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消防設備士2類 過去問講義

試験での位置づけ:製図は甲2だけ
指定試験機関の科目表では、甲種第2類は実技が鑑別等5問・製図2問です。乙種第2類の実技は鑑別等5問のみで、製図は出題されません。このページと下の3講義は、甲2の製図2問に向けて、条件を読み、接続を判断し、数量を検算する手順を学ぶページです。
| 受験区分 | 実技の出題数 | このページとの関係 |
|---|---|---|
| 甲種第2類 | 鑑別等5問+製図2問 | 製図2問の対策ページ。鑑別等は実技(鑑別)まとめで復習する。 |
| 乙種第2類 | 鑑別等5問 | 製図は出題されないため、このページの学習対象外。 |
ここでの「全3講義」は、製図2問をそのまま3問に分けた表記ではありません。系統図・訂正・ヘッド数/放射区域という三つの練習テーマで、答案に必要な読図・判断・計算を整理する学習順です。
このページの対象と到達目標
対象は、消防設備士甲種第2類の製図等を総復習したい学習者です。乙種第2類の試験範囲へ製図問題として転用するものではありません。原系統図、平面図、完成図を暗記せず、問題条件から必要な役割と接続を組み立て、数量を独立検算する手順を身に付けます。
- 問題文・凡例・数値条件から、答えを出す前に必要な条件を抽出できる。
- 水・泡水溶液、泡消火薬剤、感知・起動、電源の役割を混ぜずに配置できる。
- 配管・配線の接続を、線の近さではなく始点・終点・凡例・機器の仕事で確認できる。
- 面積・個数・流量・断面積の単位をそろえ、途中式を残して独立検算できる。
- 型式固有の弁状態、配線区分、口径、配置、試験操作を、図面だけで一般化しないと分かる。
製図を解く総合手順
製図等は、いきなり完成図を描き始めない方が安定します。次の五段を、解答用紙の余白又は下書きで順に処理します。
| 段階 | すること | 確認する出力 |
|---|---|---|
| 1. 条件抽出 | 用途、方式、凡例、寸法、単位、放射量、流速、設問の「訂正」「完成」「計算」を抜き出す | 使う条件と、使わない条件が分かれる。 |
| 2. 役割配置 | 水源・ポンプ・薬剤貯蔵・混合・一斉開放弁・放出口・感知・起動を役割で並べる | 水の流れと信号の流れを混同しない。 |
| 3. 接続確認 | 各線の始点・終点、流れの向き、弁又は記号、一次側・二次側、試験・排水の位置を確認する | 交差ではなく接続根拠を説明できる。 |
| 4. 面積・個数・区域計算 | 問題が指定する面積、個数、放射量、流速、断面積などを同じ単位で計算する | 途中式、単位、端数の扱いが残る。 |
| 5. 独立検算 | 逆算、上限・下限との比較、別の経路での確認を行う | 選んだ口径・個数・方式が条件と矛盾しない。 |
この五段は、完成図の見た目を再現するための手順ではありません。問題の条件を読み、設備が果たす役割を確認するための手順です。実施設計・施工・改修では、現況、設計図書、製造者資料、現行の法令・告示・点検要領を優先します。
条件抽出では、まず単位と上限を囲む
計算を含む製図では、数値だけを拾うと誤ります。たとえば、放射量が L/min、流速が m/s、管断面積が cm² で与えられたら、そのまま割り算はできません。流量を m³/s に直し、断面積を m² で求めた後、表の cm² と比較します。
1 m³ = 1,000 L、1 m² = 10,000 cm² は、途中式に書いて単位を追います。必要断面積が 15.6 cm²以上 なら、表から同じかそれより大きい断面積を選びます。近いからという理由で 13.6 cm² を選ぶのは、上限流速という条件を満たしません。
面積・個数・放射区域でも同じです。問題が示す下限・上限を囲み、計算結果がその範囲に入るかを確認します。端数の切上げ、切捨て、四捨五入は、設問の指定又は現行基準・設計図書によります。指定がないのに、都合のよい丸めを先に選んではいけません。
役割配置は「水」「原液」「信号」を別々に置く
泡消火設備の製図では、次の三つを別の色で下書きするつもりで分けます。
| 流れ | 代表的な仕事 | 読図の確認点 |
|---|---|---|
| 水・泡水溶液 | 水源から送水し、混合後に放出口へ届ける | ポンプ、混合器、一斉開放弁、放出口の順序を確認する。 |
| 泡消火薬剤 | 貯蔵し、必要な方式で混合器へ送る | 貯蔵と混合を同じ機器にしない。型式ごとの弁・圧力条件は資料で確認する。 |
| 感知・起動信号 | 火災を感知し、起動又は表示・制御へつなぐ | 感知用ヘッド・手動起動・受信機・起動回路を、流体配管と混同しない。 |
方式名だけで、すべての弁位置、圧力、配管形状を決めてはいけません。ここでは「水側と薬剤側が混合器で出会う」「感知又は手動起動は放射に必要な制御の流れである」という役割を確認します。型式固有の構造、設定値、常時開閉状態、試験手順は、設計図書・型式資料・現行の点検要領で再確認します。
接続確認は、線を一本ずつ言葉にする
訂正問題では、見慣れた図形があるから正しい、という判断を避けます。各接続について次のように言葉にします。
- 「この線は何の流れか」を凡例で確定する。
- 「どの機器の、どの役割から出るか」を確認する。
- 「どの機器の、何の役割へ入るか」を確認する。
- 試験・排水・感知・手動起動は、放射用の主配管と目的が異なるかを確認する。
- 図面上の交差・近接・記号の向きだけで決めず、問題条件と接続先の役割で訂正する。
例えば、手動起動弁は、単に主配管の近くに描くのではなく、問題条件における起動の流れに接続するかを確認します。試験用排水管や流水検知装置の排水弁も、名称だけで位置を決めず、一次側・二次側や点検目的を資料で照合します。
独立検算は、答えの逆側から行う
計算問題では、式を一度解いただけで終わらせません。
| 検算の種類 | 例 |
|---|---|
| 単位検算 | L/minをm³/sへ直し、断面積をm²で求め、表のcm²へ戻して比較する。 |
| 上限検算 | 選んだ管断面積で v = Q / A を逆算し、問題の流速上限以下かを確認する。 |
| 個数検算 | 必要個数を掛け戻し、対象面積又は放射量を満たすかを確認する。 |
| 接続検算 | 水側・薬剤側・信号側を別にたどり、始点又は終点のない線がないか確認する。 |
独立検算で条件に合わなければ、計算式だけでなく、ヘッド数、流量の合計、単位変換、表の比較条件、方式名の選択を最初から見直します。
典型的なつまずき
| つまずき | なぜ誤るか | 立て直し方 |
|---|---|---|
| 図面の線をなぞってから意味を考える | 流れと役割が分からないまま完成形を暗記している | 水・薬剤・信号を別々にたどる。 |
| L/minのままm/sで割る | 単位を式の外に置いている |
L→m³、min→s を途中式に書く。 |
| 断面積表で一番近い値を選ぶ | 「以上」「以下」の条件を後回しにしている | 必要面積以上、又は流速上限以下という不等号を先に書く。 |
| 手動起動・試験排水・放射配管を近い線につなぐ | 機器の役割を言葉にしていない | 始点・終点・目的を一文で説明してから接続する。 |
| 方式名から弁状態や口径まで決める | 型式・設計条件を一般化している | 問題条件と、実務では設計図書・型式資料を分ける。 |
過去問テスト
図解で確認した条件を、選択肢の言葉と対応させて判断しましょう。
問1 管内流速から配管口径を選ぶ
理解用の計算カードで、フォームヘッド8個の放射量が1個当たり35 L/min、管内流速の上限が3 m/sと示されている。問題の断面積表から、条件を満たす最小の配管口径として正しいものは次のうちどれか。
- 32A(10.0 cm²)
- 40A(13.6 cm²)
- 50A(22.0 cm²)
- 65A(36.2 cm²)
問2 混合方式を役割から判別する
理解用の役割カードでは、水源からの水をポンプで送り、その圧力を利用してラバーバッグ入りの泡消火薬剤貯蔵槽から原液を混合器へ送る。水側と原液側は混合器で合流し、泡放出口へ向かう。この問題条件の混合方式として正しいものは次のうちどれか。
- プレッシャープロポーショナー方式(圧送)
- ポンプ・プロポーショナー方式
- プレッシャーサイド・プロポーショナー方式
- ライン・プロポーショナー方式
問3 手動起動の接続先を訂正する
理解用の誤り発見フローで、手動起動の線を、火災感知用ヘッドの配管へ接続することが問題条件として示されている。この接続先として正しいものは次のうちどれか。
- ポンプの吸込側配管
- 火災感知用ヘッドの配管
- 一斉開放弁の二次側の放射配管
- 試験用排水管
実務での確認メモ
| 確認場面 | 先に確認すること | このページだけで決めないこと |
|---|---|---|
| 図面を読む前 | 適用法令、用途、方式、図面の版、凡例、設計条件 | 他物件の完成図を流用すること |
| 数量・口径計算 | 放射量、同時作動数、流速、単位、表の適用範囲 | 管種、肉厚、耐圧、支持、摩擦損失、ポンプ性能 |
| 混合系統 | 水側、原液側、混合器、貯蔵槽、流れの向き | 弁の通常状態、圧力、濃度、型式ごとの配管構成 |
| 起動・試験・復旧 | 感知、手動起動、制御、排水・試験、放出抑制 | 実機の操作順、停電対策、復旧判断、所轄との調整 |
製図等の正答は、施工や操作の手順書ではありません。実設備では、残圧、感電、漏水、誤放射、泡消火薬剤の回収・処理を含む安全管理を行い、資格者の管理のもとで現行の設計図書・型式資料・点検要領に従います。
まとめ
- 製図は、条件抽出→役割配置→接続確認→計算→独立検算の順に進める。
- 水・泡水溶液、原液、感知・起動信号を、別の流れとして読む。
- 流量と流速から断面積を求めるときは、L/min、m³/s、m²、cm²を途中式でそろえる。
- 問題条件の8ヘッド・35 L/min・流速3 m/sでは、必要断面積は15.6 cm²以上となり、表では50Aが最小となる。
- 混合方式、弁・配線の接続先、口径、配置は問題条件又は設備資料に依存する。図面の外観を他の物件へ一般化しない。
次は HUB-00「甲2・乙2の全体案内・学習順」 に戻り、甲種の製図等で確認した「条件→役割→接続→検算」を、法令・構造・鑑別の学習へつなげます。
ここまでの順番を、問題を解く順番で繰り返すなら、消防設備士「過去問テスト」で時間を測って確認してください。
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの
消防設備士「過去問テスト」
で確認できます。
参考資料
本文では、図解と選択肢の条件を使って、機器の役割と判断の順番を整理します。実務の設計・施工・操作・点検は、現行法令、設計図書、銘板、当該型式のメーカー資料および所轄の指導を優先してください。
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