動電流を低減できる性能が必要です。「始動電流を増大させる」は逆です。

ポンプ電動機の始動方式

強欲な青木
出力11kWちょうどの低圧電動機は、じか入れ始動にできますか。

できません。11kW以上が除外なので、11kWちょうども減電圧始動等の対象です。
消防設備士

加圧送水装置の基準第五第四号は交流電動機の始動方式を列挙し、出力11kW以上の低圧電動機をじか入れ始動から除外しています。

11kW以上の低圧電動機は、じか入れ始動を除く。

 

 

🔁停電復旧後の再始動と停止時保護

火災中に電源が一時的に途絶えても、復電後に人が現場で始動操作をしなければ再運転できない装置では、消防設備の機能を維持できません。

基準は、ポンプ運転中に電気供給が停止し、その後再び供給された場合、始動装置を操作することなく再度運転できることを求めています。「遠隔操作により再運転できる」だけでは不足します。

また、電磁式スターデルタ始動方式では、ポンプ停止中に電動機巻線へ電圧を加えない措置が必要です。停止中も巻線へ電圧を加えられる構造は誤りです。

点検では、始動方式の名称だけでなく次を一連で確認します。

  1. 起動信号で確実に始動する
  2. 定格負荷で異常なく運転する
  3. 停電模擬で停止する
  4. 復電後、始動装置を操作せず再運転する
  5. 停止時に不要な巻線加圧がない
停電・復電時の自動再始動

強欲な青木
復電後に中央監視室から再始動できれば十分ですか。

始動装置を操作せず再度運転できる必要があります。人の操作待ちにはしません。
消防設備士

強欲な青木
停止中も巻線へ電圧を加えておけば、すぐ始動できますね。

電磁式スターデルタでは逆です。停止中に電動機巻線へ電圧を加えない措置を講じます。
消防設備士

同基準は復電時の無操作再運転と電磁式スターデルタ始動方式における停止中の電動機巻線無加圧を定めています。

復電後は無操作で再運転。停止中の巻線は無加圧。

 

 

⚠よく出る注意ポイント

  1. ポンプ耐圧は最高吐出圧力の1.2倍 → 1.5倍
  2. 耐圧時間は5分 → 3分
  3. 呼水槽80L、例外40L → 100L、条件付き50L
  4. フート弁の呼び径150未満 → 150以下
  5. 減水警報は有効水量の1/3前 → 1/2前
  6. 補給15・溢水40・呼水50 → 補給15・溢水50・呼水40
  7. 性能試験配管は逆止弁二次側 → 一次側
  8. 性能試験は連成計で流量を測る → 差圧式流量計
  9. 11kW以上の低圧電動機もじか入れ可 → 除外
  10. 復電後は遠隔操作で再始動 → 始動装置を操作せず再運転

 

 

✍過去問ベースの類題で確認しよう

※以下は、原題の論点・条件・正答を維持しつつ、表・図・文章を学習用に再構成した類題です。原題の問題文・図版そのものではありません。

この単元の収録類題は、全部で5問です。

 

ポンプ本体の耐圧条件A・Bの組合せとして正しいものはどれか。

選択肢 A:最高吐出圧力に対する倍率 B:加圧時間
1.2倍 3分間
1.2倍 5分間
1.5倍 3分間
1.5倍 5分間

 

ポンプ方式の加圧送水装置の呼水装置について、誤っているものはどれか。

  1. 呼水槽、溢水用排水管、排水管、呼水管、減水警報発信部、自動補給装置等で構成される。
  2. 配管口径は補給水管15以上、溢水用排水管50以上、呼水管40以上である。
  3. 呼水槽の有効水量は80L以上で、フート弁の呼び径150以下なら40L以上にできる。
  4. 減水時は、水道・高架水槽等からボールタップ等により自動補給する。

 

ポンプ方式の加圧送水装置の呼水装置について、誤っているものはどれか。

  1. 呼水槽は鋼板、合成樹脂又は同等以上の強度・耐食性・耐熱性を有する。
  2. 呼水槽は100L以上で、条件により50L以上にできる。
  3. 配管口径は補給15、溢水50、呼水40以上である。
  4. 減水警報発信部は、有効水量の3分の1となる前に警報信号を発する。

 

性能試験装置について、A・Bに当てはまる語句の正しい組合せはどれか。

「配管はポンプ吐出側逆止弁のAに接続され、ポンプの負荷を調整する流量調整弁、B計等を設ける。」

選択肢 A B
一次側 連成
一次側 流量
二次側 圧力
二次側 連成

 

ポンプ方式の加圧送水装置の電動機の始動方式について、正しいものはどれか。

  1. 交流電動機は、条件付きのじか入れ始動、スターデルタ始動、リアクトル始動等とする。
  2. 直流電動機は、交流電動機の始動方式と同等以上に始動電流を増大できる性能を有する。
  3. 運転中に停電し復電した場合は、始動装置を遠隔操作して再運転できるものとする。
  4. 電磁式スターデルタ始動方式では、停止中も電動機巻線へ電圧を加えられるものとする。

 

 

まとめ

  • ポンプ本体は最高吐出圧力の1.5倍を3分間加圧して異常がないこと
  • 呼水装置は呼水槽、配管、減水警報発信部、自動補給装置等で構成する
  • 呼水槽は100L以上、フート弁の呼び径150以下なら50L以上でもよい
  • 配管口径は補給15・溢水50・呼水40以上
  • 減水警報は有効水量の2分の1となる前
  • 性能試験配管は吐出側逆止弁の一次側に接続する
  • 流量調整弁と差圧式流量計で定格吐出量を確認する
  • 11kW以上の低圧電動機はじか入れ始動を除く
  • 停電復旧後は始動装置を操作せず再運転できること

規格問題は数値だけでなく、ポンプから見た一次側・二次側、水位の基準線、停電から復電までの状態変化を図にして判断してください。

 

➡次に進みましょう

強欲な青木
次はどこへ進めばいいですか?

規格の1/5講義が終了です。次は「自家発電・蓄電池・逆変換装置」を学習します。
消防設備士

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【過去問】消防設備士甲1・乙1の規格②|自家発電・蓄電池・逆変換装置
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