著者:青木俊輔(強欲な青木)/青木マーケ(株) 取締役 COO、(株)防災屋 代表取締役 社長、(一社)予防団 共同代表理事(本人確認 2026-10-19)
保有資格:消防設備士(甲種特類・甲種1〜5類・乙種6類・乙種7類)ほか
確認日:2026年10月21日
更新内容:初版
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この記事の結論
消防設備士の現場の技能には、統一された評価の基準がありません。資格や経験年数は腕を測る指標の一つですが、それだけでは現場での実力は見えにくい、と青木は書籍『消防設備士0類』に書いています(書籍 第3章。2023年執筆時の考え)。
基準がない中で腕を示すには、次の3つが手がかりになります。
- 現場の頭(責任者)として納めた現場と、その収益で示す
- 携わった仕事の実績を、外に出せる形でためておく
- 資格をそろえて、できる仕事の範囲をはっきりさせる
青木は今、3年くらいで、自動火災報知設備の新設工事や配管のやり替えを現場の頭として納め、収益を立てられるようになれば、一人前と言ってよいと考えています(本人回答、2026年10月)。
なぜ消防設備士の腕は見えにくいのか
書籍で青木は、次のように書いています(書籍 第3章)。
- 消防設備士のレベルは可視化しにくい。資格や経験年数は指標の一つだが、現場でのレベルは分かりにくい
- 誰もレベルを評価してくれない(はっきりした評価の基準がない)ので、他の人の欠点を言うことで自分が上だと示そうとする「ネガティブキャンペーン」が起こりやすい
- 一人前になった後に何を目指せば能力が上がるのか、どうすれば高い給料をもらえるのかの指標が、分かりやすい形でない
人の欠点を探す時間があるなら、その時間で自分の腕を見える形にした方が、ずっと早く評価につながると思います。
腕を示す方法①:現場の頭として納め、収益を立てる
書籍で青木は、いち早く現場の頭(リーダー)で仕事を納めるポジションにつくことをすすめています。現場は、お客様と話し合い、消防検査をきっちりクリアするために取りまとめる頭がサービスの核を担い、一番早く成長できるのもこの立場だ、という考えです(書籍 第4章)。
青木の今の一人前の目安も、「現場の頭として納め、収益を立てられるか」です(本人回答、2026年10月)。収益は、評価の基準がない業界でも、誰が見ても分かる物差しです。
自分が頭になった現場で、いくらの仕事を、何人で、何日で納めたかを記録しておくと、評価の場でも転職の場でも説明しやすくなります。
腕を示す方法②:実績をためて、外に見せる
書籍で青木は、営業力は「仕事の実績を積み重ねておくこと」で身に付けられると書いています。実績のない人には誰も仕事を頼まないので、携わった仕事を外に出せる形で「まとめてストック」しておくことをすすめています(書籍 第1章)。
青木は今も、自分の作業を棚卸しして、他の人でもできるマニュアルにして発信することをすすめています(本人回答、2026年10月)。お客様や建物が分かる情報は出さないようにしてください。発信の始め方は(消防設備士の情報発信|ブログ・SNSが仕事につながった経緯)で解説しています。
腕を示す方法③:資格で、できる仕事の範囲を示す
資格は、腕そのものではありませんが、できる仕事の範囲を示すものです。書籍では、活躍している消防設備士は実務で使う資格を入社1年以内にそろえている人が多い、と書いています(書籍 第4章)。資格手当で、給料にも反映されます。
業界に評価の物差しをつくる、という提案
書籍で青木は、他の業界のランク付けの例を挙げています。国の建築保全業務の労務単価では、警備員の単価が技能や実務経験に応じた区分で分かれていること、建設コンサルタントの見積書では、担当する技能者のランクによって同じサービスでも値段が違うことです(書籍 第3章)。
そのうえで、消防設備士にも技能や経験による区分を作れれば、同じ消防設備士でもレベルによって出せる価値が違うことをお客様に分かってもらえる、と提案しています。前の職場の社長に相談したときは「誰がやっても同じ成果の前提の仕事だから合わないのでは」と言われ、点検は難しいとしつつも、工事は上手い下手がはっきりあるので分けてもよいのではないか、と書いています。
評価の物差しは、誰かが作ってくれるのを待つものではありません。自分の会社やチームから、技能ごとの役割と単価を言葉にしていくことが、業界の物差しにつながると思います。
評価されない職場にいるとき
書籍で青木は、社内で他の人を下げる言動の標的になってしまったら、その職場での人間関係を立て直すのはほぼ不可能なので、外に出ることを考えた方がよい、と書いています。そのうえで、標的になることを恐れて自分を殺すより、挑戦して実力をつけ、その結果標的になったら次のステージへキャリアアップしていくのがいい、という考えです(書籍 第3章)。
正しく評価してくれる場所を選ぶことも、自分の腕を示す方法の一つです。
会社の見極め方は(消防設備会社の選び方|求人票では分からない見極めの観点)をご覧ください。
次に読む
評価の基準がないことが職場の空気にどう影響するか、業界に技能の区分をつくる提案は、書籍『消防設備士0類』の第3章「ネガティブキャンペーン祭り」「すぐに業界内でのキャリアが頭打ちになる」で詳しく書いています。本は2023年に書いたもので、統計の数字や著者の肩書きなど現在と違う点があります(紹介ページ)。
参考文献
- 青木俊輔『消防設備士0類 〜消防設備士をする前に読む本〜』改訂版、電子書籍(Amazon Kindle)、本文2023年。第1章08、第3章06・07、第4章02・03。確認日:2026年10月21日
- 青木俊輔 本人回答(2026年10月19日・21日、チャット。A10、Q31)