これから消防設備士の試験を受ける方、既に消防設備士の免状を取得して業務に従事されている方も今一度、確認しておきましょう!
リサイクルシールとは
リサイクルシールとは、リサイクルが義務付けられている消火器を廃棄処理するために必要なシールのこと。
消火器は「普通に捨てられない」もので、リサイクルの代金を納める為の “リサイクルシール” ってのが貼らないと処分できません。
消火器の廃棄処理
消火器本体内の薬剤の処理に関してはリサイクル業者の範疇である為、実際は特に意識する必要はありません。
放射確認試験で放射袋(少し厚めの長いビニール袋)内に放出した粉末消火薬剤はブリキ缶に入れて、リサイクルシールを貼って業者に依頼します。
加圧用ガス容器を単体で廃棄するには専門業者に依頼する以外は「ガスを排圧してから廃棄すること」となっています。
化学泡消火器の廃棄処理
化学泡消火薬剤は、A剤・B剤を別々に水道水で希釈して下水に流します。
他の水系消火薬剤も希釈して下水に流しますが、PFOSが含まれる薬剤は下水に流してはいけません。
PFOSとは
PFOSとは1940年代にアメリカで開発された界面活性剤で、有機フッ素化合物の一種であるペルフルオロオクタンスルホン酸酸(PerFluoroOctaneSulfonic acid)のことです。
環境中でほとんど分解されないことや、体内へ蓄積されることで悪影響が懸念(人の健康への影響についてはまだ研究段階)されるため、ストックホルム条約で製造や使用が国際的に制限されています。(※現在、PFOSの消火器は生産されていません。)
それでは以下の消火器の「廃棄処理」に関する消防設備士試験の過去問にチャレンジして、これまでの内容が頭に入っているかを確認しましょう!
消防設備士試験の過去問(点検・整備)
消火器または消火薬剤の廃棄処理について、誤っているものは次のうちどれか。
- 粉末消火薬剤を、袋詰めにしてから缶に収めて処理した。
- 高圧ガス保安法の適用を受ける加圧用ガス容器を、高圧ガス容器専門業者等に依頼して処理した。
- 高圧ガス保安法の適用を受けない加圧用ガス容器を、本体容器から分離して排圧処理するか、または高圧ガス容器専門業者等に依頼して処理した。
- 化学泡消火薬剤を、内筒薬剤と外筒薬剤を混合させて多量の水で希釈して処理した。
廃消火器の処理の方法について、正しいものは次のうちどれか。
- 廃消火器、廃消火薬剤の収集、運搬、処理は必ず廃棄物の処理等の許可を受けた業者に依頼する。
- 廃消火器を分解し、市町村の指定する分別方法に基づき分別し、一般ごみとして処分した。
- ABC粉末消火薬剤は肥料の原料となる物質が含まれているので、資源の有効利用のため農家に無償で譲渡した。
- 粉末消火薬剤を飛散しないように袋に入れてから、ブリキ缶に入れ蓋をし、市町村の指定する埋立地で処分した。
二酸化炭素消火器について、誤っているものは次のうちどれか。
- 消火薬剤として液化炭酸が充てんされており、液化炭酸の蒸気圧による蓄圧式で、指示圧力計が取り付けられている。
- 使用温度範囲は−30〜+40℃である。
- 放射の際、ホーン部で気化冷却するため凍傷防止のため、ホーンの直近に断熱材で成形されたホーン握りが付いている。
- 本体容器は高圧ガス保安法に定める高圧ガス容器で安全弁付きで、消火薬剤の充てん比は1.5以上である。
消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストです。
ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。
上記以外に新傾向問題の情報など提供あり次第、解説を毎年追記して更新しています。これから消防設備士の試験を受けられる方は是非ご覧下さい。