【泡消火設備の構造・機能②】配管・管継手・弁・耐圧|消防設備士甲2・乙2【過去問】

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強欲な青木

強欲な青木
配管は、つながっていれば終わりではありません。流向、支持、耐圧まで確認して初めて経路になります。
材料名ではなく、流すもの・圧力・接続方法・点検条件で考えよう。
消防設備士

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消防設備士2類 過去問講義

このページの対象と到達目標

対象は、消防設備士甲種第2類・乙種第2類を学ぶ初学者です。配管を「水を通す管」だけで捉えず、材料を選ぶ、確実につなぐ、荷重と振動を受け止める、正しい方向に流す、圧力をかけて確認する、という施工と確認の順に理解します。

配管施工を五つの順で確認する

読み終えたときに、次のことができれば十分です。

  • 管、管継手、バルブ類を、材料・接続・流れ・点検の役割で区別できる。
  • 設計図書の流れ矢印と、逆止弁の流れ方向、開閉弁・止水弁の開閉方向を分けて確認できる。
  • 地中に埋設する配管は、埋め戻す前に耐圧検査を行う理由を説明できる。
  • 耐圧検査を「漏水が見えない一瞬」の確認で終えず、加圧、保持、計器、減圧又は漏れを確認する試験だと理解できる。
  • JIS番号、管種、支持間隔、試験圧力、保持時間を、別方式・別現場から流用せず根拠資料で確定する必要があると分かる。

実際の施工・改修・耐圧試験では、系統を停止・隔離する範囲、残圧の解放、排水先、試験水、養生、立入管理、設計図書、機器仕様、所轄消防機関の指導を確認します。このページだけを根拠に、加圧、弁操作、配管の切断又は埋め戻しを実施しません。

施工を五つの順で追う

配管は、完成してから内部の状態を見にくくなります。とくに地中、天井内、機器の裏側では、施工順と記録がそのまま保守性になります。

順序 確認する対象 見るポイント 次へ進む前の確認
1. 材料 管、管継手、バルブ、ガスケット、支持材 用途、使用圧力、耐食性、耐熱性、認定・表示、設計図書との一致 同じ外観でも材質・規格・使用条件を取り違えていないか
2. 接続 ねじ、溶接、フランジ、可とう継手など 接続方法、締結、シール部、異種材料の組合せ、点検可能性 接続部に無理な力、ねじれ、偏心が残っていないか
3. 支持・防食 つり、支持金具、防振・耐震措置、防食 自重、水の重量、振動、温度変化、腐食環境 荷重が継手・弁・機器に集中していないか
4. 流向・弁 開閉弁、止水弁、逆止弁、一斉開放弁など 流れ矢印、開閉方向、常時の弁位置、点検時の隔離範囲 逆止弁を逆向きにしていないか、必要な弁を閉じ込めていないか
5. 耐圧・記録 試験区間、圧力計、排気・排水、埋設部 加圧方法、保持、漏れ・圧力低下、埋戻し前の確認、記録 合格確認前に隠ぺい・埋戻ししていないか

この順序は、特定の施工方法を指示するものではありません。実際の方法は、配管の材質、接続方式、設備の方式、施工要領、設計図書で決めます。例えば、管継手に管を接続したものは「管等」として性能を評価する基準があり、管だけを単独で見て判断しないことが大切です。

材料と継手は「名称」より使用条件で選ぶ

配管材料には、強度、耐食性、耐熱性、耐薬品性、最高使用圧力、施工環境などの条件があります。管と管継手は、組み合わせた状態で、漏れ、耐圧、曲げ、引張、水撃圧などに耐えることが求められます。泡消火設備の配管では、一斉開放弁の一次側と二次側で必要な性能試験の構成が異なるため、「泡消火設備用だから同じ」とは扱いません。

接続を確認するときは、接続部の種類を暗記する前に、次の三点を順に見ます。

  1. どの管材と、どの継手・バルブを接続するか。 材質、呼び径、使用圧力、環境条件を設計図書と仕様で照合します。
  2. 接続部へ無理な荷重がかからないか。 配管の自重、水の重量、振動、温度変化を支持部で受け、弁、フランジ、機器ノズルに荷重を押し付けません。
  3. 確認・補修ができるか。 ボルト、表示、弁の操作部、点検口を、仕上げ後も確認できる位置に保ちます。

「JISに適合している」とだけ覚えると、材料名と適用条件を混同しがちです。JIS本文の最新内容や、製品の認定表示、設計図書上の指定は、施工・検査の時点で個別に確認します。このページでは、未確認のJIS番号や支持間隔を暗記用の数値として掲載しません。

支持と流向は、配管をつないだ後に崩れやすい

支持金具は、配管を見栄えよく固定するためだけのものではありません。配管内の水、弁の重量、ポンプの振動、地震時の力により、継手や機器接続部へ過大な力が伝わらないようにする役目があります。支持位置・間隔・耐震措置は、管種、口径、充水状態、経路、施工仕様に従って決めます。

流向は、配管の矢印、機器の一次側・二次側、弁本体の矢印、常時の弁位置を一枚の系統図でつなげて確認します。とくに逆止弁は、逆流を防ぐため、加圧側から弁体を押し開く向きに設けます。開閉弁・止水弁に表示されるのは開閉方向であり、逆止弁に表示される流れ方向とは意味が違います。

弁の例 主な役割 流向を確認する理由 混同しやすい点
逆止弁 逆流を防ぐ 流れと逆に付けると、送水を妨げたり必要な機能を失ったりする 「弁ならどちら向きでも同じ」と考える
開閉弁・止水弁 通水又は止水を切り替える 操作方向・常時の開閉位置を誤ると、必要時に水を送れない 開閉方向の表示を、流向表示と混同する
仕切弁 流路を全開又は全閉で扱う 全開・全閉の操作を主目的とするため、一般に流向そのものを選ばない 流向を考えないことと、開閉位置を確認しなくてよいことを混同する

耐圧検査は、隠す前に経路全体を確かめる

耐圧検査では、試験区間を定め、不要な機器を保護し、空気が残らないように水を満たし、圧力を確認できるようにします。地中埋設配管であれば、接続部、腐食防食の状態、漏れを目視できる埋め戻し前が、異常を直せる重要な時点です。

一般に、試験中の弁は試験区間全体に圧力を行き渡らせるための状態にします。ただし、逆止弁の位置、計器や機器の耐圧、試験区間の区切りによって、開放・隔離の判断は変わります。水圧試験を原則として、これによることができない又は適当でないときに空気圧又は不燃性ガスを用いることができる場合があります。空気又はガスによる試験は蓄積エネルギーの危険があるため、自己判断で切り替えません。

試験圧力は、単に定格吐出圧力へ係数を掛けるのではなく、該当する設備・配管の基準にある締切圧力又は最高使用圧力などの条件から決めます。圧力の単位はMPaなどにそろえ、途中の計算値は丸めず、最後の表示だけを設計図書・基準・試験要領の指示に従って処理します。保持時間、圧力計の設置数と位置、合格判定は、配管の方式と採用する試験基準を確認して記録します。

典型ミスを先に防ぐ

  • 管だけの規格を見て、継手・バルブとの組合せを見ない。 管等としての性能、接続方法、使用圧力、環境条件を確認します。
  • 支持を継手や弁の近くで間に合わせる。 荷重と振動をどこで受けるかを先に確認し、機器接続部へ無理な力を伝えません。
  • 逆止弁の一次側・二次側を逆に覚える。 ポンプの加圧側から弁体を押し開く流れを矢印で追います。
  • 仕切弁も逆止弁と同じように流向を持つと考える。 仕切弁は全開・全閉の操作が主であり、流向確認が不要でも弁位置確認は必要です。
  • 埋め戻してから耐圧検査をする。 漏れや接続不良を目視・補修できる埋戻し前に確認します。
  • 圧力が一度上がれば合格と考える。 加圧後の保持、圧力低下又は漏れの有無、試験記録まで確認します。

過去問テスト

次の問題は、学習用に整理しています。図版は学習の要点が分かる新規模式図で説明します。

問1 配管の耐圧検査

泡消火設備の配管の耐圧検査を行う場合の注意事項として、最も適当なものは次のうちどれか。

  1. 耐圧試験圧力に達したときに漏水がなければ合格とする。
  2. 耐圧試験の試験圧力を確認するため、少なくとも3個の圧力計を設ける。
  3. 配管の耐圧試験圧力は、ポンプの定格吐出圧力の1.5倍以上とする。
  4. 地中埋設配管の耐圧試験は、埋め戻し前に行う。


問2 逆止弁を含む耐圧検査

泡消火設備の配管の耐圧検査を行う場合の注意事項として、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 一般の弁は、検査中開放しておくこと。
  2. 配管途中に逆止弁がある場合は、加圧側を弁の下流側とする。
  3. 地中埋設配管は、埋め戻し前に検査を行うこと。
  4. 水圧によって行うことが原則であるが、これによることが不可能な又は不適当な場合には、空気圧又は不燃性ガスにより行うことができる。


問3 弁の流れ方向

配管工事で弁を取り付ける場合、流れ方向を考慮しなくてもよいものは次のうちどれか。

  1. 一斉開放弁
  2. 玉形弁
  3. 逆止弁
  4. 仕切弁

実務での注意

  • 材料の選定は、管・継手・バルブを別々に見るだけでなく、接続後の使用圧力、腐食環境、耐熱性、支持方法までを一組で確認します。
  • 防食処理、支持金具、耐震措置、可とう部は、完成後に見えにくくなります。施工写真、試験記録、系統図、弁の常時状態を引き渡し資料として残します。
  • 逆止弁、開閉弁、止水弁は、名称だけで判断せず、弁本体の表示、設計図書の流れ矢印、一次側・二次側を同時に確認します。
  • 耐圧試験は、圧力を上げる作業だけではありません。残圧、飛散、排水、周囲立入、計器の校正、機器の保護、試験後の復旧を含めた安全な工程として実施します。
  • 支持間隔、試験圧力、保持時間、使用する圧力計の数は、ここに示していない未確認値を流用せず、設計図書・現行基準・製造者資料で確定します。

まとめ

  • 施工は、材料→接続→支持→流向→耐圧の順に追うと、隠ぺい前の確認漏れを防ぎやすい。
  • 管と管継手は、接続した状態での性能と、使用条件を確認する。
  • 逆止弁は上流側から押し開く向き、仕切弁は流向より全開・全閉の操作を主に確認する。
  • 地中埋設配管は埋戻し前に耐圧検査を行い、加圧後の保持・漏れ・記録まで確認する。
  • 数値、JIS番号、施工方法は、設備方式と根拠資料がそろったものだけを確定する。

ここまでの流れを、問題を解く順番で繰り返すなら、消防設備士「過去問テスト」で時間を測って確認してください。

耐圧の数字だけを覚えず、どの経路を、どの状態で確かめるかを先に確認しよう。
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条件→経路→役割の順に、答案へ再現できるか確認します。

参考資料

本文の数値・方式は、基礎モデル又は問題条件として説明しています。実務では最新の法令、設計図書、機器仕様、認定表示および所轄の指導を確認してください。


次は【泡消火設備の構造・機能③】泡放出口・ヘッドの構造|消防設備士甲2・乙2【過去問】へ進みましょう。