【過去問】消防設備士甲1・乙1の規格④|閉鎖型・放水型ヘッドと作動試験

【過去問】消防設備士甲1・乙1の規格④|閉鎖型・放水型ヘッドと作動試験

スプリンクラーヘッドは、熱で自ら開く閉鎖型と感知・制御・放水を組み合わせる放水型ヘッド等で整理します。

試験で狙われる境界は次のとおりです。

これから覚える6つ

  1. 標示温度60℃未満の色別:黒
  2. 閉鎖型ヘッドの取付け範囲:垂直から45度まで
  3. 通常の放水圧力:0.1MPa
  4. 固定式の一放水区域:100m²以上が原則
  5. 可動式の有効放水範囲:20m²以上
  6. 隣接する放水区域・警戒区域:相互に重複

step
標示温度60℃未満の色別:黒

step
閉鎖型ヘッドの取付け範囲:垂直から45度まで

step
通常の放水圧力:0.1MPa

step
固定式の一放水区域:100m²以上が原則

step
可動式の有効放水範囲:20m²以上

step
隣接する放水区域・警戒区域:相互に重複

強欲な青木
閉鎖型も放水型も、火災の熱でヘッドが割れて水が出る仕組みですか。

閉鎖型は感熱体が開放します。放水型ヘッド等は、感知部・制御部・放水部を連動させる設備です。
消防設備士

閉鎖型と放水型の全体比較

閉鎖型ヘッド規格省令第二条と平成8年消防庁告示第6号第二は、それぞれの構成・用語を定義しています。

閉鎖型は感熱体、放水型は感知・制御・放水の連動。

 

 

現在地:規格4(4/5)|この講義5問・単元全25問


 

🔩 閉鎖型ヘッドの部品と用語

閉鎖型ヘッドは、放水口を感熱体で閉じ、火熱を受けたときに開放するヘッドです。

用語 規格上の意味
デフレクター 放水口から流出する水流を細分させる作用を行うもの
ヒュージブルリンク 易融性金属で融着し、又は易融性物質で組み立てた感熱体
グラスバルブ ガラス球の中に液体等を封入した感熱体
設計荷重 ヘッドを組み立てる際、あらかじめ設計された荷重
標示温度 ヘッドの作動温度又はカバーの離脱温度として、ヘッド又はカバーに表示された温度

ヒュージブルリンクとグラスバルブは、どちらも感熱体ですが構造が違います。「ガラス球の中に液体等を封入」はグラスバルブです。

2025年7月30日改正では、カバー付ヘッドが規格へ追加され、標示温度の定義もヘッドの作動温度だけでなくカバーの離脱温度を含む形へ変わりました。改正前の定義をそのまま覚えないことが重要です。

閉鎖型ヘッドの部品と感熱体

強欲な青木
ヒュージブルリンクは、ガラス球の液体が膨張する部品ですよね。

それはグラスバルブです。ヒュージブルリンクは易融性金属等で組み立てた感熱体です。
消防設備士

現行規格省令第二条は、ヒュージブルリンク、グラスバルブ、設計荷重、標示温度等を定義しています。令和7年改正でカバー付ヘッドとカバー離脱温度が追加されました。

ヒュージブル=易融性、グラス=ガラス球+液体等。

 

 

🎨 標示温度と色別

標示温度は数字で表示し、さらに標示温度区分に応じた色別を確認できるようにします。

標示温度の区分 色別
60℃未満
60℃以上75℃未満 無色
75℃以上121℃未満
121℃以上162℃未満
162℃以上200℃未満
200℃以上260℃未満
260℃以上

過去問では「60℃未満=赤」と入れ替えますが、正しくは黒です。赤は162℃以上200℃未満です。

2025年改正後は、ヘッドに標示温度を表示したうえで、色別を見やすい箇所と作動後も確認できる箇所に表示します。ただし、作動後も識別できる方法で標示温度が表示されているものは、色別表示のただし書が適用されます。旧教材の「温度と色別を常に同じ一箇所へ表示」という読み方に固定しません。

標示温度と色別の連続温度帯

強欲な青木
低温用だから、60℃未満は注意色の赤ですね。

60℃未満は黒です。赤は162℃以上200℃未満なので、温度軸の順に覚えます。
消防設備士

現行規格省令第十五条第二項は、60℃未満を黒、60℃以上75℃未満を無色とする色別表と作動後の識別条件を定めています。

色の最初は「60未満=黒、60〜75未満=無色」。

 

 

🧪閉鎖型ヘッドの作動試験

閉鎖型ヘッドは、温度だけでなく、所定の取付け姿勢と放水圧力でも正常に作動する必要があります。

通常のヘッドでは、次の組合せです。

垂直 0° → 45°まで × 放水圧力 0.1MPa

したがって、角度の正答は45度です。20度、30度、60度ではありません。

水道連結型ヘッドは0.1MPa固定ではなく、最低放水圧力で試験します。現行規格では、0.02MPa又は放水量15L/minとなる圧力のうち、いずれか大きい値です。

また、2025年改正でカバー付ヘッドの作動試験項が追加されたため、従来の「第11条第3項」は現行条文では第4項に移っています。角度45度と圧力0.1MPaの内容自体は維持されています。

45度・0.1MPa作動試験

強欲な青木
45度に傾けるなら、圧力も0.45MPaですか。

角度は45度、圧力は0.1MPaです。単位の違う二つの数値を混ぜないでください。
消防設備士

現行規格省令第十一条第四項は、垂直から45度までの取付け範囲と0.1MPaでの正常作動を定め、水道連結型の最低放水圧力を別に定めています。

作動試験は「45度・0.1MPa」。水道連結型は別圧力。

 

 

🏟️ 放水型ヘッド等の構成と区域

放水型ヘッド等は、高天井となる部分の火災を有効に感知し、消火するための設備です。

主な用語を区域の包含関係で整理します。

  • 放水範囲:一つの放水部が放水できる範囲
  • 有効放水範囲:所要の散水量を確保できる範囲
  • 放水区域:一又は複数の放水部が同時に放水できる区域
  • 警戒区域:火災発生区域を他と区別して識別できる最小単位
  • 固定式ヘッド:放水範囲が固定
  • 可動式ヘッド:放水部を制御して放水範囲を変更可能

設計の基本は、警戒区域を放水区域が包含し、その放水区域を有効放水範囲が包含することです。感知できても放水できない隙間、放水できても所要散水量に達しない隙間を残しません。

放水範囲・有効範囲・放水区域・警戒区域

強欲な青木
水が届けば、散水量が少ない端部も有効放水範囲ですか。

いいえ。有効放水範囲は、届くだけでなく所要の散水量を確保できる範囲です。
消防設備士

消防庁告示第6号第二は、放水範囲、有効放水範囲、放水区域、警戒区域、固定式・可動式ヘッドを定義しています。

有効放水範囲は「水が届く範囲」ではなく「所要散水量を満たす範囲」。

 

 

📐固定式ヘッドの100m²原則

固定式ヘッドの一つの放水区域は、原則として100m²以上となるように設けます。

ただし、高天井となる部分の面積が200m²未満なら、一つの放水区域を100m²未満にできます。

固定式では、面積だけでなく次も同時に確認します。

  1. 高天井部分の床面を有効に包含し、火災を消火できる
  2. 隣接する放水区域は相互に重複する
  3. 放水区域は一又は複数の有効放水範囲に包含される
  4. 放水区域は警戒区域を包含する
  5. ヘッド周囲に散水障害となる物品等を置かない

「50m²以上」は誤りです。また、100m²は有効放水範囲の最低面積ではなく、一つの放水区域の原則値です。

固定式の100m²・重複・例外

強欲な青木
100m²ごとに線を引けば、区域同士は接するだけでよいですね。

接するだけではなく、火災を有効に消火できるよう相互に重複させます。
消防設備士

消防庁告示第6号第四第一号は、一放水区域100m²以上の原則、200m²未満の高天井部分の例外、隣接区域の重複、包含、障害防止を定めています。

固定式は「100以上・隣接重複」。200未満の高天井部分に例外。

 

 

🎯可動式ヘッドの20m²

可動式ヘッドは、放水部の向きを制御して放水範囲を変えられます。

任意の位置に放水部を固定し、使用圧力範囲内で放水したときの有効放水範囲は、20m²以上必要です。

散水量は次のとおりです。

種別 有効放水範囲内の散水量
小型ヘッド 5L/min・m²以上
大型ヘッド 10L/min・m²以上

放水部を動かして範囲を変える場合は、それぞれの有効放水範囲を相互に重複させます。設置時は、放水区域が有効放水範囲に包含され、警戒区域を包含し、周囲に散水障害がないことも確認します。

「40m²以上」は誤りで、20m²以上です。固定式の100m²は放水区域、可動式の20m²は有効放水範囲なので、対象語も区別します。

可動式の20m²と走査放水

強欲な青木
可動するほど広く守れるので、最低40m²ですね。

最低面積は20m²です。動かした各範囲も互いに重複させます。
消防設備士

消防庁告示第6号第三第二号は、可動式ヘッドの有効放水範囲を20m²以上とし、放水範囲を変える場合の相互重複を定めています。

可動式は「有効放水範囲20以上・動かす範囲も重複」。

 

 

🔍感知部・警戒区域・連動

放水型ヘッド等の感知部は、高天井部分の床面火災を有効に感知できるように設けます。

設置条件は次のとおりです。

  • 隣接する警戒区域は相互に重複させる
  • 感知部は種別に応じて火災を有効に感知できるようにする
  • 感知障害を生じさせない
  • 走査型では警戒区域を監視視野に包含する
  • 走査型は一連の監視後、初期状態へ60秒以内に復する

感知信号を受けると受信部へ火災の警戒区域を表示し、その区域に対応する放水区域で自動放水を開始できるようにします。放水区域の選択と放水操作は手動でも行える必要があります。

「隣接する警戒区域は重複しない」は誤りです。区域境界の見逃しを防ぐため、重複させます。

警戒区域の重複と60秒走査

強欲な青木
区域を重ねると二重管理になるので、境界は重ならない方が明確ですよね。

火災の見逃しを防ぐため、隣接する警戒区域は相互に重複させます。
消防設備士

消防庁告示第6号第四第三号は、隣接警戒区域の重複、感知障害防止、走査型の監視視野包含と60秒以内の復帰を定めています。

感知は「警戒区域重複・視野包含・60秒復帰」。

 

 

⚠よく出る注意ポイント

  1. ヒュージブルリンクはガラス球+液体 → グラスバルブ
  2. 標示温度はヘッドの作動温度だけ → 現行はカバー離脱温度も含む
  3. 60℃未満の色別は赤 → 黒
  4. 作動試験は垂直から30度 → 45度
  5. 45度だから0.45MPa → 0.1MPa
  6. 現行条文でも作動角度は第11条第3項 → 2025年改正後は第4項
  7. 固定式の一放水区域は50m²以上 → 原則100m²以上
  8. 固定式の隣接区域は接するだけ → 相互に重複
  9. 可動式の有効放水範囲は40m²以上 → 20m²以上
  10. 隣接警戒区域は重複させない → 相互に重複

 

 

✍過去問ベースの類題で確認しよう

※以下は、原題の論点・条件・正答を維持しつつ、表・図・文章を学習用に再構成した類題です。原題の問題文・図版そのものではありません。

この単元の収録類題は、全部で5問です。

 

閉鎖型スプリンクラーヘッドの標示温度区分による色別として、誤っているものはどれか。

  1. 60℃未満は赤色
  2. 60℃以上75℃未満は無色
  3. 75℃以上121℃未満は白色
  4. 121℃以上162℃未満は青色

 

閉鎖型スプリンクラーヘッド(水道連結型を除く)は、軸線を垂直にした状態から何度まで傾斜した取付け範囲で、0.1MPaで放水しても正常に作動する必要があるか。

  1. 20度
  2. 30度
  3. 45度
  4. 60度

 

固定式ヘッドの設置について、誤っているものはどれか。

  1. 一つの放水区域の面積を50m²以上とする。
  2. 隣接する放水区域を相互に重複させる。
  3. 放水区域を一又は複数の有効放水範囲に包含させる。
  4. 放水区域が警戒区域を包含するようにする。

 

可動式ヘッドの設置について、誤っているものはどれか。

  1. 放水部を動かして範囲を変える場合、各有効放水範囲を相互に重複させる。
  2. 有効放水範囲は40m²以上とする。
  3. 放水区域は警戒区域を包含するように設ける。
  4. ヘッド周囲に散水障害となる物品等を置かない。

 

放水型ヘッド等の感知部の設置について、誤っているものはどれか。

  1. 感知障害が生じないように設ける。
  2. 高天井部分の床面火災を有効に感知できるようにする。
  3. 走査型では警戒区域を監視視野に包含させる。
  4. 隣接する警戒区域は相互に重複しないようにする。


強欲な青木
固定式100、可動式20、どちらも同じ種類の面積ですね。

固定式は一つの放水区域、可動式は有効放水範囲です。数値と対象語を必ず組にしてください。
消防設備士

 

 

まとめ

  • ヒュージブルリンクは易融性金属等、グラスバルブはガラス球+液体等
  • 2025年改正後の標示温度は、ヘッド作動温度又はカバー離脱温度
  • 標示温度60℃未満の色別は黒
  • 通常の作動試験は垂直から45度まで、0.1MPa
  • 固定式の一放水区域は原則100m²以上
  • 高天井部分が200m²未満なら、固定式の一放水区域を100m²未満にできる
  • 可動式の有効放水範囲は20m²以上
  • 隣接する放水区域・警戒区域は相互に重複させる
  • 走査型感知部は監視視野で包含し、60秒以内に初期状態へ復帰する

数字だけでなく、「何の数値か」を組にすると100m²と20m²、放水区域と有効放水範囲を取り違えません。

 

 

➡次に進みましょう

強欲な青木
次はどこへ進めばいいですか?

規格の4/5講義が終了です。次は「流水検知装置・一斉開放弁」を学習します。
消防設備士

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【過去問】消防設備士甲1・乙1の規格⑤|流水検知装置・一斉開放弁
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