最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの消防設備士「過去問テスト」で確認できます。
消防設備士2類 過去問講義
このページの対象と到達目標
対象は、消防設備士甲種第2類・乙種第2類を学ぶ初学者です。フート弁、フローメーター、圧力計、連成計、管継手を、外形ではなく「どの流路の、何を守り、何を測る部品か」で見分けます。

- フート弁を、ポンプ吸水管の先端と水源の水位条件に結び付けて説明できる。
- フローメーターを、ポンプ性能試験配管で流量を確認する機器として識別できる。
- 圧力計と連成計を、吐出側・吸込側及び表示する圧力の範囲で区別できる。
- ソケット、ニップル、ユニオン、ブッシングを、接続の目的とガスケットの有無で読み分けられる。
- 型式固有の口径、許容圧力、取付姿勢、ねじ規格は、写真だけで決めず仕様書・設計図書で確認すべきと分かる。
鑑別は「流れの向き」を先に描く
ポンプ・配管部品を見分けるときは、名称を思い出す前に、まず水の流れを四段に分けます。
| 流れの段階 | 主な部品 | 最初に問うこと |
|---|---|---|
| 水源・吸水側 | フート弁、ろ過装置、吸水管、連成計 | 水を取り込み、逆流や空気混入をどう防ぐか。 |
| ポンプ | 加圧送水装置、呼水装置、起動装置 | 水を送れる状態になっているか。 |
| 吐出・試験側 | 圧力計、フローメーター、性能試験配管、逃し配管 | 圧力・流量・全揚程をどう確認するか。 |
| 配管接続 | ソケット、ニップル、ユニオン、ブッシング | 管を延長・接続・径変更・取り外しするための部品か。 |
吸水側と吐出側を取り違えると、フート弁と連成計、圧力計と連成計のいずれも誤ります。写真を見たら、接続口の形よりも、どちらが水源側で、どちらが加圧送水後かを先に確認します。
フート弁は吸水管の先端で考える
フート弁は、ポンプが水源から水を吸い上げる系統で用いる弁です。水源の水位がポンプより低い位置にある場合、吸水管の先端に設けます。水の逆流を防ぎ、呼水を保ち、再始動時に吸水できる状態を保つ役割と結び付けます。
現行の消防法施行規則を準用する泡消火設備の基準では、吸水管にろ過装置を設け、水源の水位がポンプより低い位置にある場合にはフート弁を、その他の場合には止水弁を設け、フート弁は容易に点検できるものとします。したがって、「ポンプがあるなら常にフート弁」と決めるのではなく、水位と吸水条件を確認します。
圧力計と連成計は、読む圧力の範囲が違う
圧力計は大気圧をゼロとして正圧を表示する計器で、ポンプ吐出側などの加圧された側を確認します。連成計は大気圧をゼロとして正圧と負圧を表示でき、ポンプ吸込側配管などで、吸い込み側の状態を確認します。
泡消火設備に準用される基準では、ポンプに吐出側の圧力計と吸込側の連成計を設けます。流量・圧力の値を読む場合は、MPa、kPa、L/min、m³/minの単位を値と一組で確認します。複数計器の表示値を比べる場合は、ゼロ点と単位をそろえ、丸め又は四捨五入は試験基準・設計図書の指示に従います。
フローメーターは性能試験の流量を読む
フローメーターは、ポンプ性能試験配管に設け、試験時の流量を確認する機器です。圧力計とは、測る対象が異なります。圧力が高いことだけで必要流量が出ているとはいえず、性能確認では流量と全揚程を対にして、設計図書・試験条件と照合します。
フロートの目盛りを読む型式であっても、取付方向、読取位置、流量範囲、流体、試験配管の構成は機種によって違います。見た目が縦長の計器だからといって、すべてを同じ読取位置・同じ単位・同じ精度で扱ってはいけません。
管継手は「固定」「取り外し」「径変更」を分ける
管継手は、ねじが見えるかどうかだけで名称を決めません。
| 継手 | 主な役割 | 鑑別の注意 |
|---|---|---|
| ソケット | 同じ呼び径の管を接続・延長する | 内ねじ・外ねじの組合せ、材質、使用圧力は型式で確認する。 |
| ニップル | 両端に外ねじを持つ短い接続部材として用いる | 管の間をつなぐ目的を読む。 |
| ユニオン | 配管の途中を取り外し・再接続しやすくする継手 | ガスケットを必要とする組合せを、実物の部品表で確認する。 |
| ブッシング | ねじ込み部の径を変える継手 | 縮径の向き・呼び径を外観だけで決めない。 |
JIS番号、ねじ規格、材質、許容圧力、シール材、締付けトルクは、規格本文・製造者資料・設計図書を確認できるまで一般化しません。
典型的なつまずき
| つまずき | なぜ誤るか | 立て直し方 |
|---|---|---|
| フート弁を吐出側の逆止弁と同じ場所に置く | どちらも逆流防止に見える | 水源→吸水管→ポンプ→吐出側の順に流れを描く。 |
| 圧力計と連成計を目盛りの数字だけで区別する | 正圧・負圧の意味と取付側を見ていない | 吐出側は圧力計、吸込側は連成計を基本にする。 |
| フローメーターで圧力を読む | 丸形計器と縦形計器の見た目だけで判断する | 何を測るかを「圧力」「流量」「水位」に分ける。 |
| ユニオンとニップルをねじの有無だけで判断する | 取り外しやすさ・接続目的を見ていない | 配管を外さずつなぐのか、途中を分離するのかを確認する。 |
過去問テスト
図解で確認した条件を、選択肢の言葉と対応させて判断しましょう。
問1 フート弁の取付場所
新規識別カードは、水源より上にあるポンプへつながる吸水管の先端に設ける弁を表す。この機器の名称と取付場所の組合せとして正しいものは次のうちどれか。
- フート弁/送水ポンプの吸水管の先端
- フート弁/送水ポンプの吐出管の先端
- 連成計/送水ポンプの吸水管の先端
- 圧力計/送水ポンプの吐出管の先端
問2 フローメーターの取付場所
新規識別カードは、流量を表示する縦形の計測部を、ポンプ性能を試験するための配管へ組み込んだものを表す。名称と取付場所の組合せとして正しいものは次のうちどれか。
- フローメーター/ポンプ性能試験配管
- フローメーター/泡消火薬剤貯蔵槽の内部
- 連成計/ポンプ性能試験配管
- 圧力計/ポンプ吸込管の先端
問3 圧力計と連成計
新規識別カードA・Bは、それぞれポンプ系統に用いる二つの計器を表す。Aは大気圧をゼロとして正圧を表示し、Bは大気圧をゼロとして正圧と負圧を表示する。名称と取付側の組合せとして正しいものは次のうちどれか。
- A:圧力計・ポンプ吐出側/B:連成計・ポンプ吸込側
- A:連成計・ポンプ吐出側/B:圧力計・ポンプ吸込側
- A:フローメーター・ポンプ吐出側/B:圧力計・ポンプ吸込側
- A:圧力計・ポンプ吸込側/B:フローメーター・ポンプ性能試験配管
問4 管継手とガスケット
新規識別カードA〜Dは、管を接続する部品を表す。Aはソケット、Bはニップル、Cはユニオン、Dはブッシングである。ガスケットを必要とする部品として正しいものは次のうちどれか。
- C:ユニオン
- A:ソケット
- B:ニップル
- D:ブッシング
実務での確認メモ
| 確認場面 | 最初に見ること | 次に確認すること |
|---|---|---|
| 吸水側 | 水源水位、吸水管、ろ過装置、フート弁又は止水弁 | 呼水、空気混入、弁の作動、点検可能性 |
| ポンプ性能試験 | 試験配管、フローメーター、圧力計、連成計 | 流量・全揚程・計器指示・水源・弁の状態 |
| 配管接続 | 呼び径、接続方式、部品表示、シール部 | 材質、ねじ規格、耐圧、ガスケット、締付け条件 |
| 試験後 | 弁・配管・計器の通常状態、漏れ、復旧記録 | 二次災害防止、誤放射防止、監視状態への復帰 |
ポンプ・配管へ触れる作業では、設備の停止・隔離、残圧、電気的安全、排水先、薬剤・水の排出、復旧手順を確認します。このページの鑑別説明だけで、ねじ込み、分解、増締め、計器交換、弁操作を行いません。
まとめ
- フート弁は、水源水位がポンプより低い場合の吸水管先端に設ける。
- フローメーターは、ポンプ性能試験配管で流量を確認する。
- 圧力計は吐出側の正圧、連成計は吸込側の正圧・負圧を確認する。
- ソケット、ニップル、ユニオン、ブッシングは、接続・分離・径変更という目的で区別する。
- 型式固有の口径、ねじ、圧力範囲、部品配置は、仕様書・設計図書を最終確認する。
次は KAN-03「混合器・比例混合方式の鑑別」 で、水側・原液側・混合器の位置をたどり、方式名を判別します。
ここまでの順番を、問題を解く順番で繰り返すなら、消防設備士「過去問テスト」で時間を測って確認してください。
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの消防設備士「過去問テスト」で確認できます。
参考資料
- 消防法施行規則(e-Gov法令検索)
- 総務省消防庁:消防用設備等の点検基準・点検要領・点検票
- ヤマトプロテック:泡消火設備 製品概要(型式が特定できないため、個別機器の仕様・設定値は本ページで固定しません)
本文では、図解と選択肢の条件を使って、機器の役割と判断の順番を整理します。実務の操作・施工・点検は、現行法令、設計図書、銘板、当該型式のメーカー資料および所轄の指導を優先してください。
次は【実技(鑑別)③】混合器・比例混合方式|消防設備士甲2・乙2【過去問】へ進みましょう。