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危険物乙4の計算問題は捨てていい?物理・化学10問で「何問まで落とせるか」と解くべき型

危険物乙4の計算問題は捨てていい?

著者:青木俊輔(強欲な青木)/青木マーケ(株) 取締役 COO、(株)防災屋 代表取締役 社長、(一社)予防団 共同代表理事
保有資格(本記事に関係するもの):危険物取扱者全類(甲種・乙種第1〜6類・丙種)
確認日:2026年10月19日
更新内容:初版


この記事の結論

危険物乙4の「基礎的な物理学及び基礎的な化学」は10問です。合格基準は試験科目ごとに60%以上なので、この科目は10問中6問の正解が必要で、落とせるのは4問までです(消防試験研究センター「試験科目及び問題数」「試験の方法」)。

消防試験研究センターが公開している乙4の問題(令和7年度以前に出題したもの)では、物理・化学の10問のうち、数値を計算する問題は1問(燃焼熱から生成熱を求める問題)でした。ほかは燃焼、引火点、消火剤、静電気、物質の分類などの知識問題です。

つまり、計算は「全部捨てる」ほどの量ではありません。型の決まった計算は解けるようにしておき、捨てるとしても本番で手が止まった1問まで、と決めておくのが安全です。

強欲な青木
計算が苦手なんで、物理・化学の計算はもう捨てようかと思ってるんですけど…。
それ、危ないです。物理・化学は10問しかないんで、例えば2問捨ててたら、残りの8割を完璧にしないといけない。そこであと3問ミスったら、もう終わりです。
消防設備士

物理・化学は「何問まで落とせるか」で考える

最初から捨てた問題 残りの問題 合格に必要な正解 残りで許されるミス
0問 10問 6問 4問
1問 9問 6問 3問
2問 8問 6問 2問
3問 7問 6問 1問
4問 6問 6問 0問

出典:消防試験研究センター「試験科目及び問題数(危険物取扱者試験)」「試験の方法(危険物取扱者試験)」から編集部が計算(確認日 2026-10-19)

消防設備士の筆記は、科目ごとに40%以上・全体で60%以上という基準ですが、危険物取扱者は3科目それぞれに60%以上が必要です。法令や性質・消火で満点を取っても、物理・化学で5問間違えれば不合格になります。

物理・化学10問のうち最初に捨てた問題が0問から4問に増えると、残りで許されるミスが4問から0問に減ることを丸の色分けで示した図
強欲な青木
消防設備士みたいに、ほかの科目で補えないんですか?
消防設備士はどれか60%を下回っても補える、っていうルールがあるけど、危険物は普通に3つとも6割です。6割を下回ったらそれで不合格なんで、全部6割取れるようにしとかないといけないです。
消防設備士

解けるようにしておく計算の型

型1:燃焼熱から生成熱を求める(公開問題に出た型)

公開されている乙4の問題では、水素・炭素・プロパンの燃焼熱から、プロパンの生成熱を求める問題が出ています(同センター「過去に出題された問題」乙種第4類 問22)。

この型は、「化合物をつくる元素がそれぞれ燃えたときの熱の合計」から「化合物そのものが燃えたときの熱」を引けば、生成熱が出ます。プロパン(C3H8)なら、炭素原子3個分と水素分子(H2)4個分(水素原子8個分)の燃焼熱を足し、プロパンの燃焼熱を引きます。

  • 炭素:394 kJ/mol × 3 = 1,182 kJ
  • 水素:286 kJ/mol × 4 = 1,144 kJ(H2 1molあたり286 kJ)
  • 合計 2,326 kJ − プロパンの燃焼熱 2,219 kJ = 107 kJ/mol

数字は公開問題の条件を使っています。問題文と選択肢は、同センターのページで確認してください。

型2:指定数量の倍数(法令の計算)

物理・化学ではなく「法令」の科目ですが、数字を扱う問題として指定数量の倍数もあります。品名の違う危険物を同じ場所で貯蔵する場合、それぞれの数量を指定数量で割り、その合計が1以上なら、指定数量以上を貯蔵しているとみなされます(消防法 第10条第2項)。公開問題でも、この計算式を選ぶ問題が出ています(同 問3)。

例:ガソリン100リットル、灯油500リットル、重油1,000リットルを同じ場所で貯蔵する場合

物品 品名 指定数量 数量÷指定数量
ガソリン 第1石油類(非水溶性) 200リットル 0.5
灯油 第2石油類(非水溶性) 1,000リットル 0.5
重油 第3石油類(非水溶性) 2,000リットル 0.5
合計 1.5(1以上なので指定数量以上)

出典:指定数量は危険物の規制に関する政令 別表第三、品名の例示は消防法 別表第一 備考(e-Gov法令検索、確認日 2026-10-19)。例の数量は編集部が設定

指定数量そのものの覚え方は、こちらで整理しています。(危険物乙4の語呂合わせより先に覚える整理表|指定数量は「2倍」の関係でまとめる)

型3:熱量の基本式

公開問題の回には出ていませんが、物理・化学の基礎として、熱量の式は押さえておくと安心です。

熱量(J)= 質量(g)× 比熱(J/(g・K))× 温度変化(K)

単位をそろえてから掛け算する、という手順が身につけば、数字が変わっても同じように解けます。

計算問題は、答えを見て解き方を写すだけで終わらせず、同じ型の問題を数字を変えて2回解くと身につきます。

捨てる判断の目安

状況 判断
型が決まっている計算(生成熱、指定数量の倍数、熱量) 捨てずに練習する
解説を読めば分かるが、時間がかかる 本番では後回しにし、最後に戻る
解説を読んでも分からず、試験直前まで解けない 1問までなら捨てて、その分を知識問題で確実に取る

捨てるのは、解き方を見ても分からない問題を本番で1問だけ、と決めておくのが現実的です。2問以上を最初から捨てると、残りで許されるミスが2問以下になります。

理系ではない人や計算が苦手な人は、物理・化学に使う勉強時間が多くなる、と青木も話しています(YouTube「国家資格『危険物取扱者』甲種の試験に一発合格できる勉強方法を解説!」2026年7月6日公開)。

燃焼の形態(蒸発燃焼・分解燃焼・表面燃焼など)のように、計算ではない物理・化学の単元は、こちらで解説しています。
https://aokimarke.com/classification-of-combustion/

化学専攻9年でも、物理・化学で落ちた

青木は、高専から大学院まで9年間化学を専攻していましたが、甲種の試験で「物理学及び化学」が50%となり、一度不合格になっています。甲種も物理・化学は10問なので、5問間違えたらその時点で不合格です(YouTube「危険物取扱者の乙種4類に一発合格できる勉強方法を全類持ちが解説」2026年6月18日公開、前掲の甲種の動画)。

強欲な青木
化学のプロでも落ちるなら、計算が苦手な自分は絶対無理じゃないですか…。
僕も、こんなの勉強せんでもいけるわと思ってて落ちたぐらいなんで、物理・化学で落ちる人って結構多いんじゃないかなと思います。だからこそ、この10問の対策をするのが一発合格の勉強方法なんです。
消防設備士
強欲な青木
苦手な人ほど、ちゃんと時間をかければいいってことですね。
そうです。とにかく舐めずに勉強する、っていうところです。
消防設備士

どこで点を落としたかは、採点結果が開示されないので分からないそうです。1回目は、化学を9年間専攻していた油断から、ほぼ勉強せずに受けて不合格になりました。2回目は普通に試験勉強をして受けています(青木本人への確認、2026年10月)。

次にやること

乙4の勉強方法(3科目それぞれ6割の取り方、物理・化学の苦手の克服)は、青木の公式サイトの記事で詳しく解説しています。
https://www.aoki-of-greed.com/2026/10/11/危険物乙4の勉強方法-3科目6割と物理-化学の苦手を克服する-危険物取扱者/

危険物取扱者の試験の全体像(区分、試験科目、合格基準、合格率)は、こちらにまとめています。(危険物取扱者の試験ガイド|甲種・乙種・丙種の違い、合格基準、合格率と過去問テスト)

本番と同じ形式で「物理・化学で6問取れるか」を確かめるなら、実際に出た問題をもとにした「過去問テスト」を使ってください。

参考文献

  • この記事を書いた人

aokimarke

平成元年生まれ
消防設備士12年目の経営者

【◎経 歴】
鈴鹿高専 ⇨ 静岡大学(3年次編入)⇨ 院 ⇨ 鈴与㈱ ⇨ 消防設備士など

【◎免 許】
消防設備士全類、危険物取扱者全類、第二種電気工事士、工事担任者(AI・DD総合種)、電験三種、予防技術検定(消防用設備等)など

【◎活 動】
月刊誌:電気と工事(オーム社)にてコラム執筆、消防設備士「過去問テスト」および予防技術検定「過去問テスト」の制作・販売、YouTubeチャンネル「強欲な青木&消防設備士」の動画作成・編集、青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団など

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