【泡消火設備の構造・機能①】水源・加圧送水装置・ポンプ|消防設備士甲2・乙2【過去問】

【泡消火設備の構造・機能①】水源・加圧送水装置・ポンプ|消防設備士甲2・乙2【過去問】のサムネイル

強欲な青木

強欲な青木
ポンプは水を送るだけではありません。必要な量と圧力を、配管の先まで届ける役目です。
吸水側から吐出側へ順に追うと、圧力計や逃し配管の意味もつながるよ。
消防設備士

消防設備士

最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの消防設備士「過去問テスト」で毎年更新しています。

\時間を測って確認/

「過去問テスト」をする

無料講義で役割を整理してから、演習で条件と答えを再現できるか確認します。

消防設備士2類 過去問講義

このページの対象と到達目標

対象は、消防設備士甲種第2類・乙種第2類を学ぶ初学者です。泡消火設備の水源から泡放出口までを、単なる機器名ではなく「水を確保する→吸い込む→圧力をつくる→送る→性能を確かめる」という工程で理解します。

水源から泡放出口まで ポンプは流れの一部

読み終えたときに、次のことができれば十分です。

  • 水源、吸水側、ポンプ、吐出側、泡消火薬剤混合装置、泡放出口の流れを説明できる。
  • ポンプが回転しても水が出ないとき、呼び水・吸水側の空気・フート弁・弁の状態を順に確認する理由を説明できる。
  • 吐出側の圧力計と吸込側の連成計を混同しない。
  • 逃し配管の目的を、締切運転時の水温上昇防止と結び付けて理解する。
  • ポンプ性能の数値は、定格条件・流量・全揚程・仕様書をそろえないと比較できないと分かる。

実際の点検・調整・分解では、設備を停止・隔離すべき条件、電気的安全、圧力開放、薬剤及び水の排出先、メーカーの取扱説明書、設計図書、所轄消防機関の指導を確認します。運転中のポンプや盤に対する調整、弁操作、グランド部の増締めを、このページだけを根拠に実施しません。

水源から放出口までを一つの流れで見る

泡消火設備は、ポンプだけが正常でも有効に放射できるとは限りません。水源の水量、吸水経路、ポンプの起動、吐出配管、泡消火薬剤との混合、泡放出口までが連続して働く必要があります。

工程 主な機器・場所 確認すること 異常時に最初に見るもの
1. 水を確保する 水槽・水源・水位計 規定量、水位、水状、給水装置 水量不足、浮遊物・沈殿物、バルブ状態
2. 水を吸い込む 吸水管、フート弁、呼水装置 吸水経路の密閉、逆流防止、空気の有無 呼び水、吸水側の空気吸込み、フート弁の閉塞・固着
3. 圧力をつくる ポンプ、電動機、起動装置 起動、回転、振動、異音、発熱 電源・起動、回転方向、軸受、グランド部
4. 水を送る 吐出配管、逆止弁、逃し配管、圧力計 圧力、流れ、弁位置、締切時の水温 吐出弁、逆止弁、逃し配管の詰まり
5. 泡として放射する 混合装置、泡放出口、ノズル 必要な圧力・流量、薬剤混合、放射障害 設定、配管、放出口、同時放射条件

消防庁の点検基準では、水源について規定量の確保、水状、水位計、バルブ類などを確認します。加圧送水装置では、ポンプ・電動機・制御装置の外観、指示値、開閉機能、起動、漏水、振動、異音などを点検します。個別の正常値は、設計図書と機器の仕様で確認します。

吸水できないときは、ポンプの前をさかのぼる

圧力計の指針が上がっても、試験用配管を開くと圧力が下がり、水が出ないことがあります。このときは、ポンプだけを疑う前に、水源からポンプ入口までの経路を戻って確認します。

  1. 水源に必要な水量と水位があるかを確認する。
  2. 吸水側の仕切弁などが正しい開閉位置かを確認する。
  3. 呼び水が確保され、吸水側に空気がたまっていないかを確認する。
  4. フート弁に異物、閉塞、固着がなく、逆止機能が働くかを確認する。
  5. 吸水側の継手・グランド部などから空気を吸い込む状態がないかを確認する。
  6. その後にポンプ、吐出弁、逆止弁、試験配管を確認する。

呼び水は、ポンプが水を吸い上げるための初期条件です。吸水側へ空気が入ると、ポンプが回転していても必要な水を連続して送れないことがあります。原因の切り分けでは、圧力計だけでなく、吸込側の連成計、弁の状態、水位、漏れ・空気吸込みの有無を組み合わせて見ます。

圧力計・連成計・逃し配管の役割

ポンプを用いる加圧送水装置では、吐出側に圧力計、吸込側に連成計を設けます。圧力計は主に吐出側の正圧を読み、連成計は吸込側の正圧・負圧を含めた状態を確認するために用います。二つの計器を入れ替えて理解しないことが重要です。

締切運転では、水が流れない状態でポンプが運転し、水温が上昇しやすくなります。このため、加圧送水装置には水温上昇防止のための逃し配管を設けます。締切運転時に水温上昇が著しい場合は、逃し配管の詰まりなどを疑い、設備の取扱手順に従って原因を切り分けます。

部位 役割 誤解しやすい点
圧力計 ポンプ吐出側の圧力状態を確認する 吸込側に設ける計器ではない
連成計 吸込側の正圧・負圧を含む状態を確認する 吐出圧だけを読む計器ではない
フート弁 吸水管の先端側で逆流を防ぎ、吸水を助ける 吸水側に空気や異物があっても機能するわけではない
逃し配管 締切運転時の水温上昇を防ぐ 通常放射の主経路や性能試験用配管と同じ目的ではない
性能試験用配管 定格負荷運転時の性能を確認する 常用の放射配管ではない

性能曲線は「数値の組合せ」で読む

ポンプの性能は、吐出量と全揚程を対にして見ます。流量だけ、又は圧力だけを単独で比べても、必要な性能を判断できません。全揚程はm、圧力はMPa、吐出量はL/min又はm³/minなど、単位をそろえて読みます。計算や性能照合の途中の値は丸めず、最後の表示だけを設計図書・仕様書・問題の指示に従って処理します。

消防法施行規則第18条が泡消火設備について準用する基準では、ポンプの吐出量が定格吐出量の150 %である場合の全揚程は、定格全揚程の65 %以上とされています。また、ポンプは原則として専用とし、性能に支障がない場合には他の消火設備との併用・兼用が認められます。原動機は電動機とし、吐出側に圧力計、吸込側に連成計、定格負荷運転時の性能を試験するための配管設備を設けます。

ただし、この基準だけで、特定のポンプの性能曲線、必要水源容量、選定機種、許容運転時間を決めることはできません。定格流量、定格全揚程、締切全揚程、配管損失、放出口の設計圧力、同時放射条件、製造者の仕様書をそろえて確認します。根拠を確認していない他の百分率や揚程値は、このページでは使用しません。

点検で見る「異常」と「調整し過ぎ」

機能点検では、電動機に著しい発熱・異常音がないこと、電動機とポンプの回転が円滑であること、圧力計及び連成計の指示圧力計が適正であることを確認します。ポンプのグランド部では、連続して水が出る状態は適切ではありません。

一方、グランド部のわずかな間欠滴下まで完全に止めるように過度に増締めすると、パッキンや軸封部に負担をかけ、発熱・損傷につながるおそれがあります。許容される状態と調整方法は、ポンプの型式・軸封方式・メーカーの取扱説明書・点検要領に従います。異常があれば、漏水をゼロにする操作を優先せず、停止・隔離を含む安全な手順で確認します。

典型ミスを先に防ぐ

  • ポンプが回っているので、水源・吸水側は正常だと考える。 呼び水、吸水側の空気、フート弁、弁位置、水位を順に確認します。
  • 吐出側の圧力計だけで吸水異常を判断する。 吸込側の連成計と、水源からの経路を合わせて見ます。
  • 締切運転時の水温上昇を、ポンプ本体だけの問題と考える。 逃し配管の詰まりなど、逃がす経路も確認します。
  • 150 %時の65 %基準を、すべての性能曲線の数字だと覚える。 定格吐出量と定格全揚程を基準にした条件であり、他の性能値とは別に確認します。
  • グランド部は水滴を完全に止めるほどよいと考える。 連続漏水と過度な増締めを区別し、型式ごとの手順に従います。

過去問テスト

次の問題は、学習用に整理しています。図版は学習の要点が分かる新規模式図で説明します。

問1 ポンプ方式の加圧送水装置

泡消火設備に使用するポンプ方式の加圧送水装置に関する記述として、誤っているものは次のうちどれか。

  1. ポンプは原則として、専用とすること。
  2. 原動機は、電動機によるものとすること。
  3. ポンプにはその吐出側に圧力計、吸込側に連成計を設けること。
  4. ポンプの吐出量が定格吐出量の150 %である場合における全揚程は、定格全揚程の50 %以下のものであること。


問2 ポンプ方式の機能点検

ポンプ方式の加圧送水装置の機能点検に関する記述について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 電動機に著しい発熱及び異常音がないこと。
  2. 電動機及びポンプの回転が円滑であること。
  3. ポンプのグランド部から連続して水が出ていること。
  4. 圧力計及び連成計の指示圧力計が適正であること。


問3 ポンプ方式の異常対応

ポンプ方式の加圧送水装置について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. ポンプは回転するが、送水(吐出)が行われない場合には、呼び水を確認する。
  2. 締切運転時の水温上昇が著しい場合には、逃し配管の詰まりを除去する。
  3. 三相誘導電動機が逆回転する場合には、2線の接続を入れ替える。
  4. グランド部から漏水があるときは、漏水が完全に止まるまで増し締めをする。

実務での注意

  • 水源の規定量は、設備の方式、放射量、放射時間、配管内を満たす量、同時放射条件などから決まります。別の設備の水源容量を流用しません。
  • 点検時には、バルブの開閉位置、計器の指示、起動条件、吐出・吸水経路を記録し、異常の再現条件を残します。
  • 呼び水不足・吸水側の空気吸込み・フート弁の異物・吐出弁の閉止は、似た症状を生じます。一つの原因に決め打ちしません。
  • 性能試験は、設計圧力、排水先、試験配管、安全な放水・排水、泡消火薬剤への影響を確認して実施します。泡放射を伴う試験は、環境配慮と所轄の扱いを確認します。
  • グランド部、軸受、電動機、制御盤の異常は、運転を続けるほど損傷が広がることがあります。異常時の停止判断と連絡先を整備します。

まとめ

  • 水源→吸水側→ポンプ→吐出側→混合→放出口の順に、途切れがないかを確認する。
  • 水が出ないときは、呼び水、空気吸込み、フート弁、弁位置、水源をポンプの前から確認する。
  • 圧力計は吐出側、連成計は吸込側。逃し配管は締切時の水温上昇を防ぐ。
  • 性能は流量と全揚程を対にして見て、確認済みの条件以外の百分率を流用しない。
  • 連続漏水と過度な増締めを区別し、異常時は型式別の安全手順に従う。

ここまでの流れを、問題を解く順番で繰り返すなら、消防設備士「過去問テスト」で時間を測って確認してください。

異常は数値だけで決めず、吸水・吐出・起動の順に原因を切り分けよう。
消防設備士

消防設備士

最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの消防設備士「過去問テスト」で毎年更新しています。

\そのまま試験に出ます/

「過去問テスト」をする

条件→経路→役割の順に、答案へ再現できるか確認します。

参考資料

本文の数値・方式は、基礎モデル又は問題条件として説明しています。実務では最新の法令、設計図書、機器仕様、認定表示および所轄の指導を確認してください。


次は【泡消火設備の構造・機能②】配管・管継手・弁・耐圧|消防設備士甲2・乙2【過去問】へ進みましょう。