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消防設備士2類 過去問講義
このページの対象と到達目標
対象は、消防設備士甲種第2類・乙種第2類を学ぶ初学者です。泡放出口・ヘッドの鑑別を、写真の輪郭だけを記憶する学習から、放射の仕方、設置方式、部位の役割を順に確認する学習へ変えます。

- フォームヘッド、フォーム・ウォーター・スプリンクラーヘッド、固定泡放出口、泡ノズルを、用途と放射方法で区別できる。
- フォーム・ウォーター・スプリンクラーヘッドの上向型・下向型を、配管・取付方向を含めて型式資料で確認すべきと理解する。
- 固定泡放出口の空気吸入口、オリフィス、ベーパーシール、デフレクターを、名称と役割を混同せず読める。
- 高発泡用泡放出口のブロワー型・アスピレーター型を、実物写真に頼らず、空気を取り込む原理の違いとして整理できる。
- 実物の名称・部品・取付位置は、認定表示、型式、仕様書、設計図書で最終確認する必要があると分かる。
鑑別は「外見」より先に、四つの問いで進める
鑑別問題では、似た金属部品や短い名称が並びます。しかし、見た目だけで決めると、角度、カバー、接続部、写真の縮尺が変わっただけで判断を誤ります。次の四つの問いを順番に使います。
| 問い | 見ること | 判断の軸 |
|---|---|---|
| 1. 固定式か移動式か | 配管に常設されるか、ホース・ノズルで操作するか | 放射方式 |
| 2. 低発泡か高発泡か | 泡を対象面へ放射するか、区画へ大きな体積の泡を放出するか | 膨張比・放出方式 |
| 3. 水・泡水溶液のどちらを扱うか | 散水機能と発泡機能のどちらを持つか | ヘッドの機能 |
| 4. 部位は何をするか | 流れを絞る、空気を取り込む、分散する、飛散を防ぐか | 部位の役割 |
この順に読めば、固有の外観を細部まで覚えていなくても、選択肢の誤りを見つけやすくなります。
泡放出口・ヘッドを大きく四つに分ける
泡消火設備で用いる放出口には、泡ヘッドだけでなく、高発泡用泡放出口、固定泡放出口、泡ノズルなどがあります。まず、低発泡・高発泡、固定式・移動式を混ぜないことが大切です。
| 名称 | 最初に押さえる役割 | 鑑別での注意 |
|---|---|---|
| フォームヘッド | 泡水溶液を発泡・分散して、対象面を泡で覆う側のヘッド | 放射圧力、空気の取込み、部品構成は型式で異なる。 |
| フォーム・ウォーター・スプリンクラーヘッド | 水を放射する場合の散水機能と、泡水溶液を放射する場合の泡ヘッドとしての機能を持つ | 上向型・下向型の別だけで設置可否を決めない。 |
| 固定泡放出口 | 固定式の設備で、泡を所定の位置へ放出する機器 | 部位名を外観だけで入れ替えない。 |
| 泡ノズル | 泡放射用器具として、ホース側で用いる放射器具 | 固定式のヘッド又は放出口と同じ用途に決めつけない。 |
消防法施行規則では、泡ヘッドとしてフォーム・ウォーター・スプリンクラーヘッドとフォームヘッドを用いる区分を定めています。高発泡用泡放出口、固定泡放出口、泡ノズルは、放出方式・防護対象・設計条件を別に確認します。名称が近くても、すべてを同じ配管条件・放射量・取付方向で扱うことはできません。
部位名は「流れの順」に置く
固定泡放出口やフォーム・ウォーター・スプリンクラーヘッドの問題では、断面図に矢印がつきます。実図を暗記せず、泡水溶液と空気が通る順に機能を置くと、部位名を読み違えにくくなります。
- オリフィス:流路の絞りとして働く部分です。寸法・流量・圧力の値は型式ごとに異なります。
- 空気吸入口:発泡に必要な空気を取り込む側の入口です。塞がり、変形、塗装などは発泡状態に影響し得ます。
- ベーパーシール:固定泡放出口の構成部位として名称を確認します。具体の構造・封止条件は型式資料で確認します。
- デフレクター:流れ又は泡を分散させる側の部位です。角度・形状は実機ごとに固定しません。
ここで重要なのは、図の位置を見ずに「オリフィスは必ず上部」「デフレクターは必ず最下端」と一般化しないことです。型式図のラベル、流向、部品表を組にして確認します。
高発泡用泡放出口は、空気の取り込み方で区別する
高発泡用泡放出口には、ブロワー型とアスピレーター型があります。ブロワー型は送風機を用いて空気を供給する方式、アスピレーター型は泡水溶液の流れを利用して空気を取り込む方式として、原理の違いで区別します。
ただし、外装、羽根の見え方、吸入口の位置、ダクトとの接続、設置高さだけで型式を断定してはいけません。高発泡方式では、放出口の種別に加え、全域放出・局所放出、防護区画、開口部、停止装置、設計放出量を確認します。部品寸法、送風量、放出量、発泡倍率は、現行基準と型式資料を確認できたものだけを扱います。
単位と表示を確認する習慣
このページの鑑別問題は、名称・部位を扱うため計算問題ではありません。それでも実機の銘板・仕様書を読むときは、放射量の L/min、圧力の MPa、泡の膨張比(無単位)、取付高さの m など、単位を値と一組で確認します。図面・仕様書の値を比較するときは単位をそろえ、丸め又は四捨五入の条件は設計図書・試験基準の指示に従います。
典型的なつまずき
| つまずき | なぜ誤るか | 立て直し方 |
|---|---|---|
| 写真の色・形だけで名称を決める | 同じ機器でも型式・撮影角度で外観が変わる | 放射方式、固定・移動、空気の取込み、表示を併せて見る。 |
| フォームヘッドとフォーム・ウォーター・スプリンクラーヘッドを同じ内部構成と決める | 泡を扱う点だけを共通点とする | 水を放射したときと泡水溶液を放射したときの働きを分ける。 |
| 部位の位置だけを暗記する | 型式変更で配置が変わり得る | 流向、部品表、役割を組にして確認する。 |
| 高発泡用の型式を低発泡のヘッドへ当てはめる | 「泡」という言葉だけで分類する | 膨張比、放出方式、防護区画を先に確認する。 |
過去問テスト
図解で確認した条件を、選択肢の言葉と対応させて判断しましょう。
問1 泡放出口等の名称
新規識別カードA〜Dの名称の組合せとして、正しいものは次のうちどれか。Aは低発泡の泡ヘッド、Bは水の散水と泡水溶液の放射の二つの働きを持つ上向のヘッド、Cは固定式の泡放出口、Dはホース側で用いる放射器具を表す。
- A:フォームヘッド/B:上向型フォーム・ウォーター・スプリンクラーヘッド/C:固定泡放出口/D:泡ノズル
- A:フォーム・ウォーター・スプリンクラーヘッド/B:フォームヘッド/C:泡ノズル/D:固定泡放出口
- A:高発泡用泡放出口/B:フォームヘッド/C:固定泡放出口/D:フォーム・ウォーター・スプリンクラーヘッド
- A:泡ノズル/B:固定泡放出口/C:フォームヘッド/D:上向型フォーム・ウォーター・スプリンクラーヘッド
問2 II型固定泡放出口の部位
新規の概念カードは、II型固定泡放出口を表す。Aは空気を取り込む入口、Bは流路を絞る部位、Cはベーパーシール、Dは放出側で泡を分散させる部位である。この組合せとして正しいものは次のうちどれか。
- A:空気吸入口/B:オリフィス/C:ベーパーシール/D:デフレクター
- A:デフレクター/B:空気吸入口/C:オリフィス/D:ベーパーシール
- A:オリフィス/B:ベーパーシール/C:デフレクター/D:空気吸入口
- A:ベーパーシール/B:デフレクター/C:空気吸入口/D:オリフィス
問3 高発泡用泡放出口の型式
新規識別カードA・Bは、いずれも高発泡用泡放出口を抽象化したものである。Aは送風機で空気を供給する方式、Bは泡水溶液の流れを利用して空気を取り込む方式を表す。名称の組合せとして正しいものは次のうちどれか。
- A:ブロワー型/B:アスピレーター型
- A:アスピレーター型/B:ブロワー型
- A:フォームヘッド/B:固定泡放出口
- A:上向型フォーム・ウォーター・スプリンクラーヘッド/B:泡ノズル
実務での確認メモ
| 確認場面 | 最初に見ること | 次に確認すること |
|---|---|---|
| 機器を特定するとき | 銘板、型式、設置方式、固定・移動の別 | 仕様書、設計図書、放射方式、使用薬剤 |
| ヘッド・放出口を交換するとき | 型式、取付方向、接続規格 | 放射圧力、放射量、認定・性能、対象区域 |
| 部位の状態を確認するとき | 詰まり、変形、腐食、欠落 | 型式別の点検要領、分解可否、復旧状態 |
| 高発泡方式を確認するとき | ブロワー型・アスピレーター型、全域・局所の別 | 防護区画、開口部、停止装置、設計放出量 |
実物に触れる点検・交換・分解では、設備の停止・隔離、誤放射防止、配管内圧力、薬剤の排出、復旧手順を先に確認します。このページの鑑別説明だけを根拠に、部品の取り外し又は代替品への交換を行いません。
まとめ
- 鑑別は、固定・移動、低発泡・高発泡、水・泡水溶液、部位の役割の順に確認する。
- フォームヘッド、フォーム・ウォーター・スプリンクラーヘッド、固定泡放出口、泡ノズルは、名称と放射方式を組にして覚える。
- II型固定泡放出口では、空気吸入口、オリフィス、ベーパーシール、デフレクターを混同しない。
- 高発泡用泡放出口は、ブロワー型とアスピレーター型を空気の取り込み方で区別する。
- 写真・断面図の見た目だけで決めず、型式・表示・仕様書・設計図書を最終確認する。
次は KAN-02「ポンプ・配管部品の鑑別」 で、フート弁、計器、管継手などを、取付位置と流れの役割から見分けます。
ここまでの順番を、問題を解く順番で繰り返すなら、消防設備士「過去問テスト」で時間を測って確認してください。
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの消防設備士「過去問テスト」で確認できます。
参考資料
- 消防法施行規則(e-Gov法令検索)
- 総務省消防庁:消防用設備等の点検基準・点検要領・点検票
- ヤマトプロテック:泡消火設備 製品概要(型式が特定できないため、個別機器の仕様・設定値は本ページで固定しません)
本文では、図解と選択肢の条件を使って、機器の役割と判断の順番を整理します。実務の操作・施工・点検は、現行法令、設計図書、銘板、当該型式のメーカー資料および所轄の指導を優先してください。
次は【実技(鑑別)②】ポンプ・配管部品|消防設備士甲2・乙2【過去問】へ進みましょう。