このページを見たら、法令問題を用途・方式・根拠条文から順に整理できるはず!
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの消防設備士「過去問テスト」で毎年更新しています。
消防設備士2類 過去問講義
このページでは、泡放出口・放射区域・放射量・配置を、用途・方式・薬剤と結び付けて確認します。法令・数値は現行の一次資料を参照し、別の方式や用途へ数値をそのまま使わないでください。
このページの対象と到達目標
対象は、消防設備士甲種第2類・乙種第2類を学ぶ初学者です。泡消火設備で「1 m²当たりの放射量」「一の放射区域」「ヘッドの配置」を問われたときに、数字だけでなく、どの方式・用途・薬剤に対応する数字かを確かめます。

読み終えたときに、次のことができれば十分です。
- 泡放出口の種別を、泡の膨脹比と結び付けて確認できる。
- フォームヘッドの放射区域と、1個のヘッドの有効防護範囲を同じ意味にしない。
- 標準放射量を、用途と泡消火薬剤の種別ごとに読む。
- 放射量、面積、時間、配管内を満たす量を別の量として扱える。
- 配置ピッチの計算では、問題で指定された有効防護範囲と配置形を図に戻して確認できる。
設計・改修・点検では、採用する泡消火薬剤、泡放出口の性能、取付高さ、障害物、開口部、同時開放の条件、配管容量を、機器の仕様書、認定・告示、現行条文及び所轄消防機関で確認します。本ページの表や計算だけで機器数・水源量・薬剤量を確定しません。
先に区別する四つの言葉
似た言葉を一つにすると、問題の数字を取り違えます。まず、何を表す数値かを分けます。
| 言葉 | 何を表すか | 単位・見方 | 混同しやすいもの |
|---|---|---|---|
| 泡放出口 | 泡水溶液から泡を放出する側の設備・器具の種別 | 膨脹比、方式、用途を確認する | フォームヘッド、泡ヘッド、泡モニターを同じものとして扱う |
| 放射区域 | フォームヘッドを用いる設備で、同時に放射する区域の区切り | m²。道路か、それ以外かで範囲を読む | ヘッド1個の有効防護範囲 |
| 標準放射量 | 単位面積当たりに必要となる泡水溶液の量の割合 | L/(min・m²)。用途と薬剤の組合せで読む | 設備全体の毎分流量 |
| 有効防護範囲 | 1個のヘッドから有効に防護できる範囲 | 機器性能・取付条件・配置形を確認する | 放射区域の面積 |
泡放出口は膨脹比と方式から読む
消防法施行規則第18条は、固定式の泡消火設備の泡放出口を、泡の膨脹比による種別に応じて定めています。低発泡は膨脹比20以下で、泡ヘッドを用います。高発泡は膨脹比80以上1,000未満で、高発泡用泡放出口を用います。
高発泡用泡放出口を使う設備では、床面からの高さが5 mを超える場所は全域放出方式とする基準があります。低発泡用のフォームヘッドの基準を、高発泡用泡放出口の放射量や放出方式へそのまま移してはいけません。
| 確認の順番 | 確認すること | 判断で止める点 |
|---|---|---|
| 1 | 低発泡か、高発泡か | 膨脹比の区分を確認する |
| 2 | フォームヘッドか、高発泡用泡放出口か | 放出口の種別を決める |
| 3 | 全域放出か、局所放出か | 高発泡では防護区画・防護対象物との関係を確認する |
| 4 | 用途・薬剤・放射区域は何か | 数値表の行を特定する |
| 5 | 機器の性能・配置・同時開放条件は何か | 仕様書・認定条件・図面へ戻る |
放射区域とヘッドの配置は別々に確認する
フォームヘッドを用いる泡消火設備の一の放射区域は、道路の用に供する部分では80 m²以上160 m²以下、その他の防火対象物又はその部分では50 m²以上100 m²以下です。これは「同時に放射する区域」を決める基準です。
一方、フォームヘッドの配置では、天井又は小屋裏に床面積9 m²につき1個以上を設け、かつ、防護対象物のすべての表面がヘッドの有効防護範囲内に包含されるようにします。面積で必要な個数を検討しても、梁、たれ壁、車両、設備、取付高さなどで有効防護範囲が途切れれば、そのまま配置を決めることはできません。
ここでは、単位を分けて読みます。放射区域と床面積はm²、配置ピッチはm、標準放射量はL/(min・m²)、設備の流量はL/minです。面積や長さを途中で丸めず、最終表示が必要な場合だけ問題の条件に従って丸めます。
放射量は「用途×薬剤×面積」で決まる
フォームヘッドの放射量は、防火対象物又はその部分の区分と泡消火薬剤の種別により、床面積1 m²当たりの量を用いて計算します。道路、自動車の修理若しくは整備、又は駐車の用に供する部分では、次の標準放射量が定められています。
| 泡消火薬剤の種別 | 床面積1 m²当たりの標準放射量 | 単位 |
|---|---|---|
| たん白泡消火薬剤 | 6.5 | L/(min・m²) |
| 合成界面活性剤泡消火薬剤 | 8.0 | L/(min・m²) |
| 水成膜泡消火薬剤 | 3.7 | L/(min・m²) |
計算の形は、次のとおりです。
必要放射量 Q = 標準放射量 q × 放射する床面積 A
Q:L/min
q:L/(min・m²)
A:m²
例えば、合成界面活性剤泡消火薬剤で90 m²を放射するという説明上の条件なら、8.0 × 90 = 720 で、必要放射量は720 L/minです。この数値例は公式の使い方を示す説明値であり、実際の同時開放範囲、水源量、薬剤量を決めるものではありません。
水源に必要な泡水溶液量を考える場合は、放射量に放射時間を掛けた量だけでなく、方式ごとに定められる配管内を満たす量も別に確認します。泡消火薬剤の貯蔵量は、泡水溶液量に、その薬剤に適した希釈容量濃度を掛けて検討します。放射量(L/min)、泡水溶液量(L)、薬剤量(L)を同じ数字として扱わないことが重要です。
配置ピッチは円の重なりを図で確認する
問題で「1個のヘッドの有効防護範囲の直径」と「正方形配置」が与えられた場合は、四つのヘッドの中間点まで有効防護範囲が届くかを考えます。直径4.2 mなら半径は2.1 mです。
ヘッド間の取付けピッチを A とすると、正方形の中心から角までの距離は A/√2 です。この距離が半径2.1 m以下となるようにするので、最も合理的なピッチは次のように求めます。
A / √2 = 2.1 m
A = 2.1 × √2 = 4.2 / √2 = 2.969... m
したがって、約3.0 m
この計算は、問題が示す円形の有効防護範囲、同一条件のヘッド、正方形配置という前提に限られます。実際には、放射の障害、取付高さ、認定された有効防護範囲、機器の取扱説明書を優先します。
典型ミスを先に防ぐ
- 8.0 L/(min・m²)を、すべての泡消火薬剤へ使う。 合成界面活性剤泡消火薬剤で、道路・修理整備・駐車部分の場合の値です。用途と薬剤の組合せを確認します。
- 放射区域100 m²以下を、ヘッド1個で必ず防護できる面積と考える。 放射区域と1個のヘッドの有効防護範囲は別です。
- 床面積を9 m²で割るだけで配置を確定する。 有効防護範囲に防護対象物のすべての表面が入ることも必要です。
- 高発泡と低発泡の方式を混ぜる。 高発泡用泡放出口の放出方式・放射量は、フォームヘッドの表で判断しません。
- 毎分流量に時間を掛けず、水源量・薬剤量を出す。 L/min、L、濃度を順に分けて計算します。
過去問テスト
次の3問では、放出口・区域・流量・有効防護範囲がそれぞれ何を決める条件かを確認します。
問1 フォームヘッドの設置基準
泡消火設備に関する設置基準として、誤っているものは次のうちどれか。
- 全域放出方式の高発泡用泡放出口は、一の防護区画の床面積500 m²ごとに1個以上を、当該区画に泡を有効に放出できるように設けること。
- フォームヘッドは、防火対象物又はその部分の天井又は小屋裏に床面積10 m²につき1個以上設けること。
- 移動式の泡消火設備の泡放射用器具を格納する箱の上部には、赤色の灯火を設けること。
- 泡水溶液の最少必要量は、配管内を満たすに要する泡水溶液の量に規定の放射量を加えたものとすること。
問2 合成界面活性剤泡消火薬剤の標準放射量
駐車場に設置する泡消火設備に合成界面活性剤を使用する場合、フォームヘッドの床面積1 m²当たりの放射量として、正しいものは次のうちどれか。
- 6.5 L/min
- 7.0 L/min
- 7.5 L/min
- 8.0 L/min
問3 有効防護範囲から配置ピッチを求める
駐車の用に供する部分に固定式泡消火設備を設置する場合、1個のフォームヘッドから放射される泡の有効防護範囲の直径を4.2 mとする。正方形に配置する場合の各ヘッド相互間の取付けピッチとして最も合理的なものは、次のうちどれか。
- 約2.5 m
- 約3.0 m
- 約3.5 m
- 約4.0 m
実務での注意
- 数値表を使う前に、用途、方式、泡消火薬剤の種別、放出口の種別を一組で確認します。
- ヘッドの有効防護範囲は、認定・仕様・取付高さ・放射の障害で変わります。問題の円だけを実設計へ流用しません。
- 一の放射区域、同時に開放するヘッド、最大となる区域、水源、配管内の量は、別々の設計条件です。算定根拠を図面ごとに残します。
- 特定駐車場用泡消火設備では、ヘッド、泡水溶液ヘッド、感知継手などの性能と有効放射範囲は、使用する泡消火薬剤や混合装置等により変動します。認定時の条件を満たすことを確認します。
- 泡放出口・混合装置・薬剤の変更、または配置変更は、製造者資料、点検基準、所轄消防機関との協議に従います。
まとめ
- 泡放出口は膨脹比と方式から読み、低発泡と高発泡の基準を混ぜない。
- 放射区域は同時放射する区域、ヘッドの有効防護範囲は1個のヘッドが防護できる範囲である。
- 駐車・道路・修理整備部分では、薬剤の種別ごとに標準放射量を確認する。
- 合成界面活性剤泡消火薬剤の標準放射量は、該当用途で8.0 L/(min・m²)である。
- 計算ではm、m²、L/min、L、濃度を分け、途中で丸めない。
参考文献(一次資料)
数値・期限・設備の適用は改正され得ます。受験では問題文の時点、実務では現行条文・設計図書・所轄の扱いを確認してください。
ここまでの条件を、時間内に答えへ再現できるかは、消防設備士「過去問テスト」で確認してください。
次に学ぶ
次は【法令・設置基準④】危険物施設と泡消火設備|消防設備士甲2・乙2【過去問】です。今回の確認順を、そのまま次の論点でも使いましょう。