強欲な青木
梁(はり)については建設業界いたら必修ですし、曲げモーメントなんて日常生活でも考え方としては使うレベルで大事!
消防設備士の試験を通して「梁」や「力のモーメント」等の教養の部分を学べるってハッピーな話ですよね‥まさにハッピーセットや!
管理人
このブログを見たら消防設備士試験の「梁(はり)の種類と曲げモーメント」に関する問題が得点源となるはず!
形鋼(H形鋼)
形鋼とは、あらかじめH形・L形などの一定の断面形状に成形された材軸方向に長い鋼材の総称です。
強欲な青木
我々消防設備士としてはH形鋼やとクリップで配線止めたり、H形鋼の上に電線走らせたりできるので便利ですよね。
もし同じ断面強度の梁(はり)でH形鋼じゃない場合、例えば長方形とかやったら重たいし電線も敷設しにくいし‥!
管理人
力のモーメント
力のモーメントとは、点Oを支点として、そこから距離L〔m〕の箇所で部材に力F〔N〕を加えた時の回転運動量をいいます。
強欲な青木
例えばボクシングのパンチも、あれ先端が一番モーメント大きいから威力高いって話。
何か「はじめの一歩」で、そんなシーンあったな‥アゴにパンチの先端かすった方が強くて勝ったみたいな。
管理人
曲げ応力
曲げ応力とは、中立面を挟んだ圧縮側の圧縮応力・引張側の引張応力の総称です。
参考応力とは?【意味、単位、種類を分かりやすく解説】
強欲な青木
最大曲げ応力の式だけは暗記しとこ‥だから逆に出てくれ!
これ見た後、消防設備士の試験に出たら超ラッキーのサービス問題になりますな。
管理人
【過去問】梁(はり)の種類と曲げモーメント
下図の様な「はり」の断面のうち、上下の曲げ作用に対して、最も強い形状のものは次のうちどれか。(乙6京都)
+ 解答・よく分かる解説
4
4は「H鋼」なる典型的な「はり」に使われる形状です。
その理由は断面性能が高い割に軽い(≒原料である鉄鋼などを減らせる為、安い。)からです。
上記の問いでは「H鋼だから4!」だけ分かっているかどうか確かめるのが出題者の意図でしょうが、ここでは少しだけ踏み込んで解説しましょう。
「はり」の曲げ作用に対する強さを断面係数(Z)といい、曲げモーメントに対するはり部材の変形のしにくさを断面二次モーメント(m⁴)といいます。
断面係数(Z)が大きいほど、曲げ応力は小さくなる(≒ 曲げ作用に対して強い)形状となります。
断面係数(Z)および断面二次モーメント(m⁴)の両者ともに「はり」の断面形状によって以下の公式が成り立ち、数値が決定します。
参考断面二次モーメント・断面係数の計算 田口技術士事務所
ここで仮に断面積を一律3600m㎡として各公式に代入してみます。寸法は適当に以下の通り振り分けました。
計算結果は以下の通りです。
- 長方形はり断面係数(Z)≒54000m㎥
- 正方形はり断面係数(Z)≒36000m㎥
- 円形はり断面係数(Z)≒30476m㎥
- H鋼はり断面係数(Z)≒137987m㎥
よってH鋼が2位の長方形はり断面に2倍以上の差をつけ、圧倒的に上下の曲げ作用に強い形状であると導けます。
参考【過去問】消防設備士乙種5類@2022/02/13千葉【令和4年】
下図のような2箇所に集中荷重が働く両端支持ばりの反力はRAとRBの値で正しいものは次のうちどれか。ただし、はりの自重は考えないものとする。(乙1大阪)
※うでの長さ単位:㎜
- RA=100N、RB=200N
- RA=200N、RB=300N
- RA=100N、RB=300N
- RA=200N、RB=200N
+ 解答・よく分かる解説
1
力のモーメントのつり合いを考える。
まずRBを点Oとした場合、右回り(上方向)の力のモーメントはRA×0.5mで、これと左回り(下方向)の力のモーメントの合計がつり合っている。
左回り(下方向)の力のモーメントの合計は100N × 0.3m=30N・m、200N× 0.1m=20N・m
30N・m+20N・m=50N・m
0.5RA=50N・m
RA=100N・m
次にRAを点Oとした場合の左回り(上方向)力のモーメントはRB×0.5mで、これと右回り(下方向)力のモーメントの合計がつり合っている。
なので100N × 0.2m=20N・m、200N× 0.4m=80N・m
20N・m+80N・m=100N・m
0.5RB=100N・m
RB=200N・m
よってRA=100N・m、RB=200N・mと求められる。
強欲な青木
右回りのモーメントと左回りのモーメントの「つり合い」を考えるのがコツですね。
バットでバコーン特大ホームラン打ったら、その分どっかに同じ衝撃かかってるって話。
管理人
下図のような2箇所に集中荷重が働く両端支持ばりの反力RAとRBの値で正しいものは次のうちどれか。(甲5奈良)
※うでの長さ単位:㎜
- RA=100N、RB=200N
- RA=200N、RB=300N
- RA=100N、RB=300N
- RA=200N、RB=200N
+ 解答・よく分かる解説
2
力のモーメントのつり合いを考える。
まずRbを点Oとした場合、右回り(上方向)の力のモーメントはRa×8mで、これと左回り(下方向)の力のモーメントの合計がつり合っている。
左回り(下方向)の力のモーメントの合計は100N × 6m=600N・m、200N× 4m=800N・m
600N・m+800N・m=1000N・m
8Ra=1400N・m
Ra=175N・m
次にRaを点Oとした場合の左回り(上方向)力のモーメントはRb×8mで、これと右回り(下方向)力のモーメントの合計がつり合っている。
なので100N × 2m=200N・m、200N×4m=800N・m
200N・m+800N・m=1000N・m
8Rb=1000N・m
Rb=125N・m
よってRa=175N・m、Rb=125N・mと求められる。
3×10⁶N・mmの曲げモーメントを受けているはりの断面係数が6×10⁴m㎥の場合、曲げ応力として、正しいものは次のうちどれか。(乙6大阪)
- 0.02M㎩
- 0.04M㎩
- 50M㎩
- 100M㎩
+ 解答・よく分かる解説
3
最大曲げ応力の公式σ=M /Z に設問の値を代入する。
よってσ=3×10⁶〔N・mm 〕÷6×10⁴〔m㎥〕
σ=50〔N・m㎡〕
これだけでも正解が3だと分かるが、単位を変換して設問のMPaにする。
1Pa=1N/㎡および1MPa=1×10⁶Paなので
50〔N・m㎡〕=50×10⁶〔N/㎡〕=50〔MPa〕
強欲な青木
だいたい圧力ってメガパスカルで表すこと多いから、MPaがN・m㎡って一生暗記しとくのもアリ。
11×11が121で12×12が144‥みたいな感じで暗記しといたら楽ですよね。
管理人
機械に関する基礎的知識の過去問
解説まとめページご活用下さい
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参考【消防設備士】基礎的知識(機械)の過去問まとめ【解答・解説つき】
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強欲な青木
もし、まだ自信がないのであれば繰り返し
「過去問テスト」等を使って類題を解くことをオススメします!
管理人
消防設備士「過去問テスト」は、その名の通り“過去に出た問題” のテストです。
ブログでお馴染みの管理人が過去問に関する情報収集を積み重ね、その中からピックアップして過去問ベースの模擬試験を作成したものです。
上記以外に新傾向問題の情報など提供あり次第、随時追記して解説を更新していきます。