強欲な青木
スプリンクラー設備の ”アラーム弁” って言われても…何がどうなってるのか一体全体さっぱり分からないよ!
アラーム弁ってのは ”流水検知装置” の通称で、簡単に言うと配管内に水が流れた時に警報音を鳴らす為の装置だよ。
管理人
不安タマスケ
もう少し詳しく説明ないと理解できないよ‥アラーム弁ってどんな仕組みなの?
そうだよね。そこで今回、丁寧に「図解」してみることにしました。
管理人
アラーム弁の構造・仕組み
◎ アラーム弁って?
アラーム弁(流水検知装置)は、スプリンクラー設備や泡消火設備等の水系設備における配管系統の一部です。

アラーム弁は、スプリンクラー・泡ヘッドから放水 or 補助散水栓から放水する等で配管内の水圧が下がった時に ”自動で” 音響警報を鳴らす為の装置です。
工事タマスケ
アラーム弁があるから、スプリンクラー設備が作動したときに火災が発生した場所付近にいた人が音で気付くことができるよね。
自動火災報知設備の火災受信機上でも、アラーム弁が作動しているエリアを特定することができます。
管理人
火災受信機とは‥
自動火災報知設備の大元の制御盤のこと。

スプリンクラー設備がある建物では、アラーム弁から受信機上へ信号が送られて音響が鳴動する(※例外あり)。
◎ アラーム弁の仕組み
アラーム弁(流水検知装置)は、大まかに以下の様な構造になっています。

①仕切弁(バルブ)
アラーム弁の下にある仕切弁(バルブ)は、消火ポンプから送られてくる水を制御する為のものです。

通常時は ”開” になっており、以下の様な場合に ”閉” にすることがあります。
- 配管内の水を抜いて工事をする場合
- スプリンクラーヘッドから水が出て消火が終わった後に、水損を防止する場合
強欲な青木
店舗などで、スプリンクラーヘッドから水が出すぎたことで商品や建物がダメになってしまうことあるみたいやね。
アラーム弁(流水検知装置)がある位置には「制御弁(スプリンクラー設備用)」という標識があるので、消火後にできれば関係者が仕切弁(バルブ)を ”閉” にできれば損失が少なくて済む‥というケースあります。
管理人
②圧力計(1次側)
圧力計(1次側)は、消火ポンプ~アラーム弁の間にかかっている水圧を表示するものです。

1次側・2次側とは
配管や配線について説明する際に「入ってくる方向」を1次側、「出ていく方向」を2次側と表現します。
今回、アラーム弁を基準とすれば1次側・2次側は以下の通りになります。
1次側‥消火ポンプ(最初)~アラーム弁 間
2次側‥アラーム弁~末端試験弁(最後) 間
施工管理ネコ
配管が1次側・2次側になるかは、何を基準にするかで変わりますな。
はい、正確に伝える為に「アラーム弁の1次側‥」等と表現することもありますね。
管理人
③ドレンバルブ(排水)
配管内の水を抜く際に ”開” にするバルブです。

滝行タマスケ
コレあるから、消防設備士が工事・メンテナンス時に配管撤去しても水かぶらずに済むよね。
アラーム弁はパッキン交換とか中を掃除してメンテナンスしてやらないと誤作動することもあるから、ドレンバルブ(排水)は無くてはならないです。
管理人
参考流水検知装置の誤作動 part.2
④逆止弁(チャッキ)
逆止弁は一方向にのみ水が流れる様にするもので、二次側から一次側に水が逆流することを防ぎます。

タマスケ博士

一通り配管内に消火ポンプから加圧送水された後、二次側の方が水圧が高くなると上からフタが押さえつけられて閉まる仕組みです。
管理人
⑤圧力スイッチ
圧力スイッチで配管内の水圧低下が検知されることで、音響警報が鳴る様に信号が送られます。

消防検査時の音響確認
スプリンクラー設備や泡消火設備等の水系設備がある建物の消防検査では、配管内の水圧を減少させたときに圧力スイッチが働いて音響鳴動するかを確認します。
ちなみに、赤い表示灯ランプが消火ポンプが起動すると点滅するようになっています。
⑥圧力計(2次側)
圧力計(2次側)は、アラーム弁~末端試験弁の間にかかっている水圧を表示するものです。

絶望タマスケ
2次側の圧力が異常に高いときあんねんけど、アレなんでなん?
よくあるのが、夏の暑い日に配管内の空気か熱で膨張してパンパンになるケース。
管理人
審判タマスケ
あれ放置し過ぎると配管とかスプリンクラーヘッドが圧力に負けて水漏れしたりするから、2次側の圧力が高過ぎる時は排水(ガス抜き)したらなアカン!
◎ アラーム弁はどこにある?
アラーム弁(流水検知装置)の設置場所(※主にパイプシャフト内など)には「制御弁(スプリンクラー設備)」という標識が掲げられています。

特に建物の関係者様は、スプリンクラーヘッドが弾けた後にココで水を止めるので場所を把握されていて下さい。
強欲な青木
後半で意味不明やった単語に引っかかるなよ、
見取り図の漫才ちゃうねんから。(笑)
管理人
末端試験弁とは
末端試験弁は各スプリンクラー系統の ”最遠” で水を流すことで、ヘッドを弾かずに水圧を測定するための弁のこと。

スプリンクラー設備の点検時に「末端試験弁」の標識が掲げられている場所を見つけ、放水テストをします。
点検タマスケ
末端試験弁を ”開” にすると、配管内の水圧が下がって「アラーム鳴動」および「消火ポンプ起動」となりますね。
そうそう、次に
「制御弁」とか「末端試験弁」の赤い標識見かけられた方は、是非『あ!コレ
青木防災㈱のブログで説明されてたから
何が入ってるか分かるッ♪』ってな感じで
注目してやって下さい。
管理人
もし、またアラーム弁について分からなくなったら、当ページを再確認して下さいませ。
◎ まとめ
- アラーム弁ってのは ”流水検知装置” の通称で、簡単に言うと配管内に水が流れた時に警報音を鳴らす為の装置であった。
- アラーム弁があるから、スプリンクラー設備が作動したときに火災が発生した場所付近にいた人が音で気付くことができた。
- 次に「制御弁」とか「末端試験弁」の赤い標識見かけられた方に、アラーム弁について思いだして欲しかった。