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消防設備士2類 過去問講義
このページの対象と到達目標
対象は、消防設備士甲種第2類・乙種第2類を学ぶ初学者です。電圧・電流・抵抗を記号だけで暗記せず、「何が直列か、何が並列か」を読んでから式を選ぶ力を身につけます。
読み終えたときに、次のことができれば十分です。
- 電圧
V、電流I、抵抗Rの関係をV=IRから説明できる。 - 直列回路と並列回路で、等しい量と足し合わせる量を区別できる。
R=ρL/Aを用い、長さ・断面積・材料の違いが抵抗へ与える影響を説明できる。P=VI=I²R=V²/Rから、与えられた量に合う電力の式を選べる。- 単位をそろえ、途中で早く丸めずに計算を進められる。
現場で通電部に触れたり、測定・結線・改造を行ったりしてはいけません。資格、作業範囲、停電・検電、施工要領、保護具および責任者の指示を確認します。

オームの法則は「二つが分かれば残り一つ」
電圧は電流を流そうとするはたらき、電流は電気の流れ、抵抗は流れにくさを表す量として扱います。三者の関係はオームの法則です。
V = I × R
I = V ÷ R
R = V ÷ I
たとえば、抵抗が 5 Ω で電圧が 100 V なら、電流は I=100÷5=20 A です。抵抗が変わらないなら、電圧を1.5倍にすると電流も1.5倍になります。式を暗記したあとも、「抵抗は固定か」「電圧を変えたのか」を問題文で確かめます。
| 量 | 記号 | 主な単位 | 読み方の目安 |
|---|---|---|---|
| 電圧 | V |
V(ボルト) | 電流を流そうとする大きさ |
| 電流 | I |
A(アンペア) | 回路を流れる電気の流れ |
| 抵抗 | R |
Ω(オーム) | 電流の流れにくさ |
| 電力 | P |
W(ワット) | 電気エネルギーを使う速さ |
mA はアンペアの千分の一、kW はワットの千倍です。計算を始める前に、mAとA、kWとWを混在させていないか確認します。途中で丸めず、最後に問題で指定された桁へ丸めるのが安全です。
直列と並列は、まず回路の分かれ方で読む
直列接続
部品が一本道に並ぶ直列接続では、各抵抗を流れる電流は同じです。合成抵抗は足し算になります。
R = R1 + R2 + …
電圧は各抵抗に分かれてかかり、全体の電圧は各部分の電圧の和になります。「直列だから抵抗を足す」「電流はどの部品でも同じ」と組にして覚えます。
並列接続
分岐してから再び合流する並列接続では、各枝にかかる電圧は同じです。全電流は各枝の電流の和になります。二つの抵抗だけなら、次の式で合成抵抗を求められます。
1/R = 1/R1 + 1/R2
並列の合成抵抗は、正の抵抗だけを扱う基本問題では最も小さい枝の抵抗より小さくなります。答えが各枝より大きくなったら、直列の計算と取り違えていないかを見直します。
| 接続 | 同じになる量 | 足し合わせる量 | 抵抗の計算 |
|---|---|---|---|
| 直列 | 電流 | 抵抗・電圧 | R=R1+R2+… |
| 並列 | 電圧 | 電流 | 1/R=1/R1+1/R2+… |
抵抗は材料・長さ・太さで変わる
導体の抵抗を基礎的に表す式は、次のとおりです。
R = ρL / A
ρ(ロー)は材料に関わる抵抗率、L は長さ、A は断面積です。同じ材料・温度などの条件で比べると、長いほど抵抗は大きく、断面積が大きいほど抵抗は小さくなります。ここでの A は電流が流れる向きに垂直な断面積です。
この式は単位をそろえなければ使えません。mm²のまま扱える値か、m²へ換算する値かは、抵抗率の単位と組にして確認します。また、温度や材料の種類が変わると抵抗率も一律には扱えません。実際の電線・機器は、仕様書と適用基準で判断します。
電力の式は「分かっている量」から選ぶ
電力は、電圧と電流の積で表せます。
P = V I
オームの法則を組み合わせると、抵抗を使う形にも変形できます。
P = I²R = V²/R
たとえば、電圧と抵抗が分かる並列負荷では P=V²/R が便利です。各負荷に同じ電圧がかかるので、負荷ごとの抵抗を求めるときは R=V²/P に直せます。逆に電流と抵抗が分かるなら P=I²R、電圧と電流が分かるなら P=VI を使います。
同じ電圧で並列につながる負荷は、電力が大きいほど抵抗が小さくなります。これは R=V²/P で確認できます。電力の大小と抵抗の大小を同じ向きに覚えないことが重要です。
典型ミスを先に防ぐ
- 直列と並列を図の見た目だけで決める。 分岐・合流があるかをたどり、同じ端子間につながる枝を探します。
- 並列抵抗をそのまま足す。 並列では逆数の和を使い、合成抵抗が最小の枝より小さいかで検算します。
- 100 Vと100 Wを同じ種類の値として扱う。 Vは電圧、Wは電力で、式の役割が異なります。
P=V²/Rで分母と分子の関係を逆にする。 電圧が同じなら、抵抗が小さい負荷ほど電力は大きくなります。
- 途中で小数を丸める。 分数または十分な桁を保ち、最後に指定された桁で丸めます。
過去問テスト
次の問題は、学習用に整理しています。図版は学習の要点が分かる新規模式図で説明します。
問1 電圧を変えたときの電流
ある抵抗に100 Vの直流電圧を加えたとき、20 Aの電流が流れた。この抵抗に150 Vの直流電圧を加えたときの電流の値として、正しいものはどれか。
- 20 A
- 30 A
- 40 A
- 50 A
問2 並列抵抗と全電流
3 Ωの抵抗と6 Ωの抵抗とを並列に接続した回路に、直流24 Vの電圧を加えたとき、この回路に流れる電流の値として、正しいものはどれか。
- 3 A
- 6 A
- 12 A
- 24 A
問3 直列と並列を含む合成抵抗
次の回路におけるA-B間の合成抵抗値として、正しいものはどれか。
回路の読み取り補助(理解用の新規説明):Aから2 Ωの抵抗を通った後に、3 Ωと6 Ωの二つの枝へ分かれ、再びBへ合流する回路である。
- 2 Ω
- 4 Ω
- 6 Ω
- 8 Ω
問4 並列負荷の合成抵抗
図のA-B間の合成抵抗(Ω)は、次のうちどれか。
回路の読み取り補助(理解用の新規説明):A-B間には100 Vの電源があり、40 W、60 W、100 Wの三つの負荷が並列に接続されている。
- 50 Ω
- 100 Ω
- 150 Ω
- 200 Ω
実務での注意
- 実設備では、電圧・極性・交流直流・配線方式・接地・保護装置を図面と仕様で確認し、基礎式だけで結線を判断しません。
- 電線の許容電流や電圧降下、機器の定格、保護協調は、施工基準・製品仕様・設計図書に従って確認します。
- 測定器を使う作業は、測定対象、レンジ、リード線、停電・検電の手順を定められた方法で確認します。
- 焦げ、異臭、異常発熱、遮断器の動作がある設備は、通電したまま原因を推測せず、責任者と定められた点検手順に従います。
まとめ
- オームの法則は
V=IR。何が一定かを読み、必要な形へ変形する。 - 直列は電流が同じで抵抗を足す。並列は電圧が同じで電流を足し、抵抗は逆数で扱う。
R=ρL/Aは、長さ・断面積・材料・単位をそろえて読む。- 電力は
P=VI=I²R=V²/R。分かっている量に合う式を選ぶ。 - 並列接続では、合成抵抗が最小の枝より小さいかを検算に使う。
ここまでの考え方を、問題を解く順番で繰り返すなら、消防設備士「過去問テスト」で時間を測って確認してください。
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの消防設備士「過去問テスト」で毎年更新しています。
参考資料
本文の式は基礎モデルまたは問題条件として説明しています。実務では、最新の図面・機器仕様・適用規格および所轄の指導を確認してください。
次は【電気基礎②】交流・変圧器・コンデンサ|消防設備士甲2・乙2【過去問】へ進みましょう。