また、以下のコメントを頂きましたので本記事の執筆に至りました。
特類は、参考となる資料がほとんど無いため、過去問のご提供は、受験する人にとって、勉強のより所になります。
価格は、多少高くなっても、受験される方は、購入されるのではないでしょうか。ご提供よろしくお願い致します。
特類は受験される方が非常に少ないのでコンテンツを作っても反響が乏しいですが、他にも同様のお声を頂いておりますので着手してみます。
特類の消防関係法令パートに出る問題は、大まかに以下の通りです。
- 1~5類の法令で出題された “共通”
- 1~5類の法令で出題された “類別”
- 特類に関する出題(数問程度)
したがって、範囲が広めなので地力が試されます。
過去問の傾向を把握した上で、元の法令も読んでおくことができれば正答率を上げられるでしょう。
では、管理人が大阪会場で受験した計2回の特類に出題された問題を元に、過去問の傾向を解説していきます。
【過去問】消防設備士 特類【消防関係法令】
①消防設備士独占業務から除外される工事・整備
次の消防用設備等の内、消防設備士の免状を取得していなくても工事及び整備を行えるものは幾つあるか。
{ 屋内消火栓、消防機関へ通報する火災報知設備、避難器具、誘導灯、粉末消火設備、自動火災報知設備 }
- 該当なし
- 一つ
- 二つ
- 三つ
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②消防設備士講習の時期
消防設備士免状交付後の講習受講時期として正しいものはどれか。
- 消防設備士免状の交付後2年以内に受講し、それ以降は消防設備士講習を受けた日以後における最初の4月1日から5年以内毎に消防長(消防本部にない市町村の場合は当該市町村長)または消防署長が行う講習を受講する必要がある。
- 消防設備士免状の交付を受けた日以後における最初の4月1日から2年以内に受講し、それ以降は消防設備士講習を受けた日以後における最初の4月1日から5年以内毎に消防長(消防本部にない市町村の場合は当該市町村長)または消防署長が行う講習を受講する必要がある。
- 消防設備士免状の交付後2年以内に受講し、それ以降は消防設備士講習を受けた日以後における最初の4月1日から5年以内毎に都道府県知事が行う講習を受講する必要がある。
- 消防設備士免状の交付を受けた日以後における最初の4月1日から2年以内に受講し、それ以降は消防設備士講習を受けた日以後における最初の4月1日から5年以内毎に都道府県知事が行う講習を受講する必要がある。
③遡及
事業所の用途を変更した際に、技術上の基準に適合させる設備として誤っているものはどれか。(変更後の用途は特定防火対象物でないとする。)
- 消火器
- 漏電火災警報器
- 屋内消火栓
- 誘導灯
遡及とは‥過去に遡ること、または過去に遡って言及することを意味する表現。 後者の意味では、特に法律や規則が施行される前の時点の物事について、後から法律を適用することを指すことが多い。
④設置維持命令
( )内に当てはまる語句として、正しいものはどれか。
( ア )は、第十七条第一項の防火対象物における消防用設備等が( イ )に従って設置され、又は維持されていないと認めるときは、当該防火対象物の関係者で( ウ )に対し、当該( イ )に従ってこれを設置すべきこと、又はその維持のため必要な措置をなすべきことを命ずることができる。
- ア:消防長又は消防署長、イ:設備等技術基準、ウ:権原を有するもの
- ア:都道府県知事、イ:設備等技術基準、ウ:権原を有するもの
- ア:消防長又は消防署長、イ:設備等設置維持計画、ウ:建物を利用する
- ア:都道府県知事、イ:設備等設置維持計画、ウ:権原を有するもの
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⑤防火管理者
次の用途と収容人数で防火管理者を定めなくてよいものはどれか。
- 老人福祉施設で、収容人数10人もの
- 共同住宅で、収容人数50人もの
- 百貨店で、収容人数30人のもの
- 事務所で、収容人数45人のもの
⑥特殊消防用設備の手続き
次の特殊消防用設備などに関する総務大臣の認定制度に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
- 総務大臣は、認定をした特殊消防用設備等について、偽りその他不正な手段により当該認定又は当該認定に係る変更の承認を受けたことが判明したとき、又は設備等設置維持計画に従って設置・維持されていないと認めるときにあっては、当該認定の効力を失わせることができる。
- 特殊消防用設備等に係る認定を受けたものは、当該認定に係る特殊消防用設備等または設備等設置維持計画を変更しようとするときは、総務大臣の承認を受けなければならない。
- 認定を受けようとする者は、あらかじめ、日本消防検定協会又は登録検定機関が行う性能評価を受けなければならない。
- 特殊消防用設備等に係る認定を受けた者は、当該認定に係る特殊消防用設備等又は設備等設置維持計画に係る軽微な変更をしたときは、その旨を市町村長に届けなければならない。
⑦特殊消防用設備の認定制度
次の総務大臣の認定を受けた特殊消防用設備等に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
- 総務大臣の認定を受けるには、日本消防検定協会又は法人であって総務大臣の登録を受けた者が行う性能評価が必要である。
- 総務大臣の認定を受けた特殊消防用設備等について失効することはない。
- 備等設置維持計画に従って設置し、及び維持するものとして総務大臣の認定を受けた特殊消防用設備を用いる場合は消防用設備等に関する規定は適用されないこととされている。
- 性能評価とは、設備等設置維持計画に従って設置および維持する場合における特殊消防用設備等の性能に関する評価をいう。
⑧連結送水管の設置基準
連結送水管の設置義務について、誤っているものはどれか。
- 地階を除く階数が7の共同住宅
- 地階を除く階数が4以上で、延べ面積が6,000㎡以上の共同住宅
- 地階を除く階数が5以上で、延べ面積が8,000㎡以上の共同住宅
- 地下街で延べ面積が1,000㎡以上のもの
⑨通路誘導灯の設置基準
通路誘導灯を設置すべき距離として、誤っているものはどれか。
- 避難方向を示すシンボルのない避難口B級誘導灯から40 mの箇所
- 避難方向を示すシンボルのない避難口C級誘導灯から30 mの箇所
- 通路B級誘導灯から25mの箇所
- 通路C級誘導灯から20 mの箇所
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⑩無線通信補助設備について
次の無線通信補助設備に関する記述のうち、誤っているものはどれ?
- 無線通信補助設備は、漏えい同軸ケーブルによるものとし、当該漏えい同軸ケーブル等は、消防隊相互の無線連絡が容易に行われるものとして消防長又は消防署長が指定する周波数帯における電波の伝送又は輻射に適するものとすること。
- 漏えい同軸ケーブル等は、難燃性を有し、かつ、湿気により電気的特性が劣化しないものとすること。
- 漏えい同軸ケーブル等は、耐火性を有するように、かつ、金属板等により電波の輻射特性が低下することのないように設置すること。
- 警察の無線通信その他の用途と共用する場合は、消防隊相互の無線連絡に支障のないような措置を講じること。
⑪スプリンクラー設備の設置基準
⑫補助散水栓
補助散水栓の設置基準について、正しいものは次のうちどれか。
- 補助散水栓は防火対象物の各階ごとに、その階の各部分から1つのホース接続口までの水平距離が10m以下となるように設ける。
- 補助散水栓は防火対象物の各階ごとに、その階の各部分から1つのホース接続口までの水平距離が15m以下となるように設ける。
- 補助散水栓は防火対象物の各階ごとに、その階の各部分から1つのホース接続口までの水平距離が20m以下となるように設ける。
- 補助散水栓は防火対象物の各階ごとに、その階の各部分から1つのホース接続口までの水平距離が25m以下となるように設ける。
補助散水栓とは‥
補助散水栓は、スプリンクラー設備の配管系統から消火用水を供給する屋内消火栓のこと。
スプリンクラーヘッドで包含できない箇所については、補助散水栓を用いて消火活動を行う。
⑬泡消火設備の冠泡体積
泡消火設備の冠泡体積について、正しいものは次のうちどれか。
- 冠泡体積とは、防護区画の床面から防護対象物の最高位より0.3m高い位置までの体積をいう。
- 冠泡体積とは、防護区画の床面から防護対象物の最高位より0.5m高い位置までの体積をいう。
- 冠泡体積とは、防護区画の床面から防護対象物の最高位より1.0m高い位置までの体積をいう。
- 冠泡体積とは、防護区画の床面から防護対象物の最高位より1.5m高い位置までの体積をいう。
冠泡(かんぽう)とは‥
冠泡‥区画を泡が完全に埋め尽くすこと
⑭充填比
二酸化炭素消火設備の消火薬剤容器の充填比ついて、正しいものは次のうちどれか。
- 消火薬剤容器の内容積を、充填する消火薬剤の質量で除したものを充填比という。
- 充填する消火薬剤の質量を、消火薬剤容器の内容積で除したものを充填比という。
- 消火薬剤容器の内部圧力を、充填する消火薬剤の質量で除したものを充填比という。
- 充填する消火薬剤の質量を、消火薬剤容器の内部圧力で除したものを充填比という。
二酸化炭素消火設備については悲惨な事故があった為、より消防設備士が詳しくなっておく必要性があるでしょう。
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⑮非常コンセント設備
次の非常コンセント設備に関する記述のうち、誤っているものはどれ?
- 非常コンセントは、床面又は階段の踏面からの高さが0.8m以上1.5m以下の位置に設けること。
- 非常コンセントは、埋込式の保護箱内に設けること。
- 非常コンセントは、日本産業規格C8303の接地形二極コンセントのうち定格が15A、125Vのものに適合するものであること。
- 非常コンセントに電気を供給する電源からの回路は、各階において、二以上となるように設けること。ただし、階ごとの非常コンセントの数が一個のときは、一回路とすることができる。
◎ まとめ
- 消防設備士の “特類” に出題される消防関係法令パートは、1~5類の消防設備士試験に出てきた “共通” と “類別” に加えて、数問だけ特類に関する問題が出た。
- 過去問の傾向を把握した上で元の法令も読んでおくことができれば正答率を上げられる為、管理人が大阪会場で受験した計2回の特類に出題された問題を元に、過去問の傾向を解説した。
- 特類の法令は得点源にすることが可能であった。
お世話になります。
伊藤文雄