消防設備士

消防設備士の合格後にやること|免状の申請と講習を受ける時期

消防設備士の合格後にやること

著者:青木俊輔(強欲な青木)/青木マーケ(株) 取締役 COO、(株)防災屋 代表取締役 社長、(一社)予防団 共同代表理事(本人確認 2026-10-19)
保有資格:消防設備士(甲種特類・甲種1〜5類・乙種6類・7類)ほか
確認日:2026年10月19日
更新内容:初版

この記事には広告(アフィリエイトリンク)を含みます。

この記事の結論

消防設備士試験に合格したら、まず受験した都道府県(窓口は一般財団法人消防試験研究センターの支部。東京都は中央試験センター)に、免状の交付を申請します。手数料は1種類につき2,900円です(消防試験研究センター「新規免状の交付」、2026年10月19日確認)。

免状が交付されたら、交付日以後の最初の4月1日から2年以内に、消防設備士の講習を受けなければなりません。その後は、講習を受けた日以後の最初の4月1日から5年以内ごとに受け続けます(消防法第17条の10、消防法施行規則第33条の17)。消防用設備の仕事をしているかどうかに関係なく、免状を持っている人はすべて対象です(総務省消防庁「消防設備士免状を所有されているすべての方へ」)。

このほか、免状の写真は10年ごとに書き換え、仕事をするときは免状を持ち歩きます。

合格から現場までの流れ

順番 やること 期限・目安 根拠
1 合格通知(免状交付申請書と一体)を保管する 捨てない 消防試験研究センター
2 受験した都道府県の支部に免状の交付を申請する 試験日から6か月以上たつと写真が必要 消防法施行令第36条の3、消防試験研究センター
3 免状が届いたら記載内容を確かめる 届いたとき 消防法施行令第36条の4
4 講習の時期を予定に入れる 交付日以後の最初の4月1日から2年以内 消防法施行規則第33条の17
5 仕事をするときは免状を持ち歩く 業務に従事するとき 消防法第17条の13
6 写真の書換え・講習を続ける 写真は10年、講習は5年以内ごと 消防法施行規則第33条の5、第33条の17
消防設備士試験に合格したあと、受験した都道府県に免状の交付を申請し(手数料2,900円/種類)、免状が届いた後の最初の4月1日から2年以内に1回目の講習、その後は5年以内ごとに講習を受け、写真は撮影から10年で書き換え、仕事をするときは免状を携帯する流れを示した図
強欲な青木
合格したら、次の日から現場で消防設備士として仕事できるん?
試験に通っただけでは免状はもらえません。受験した県の消防試験研究センターに、免状の交付を申請してくださいね。
消防設備士

免状の交付を申請する

申請先と手数料

免状は、消防設備士試験に合格した人に都道府県知事が交付します(消防法第17条の7)。申請書は、その試験を行った都道府県知事に出します(消防法施行令第36条の3)。実際の窓口は、受験した道府県の消防試験研究センターの支部(東京都は中央試験センター)です。

項目 内容
申請先 受験した道府県の消防試験研究センター支部(東京都は中央試験センター)
手数料 2,900円(1種類につき。複数の種類を申請するときは種類ごとに必要)
納付の方法 収入証紙、納付書など、都道府県によって違う

出典:一般財団法人消防試験研究センター「免状の交付・書換え等」「新規免状の交付」(2026年10月19日確認)

ほかの都道府県で取った免状を持っていても、新しく合格した試験の申請先は、その試験を受けた都道府県です(消防試験研究センター「よくある質問(免状の交付・書換え等)」Q4)。

必要なもの

消防試験研究センターの案内では、次のものが必要です(「新規免状の交付」、2026年10月19日確認)。

  • 免状交付申請書と試験結果通知書(切り離さない)
  • 試験日から6か月以上たって申請する場合は、写真1枚(縦4.5cm×横3.5cm、申請前6か月以内に撮影)
  • すでに消防設備士または危険物取扱者の免状を持っている人は、その免状
  • 郵送で受け取る場合は、送付用の封筒(切手を貼る)
  • 手数料を納めた証明

すでに免状を持っている人が別の類に合格すると、新しい免状に前の免状の内容も書き加えて交付されます(消防法施行規則第33条の4の2)。そのため、申請のときに今持っている免状を出します(同第33条の4)。申請中は手元に免状がなくなるので、後で書く講習の日程と重ならないように気をつけてください。

申請の期間を過ぎても合格が取り消されることはありませんが、交付まで時間がかかることがあるので、期間内に申請するよう案内されています(同「よくある質問」Q5)。

免状が届いたら確かめること

免状には、交付年月日と交付番号、氏名と生年月日、本籍地の都道府県、免状の種類、写真が載っています(消防法施行令第36条の4、消防法施行規則第33条の5)。

  • 氏名・生年月日・本籍地の都道府県に誤りがないか
  • 合格した種類(甲種・乙種、類)が正しく載っているか
  • 写真の撮影日から10年の期限(書換えの時期)
  • 講習を受ける期限(次の章)

講習はいつ受ける?

受ける時期

消防設備士は、都道府県知事などが行う講習を受けなければなりません(消防法第17条の10)。時期は次のとおりです(消防法施行規則第33条の17)。

  • 1回目:免状の交付を受けた日以後の、最初の4月1日から2年以内
  • 2回目以降:講習を受けた日以後の、最初の4月1日から5年以内ごと

例えば、2026年11月に免状が交付された場合、最初の4月1日は2027年4月1日なので、そこから2年以内に1回目の講習を受けます。期限の数え方に迷ったら、講習を行う都道府県の窓口で確かめてください。

消防庁は、消防用設備の点検や工事などの業務に就いているかどうかに関係なく、免状を持つ人は定期的に講習を受ける必要がある、と案内しています(総務省消防庁「消防設備士免状を所有されているすべての方へ」)。

講習の区分と受講料

講習は、免状の種類に応じて4つの区分に分かれています。東京消防庁の案内では、次のとおりです。

講習の区分 対象の免状
特殊消防用設備等 甲種特類
消火設備 甲種・乙種の第1類〜第3類
警報設備 甲種第4類、乙種第4類・第7類
避難設備・消火器 甲種第5類、乙種第5類・第6類

出典:東京消防庁「消防設備士講習」(2026年10月19日確認)

指定講習機関の講習の手数料は7,000円と定められています(消防法施行令第36条の8)。複数の区分の免状を持っている人は、区分ごとに講習を受けます。都道府県によっては、オンラインで受けられる講習もあります(消防試験研究センターの免状申請の案内にも、オンライン講習の受講証明書についての記載があります)。日程、申込み方法、一部の科目の免除の条件は、講習を行う都道府県の案内で確かめてください。

同じ区分の免状を後から取った場合の講習の周期や、科目の免除の考え方は「かしこく受けよう!消防設備士の義務講習」で解説しています。

受けないとどうなる?

講習を受けないことは、消防法令の違反になります。免状を交付した都道府県知事は、法令に違反した消防設備士に免状の返納を命じることができます(消防法第17条の7第2項で準用する第13条の2第5項)。

青木は2017年に書いたブログで、着工届などの届出書類にも講習の受講日を書く欄があり、消防設備士として仕事をするには講習を受けていることが欠かせない、と書いています。

強欲な青木
仕事で消防設備さわってへんのに、講習受けなあかんの!?
免状を持っているなら対象です。届出の書類にも講習の受講日を書く欄があるので、消防設備士として仕事をするなら、講習を受けていることは欠かせません。
消防設備士

講習の当日に気をつけること(青木の経験)

青木は2017年のブログで、講習を受けたときの経験を書いています(当時の内容で、現在の運用は講習を行う機関で確かめてください)。

  • 講習の当日は免状を持っていく。青木は別の類の免状を申請中で手元になく、後日、別の場所へ修了の証明を受けに行くことになった
  • 受講票にスタンプを押してもらい、それが出席の証明になった
  • 午前は法令、午後は工事・整備の内容で、最後に理解を確かめるプリント(効果測定)があった
強欲な青木
講習の日に免状を忘れたら、どうなるん…?
私は別の類の免状を申請中で、手元になかったんです。受付で気づいて、後日わざわざ別の場所まで修了の証明を受けに行くことになりました。試験に受かって免状を申請している最中に講習がある人は、本当に注意してください。
消防設備士
強欲な青木
講習って、1日座って聞いとったら終わり?
最後に効果測定のプリントがあるので、「午後のスタンプをもらったら帰る」みたいなことはできないんですよ(笑)
消防設備士

写真の書換え・記載事項の書換え・再交付

手続き どんなとき 手数料 申請先
写真の書換え 写真の撮影から10年たつ前 1,600円 居住地・勤務地・交付を受けた道府県の支部
本籍等の書換え 氏名・本籍などが変わったとき(住所の変更、同じ都道府県内の本籍の変更は不要) 700円 同上
再交付 なくした、汚した、破れたとき 1,900円 交付または書換えをした道府県の支部

出典:一般財団法人消防試験研究センター「免状の交付・書換え等」(2026年10月19日確認)、消防法施行令第36条の5・第36条の6、消防法施行規則第33条の5〜第33条の7

免状の写真は、過去10年以内に撮影したものと決まっています(消防法施行規則第33条の5第2項)。期限を過ぎても免状が失効するわけではありませんが、法令で定められているので、すぐに書換えを申請するよう案内されています(消防試験研究センター「よくある質問」Q10)。

なくした免状の再交付を受けたあとで、元の免状が見つかった場合は、10日以内に再交付をした都道府県知事に出します(消防法施行令第36条の6第2項)。

試験対策として書換え・再交付の申請先を覚えたい人は「消防設備士免状の書換えと再交付の申請先は?」、消防設備士の義務をまとめて確かめたい人は「消防設備士の義務4つ(講習受講と免状携帯)」をご覧ください。

仕事をするときは免状を持ち歩く

消防設備士は、業務に従事するときは免状を携帯しなければなりません(消防法第17条の13)。講習の当日に免状が必要になることもあるので、申請や書換えで免状を出している期間は、予定を確かめておきましょう。

免状を取っても、すぐに一人前ではない

免状は、仕事に入るための入口です。実際の建物では、設備の状態や建物の条件がそれぞれ違い、現場でしか覚えられないことがたくさんあります。

(株)防災屋では、免状のない新人には「補助」として、免状を持つ消防設備士の手元にぴったりついてペアで作業してもらっています(本人回答、2026年10月)。免状を取ったあとも、先輩と一緒に現場で経験を積む期間があります。新人が一人前になるまでの流れは(消防設備士の新人が一人前になるまで|覚える順番と、資格と実務の差)で解説しています。

合格したら、免状を申請したその日に、講習の期限を手帳やカレンダーに書き込んでください。そして、勢いがあるうちに次の類の試験を申し込むことをすすめます。

青木の考え:講習のこれから

青木は書籍で、消防設備士の講習がまだオンライン化されておらず、費用に見合う効果が低いことを、業界の課題の一つに挙げていました(書籍 終章。2023年執筆時の考え)。改訂版のあとがきでは、(一社)予防団を一般社団法人にした理由の一つとして、消防設備士の再講習などを行う講習機関になれることを挙げています(書籍 改訂版あとがき。2024年以降の加筆)。

どうせ受けなければならない講習なら、法令の改正や現場の注意点を持ち帰る時間にしてほしいと思います。

講習の実施方法は、都道府県ごとに変わってきています。オンラインで受けられるかどうかも含めて、受講する前に講習を行う機関の最新の案内を確かめてください。

合格後のチェックリスト

  1. 合格通知(免状交付申請書)を捨てずに保管する
  2. 受験した都道府県の支部に、免状の交付を申請する(手数料2,900円/種類)
  3. 免状が届いたら、氏名・種類・写真の期限を確かめる
  4. 講習の期限(交付日以後の最初の4月1日から2年以内)を予定に入れる
  5. 免状を申請・書換えで出している期間と、講習の日が重ならないようにする
  6. 仕事をするときは免状を持ち歩く
  7. 写真は10年、講習は5年以内ごとに更新する

次に読む

合格したあとの仕事の現実や、消防設備士として働き始めるときに気をつけることは、書籍『消防設備士0類』の第4章で書いています。本は2023年に書いたもので、免状の手続きや講習の制度は書籍には詳しく載っていません。手続きはこの記事と公式の案内で確かめてください(紹介ページ)。

参考文献

  • この記事を書いた人

aokimarke

平成元年生まれ
消防設備士12年目の経営者

【◎経 歴】
鈴鹿高専 ⇨ 静岡大学(3年次編入)⇨ 院 ⇨ 鈴与㈱ ⇨ 消防設備士など

【◎免 許】
消防設備士全類、危険物取扱者全類、第二種電気工事士、工事担任者(AI・DD総合種)、電験三種、予防技術検定(消防用設備等)など

【◎活 動】
月刊誌:電気と工事(オーム社)にてコラム執筆、消防設備士「過去問テスト」および予防技術検定「過去問テスト」の制作・販売、YouTubeチャンネル「強欲な青木&消防設備士」の動画作成・編集、青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団など

-消防設備士