【混合方式・混合装置③】希釈濃度・発泡倍率・25%還元時間|消防設備士甲2・乙2【過去問】

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強欲な青木
泡消火の混合って、どこで何を混ぜるん?
原液、水、泡水溶液を別の流れとして追えば大丈夫。
消防設備士

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消防設備士2類 過去問講義

このページの対象と到達目標

対象は、消防設備士甲種第2類・乙種第2類を学ぶ初学者です。濃度・倍率・時間を同じ「泡の数値」として混ぜず、何を分子にし、何を分母にし、何を測定しているかを説明できるようにします。

三つの数値は何を分母にするかで見分ける
  • 希釈容量濃度を 原液量 ÷ 泡水溶液量 × 100 として計算できる。
  • 発泡倍率を 泡体積 ÷ 空気混入前の泡水溶液体積 として計算できる。
  • 容器を含む総質量から、容器質量を先に差し引く理由を説明できる。
  • 25%還元時間を、泡に含まれる泡水溶液の25%が還元(排液)するまでの時間として説明できる。
  • 薬剤の種別・発泡方式により、測定容器、必要器具、判定値が異なることを理解する。

泡放射試験と試料採取には、滑り、圧力、飛散、薬剤漏えい、環境への排出の危険があります。測定値の計算だけで放射・排液・薬剤交換の可否を判断せず、点検要領、設計図書、製品の取扱説明書、回収・処理の手順に従います。

三つの数値は、見る対象が違う

数値 何を見るか 基本式・定義 よくある混同
希釈容量濃度 泡水溶液の中に原液がどれだけ入ったか 原液量 ÷ 泡水溶液量 × 100 水量を分母にする、原液量を分母にする
発泡倍率 空気を含んだ後、泡の体積がどれだけになったか 泡体積 ÷ 泡水溶液体積 原液量で割る、容器重量を含める
25%還元時間 泡が水分を保持し、泡水溶液の25%が還元するまでの時間 泡に含まれる全泡水溶液量の1/4が排液するまでを測る 単なる「泡が消える時間」とする

希釈容量濃度:分母は「泡水溶液量」

泡消火薬剤原液量を $V_f$、泡水溶液量を $V_s$ とすると、希釈容量濃度 $C$ は次で表します。

C(%) = V_f ÷ V_s × 100

例えば、原液3 Lを含む泡水溶液が100 Lなら、3 ÷ 100 × 100 = 3%です。ここで水97 Lだけを分母にして 3 ÷ 97 × 100 としてはいけません。設問がいう希釈容量濃度の分母は、原液を含んだ泡水溶液量です。LとmL、Lとm³などを混ぜず、必ず同じ単位へ換算します。

点検要領の試験基準では、一定時間内に放射した水量及び泡消火薬剤量を測定し、希釈濃度を確認します。3%型は3〜4%、6%型は6〜8%の範囲を判定の目安として示しています。ただし、この範囲は現行要領上の試験・判定の条件であり、任意の製品の混合設定又は他方式への適用を本文だけで決めるものではありません。

発泡倍率:分母は「空気混入前の泡水溶液量」

発泡倍率は、空気を含む前の元の泡水溶液量に対し、最終的に得られた泡量が何倍かを表す、無単位の比です。

発泡倍率 = 泡体積 ÷ 泡水溶液体積

試験では、決められた容量の容器を泡で満たし、容器自体の重量を除いた泡試料の正味質量を測ります。問題の条件として「泡の質量1 gを1 mLとみなす」とされるとき、正味質量gを泡水溶液体積mLとして扱えます。したがって、容器容量を正味質量で割ります。

発泡倍率 = 容器容量(mL) ÷ {総質量(g)−容器質量(g)}

総質量をそのまま分母にすると、容器の重さまで泡水溶液として数えるため、倍率を小さく誤ります。計算途中で丸めず、引き算、割り算、最後の指定桁への丸めの順で進めます。

25%還元時間:泡の水分保持と流動性を見る

25%還元時間は、採取した泡から還元する泡水溶液量が、容器内の泡に含まれる全泡水溶液量の25%(1/4)に達するまでに要する時間を表します。泡が完全に消えるまでの時間でも、容器内の液が100%抜けるまでの時間でもありません。泡の水分保持能力と流動性をみる指標です。

点検要領の測定では、発泡倍率測定で採取した試料を用い、泡試料の正味重量を4等分して25%容量を求めます。例えば、正味質量が200 gで、問題の条件として1 gを1 mLに換算できるなら、25%容量は 200 ÷ 4 = 50 mLです。計測開始から、この50 mLが還元・排液するまでを測定します。時刻は秒又は分で記録しますが、問題の条件に合わせて換算します。

薬剤・測定方法の区分 発泡倍率測定の主な器具 25%還元時間の主な器具 本文で固定しない事項
低発泡のたん白泡又は合成界面活性剤泡 1,400 mL泡試料コンテナ、コレクタ、秤 ストップウォッチ、コンテナ台、100 mL透明容器 設置場所の寸法、採取位置、器具の形状は現行要領・設計条件を確認する。
低発泡の水成膜泡 1,000 mL目盛付シリンダ、コレクタ、秤 ストップウォッチ、1,000 mL目盛付シリンダ 容器容量だけで、薬剤種別・適用方法を逆算しない。

低発泡を用いる泡消火設備の試験基準では、発泡倍率は5倍以上、25%還元時間はたん白泡・水成膜泡で60秒以上、合成界面活性剤泡で30秒以上という判定を確認します。これは薬剤の種別を取り違えやすい箇所です。高発泡方式、製品ごとの性能、設計図書に基づく判定は別に確認します。

分母の取り違えを防ぐ四手順

  1. 何を求めるかを先に丸で囲む。 濃度(%)、発泡倍率(倍)、還元時間(秒・分)は式が違います。
  2. 分子と分母を日本語で書く。 たとえば発泡倍率なら「容器容量 ÷ 容器を除いた泡の質量」です。
  3. 単位を一つにそろえる。 体積はmL又はL、質量はg、時間は秒又は分でそろえます。
  4. 最後にだけ丸める。 「約5.5倍」のように選択肢の桁へ合わせ、途中で丸めて別の選択肢へ寄らないようにします。

過去問テスト

次の問題は、学習用に整理しています。図版は学習の要点が分かる新規模式図で説明します。

問1 水成膜泡の発泡倍率

水成膜泡消火薬剤を用いた泡消火設備で、フォームヘッドから放射された泡の発泡倍率を測定した。泡試料採取用の容器容量は1,000 mL、容器を含む総質量は522 g、空の容器質量は340 gであった。泡の質量1 gを1 mLとみなすとき、発泡倍率として正しいものは次のうちどれか。

  1. 約5.1倍
  2. 約5.3倍
  3. 約5.5倍
  4. 約6.0倍


問2 25%還元時間の判定

低発泡を用いる泡消火設備の泡放射試験において、25%還元時間の判定として正しいものは次のうちどれか。

  1. たん白泡及び水成膜泡は30秒以上、合成界面活性剤泡は60秒以上である。
  2. たん白泡及び水成膜泡は60秒以上、合成界面活性剤泡は30秒以上である。
  3. たん白泡、水成膜泡及び合成界面活性剤泡はいずれも30秒以上である。
  4. たん白泡、水成膜泡及び合成界面活性剤泡はいずれも60秒以上である。


問3 合成界面活性剤泡の発泡倍率

合成界面活性剤泡消火薬剤を使用する泡消火設備の点検で、泡試料コンテナに泡を一杯に採取したところ、コンテナを含む総質量は575 g、空のコンテナ質量は400 gであった。コンテナ容量を1,400 mL、泡の質量1 gを1 mLとみなすとき、発泡倍率として正しいものは次のうちどれか。

  1. 5倍
  2. 6倍
  3. 7倍
  4. 8倍

実務での確認メモ

場面 確認すること このページだけで決めないこと
濃度の測定 放射した水量・薬剤量、測定時間、単位換算 薬剤の任意の希釈・混合・補充
発泡倍率の測定 薬剤種別、低発泡・高発泡の別、容器容量、正味質量 写真からの器具判定、設計倍率の推測
25%還元時間 発泡倍率測定試料、正味量の1/4、計測開始時点、排液量 泡が消えた見た目だけでの判定
放射試験 設計図書、現行点検要領、排出抑制、回収計画 排液先・回収・廃棄の具体的手順

消防庁の現行点検基準では、固定式低発泡設備の総合点検において、設置後又は薬剤交換後の年数等の条件を満たす場合、最遠区画での泡放射により混合率及び発泡倍率が適正であることを確認します。薬剤の機能を維持するための措置が講じられている場合の扱いもあるため、放射の要否を数式だけで決めてはいけません。排出抑制の取扱いも含め、現行の点検基準・要領を確認します。

まとめ

  • 希釈容量濃度の分母は、原液を含む泡水溶液量である。
  • 発泡倍率は、泡体積を空気混入前の泡水溶液体積で割る無単位の比である。
  • 発泡倍率の質量計算では、総質量から容器質量を先に差し引く。
  • 25%還元時間は、泡に含まれる泡水溶液の1/4が還元するまでの時間である。
  • 低発泡の判定は、たん白泡・水成膜泡が60秒以上、合成界面活性剤泡が30秒以上である。
  • 容器容量、薬剤種別、発泡方式、測定手順を確認し、写真だけで器具・判定を決めない。

次は ACT-01「感知用ヘッドから起動まで」 で、感知・起動・一斉開放弁・送水開始がどの順に働くかを学びます。


薬剤・方式・用途を混ぜずに、条件から一つずつ判定しよう。
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参考資料


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