著者:青木俊輔(強欲な青木)/青木マーケ(株) 取締役 COO、(株)防災屋 代表取締役 社長、(一社)予防団 共同代表理事(本人確認 2026-10-19)
保有資格:消防設備士(甲種特類・甲種1〜5類・乙種6類・乙種7類)ほか
確認日:2026年10月19日
更新内容:初版
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この記事の結論
現場で早く伸びる新人は、次の3つを習慣にしています。
- 現場でやったことを、人に説明するつもりで記録する
- 分からないことを、作業の前に聞く
- 失敗を、次の手順やチェック項目に変える
書籍『消防設備士0類』で青木は「アウトプット前提で業務に取り組む」ことをすすめています。人に説明する視点で現場を見るので、ただ作業をこなす人より格段に成長が早い、という考えです(書籍 第4章。2023年執筆時の考え)。
現場メモの取り方
人に説明するつもりで書く
書籍で青木は、作業の内容を自分と上司しか見ない日報に書くだけでなく、できれば誰でも見られる形でまとめておくのが理想だ、と書いています(書籍 第4章)。人に説明する視点で書くと、作業の意味を考えるようになるからです。
人に教えることを前提に学ぶと記憶に残りやすい、という研究もあります。大学生がドップラー効果を学んだ実験では、教える準備をしただけの人より、実際に動画で教えた人の方が、時間をおいたテストで成績が良かったと報告されています(Fiorella & Mayer, 2013)。ただし対象は物理の1つのテーマで、現場の仕事を直接調べた研究ではありません。人に説明する勉強法は(人に説明する勉強法はなぜ効く?相手がいない社会人のための「ひとり講義」のやり方)で詳しく紹介します。
書いておくと役立つこと
| 項目 | 書く内容の例 |
|---|---|
| 設備と場所 | どの設備が、建物のどこにあるか |
| 手順 | 作業の順番と、その順番である理由 |
| 正常な状態 | 試験したときの正常な反応、元に戻したときの確認 |
| つまずいた所 | 迷った所、先輩に教わったコツ |
| 次に気を付けること | 同じ作業でまた失敗しないための一行 |
書籍では、作業をマニュアルにまとめておくと、同じ仕事のときに自分で復習できる、人に任せるときにも渡すだけで済む、という利点を挙げています(書籍 第4章)。青木は今も、自分の作業を棚卸しして、他の人でもできるマニュアルにして発信することをすすめています(本人回答、2026年10月)。
お客様の名前や建物が分かる情報、図面、写真は、会社の決まりに従い、社外に出さないでください。発信するなら、建物が特定されない形にまとめ直します。
現場のメモは、うまく書くことより、毎日続けることの方が大事です
仕事ができる人は、情報の置き場所を知っている
書籍で青木は、仕事ができる人は必要な情報をすべて暗記しているわけではなく、どこに情報があるかを知っていて、すぐに引き出すスキルが高い、と書いています(書籍 第4章)。メモを、あとで探せる形で残しておくことが大切です。
質問の仕方
書籍には、質問の仕方そのものについての記述はありません。ここでは、現場で質問するときの考え方を、編集部が整理しました。
| 場面 | 聞き方のコツ |
|---|---|
| 作業の前 | 手順と、危ない所を先に確かめる。終わってから聞くより手戻りが少ない |
| 分からないとき | 「何が分からないか」を一言にしてから聞く。自分の考えも添える |
| 同じことを聞きそうなとき | 一度聞いたことはメモに残し、二度目は「この理解で合っていますか」と確かめる |
| 先輩が忙しいとき | 急ぎかどうかを伝える。急がないものはまとめて聞く |
分からないことをそのままにして作業を進めるのが、一番危ないです。高い所の作業や電気の作業では、聞かずに進めることがけがや事故につながります
青木は、新人のうちはいったんプライドを捨てて、教えられる側に回れる人がいい、と話しています。特に、年下の先輩や上司に教わる年上の新人は、プライドが邪魔をして教えてもらえないことがあり、これは今の自分でも気を付けたいところだ、とも話しています(本人回答、2026年10月)。
聞くことは、恥ではなく仕事の一部です。分からないまま進めて手戻りを出す方が、先輩の時間をずっと多く使わせてしまいます。
失敗の振り返り方
失敗は、次の手順に変える
失敗を振り返るときは、「誰が悪かったか」ではなく「次に同じことが起きないように、手順やチェック項目のどこを変えるか」を書き出します。現場メモの「次に気を付けること」の欄に入れておくと、同じ失敗をくり返しにくくなります。
青木の失敗から
青木は、書籍で自分の失敗を「しくじり消防設備士」として共有しています。入った会社の先輩を全員反面教師にして人間関係を壊したことを「痛恨の失敗」と書き、これから消防設備士になる人には、自分の失敗から学んで、遠回りせずに進んでほしいと書いています(書籍 第4章・第5章。2023年執筆時の振り返り)。
試験でも失敗があります。青木は、消防設備士になって1年目に、1年で全類を取るつもりで受けた試験に落ちています。足りなかったのは勉強の準備で、薄い参考書を1冊しか使わず、ほかの類とほぼ同じだと甘く見ていた、と振り返っています(本人回答、2026年10月)。
失敗した日にメモを書けた人は、もう半分は立て直せています
記録が、そのまま実績になる
書籍で青木は、営業力は「仕事の実績を積み重ねておくこと」で身に付くので、自分が携わった仕事の実績を、外に出せる形で「まとめてストック」しておくことをすすめています(書籍 第1章)。今の現場メモが、将来の自分の実績の記録にもなります。
新人のうちに付けた記録の習慣は、5年後、10年後の自分の一番の財産になると思います
次に読む
- (消防設備士の新人が一人前になるまで|覚える順番と、資格と実務の差)
- (人に説明する勉強法はなぜ効く?相手がいない社会人のための「ひとり講義」のやり方)
- 消防設備士1年目の工具・点検器具(強欲な青木&消防設備士オフィシャルサイト)
アウトプットを前提にした働き方と、青木の「しくじり」の詳細は、書籍『消防設備士0類』の第4章と第5章で書いています。本は2023年に書いたもので、統計の数字や著者の肩書きなど現在と違う点があります(紹介ページ)。
参考文献
- Fiorella, L., & Mayer, R. E. (2013). The relative benefits of learning by teaching and teaching expectancy. Contemporary Educational Psychology, 38(4), 281-288. https://doi.org/10.1016/j.cedpsych.2013.06.001 確認日:2026年10月18日(参考資料台帳 L14)
- 青木俊輔『消防設備士0類 〜消防設備士をする前に読む本〜』改訂版、電子書籍(Amazon Kindle)、本文2023年。第1章08、第4章01・04、第5章05。確認日:2026年10月19日
- 青木俊輔 本人回答(2026年10月19日、チャット)