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消防設備士の足切りとは?科目ごとの最低ラインと、苦手科目を作らない配分

消防設備士の足切りとは?

著者:青木俊輔(強欲な青木)/青木マーケ(株) 取締役 COO、(株)防災屋 代表取締役 社長、(一社)予防団 共同代表理事
保有資格:消防設備士 全類
確認日:2026年10月19日(合格基準・問題数は消防試験研究センターの公式サイトで確認)
更新内容:初版

この記事の結論

消防設備士試験の「足切り」とは、筆記の各科目で40%未満の科目が1つでもあると、全体で60%以上取れていても不合格になる基準のことです。公式の合格基準は「筆記試験において、各科目毎に40%以上で全体の出題数の60%以上、かつ、実技試験において60%以上」です(消防試験研究センター「試験の方法」)。

問題数に直すと、乙種(筆記30問)は法令4問・基礎的知識2問・構造機能6問以上、甲種(特類以外、筆記45問)は法令6問・基礎的知識4問・構造機能8問以上が最低ラインです。そのうえで全体18問(乙種)・27問(甲種)以上と、実技60%以上が必要です。苦手科目は「捨てる」のではなく、最低ラインに確実に届かせてから得意科目で上積みするのが安全です。

合格基準(公式)

区分 筆記 実技
甲種特類 各科目40%以上、かつ全体の60%以上 なし
特類以外(甲種1〜5類、乙種1〜7類) 各科目40%以上、かつ全体の60%以上 60%以上

試験の一部が免除される場合は、免除を受けた以外の問題で上の成績を満たせば合格です(消防試験研究センター「試験の方法」、2026-10-19確認)。

科目ごとの最低ライン早見表

問題数は消防試験研究センター「試験科目及び問題数」(2026-10-19確認)。最低ラインはその40%を、全体の合格ラインは60%を問題数に直したものです(編集部で計算)。

乙種(筆記30問)

科目 問題数 足切りライン(40%)
消防関係法令(共通6・類別4) 10 4問
基礎的知識 5 2問
消防用設備等の構造・機能・整備 15 6問
筆記全体 30 18問(60%)
実技(鑑別等) 5 60%以上

甲種1〜5類(筆記45問)

科目 問題数 足切りライン(40%)
消防関係法令(共通8・類別7) 15 6問
基礎的知識 10 4問
消防用設備等の構造・機能・工事・整備 20 8問
筆記全体 45 27問(60%)
実技(鑑別等5・製図2) 7 60%以上

甲種特類(45問)は、工事整備対象設備等の構造・機能・工事・設備15問、火災及び防火15問、消防関係法令15問で、各科目6問以上、全体27問以上です。

基礎的知識の中身は類で違います(甲種1〜3類は機械6・電気4、4類は電気10、5類は機械10。乙種1〜3類は機械3・電気2、4類と7類は電気5、5類と6類は機械5)。

「全体で60%」は問題数で数える

消防試験研究センターのFAQでは、科目ごとの正答率を平均して60%になっても、総解答数に対する正解数で判定するため不合格になる例が示されています。科目免除で甲種1類を受けた例で、法令7問中7問、基礎的知識10問中4問、構造・機能20問中8問だと、科目ごとの正答率の平均は60%ですが、37問中19問で51.35%となり不合格です(消防試験研究センター「よくある質問」Q32)。

問題数の多い構造・機能の出来が、全体の合否を大きく動かします。

足切りを避ける配分

強欲な青木
法令とか構造機能はできたっぽいし、筆記は大丈夫でしょ?
そう思って本番に挑んで、やらかす人がいるんですよ。法令とかわかったし筆記も行けたんじゃないかと思っていたら、筆記で足切り。筆記は行けてたけど実技で不合格、っていうこともあるテストなんです。自分が受かるのか落ちるのかを事前に知っておくのは大事です。
消防設備士

苦手科目の底上げは、次の順番で考えると無駄が出にくくなります。

  1. 問題数の少ない科目ほど、1問の重みが大きい。乙種の基礎的知識は5問中2問が足切りラインなので、4問落とすとほかの科目が満点でも不合格です
  2. 苦手科目は「最低ライン+1問」を目標にする。本番で1問の読み違いがあっても足切りにならない余裕を持たせる
  3. 全体の60%は、問題数の多い構造・機能で稼ぐ
  4. 実技は筆記と別に60%が必要。筆記の点数で穴埋めはできない

「この科目は捨てる」と決めた瞬間に、合格は運任せになります。消防設備士試験に捨てていい科目はない、というのが私の考えです。

強欲な青木
機械の計算がどうしても苦手で……。捨てちゃダメ?
機械は最低限やっておきたいところです。安全率なんかはめちゃくちゃ出るので、ここでミスしているのは勉強不足と言っているようなものなんです。
消防設備士

計算問題をどこまで押さえるかは「消防設備士の計算問題は捨てていい?」の記事で、問題数と足切りラインから整理しています。(消防設備士の計算問題は捨てていい?足切りラインから見た最低限と、出やすい公式)

実技(鑑別)は5問で60%が必要で、筆記とは別に足切りがかかります。鑑別の勉強法は「消防設備士の鑑別の勉強法|5問で6割の重みと、写真問題の覚え方」の記事で書いています。

本番前に科目ごとの点数を確かめる

科目ごとの出来は、本番と同じ問題数で解かないと分かりません。

足切りは、事前に分かっていれば防げる不合格です。本番前に一度、本番と同じ時間と問題数で解いて、科目ごとの点数を出しておいてください。類別の過去問まとめで科目ごとに解き、試験前に「過去問テスト」で科目別と全体の点数を確かめてください。

参考文献

最終確認日:2026年10月19日

  • この記事を書いた人

aokimarke

平成元年生まれ
消防設備士12年目の経営者

【◎経 歴】
鈴鹿高専 ⇨ 静岡大学(3年次編入)⇨ 院 ⇨ 鈴与㈱ ⇨ 消防設備士など

【◎免 許】
消防設備士全類、危険物取扱者全類、第二種電気工事士、工事担任者(AI・DD総合種)、電験三種、予防技術検定(消防用設備等)など

【◎活 動】
月刊誌:電気と工事(オーム社)にてコラム執筆、消防設備士「過去問テスト」および予防技術検定「過去問テスト」の制作・販売、YouTubeチャンネル「強欲な青木&消防設備士」の動画作成・編集、青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団など

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