最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの消防設備士「過去問テスト」で確認できます。
消防設備士2類 過去問講義
このページの対象と到達目標
対象は、消防設備士甲種第2類・乙種第2類を学ぶ初学者です。一斉開放弁と泡消火設備の試験器具を、写真の輪郭で暗記するのではなく、何を起動し、何を測るかで見分けます。

- 一斉開放弁を、起動後に泡水溶液を放射側へ通す機器として説明できる。
- 減圧開放型と加圧開放型という名称を、公開しない断面図や外観に頼らず区別できる。
- 低発泡の発泡倍率・25%還元時間を測る器具と、泡ノズルの放水圧力を測る器具を、測定対象で区別できる。
- 実機の型式、設定圧力、弁の通常状態、器具の接続方法は、写真だけで断定せず設計図書・型式資料・点検要領で確認する必要があると分かる。
鑑別の順番は「起動」か「測定」か
泡消火設備の器具を見たら、名称より先に、次の二つの問いを置きます。
| 最初の問い | 見るべき働き | 代表例 |
|---|---|---|
| 火災時又は試験時に、放射側へ通水するか | 起動信号に応じて流路を開く | 一斉開放弁 |
| 試験時に、性能を数値又は時間で確かめるか | 圧力、発泡倍率、25%還元時間などを測る | 放水圧力測定器具、低発泡の測定器具 |
一斉開放弁は、火災感知用ヘッドや手動起動装置などの起動と関係し、一次側の泡水溶液を放射側へ流すための弁です。消防法施行規則の泡消火設備に関する基準では、一斉開放弁の二次側の金属製配管には防食処理を求めています。これは、名称を覚えるだけでなく、弁の一次側・二次側と放射側を取り違えないための手掛かりになります。
一斉開放弁は、内部形状ではなく「開く役割」を押さえる
鑑別問題では、減圧開放型と加圧開放型が対として問われることがあります。ここで重要なのは、特定メーカーの断面、シリンダー、配管接続、設定圧力を再現して覚えることではありません。どちらも泡消火設備で用いる一斉開放弁の型式名であり、起動後に放射側へ通水させる役割を持つことを先に押さえます。
減圧・加圧という語だけから、配管中の圧力値、弁の開閉方向、操作部の通常状態を一律に決めてはいけません。二次側圧力調整機能付きの型式もあり、構造、設定、点検手順は型式承認・製造者資料・設計図書で異なります。点検では、現行の点検基準・要領に従い、二次側止水弁、排水又は試験用の弁、手動式起動操作部などを現場の系統として確認します。泡水溶液の放出・回収が必要になる場合があるため、本文だけを根拠に弁を操作しません。
試験器具は「測る量」を声に出して区別する
試験器具の外観は似ていても、測定対象は異なります。
| 測定対象 | 確認するもの | 混同しない相手 |
|---|---|---|
| 泡ノズルの放水圧力 | ノズルの放水時の圧力 | 発泡倍率、25%還元時間 |
| 発泡倍率 | 泡の体積と泡水溶液量の比 | 泡の見た目の高さだけの比較 |
| 25%還元時間 | 泡が一定割合まで還元する時間 | 放水圧力 |
低発泡の測定器具は、発泡倍率及び25%還元時間の測定に用います。教材の設問では、器具Aをたん白泡消火薬剤及び合成界面活性剤泡消火薬剤に、器具Bを水成膜泡消火薬剤に用いるものとして区別しています。この対応は、問題の条件と正答で確認した内容です。試験器具の容量、採取量、容器形状、薬剤濃度、製品適合は、問題の図や写真から一般化しません。
泡ノズルの放水圧力を測る器具も、圧力を読むことが目的です。圧力の単位は MPa 又は kPa などで記録し、流量の L/min や m³/min、発泡倍率、時間と混ぜて判定しません。数値を計算又は比較する場合は単位をそろえ、丸め又は四捨五入は現行の試験基準・設計図書の指定に従います。
典型的なつまずき
| つまずき | なぜ誤るか | 立て直し方 |
|---|---|---|
| 一斉開放弁を単なる止水弁と考える | 起動から放射までの流れを見ていない | 感知又は手動起動→弁の開放→放射側への通水、の順にたどる。 |
| 減圧・加圧の名称だけで内部構造を断定する | 型式ごとの資料を確認していない | 型式名は識別し、設定圧力・弁状態・構造は設計図書へ戻る。 |
| 発泡倍率の器具で放水圧力を測ると考える | 「泡の試験」を一つの数値にまとめている | 圧力、流量、発泡倍率、25%還元時間を別の欄に書く。 |
| 写真が似た圧力計なら同じ目的と判断する | 接続先と測定目的を確認していない | 泡ノズルの放水圧力を測る器具か、別の試験用計器かを仕様書で確認する。 |
過去問テスト
次の3問は、学習用に整理したの問題鑑別問題を、既存の写真・断面図・器具図を掲載しない理解用の機能カードで学ぶ形式に整えたものです。カードは、流路、起動、圧力、泡、時間という機能だけを示し、実機の外形、断面、目盛り、部品配置、型式表示を再現しません。
問1 一斉開放弁の型式
理解用の機能カードA・Bは、いずれも泡消火設備で起動後に放射側へ通水させる一斉開放弁を表す。Aは減圧開放型、Bは加圧開放型として正しい組合せは次のうちどれか。
- A:減圧開放型/B:加圧開放型
- A:加圧開放型/B:減圧開放型
- A:湿式流水検知装置/B:減圧開放型
- A:加圧送水装置/B:手動起動装置
問2 低発泡の測定器具
理解用の機能カードA・Bは、低発泡の泡について発泡倍率及び25%還元時間を測る器具を表す。この問題の条件における使用区分として正しいものは次のうちどれか。
- A:たん白泡消火薬剤及び合成界面活性剤泡消火薬剤/B:水成膜泡消火薬剤
- A:水成膜泡消火薬剤/B:たん白泡消火薬剤及び合成界面活性剤泡消火薬剤
- A:泡ノズルの放水圧力/B:発泡倍率だけ
- A:高発泡用の放出口の個数/B:ポンプの全揚程
問3 泡ノズルの放水圧力を測る器具
理解用の機能カードA〜Dは、試験に用いる器具を表す。この問題で、泡ノズルの放水圧力を測定するものとして正しいのは次のうちどれか。
- B
- A
- C
- D
実務での確認メモ
| 場面 | 先に確認すること | このページだけで決めないこと |
|---|---|---|
| 一斉開放弁の点検前 | 対象区域、二次側、止水・排水又は試験用の弁、手動起動操作部、放出・回収計画 | 弁の通常開閉状態、設定圧力、操作順、作動試験の実施可否 |
| 一斉開放弁の点検後 | 漏れ、変形、腐食、端子、復旧状態、記録 | 復旧完了を目視だけで判断すること |
| 発泡倍率・25%還元時間 | 薬剤の種類、低発泡か、適用する測定方法、容器・採取条件 | 器具容量、薬剤濃度、製品別の適合 |
| 放水圧力 | 泡ノズル、接続先、圧力の単位、試験時の流量・系統条件 | 計器の測定範囲、校正、許容差、型式固有の接続方法 |
泡水溶液を伴う点検は、放出を最小化し、回収・処理・復旧を含む現場手順に従います。PFOS又はPFOAを含む可能性のある薬剤は、薬剤の管理情報、現行法令、所轄の指導を確認し、無断で放出・排出しません。
まとめ
- 一斉開放弁は、起動後に泡水溶液を放射側へ通す機器であり、減圧開放型・加圧開放型は型式名として識別する。
- 型式固有の内部構造、圧力、弁状態、接続方法は、外観や問題図から一般化しない。
- 低発泡の発泡倍率・25%還元時間と、泡ノズルの放水圧力は、別の測定対象である。
- 鑑別では、外観より「何を起動するか」「何を測るか」を先に確認する。
- 点検・放出・復旧は、現行の点検要領、設計図書、型式資料、現場手順を優先する。
次は SEI-01「系統図の読み方・機器記号」 で、起動・送水・放射の流れを新規の系統図記号として読み解きます。
ここまでの順番を、問題を解く順番で繰り返すなら、消防設備士「過去問テスト」で時間を測って確認してください。
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの消防設備士「過去問テスト」で確認できます。
参考資料
- 消防法施行規則(e-Gov法令検索)
- 総務省消防庁:消防用設備等の点検基準・点検要領・点検票
- ヤマトプロテック:泡消火設備 製品概要(型式が特定できないため、個別機器の仕様・設定値は本ページで固定しません)
本文では、図解と選択肢の条件を使って、機器の役割と判断の順番を整理します。実務の操作・施工・点検は、現行法令、設計図書、銘板、当該型式のメーカー資料および所轄の指導を優先してください。
次は【実技(製図)】系統図・配管・ヘッド数・放射区域|消防設備士甲2【過去問】へ進みましょう。