【混合方式・混合装置②】プロポーショナー方式と混合装置|消防設備士甲2・乙2【過去問】

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強欲な青木
泡消火の混合って、どこで何を混ぜるん?
原液、水、泡水溶液を別の流れとして追えば大丈夫。
消防設備士

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消防設備士2類 過去問講義

このページの対象と到達目標

対象は、消防設備士甲種第2類・乙種第2類を学ぶ初学者です。プロポーショナーを「薬剤を混ぜる装置」とだけ覚えず、どの位置で、どの流れと圧力を使って、所定の濃度の泡水溶液にするかを理解します。

4方式は水側・原液側・混合器で見分ける
  • 泡消火薬剤混合装置の重要な機能を、泡水溶液の発泡倍率や放出量ではなく、薬剤と水の混合比の維持として説明できる。
  • プレッシャー・プロポーショナー、ポンプ・プロポーショナー、プレッシャー・サイド・プロポーショナー、ライン・プロポーショナーを、水側と原液側の流れで比較できる。
  • 混合器が送水管の途中、ポンプ吸込側又は薬剤貯蔵槽まわりのどこにあるかを、方式判定の手掛かりにできる。
  • 圧力差は「高いほどよい」数値ではなく、混合器で原液を必要量だけ導くための条件だと分かる。
  • 混合装置、泡消火薬剤貯蔵槽、配管・弁類を、混合器単体と混同しない。

加圧送水装置、加圧送液装置、薬剤貯蔵槽、混合器の点検・整備では、誤作動、薬剤漏えい、誤混合、圧力解放に注意が必要です。停止・復旧、弁操作、圧力調整、薬剤交換、放射試験は、資格者、設計図書、型式資料、メーカーの手順、所轄消防機関の指示に従います。

混合装置の目的は「一定の混合比を保つ」こと

泡消火薬剤混合装置は、消火用水と泡消火薬剤を混合して、指定された濃度の泡水溶液をつくるための装置です。重要なのは、泡水溶液の発泡倍率を直接一定にすることでも、泡水溶液の放出量を単独で一定にすることでも、空気との混合比を一定にすることでもありません。水の流れに対し、薬剤を必要な割合で混合することです。

ここでの「混合比」は、薬剤原液と消火用水の比を指します。発泡倍率は泡放出口や発泡条件にも関わり、放出量はポンプ・配管・放出口・圧力などの系統全体で決まります。したがって、同じ混合装置でも、設計と異なる薬剤、濃度又は流量へ安易に替えることはできません。

言葉 何を比べるか 混同しやすいもの
混合比・希釈容量濃度 薬剤原液と水の割合 発泡倍率、薬剤の容器容量
発泡倍率 泡の体積と泡水溶液の体積の関係 原液と水の混合比
放出量 単位時間に放出する泡水溶液の量 薬剤原液だけの量
圧力差 混合器で原液を導くための水側と原液側の条件差 配管全体の最高圧力

混合比を数値で扱うときは、分子と分母を先に確認します。例えば、薬剤原液量を $Q_f$、泡水溶液量を $Q_s$ とすると、希釈容量濃度は Q_f ÷ Q_s × 100 で表します。$Q_f$ と $Q_s$ は同じ単位(L、m³など)にそろえます。途中の値を早く丸めると、濃度判定を誤るので、問題で指示された最終桁まで計算を保持します。本ページの公開問題は方式判定であり、固有の濃度・圧力数値は扱いません。

四つの方式を「二本の流れ」で比べる

どの方式でも、最終的には水側と原液側が混合器で合流し、泡水溶液として放出口へ向かいます。ただし、原液を混合器へ導く力と混合器の位置が異なります。次の表は試験で判別するための原理の整理です。個別の配管、弁、圧力設定、適用流量を示す施工図ではありません。

方式 水側の見方 原液側の見方 混合器・圧力差の要点
プレッシャー・プロポーショナー 送水の一部の圧力を薬剤貯蔵槽側にも利用する ダイヤフラム等を介して水圧と釣り合うよう原液を混合器へ送る 水側と原液側の圧力関係を近づけ、混合器で所定割合となるようにする。
ポンプ・プロポーショナー 加圧送水装置の吐出側から混合器へ向かう 薬剤専用の送液ポンプで原液を送る 水側・原液側の二つの送液を混合器で合わせる。送液ポンプの作動・調整が混合の前提になる。
プレッシャー・サイド・プロポーショナー 送水管の途中に混合器がある 加圧送液装置で原液を混合器へ圧入する 泡放出口へ直接圧入するのではなく、送水管途中の混合器で水側と原液側を合流させる。
ライン・プロポーショナー 送水管途中の混合器(吸込器)を水が流れる 混合器に生じる負圧で原液を吸引する 混合器の流れ・差圧を利用する。流量や圧力条件が設計範囲から外れると、所定濃度を保てないおそれがある。

方式名より、最初に矢印を二色で引く

系統図を読むときは、先に水側を青、原液側を黄、混合後の泡水溶液を緑として頭の中で分けます。次に次の四問へ答えると、方式名を復元しやすくなります。

  1. 水は水源・送水ポンプからどこへ流れるか。
  2. 原液は貯蔵槽から、吸引・ダイヤフラム・専用送液ポンプのどれで動くか。
  3. 二つの流れが初めて合流する混合器はどこにあるか。
  4. 混合器で原液を動かす原因は、負圧か、薬剤側の加圧か、水圧との釣合いか。

「圧力差がある」とだけ見ても方式は決まりません。ライン・プロポーショナーでは水流による負圧を利用します。プレッシャー・サイド・プロポーショナーやポンプ・プロポーショナーでは、薬剤側から混合器へ原液を送る仕組みを持ちます。プレッシャー・プロポーショナーでは、貯蔵槽側に水圧を利用して原液を押し出す仕組みを読み取ります。いずれも、混合器の前後、流量、弁の設定、薬剤の粘度などを無視して圧力を変更してはいけません。

混合器だけを「混合装置」としない

混合器は、水と原液が合流する部品です。一方、泡消火薬剤混合装置は、泡消火薬剤貯蔵槽、混合器、配管・弁類などを含み、指定濃度の泡水溶液を生成するための仕組みとして把握します。点検でも、混合器の外観だけでなく、薬剤貯蔵槽の腐食・漏えい、配管・弁類、加圧送液装置を含む流れを確認します。

消防庁の検討資料では、駐車場に設置される方式の多くとしてプレッシャー・プロポーショナー方式を示し、ほかの方式についても、混合器・貯蔵槽の状態及び泡消火薬剤を圧送する加圧送液装置の正常な機能を確認する考え方を示しています。この資料は方式の代表例を示すものであり、全ての既設設備の方式、必要圧力又は点検方法を本文だけで確定するものではありません。

典型ミスを先に防ぐ

  • 混合装置の目的を発泡倍率の維持と考える。 まず薬剤原液と消火用水の混合比を所定に保つ機能を押さえます。
  • 混合器と混合装置を同義にする。 貯蔵槽、混合器、配管・弁類、方式によっては加圧送液装置までを系統として見ます。
  • プレッシャー・サイド方式は放出口へ原液を圧入すると考える。 送水管途中の混合器へ圧入し、そこで泡水溶液にします。
  • ポンプ・プロポーショナーとプレッシャー・サイド方式を、薬剤ポンプがあるので同じと考える。 原液を送る位置・系統と混合器の位置を図の矢印で確認します。
  • ライン・プロポーショナーは吸い上げるので圧力調整が不要と考える。 水側の流量・圧力の条件が混合に関わるため、設計範囲と点検結果を確認します。
  • 薬剤を補充すれば直ちに混合比も正しいと考える。 薬剤の種類・濃度、混合可否、装置の適合、試験・点検の記録を確認します。

過去問テスト

次の問題は、学習用に整理しています。図版は学習の要点が分かる新規模式図で説明します。

問1 混合装置の重要な機能

泡消火設備の泡消火薬剤混合装置の重要な機能として、正しいものは次のうちどれか。

  1. 泡水溶液の発泡倍率を一定に保つ。
  2. 泡消火薬剤と消火用水との混合比を一定に保つ。
  3. 泡水溶液の放出量を一定に保つ。
  4. 泡水溶液と空気との混合比を一定に保つ。


問2 送水管途中の混合器へ圧入する方式

泡消火設備の泡消火薬剤混合方式に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 送水管途中の混合器と置換吸込管を用い、送水の一部を薬剤貯蔵槽へ送り、その圧力を利用して原液を混合器へ送る方式を、プレッシャー・プロポーショナー方式という。
  2. 送水管末端の泡放出口へ、別に設けた加圧送液装置で原液を圧入する方式を、プレッシャー・サイド・プロポーショナー方式という。
  3. 加圧送水装置の吐出側と吸水側の間に設けたバイパス管を利用し、原液を吸引して加圧送水装置の吸水側で泡水溶液とする方式を、ポンプ・プロポーショナー方式という。
  4. 送水管途中の混合器(吸込器)に生じる負圧で原液を吸引して、泡水溶液とする方式を、ライン・プロポーショナー方式という。


問3 加圧送液装置を有する混合方式

泡消火薬剤を加圧送液する装置を有する混合方式は、次のうちどれか。

  1. プレッシャー・サイド・プロポーショナー方式
  2. プレッシャー・プロポーショナー方式
  3. ライン・プロポーショナー方式
  4. ポンプ・プロポーショナー方式

実務での確認メモ

場面 見る順番 確認を省けない理由
方式の判定 水側→原液側→混合器→泡水溶液 方式名だけでは、原液がどこへ入るかを確認できない。
薬剤の補充・更新 製品名・濃度→混合可否→装置適合→試験記録 同じ「泡消火薬剤」でも混合可否・濃度・性能が同じとは限らない。
加圧送液装置の点検 電源・起動→ポンプ・漏えい→圧力調整→復旧 作動しなければ、指定濃度を保てないおそれがある。
放射試験・点検 放射しない方法の可否→回収計画→記録 薬剤の排出抑制と消火性能確認の両方を扱う必要がある。

混合装置の改造、配管の付替え、薬剤の混合使用は、消火性能と薬剤の技術上の規格に影響し得ます。混合試験により適合が確認された例外的な取扱いを除き、異なる薬剤を任意に混合してはいけません。既設設備では、製品情報、過去の補充履歴、型式資料、点検結果をそろえて判断します。

まとめ

  • 混合装置の中心機能は、泡消火薬剤と消火用水の混合比を所定に保つこと。
  • 発泡倍率、放出量、空気との混合は、混合比とは別の条件として読む。
  • 方式を判別するときは、水側・原液側・混合器の位置・圧力差の利用方法を確認する。
  • プレッシャー・サイド・プロポーショナー方式は、原液を送水管途中の混合器へ圧入する。
  • ライン・プロポーショナー方式は、混合器で生じる負圧により原液を吸引する。
  • 混合器単体ではなく、貯蔵槽、配管・弁類、加圧送液装置を含む系統として点検・整備する。

次は MIX-03「希釈濃度・発泡倍率・25%還元時間」 で、混合比を数値で確かめ、泡の性能試験と区別する方法を学びます。


薬剤・方式・用途を混ぜずに、条件から一つずつ判定しよう。
消防設備士

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参考資料


次は【混合方式・混合装置③】希釈濃度・発泡倍率・25%還元時間|消防設備士甲2・乙2【過去問】へ進みましょう。