最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの消防設備士「過去問テスト」で毎年更新しています。
先に復習する基礎
水を送る仕組みを読むには、圧力・流量・材料の基礎が土台になります。式や単位を忘れているときは、先に機械基礎を復習してから戻りましょう。このページでは設備の構成と役割を扱い、基礎の計算は機械基礎の講義に分けます。
関連して読む:混合装置
混合装置は、水を送る経路の一部としてこの講義でも扱います。下の講義では、構造・機能(機械)として読む部分、すなわち水側・原液側・混合器の位置と流れを詳しく確認します。薬剤の適合や濃度の判定は、規格の講義と分けて読みましょう。
公式科目表で確認する出題範囲
このページは、甲種第2類・乙種第2類の「消防用設備等の構造・機能・工事・整備」のうち、機械を学ぶ入口です。消防試験研究センターの科目表では、機械の筆記問題数は、甲種第2類が10問、乙種第2類が8問です。水源・送水・混合・配管・放出口・起動制御を、名称の暗記ではなく、流れと役割で結び付けます。
問題数と科目の区分は、一般財団法人消防試験研究センター「試験科目及び問題数」で確認できます。
消防設備士2類 過去問講義

このページの対象と到達目標
対象は、消防設備士甲種第2類・乙種第2類を学ぶ初学者です。名称だけを丸暗記せず、泡水溶液がどこで作られ、どの弁を通り、どの放出口から放射されるかを役割で追えるようにします。
- 水源、加圧送水装置、混合装置、配管・弁、放出口、電源・制御の役割を順に説明できる。
- 水と泡消火薬剤原液を、泡水溶液と混同しない。
- 起動の信号の流れと、泡水溶液の流れを別の線として読める。
- 固定式と移動式を、「何が移動できるか」で整理できる。
- 問題の数値を使うときは、用途・単位・丸めの指定を確認してから計算できる。
まずは二つの流れに分ける
泡消火設備は、一本の配管だけで理解しようとすると混乱します。次の二つを別々に追います。
| 流れ | 起点から終点 | 主な役割 | 読解の質問 |
|---|---|---|---|
| 泡水溶液の流れ | 水源 → 加圧送水 → 混合 → 弁・配管 → 放出口 | 必要な泡水溶液を防護対象へ届ける | 水はどこから来るか。原液はどこで混ざるか。どこから放射するか。 |
| 起動・制御の流れ | 感知・手動操作 → 制御 → 弁・ポンプ・表示 | 火災時又は試験時に、必要な機器を作動・監視する | 何が起動のきっかけか。どこで電気信号が機器の動作へ変わるか。 |
同じ「起動」という語でも、ポンプの起動、弁の開放、手動操作、感知信号は役割が違います。問題文では、どの流れについて聞かれているかを最初に確認します。
水源から放出口までの役割
1. 水源
水源は、消火に用いる水を確保する側です。水源の有効水量、取水条件、構造、他設備との関係は、設備の種類・防護対象・設計条件で変わります。水源があることと、直ちに必要な流量・圧力が得られることは別に確認します。
2. 加圧送水装置
加圧送水装置は、水を必要な状態で送る役割です。ポンプ、原動機、計器、配管、制御との関係を、吸込側と吐出側に分けて読みます。異音・発熱・漏水・計器指示などの確認は、個別の点検要領と機器仕様に従い、一般的な目視だけで適否を決めません。
3. 混合装置
混合装置は、水と泡消火薬剤原液を所定の濃度の泡水溶液にする役割です。水だけ、原液だけ、泡水溶液は別のものです。プレッシャー、ポンプ、プレッシャーサイド、ラインなどの混合方式は、原液側・水側・混合器の位置・圧力差に着目して区別します。方式名だけから配管の開閉状態や型式を決めません。
4. 弁・配管
配管は泡水溶液を送る経路、弁はその経路の開閉・流れの方向・流量調整などを担います。弁の名称が分かったら、次に「どの役割で使うか」を確認します。
| 弁の例 | 役割としての見方 | 注意 |
|---|---|---|
| 三方コック | 流路を切り替える | 実設備の接続方向は図面・仕様で確認する |
| 玉形弁 | 流量を調整する用途で考える | 全ての弁を同じ目的で置換しない |
| 逆止弁 | 流れを一方向に保つ | 取付方向と点検方法を確認する |
| 仕切弁 | 主に流路を開閉する | 圧力調整専用と一般化しない |
5. 放出口
放出口は、泡水溶液を放射し、用途に応じて泡を形成・分散する終端側の機器です。フォームヘッド、フォーム・ウォーター・スプリンクラーヘッド、高発泡用泡放出口、泡ノズルなどは、対象用途・発泡の仕方・放射の仕方で整理します。名称が似ていても、放射量、圧力、配置、発泡倍率、取付方向を同じ値で扱いません。
6. 電源・制御
電源・制御は、感知又は手動操作を受け、必要な機器を動かし、状態を表示・監視する側です。電源、制御盤、起動回路、感知・手動操作部、弁・ポンプは、同じ一つの機器ではありません。非常電源の種別、配線区分、常時の弁状態、起動条件は設備方式ごとに確認します。
固定式と移動式は「どこが動くか」で読む
移動式の泡消火設備は、全設備が移動するという意味ではありません。試験問題の整理では、泡を放射する部分、すなわちホース及びノズルが移動でき、その他が固定されているものとして理解します。対して固定式は、放出口や配管の位置をあらかじめ定めて防護対象へ放射する構成です。
用途、設置対象、必要な放射量・個数、試験方法は、固定式・移動式の別だけでは決まりません。防火対象物、危険物の性状、設置条件、現行の法令・告示・設計図書を重ねて確認します。
数値を使うときの手順
泡消火設備の問題には、流量 [L/min]、圧力 [MPa]、面積 [m²]、体積 [m³]、濃度 [%] などが現れます。型式固有値を暗記して別の条件へ流用しないため、次の順で確認します。
- 問われている用途・設備方式・薬剤の種類を確認する。
- 量と単位を表に書き、
L/minとL/s、m²とm³を混ぜない。 - 式の分母・分子が何を表すかを言葉で確認する。
- 途中で丸めず、最後に設問が指定する桁で丸める。
- 現場の性能判定では、現行の点検要領・設計図書・機器仕様の条件に戻る。
過去問テスト
次の問題は、学習用に整理しています。図版は学習の要点が分かる新規模式図で説明します。
問1 泡消火設備の構成機器
泡消火設備の構成機器のうち、必要としない装置は次のうちどれか。
- 泡放出口
- 一斉開放弁
- 泡消火薬剤攪拌装置
- 泡消火薬剤混合装置
問2 移動式の泡消火設備
移動式の泡消火設備に関する記述について、正しいものは次のうちどれか。
- 設備全体が移動できるものである。
- 泡搭載の化学車は移動式の泡消火設備である。
- 泡を放射する部分が移動でき、その他を固定方式としたものである。
- 泡の放射部分を固定し、その他を移動方式としたものである。
問3 弁の用途
弁の用途に関する記述について、誤っているものは次のうちどれか。
- 三方コックは、流水の方向を変える弁として適当である。
- 玉形弁は流量の調節をする弁として適当である。
- 逆止弁は流水の方向を一方向にする弁として適当である。
- 仕切弁は、圧力の調節をする弁として適当である。
実務での注意
- 原液・水・泡水溶液を混ぜない:混合の前後で液体の役割が変わります。試験・点検では採取箇所と判定方法も確認します。
- 機器名から配管を想像しすぎない:同じ役割でも、方式や型式により配置・配管・弁状態は変わります。
- 一斉開放弁と仕切弁を同じように扱わない:起動に伴う通水と、保守上の開閉は機能と条件が異なります。
- 放出口の名前だけで性能値を決めない:発泡倍率、放射量、圧力、配置は用途・薬剤・型式・現行基準で確認します。
- 電源・制御を配管と同じ線で読まない:泡水溶液の経路と、起動・表示・監視の電気的経路を分けて追います。
点検・施工・改修では、消防庁が公開する泡消火設備の点検基準・点検要領、現行法令、設計図書、機器の取扱説明書を確認し、異常や不明点は責任者・有資格者の手順に従います。
まとめ
- 泡水溶液の流れは、水源 → 加圧送水 → 混合 → 弁・配管 → 放出口。
- 起動・制御の流れは、感知・手動操作 → 制御 → 弁・ポンプ・表示。
- 混合装置は水と原液を泡水溶液にする。方式ごとの配管状態は固定しない。
- 弁は、流路切替・調節・逆流防止・開閉という役割で読む。
- 数値は用途・単位・条件を確認し、最後に丸める。
ここまでの流れを、問題を解く順番で繰り返すなら、消防設備士「過去問テスト」で時間を測って確認してください。
最新ver.の過去問情報は、青木マーケ(株)noteの消防設備士「過去問テスト」で毎年更新しています。
参考資料
本文の数値・方式は、基礎モデル又は問題条件として説明しています。実務では最新の法令、設計図書、機器仕様、認定表示および所轄の指導を確認してください。