【電気基礎②】交流・変圧器・コンデンサ|消防設備士甲2・乙2【過去問】

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強欲な青木

強欲な青木
交流は言葉が多いけれど、波形・電力・巻数比を別々に読めば混乱しません。
最大値と実効値、電圧比と電流比を混同しない順番で解いていこう。
消防設備士

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消防設備士2類 過去問講義

このページの対象と到達目標

対象は、消防設備士甲種第2類・乙種第2類を学ぶ初学者です。交流の言葉を「波形」「電力」「計器」「変圧器」のつながりで整理し、似た名称や比の向きを混同しないことを目標にします。

読み終えたときに、次のことができれば十分です。

  • 周期、周波数、実効値を、正弦波交流の基本用語として説明できる。
  • 力率を P=VIcosφ で求め、電力・電圧・電流・百分率を混同しない。
  • 理想変圧器の電圧比と巻数比、電流比を同じ図で読める。
  • コンデンサの直列・並列で、合成静電容量の増減方向を判定できる。
  • 指示電気計器の方式と、交流での使い方の違いを基本レベルで区別できる。

高圧・低圧を問わず、通電中の設備へ近づいたり、測定器を接続したり、コンデンサを放電させたりする作業は、資格・作業範囲・停電・検電・保護具・施工要領および責任者の指示に従います。

交流は 波形・電力・変圧比をつないで読む

交流は、向きと大きさが時間とともに変わる

直流は電圧・電流の向きが一定の電気として扱います。これに対して交流は、向きと大きさが時間とともに変わります。試験で基本として扱う正弦波交流は、波の山と谷が一定の規則で繰り返される波形です。

用語 記号・単位 意味 読み違えを防ぐ視点
周期 T、s(秒) 同じ状態へ戻るまでの時間 一往復ではなく、一つの繰り返しの時間として読む
周波数 f、Hz(ヘルツ) 1秒間の繰り返し回数 f=1/T。Hzと秒を逆にしない
瞬時値 ある一瞬の電圧・電流の値 波形上の時刻で変わる値
最大値 波形の山または谷の大きさ 実効値とは別の値
実効値 V、A 同じ抵抗で同じ電力を消費する直流の大きさに換算した値 交流の定格や電力計算で用いる基準値

周波数が50 Hzなら、1秒に50回の周期があり、周期は T=1/50=0.02 s です。計算ではHz、s、msを混在させないようにします。途中で丸めず、最後に指定の桁で丸めます。

実効値は「同じ電力を消費する直流」への換算値

交流の瞬時値は時々刻々変化するため、機器の発熱や電力を直流と比べるときには、そのままの最大値では扱いにくくなります。そこで、同じ抵抗で同じ電力を消費する直流の電圧・電流に換算した値を実効値といいます。

正弦波では、最大値との関係を数式で扱うことがありますが、最大値と実効値を同じものとしません。波形の平均値も、どの区間・どの整流方法で平均するかによって意味が変わるため、実効値の定義と入れ替えないことが大切です。

力率は「見かけの電力のうち有効に使われる割合」

交流回路では、電圧と電流の位相がずれると、単純な VI だけでは実際に消費する電力を表せない場合があります。正弦波交流の基本式では、有効電力 P は次のように表します。

P = V I cosφ

cosφ が力率です。力率を百分率で示すときは、cosφ×100 とします。VI は見かけの電力(VA)として扱われ、P の単位はWです。

力率 = P / (V I)

たとえば、100 V、12 A、900 Wなら、力率は 900÷(100×12)=0.75、すなわち75%です。電圧V・電流A・電力W・見かけの電力VA・力率%は、同じ種類の単位ではありません。数値だけを足したり引いたりせず、式の位置を確かめます。

理想変圧器は巻数比を基準にする

変圧器は、交流の電圧を変えるために用いる機器です。入力側を一次側、出力側を二次側と呼びます。理想変圧器では、一次・二次の電圧比は巻数比に等しいと扱います。

V1 / V2 = N1 / N2

V1N1 を一次側、V2N2 を二次側でそろえて書くことが重要です。たとえば、一次10回、二次300回なら、二次の巻数は一次の30倍です。二次1500 Vを得るなら、一次電圧は 1500÷30=50 V です。

理想変圧器では損失を考えないため、入力と出力の電力は等しいとして、次の関係も使えます。

V1 I1 = V2 I2
I1 / I2 = N2 / N1

電圧比と電流比は逆向きになります。「昇圧なら電圧が増え、同じ電力なら電流は減る」と、電力の式で検算します。実機では損失、定格、励磁電流、結線方式、保護、絶縁などを別途確認します。

コンデンサは直列・並列で合成静電容量の式が逆になる

コンデンサは電荷を蓄える性質をもつ部品で、静電容量の単位はF(ファラド)です。実務や回路図ではµF(マイクロファラド)などをよく使います。接続したときの合成静電容量は、抵抗と異なる方向の式になるため、別物として覚えます。

接続 合成静電容量の式 大きさの検算
並列 C=C1+C2+… 各容量を足した値。最も大きい一つより大きくなる
直列 1/C=1/C1+1/C2+… 正の容量だけなら、最も小さい一つより小さくなる

並列は接続面積が増えたように捉えられ、容量が加わります。直列は二つ以上の間隔が重なるように捉え、合成容量は小さくなります。交流回路でのコンデンサの働きは周波数、容量、回路構成によって変わるため、値や接続を実設備へそのまま当てはめません。

指示電気計器は動作原理で使える電流が異なる

計器の名称に「可動」が付くものでも、動作原理は同じではありません。試験の基礎では、交流で使えるかを、電流の向きが反転したときに指針を同じ向きへ動かせるかで考えます。

方式 交流での基本的な扱い 考え方
可動鉄片形 使用できる 磁化による吸引・反発を利用し、交流でも指針を動かせる
永久磁石可動コイル形 そのままでは使用できない 交流でトルクの向きが交互に変わり、平均した指示を得にくい
熱電対形 使用できる 電流による発熱を利用して測る
整流形 使用できる 交流を整流して測定機構へ加える

ここでいう「使用できる」は、試験の基本的な分類です。測定可能な範囲、周波数特性、波形、精度、接続方法、感電・短絡防止などの条件は、計器の取扱説明書と定められた作業手順で確認します。

典型ミスを先に防ぐ

  • 最大値を実効値として扱う。 実効値は、同じ抵抗で同じ電力を消費する直流への換算値です。
  • 力率の分母を V+I にする。 力率は P/(VI) で求め、百分率へ直す場合だけ100を掛けます。
  • 変圧器の巻数比を逆にする。 電圧と巻数は同じ側どうしをそろえ、電流比だけが逆です。
  • コンデンサを抵抗と同じ式で計算する。 並列は容量を足し、直列は逆数で扱います。
  • 計器の名称だけで交流・直流を決める。 どの作用で指針を動かすかを考えます。

過去問テスト

次の問題は、学習用に整理しています。図版は学習の要点が分かる新規模式図で説明します。

問1 交流負荷の力率

消費電力が900 Wの負荷を単相交流100 Vの電源に接続したところ、12 Aの電流が流れた。このときの負荷の力率として、正しいものは次のうちどれか。

  1. 65 %
  2. 75 %
  3. 85 %
  4. 95 %


問2 交流では使用できない指示電気計器

次の指示電気計器のうち、交流では使えないものはどれか。

  1. 可動鉄片形
  2. 永久磁石可動コイル形
  3. 熱電対形
  4. 整流形


問3 理想変圧器の一次電圧

一次巻線10回巻、二次巻線300回巻の変圧器の二次端子に1,500 Vの電圧を取り出す場合の一次端子に加える電圧として、正しいものは次のうちどれか。ただし、変圧器は理想変圧器とする。

  1. 30 V
  2. 50 V
  3. 120 V
  4. 150 V


問4 正弦波交流の実効値

正弦波交流回路に関する次の記述において、文中の【 】に当てはまる語句として、正しいものはどれか。

「交流の電圧・電流について、同じ抵抗に対して同じ電力を消費する直流の電圧・電流の大きさに換算した値を【 】という。」

  1. 実効値
  2. 瞬時値
  3. 最大値
  4. 平均値

実務での注意

  • 交流設備の測定では、測定器が対象の電圧・電流・周波数・波形・レンジに対応するかを確認し、定められた安全手順に従います。
  • 変圧器の一次・二次を名称や線の太さだけで決めず、端子表示、図面、結線図、定格銘板、施工要領で確認します。
  • コンデンサは充電状態や用途によって危険を伴うため、残留電荷、放電方法、取替・点検手順を独断で扱いません。
  • 力率・容量・定格を理由に機器を追加・変更する判断は、設計条件、保護協調、電源容量、適用基準を確認したうえで行います。

まとめ

  • 周期は繰り返し一回の時間、周波数は1秒あたりの繰り返し回数で、f=1/T
  • 実効値は、同じ抵抗で同じ電力を消費する直流に換算した値。
  • 力率は P/(VI)。電力Wと見かけの電力VAを分けて扱う。
  • 理想変圧器では V1/V2=N1/N2、電流比は逆向き。
  • コンデンサは並列で足し、直列では逆数で扱う。計器は作用の違いで交流への適用を判断する。

ここまでの考え方を、問題を解く順番で繰り返すなら、消防設備士「過去問テスト」で時間を測って確認してください。

交流は、単位と比の向きが合っているかで検算しよう。力率・巻数比・実効値を一度に混ぜないのがコツです。
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参考資料

本文の式は基礎モデルまたは問題条件として説明しています。実務では、最新の図面・機器仕様・適用規格および所轄の指導を確認してください。


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