【泡消火設備の構造・機能③】泡放出口・ヘッドの構造|消防設備士甲2・乙2【過去問】

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強欲な青木

強欲な青木
泡放出口は見た目だけで分けると混乱します。泡の大きさと放出方式から整理しましょう。
低発泡・高発泡、フォームヘッド・フォームウォーターを役割で結び付けよう。
消防設備士

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消防設備士2類 過去問講義

このページの対象と到達目標

対象は、消防設備士甲種第2類・乙種第2類を学ぶ初学者です。泡放出口を、見た目の形だけで識別するのではなく、「どの発泡区分の泡を、どの場所へ、どのように放出するか」で整理します。

泡の大きさから泡放出口を選ぶ

読み終えたときに、次のことができれば十分です。

  • 低発泡用の泡ヘッド、高発泡用泡放出口、移動式の泡ノズルを、放出の仕方と用途で区別できる。
  • フォームヘッドとフォーム・ウォーター・スプリンクラーヘッドを、設ける場所と水・泡水溶液を放射したときの働きで説明できる。
  • 高発泡用泡放出口の第1種、第2種、第3種を、膨張比の範囲で整理できる。
  • フォームヘッドの放射圧力が、放射量だけでなく発泡状態にも関係する理由を説明できる。
  • 写真又は断面図だけで部品名・型式・性能を決めず、表示、仕様書、設計図書、一次資料を確認すべきだと分かる。

実際の選定、取付け、放射試験、分解、清掃では、設計図書、型式ごとの取扱説明書、認定表示、試験要領、薬剤の取扱い、排水・回収、所轄消防機関の指導を確認します。このページだけを根拠に、放出口を交換したり、オリフィス・デフレクター・金網などの部品を調整したりしません。

まず「泡の大きさ」と「放出口」を結び付ける

固定式の泡消火設備では、膨張比で分類される泡に応じて泡放出口を選びます。膨張比は、発生した泡の体積を、その泡を作るために用いた泡水溶液の体積で除した値です。つまり、泡の見かけの体積だけを見ず、元となる泡水溶液との比で考えます。

区分 膨張比による整理 主な泡放出口 考え方
低発泡 20以下 泡ヘッド 泡水溶液を放射し、対象面を覆う泡を作る
高発泡 80以上1,000未満 高発泡用泡放出口 大きな体積の泡を防護区画又は対象物へ放出する
移動式 方式ごとの条件による 泡ノズル、消防用ホース等 人がホースで必要な位置へ放射する

法令上、低発泡と高発泡の間を「中発泡」として固定式泡消火設備の泡放出口区分にする扱いはありません。低発泡の泡ヘッドと、高発泡用泡放出口を同じ名称として扱わないことが出発点です。

泡ヘッドの中でも、役割を二つに分ける

「泡ヘッド」は低発泡用の泡放出口の総称として使われます。その中で、フォームヘッドとフォーム・ウォーター・スプリンクラーヘッドは、設置場所と放射する液体による働き方を分けて理解します。

名称 主に結び付ける場所・用途 水を放射する場合 泡水溶液を放射する場合 覚える要点
フォームヘッド 道路、自動車の修理・整備、駐車の用に供する部分など 型式・設計条件で確認 泡を発生・分散して対象面を覆う 圧力、空気の取り込み、分散の状態を一組で見る
フォーム・ウォーター・スプリンクラーヘッド 航空機の発着用途など、又は指定可燃物を扱う部分での選択肢 散水の機能を持つ 泡水溶液ではフォームヘッドとしての性能を持つ 水と泡水溶液で役割を切り替えて捉える
高発泡用泡放出口 防護区画又は局所放出の高発泡方式 個別の方式・機種で確認 高発泡を有効に放出する 第1〜3種、全域・局所、泡発生機の有無を確認する
泡ノズル 移動式の泡放射用器具 通常は放射条件を仕様で確認 ホース接続で泡水溶液を放射する 固定式のヘッドや高発泡放出口と混同しない

フォーム・ウォーター・スプリンクラーヘッドは、単に「フォームヘッドに水を流せるもの」と覚えると、内部の機構まで同一だと誤解しやすくなります。水を放射する散水の働きと、泡水溶液を放射する泡の働きの双方を持ちますが、発泡・分散に関する内部構造をフォームヘッドと完全に同じだと決めつけません。部品の名称・数・配置は型式図で確認します。

フォームヘッドは、圧力・空気・分散を一緒に見る

フォームヘッドは、泡水溶液を噴流として放射し、空気を取り込み、混合して泡を作り、広がるように分散させます。一般的な説明では、オリフィス、空気吸入口、デフューザー、デフレクター、金網などの名称が出てきますが、すべての型式に同じ形・配置・名称が当てはまるとは限りません。

大切なのは、部品名を一列に暗記することより、次の流れをたどることです。

  1. 泡水溶液を所定の圧力で放射する。 圧力が変われば、吐出量だけでなく噴流の状態も変わります。
  2. 空気を取り込んで混合する。 噴流により空気を取り込む量が変われば、発泡状態にも影響します。
  3. 泡を均一にして分散する。 デフューザー、デフレクター、金網などは型式ごとの構成要素であり、泡を必要な範囲へ広げる役割と結び付けます。
  4. 対象面を有効に覆う。 放射圧力、取付高さ、障害物、放射区域、薬剤の種類を、設計条件とともに確認します。

放射圧力を上げ下げすると放射量だけが変わり、発泡倍率は変わらない、と考えるのは誤りです。フォームヘッドでは圧力に伴って噴流・空気吸入・かくはんの状態が変わるため、発泡状態にも関係します。ただし、使用可能な圧力範囲、許容取付高さ、各部の寸法は型式ごとに異なるため、このページでは数値を示しません。

高発泡用泡放出口は「第何種」と区画条件を組にする

高発泡用泡放出口は、膨張比により第1種から第3種に区分します。

種別 膨張比 先に確認する条件
第1種 80以上250未満 全域放出か局所放出か、防護対象物、必要な泡水溶液量
第2種 250以上500未満 同上。第1種の上限と第2種の下限を混同しない
第3種 500以上1,000未満 同上。1,000以上を第4種とはしない

高発泡を使う設備では、放出口の種別だけでは適否を決められません。全域放出方式なら防護区画、開口部の閉鎖、冠泡体積、泡発生機の有無、放出口の位置などを確認します。局所放出方式なら、防護対象物の範囲、延焼のおそれ、必要な放出量を確認します。個別の放出量・個数・配置は、問題の数字や別用途の数値を流用せず、現行基準と設計図書で確定します。

典型ミスを先に防ぐ

  • 泡放出口は泡ヘッドだけだと考える。 低発泡用の泡ヘッドのほか、高発泡用泡放出口、固定式泡放出口、泡ノズルなどを用途と方式で分けます。
  • 中発泡を固定式泡消火設備の正式区分だと考える。 この範囲では低発泡と高発泡の区分を先に確認します。
  • フォームヘッドとフォーム・ウォーター・スプリンクラーヘッドを同じ内部機構だと決めつける。 水と泡水溶液での働き、型式図、仕様を確認します。
  • 放射圧力は放射量だけに影響すると考える。 フォームヘッドでは空気吸入と発泡・分散にも関係します。
  • 第3種の次に第4種があると考える。 高発泡用泡放出口の種別は第1〜第3種までです。
  • 写真の見た目だけで部品名を決める。 型式・表示・断面図・仕様書の確認なしに、オリフィス又はデフレクターなどを特定しません。

過去問テスト

次の問題は、学習用に整理しています。図版は学習の要点が分かる新規模式図で説明します。

問1 泡放出口の種類

泡消火設備に関する記述として、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 自動式の起動装置として、自動火災報知設備の感知器又は火災感知用ヘッドが用いられる。
  2. 泡放出口は、泡ヘッドのみである。
  3. 水成膜泡消火薬剤は、低発泡用のものである。
  4. 高発泡泡は、膨張比が80以上1,000未満のもので、合成界面活性剤泡消火薬剤の使用に限られている。


問2 高発泡用泡放出口の種別

泡消火設備に関する記述として、誤っているものは次のうちどれか。

  1. フォーム・ウォーター・スプリンクラーヘッドとは、空気泡を用いる泡消火設備に使用されるヘッドであり、開放型スプリンクラーヘッドと泡ヘッドとしての性能を有する。
  2. フォームヘッドとは、空気泡又は化学泡を放射するものをいい、泡だけを放射する泡専用ヘッドである。
  3. 高発泡用泡放出口は、膨張比により第1種及び第2種に区分される。
  4. 泡放射用器具とは、消防用ホース、泡ノズル、フォームタワー、ピックアップチューブ等をいう。


問3 フォームヘッドの構造・機能

泡ヘッドの構造・機能及び性能に関する記述として、誤っているものは次のうちどれか。

  1. フォームヘッドは、噴流効果を利用して空気を吸い込む構造となっている。
  2. フォームヘッドは、より良い分布をさせるためにデフレクター、金網等が用いられる。
  3. フォームヘッドの放射圧力の変化は放射量に影響するが、発泡倍率には影響しない。
  4. フォームヘッドの使用可能な放射圧力範囲、許容取付高さ範囲は、型式ごとに保有している。


問4 フォーム・ウォーター・スプリンクラーヘッド

フォーム・ウォーター・スプリンクラーヘッドに関する記述について、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 水を放射する散水機構は、スプリンクラーヘッドの機構と同じである。
  2. 上向型と下向型がある。
  3. 泡水溶液を放射したときは、フォームヘッドの性能を有し、水を放射したときは、スプリンクラーヘッドの性能を有する。
  4. 発泡機構はフォームヘッドと同じである。

実務での注意

  • ヘッド又は放出口を交換するときは、見た目や取付ねじだけで代替品を決めません。型式、放射圧力、設計放射量、取付方向、使用薬剤、認定表示を照合します。
  • 高発泡方式では、放出口の種別に加え、全域放出・局所放出、防護区画、開口部、泡発生機、放出停止装置を確認します。
  • フォームヘッドでは、空気吸入口、デフレクター、金網などの詰まり・変形・欠落が、泡の状態に影響するおそれがあります。点検は型式別の手順で行います。
  • 泡ノズル、フォームタワー、ピックアップチューブは、移動式の泡放射用器具です。固定式設備の泡ヘッド、高発泡用泡放出口と用途を入れ替えません。
  • 放射圧力、膨張比、放射量を計算又は照合するときは、単位を統一し、途中の計算値は丸めず、最後に設計図書・基準・問題の指示に従って処理します。

まとめ

  • 低発泡は泡ヘッド、高発泡は高発泡用泡放出口を基本にして、固定式と移動式を分ける。
  • フォームヘッドとフォーム・ウォーター・スプリンクラーヘッドは、水・泡水溶液を放射したときの役割で区別する。
  • フォームヘッドは、圧力→空気吸入→発泡→分散を一続きで捉える。
  • 高発泡用泡放出口は第1〜第3種であり、種別だけでなく放出方式と防護条件を確認する。
  • 部品寸法、圧力範囲、取付高さ、放射量は型式・設計条件がそろったものだけを確定する。

ここまでの流れを、問題を解く順番で繰り返すなら、消防設備士「過去問テスト」で時間を測って確認してください。

種別だけで決めず、放出方式・防護条件・型式仕様まで確認するのが大切です。
消防設備士

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条件→経路→役割の順に、答案へ再現できるか確認します。

参考資料

本文の数値・方式は、基礎モデル又は問題条件として説明しています。実務では最新の法令、設計図書、機器仕様、認定表示および所轄の指導を確認してください。


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