このブログを見たら消防設備士試験の「熱処理」に関する問題が得点源にできますよ!
熱処理とは
炭素鋼(鉄に炭素が含有したもの)の熱処理については消防設備士試験にも出題されています。
炭素鋼の結晶状態図
鉄に含有する炭素の量と、温度によって炭素鋼の結晶状態は様々に変化します。
参考破損防止のための金属疲労の基礎知識と疲労強度設計への応用
もうマヂ無理ぃ‥。
炭素鋼の結晶構造
鉄は体心立方格子(bcc)の状態を取りますが、加熱してオーステナイトになると結晶構造が少し密な面心立方格子(fcc)に変化します。
参考熱処理の基礎知識
マルテンサイト変態
面心立方格子(fcc)のオーステナイトを冷却すると体心立方格子(bcc)に戻るわけですが、急冷すると面心立方格子(bcc)の炭素原子が残ってしまいます。
「焼入れ」と「焼戻し」
オーステナイトを急冷し、マルテンサイト変態させることによって炭素鋼を硬くする熱処理を「焼入れ」といいます。
つまり「焼入れ」と「焼戻し」はセットとなる熱処理です。
「焼なまし」と「焼ならし」
「焼なまし」および「焼ならし」は炭素鋼の加工硬化や加工時に発生した内部ひずみを除去するために行う熱処理です。
加工硬化とは
金属に応力を加えて塑性変形(永続的な変形)させたときに金属が硬くなる現象のこと
例えば消火器の容器は金属を圧延して製作されますが、その際に金属の形を無理やり変えているので加工硬化したり内部ひずみが生じたりします。
「焼なまし」と「焼ならし」は、よく似た目的(内部ひずみ等の除去)で行われる熱処理です。
【過去問】
炭素鋼の熱処理について、誤っているものは次のうちどれか。(乙6京都)
- 焼入れとは、高温に加熱して急冷することをいう
- 焼戻しとは、一度焼入れしたものを焼入れ温度以上の高温に加熱した後、急冷することをいう。
- 焼なましとは、高温に加熱してから炉中、空気中および灰の中などで徐冷することをいう。
- 焼ならしとは、低温で圧延などの加工を受けた鋼の内部のひずみの除去、材料の軟化などの目的で焼入れ温度程度まで加熱した後、徐冷することをいう。
炭素鋼の焼入れについて、誤っているものは次のうちどれか。(乙6奈良)
- 焼入れは、材料のひずみを取り除くために行う。
- 焼入れは、材料をかたくするために行う。
- 焼入れは、高温に加熱しておいて急冷する操作をいう。
- 焼入れは、材料を強くするために行う。
炭素鋼の熱処理のうち焼入れについて、誤っているものは次のうちどれか。(甲1滋賀)
- 炭素鋼を硬化させ、強さを増大させる目的で適切な温度に加熱し、その温度に十分時間を保持したのちに急冷する操作をいう。
- 焼入れとは、マルテンサイトがオーステナイトという組織に変わることである。
- 焼入れによる欠陥として、焼割れ・焼入れ変形・焼むらなどがある。
- 同じ組成の鋼材を同じように焼入れしても、その材料の直径や厚さが異なれば冷却温度が異なり焼入れの程度が異なってくる。
機械に関する基礎的知識の過去問
解説まとめページご活用下さい
参考【消防設備士】基礎的知識(機械)の過去問まとめ【解答・解説つき】
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