資格試験

【勉強法】資格試験は「読む」より「思い出す」で覚える|科学的に効果が高い覚え方を過去問演習に当てはめる

資格試験は「読む」より「思い出す」で覚える

著者:青木俊輔(強欲な青木)/青木マーケ(株) 取締役 COO、(株)防災屋 代表取締役 社長、(一社)予防団 共同代表理事
保有資格(記事に関係するもの):消防設備士 甲種特類・甲種1〜5類・乙種6・7類、危険物取扱者 甲種・乙種1〜6類・丙種
確認日:2026年10月19日
更新内容:初版

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この記事の結論

資格試験の暗記を効率よく進めたいなら、テキストを読み返す時間を減らして、「何も見ずに思い出す」時間を増やしてください。そして、その思い出す練習を1回で終わらせず、日をあけて何度か繰り返してください。

学習法の研究をまとめた代表的な総説(Dunloskyら、2013年)は、10種類の勉強法のうち「練習テスト(思い出す練習)」と「分散学習(間隔をあけた復習)」の2つだけを、効果が高いと評価しています。反対に、テキストの読み返しやマーカー引きは、効果が低いと評価されています。

消防設備士や危険物取扱者のように、過去に出た問題と似た問題が出やすい試験では、過去問を解くことがそのまま「思い出す練習」になります。ただし、条件があります。答えの番号を覚えてしまった問題を何周しても、思い出す練習にはなりにくいということです。この記事では、その落とし穴も含めて、過去問演習に研究の知見を当てはめる方法を説明します。

参考にした動画

この記事は、米国内科専門医の安川康介さんがYouTubeで公開している動画を参考にしています。

  • 安川康介「最高の勉強法・効率的な覚え方【科学的根拠のある効果的な学習方法について医者が解説】」(米国内科専門医 安川康介の医学チャンネル、2023年5月13日公開)https://www.youtube.com/watch?v=DDGVsAWgdYc

動画では、読み返しやハイライトの効果が低いこと、思い出す練習と間隔をあけた反復の効果が高いこと、覚えにくいものをイメージに変える記憶術が、研究を紹介しながら説明されています。研究の全体像を知りたい方は、ぜひ動画もご覧ください。

この記事では、動画が紹介している研究の原著を確認し、研究の対象と条件を書き添えたうえで、消防設備士・危険物などの資格試験と過去問演習にどう使うかを、私の経験と意見を交えてまとめています。

「テキストを読んだのに解けない」が起きる理由

勉強した直後は「分かった」と感じるのに、問題を解くと手が止まる。資格試験の勉強では、よくあることです。

私は『消防設備士0類』(Amazon電子版 https://amzn.to/49YGHP1 )という本の中で、消防設備士試験に何度も落ちる人の共通点として「アウトプット不足」を挙げました。参考書を一通り読んで満足し、その状態で本試験に挑んでしまう。バスケットボールにたとえると、ドリブルとシュートの練習だけして試合に出て、ディフェンスがいたら何もできないと試合中に気づくようなものだ、という話です(『消防設備士0類』第1章「消防設備士とは」の「消防設備士試験の秘密」)。

強欲な青木
テキストは何回も読んだのに、問題になると全然分からないんです…
それ、インプットしかしていない状態で本番に挑んでるんです。ドリブルとシュートの練習だけして、試合に出るようなものですね。
消防設備士
強欲な青木
じゃあ、どうすればいいんですか?
インプットしたら、それで自分がどれくらいアウトプットできるかを把握する。勉強もスポーツも、基本はそこです。
消防設備士

この「読んだら分かった気になる」現象は、研究でも確かめられています。

Karpicke & Blunt(2011年、Science誌)の実験では、米国の大学生80人に理科の文章を学ばせ、①1回だけ読む、②4回続けて読む、③概念マップ(内容の関係を図にまとめる方法)を作る、④読んだ後に何も見ずに思い出して書き出す、の4つの方法を比べました。1週間後のテストで最も成績がよかったのは④の思い出す練習で、③の概念マップと比べても、得点の割合は0.67対0.45でした。文章の内容をそのまま問う問題だけでなく、考えて答える推論問題でも同じ傾向でした。ところが、学習直後に「1週間後にどれくらい覚えていると思うか」を本人に予想させると、④のグループは自分たちが最も覚えていないと予想していました。

そもそも、読み返しはとても人気のある勉強法です。米国の1つの大学で、実験に参加した大学生177人に、ふだんの勉強法を自由に書き出してもらった調査では、83.6%が読み返しを挙げ、54.8%が一番よく使う方法に挙げました。自分でテストをする方法を挙げた学生は10.7%でした(Karpicke、Butler & Roediger、2009年)。学生本人の申告による調査で、入試の成績が高い大学の学生が対象です。

つまり、読み返しは「覚えた感じ」を強くするのに、実際の記憶はあまり強くしない。思い出す練習は「覚えていない感じ」がしてつらいのに、実際には記憶が残りやすい。勉強している本人の手応えと、本番での点数がずれやすいということです。

私の動画でも、試験前日に「過去問テスト」を解いてもらった受験者の方が、スマホアプリで勉強してきたのに、本番と同じ形式で解くと消防関係法令が3割しか取れなかった場面がありました(YouTube「【直前対策📚】消防設備士試験1発合格勉強法」2:02〜3:00)。本人は勉強したつもりでも、本番形式で思い出せるかどうかは、やってみるまで分からないのです。

読み返すと直後の手応えは高いが1週間後の記憶は低め、思い出す練習は直後の手応えは低いが1週間後の記憶は高め、というずれを左右に並べた概念図(Karpicke & Blunt 2011などの研究結果を単純化)

研究で効果が高いとされる勉強法は2つ

その1:思い出す練習(練習テスト・アクティブリコール)

思い出す練習とは、教材を閉じた状態で、覚えた内容を自分の頭から取り出す勉強です。研究では「練習テスト(practice testing)」「想起練習(retrieval practice)」、動画では「アクティブリコール」と呼ばれています。

代表的な研究を1つ紹介します。Roediger & Karpicke(2006年、Psychological Science誌)は、米国の大学生180人に短い説明文(太陽やラッコについての文章)を覚えさせ、「4回読む」グループと「1回読んで3回思い出して書く」グループなどを比べました。5分後のテストでは、4回読んだグループが83%、思い出す練習をしたグループが71%で、読み返したほうが成績がよかったのです。ところが1週間後のテストでは、思い出す練習をしたグループが61%、4回読んだグループが40%と、順位が逆転しました。4回読んだグループは、学習直後の自信も最も高いグループでした。

この結果は、試験勉強にとって大事なことを示しています。直前に読み返すと、その場では覚えている感じがします。しかし、試験日が数日から数週間先なら、思い出す練習をしたほうが記憶は残りやすいのです。

思い出す練習のやり方は、問題を解くことに限りません。

  • テキストを閉じて、覚えたことを白い紙に書き出す
  • 暗記カードの表を見て、裏の答えを言う
  • 声に出して、人に説明するつもりで話す
  • 通勤中に、昨日覚えた数字を頭の中で思い出す

どれも「見ないで出す」という点が共通しています。

この効果は、1つの実験だけで言われていることではありません。練習テストの研究をまとめた分析(Adesopeら、2017年)では、118本の論文の結果を統合し、読み返しなどと比べて練習テストのほうが成績がよいという結果が全体として示されています。実際の学校の授業で行われた研究だけをまとめた分析(Yangら、2021年)でも、小テストの効果は中程度の大きさで確認されています。

その2:間隔をあけた復習(分散学習)

もう1つは、同じ内容を一度にまとめて勉強するのではなく、日をあけて何回かに分けて勉強する方法です。研究では「分散学習(distributed practice)」「間隔効果(spacing effect)」と呼ばれます。

Bahrick(1979年)の研究では、大学生が英語とスペイン語の単語の組み合わせを、学習と再学習を繰り返して覚えました。再学習の間隔は、同じ日、1日あけ、30日あけ、の3条件です。間隔が短いほど早く覚えられましたが、短い間隔で覚えた人は、初めて30日あけて確認したときに大きく忘れていました。一方で、30日あけて学び続けた人は、回を重ねるとほとんど忘れなくなりました。

小学生を対象にした研究もあります。Sobel、Cepeda & Kapler(2011年)は、カナダの小学5年生39人になじみのない英単語を学ばせ、同じ日にまとめて学ぶ条件と、1週間あけて学ぶ条件を比べました。5週間後のテストでは、間隔をあけた条件のほうが成績がよくなりました。

一夜漬けで点が取れることはあります。ただ、それは「試験直後まで覚えていればよい」場合の話です。

正直に書くと、私自身、消防設備士の試験は「2週間前から1日2時間くらい勉強して、直前に一気に詰め込む」やり方でした(ブログ「徹底分析!消防設備士の試験に受からない人の特徴3つ【勉強方法】」2024年2月21日 https://aokimarke.com/setsubishi-ukaranai3/ )。私は工学系の出身で、消防設備の実務経験もあったので、勉強時間の目安表ではいちばん短い区分にあたり、2週間で足りたと考えています(YouTube「【⏰勉強時間】どのタイプ?国家資格「消防設備士」甲種と乙種の勉強時間【図解あり】」5:03〜5:50)。目安表では、未経験の方はその最大3倍の時間がかかるとしています。予備知識がない状態で同じように直前に詰め込もうとしても、量が多すぎて追いつかない可能性があります。

では、詰め込んだ知識はどうなったか。2026年10月時点の私の考えは、こうです。詰め込んだ知識は忘れます。けれど、実務で復習できるのは大きいと思っています。そして今受けるなら、もっと早く全類を取ろうとします。そのほうが効率がいいからです。

強欲な青木
直前に詰め込んで、忘れなかったんですか?
忘れます。(笑) けど、実務で復習できるのは大きいですね。今受けるなら、もっと早く全類を取りにいきます。
消防設備士

消防設備の仕事をしている方なら、仕事で同じ知識に何度も触れることが、研究でいう「日をあけて思い出す」機会にもなります。実務でその知識を使う機会がない方は、日をあけた復習を自分で計画に入れる必要があります(この段落は編集部の補足です)。

2つを組み合わせた「連続的再学習」

思い出す練習と間隔をあけた復習を組み合わせた方法は、研究で「連続的再学習(successive relearning)」と呼ばれています。

やり方は単純です。

  1. 最初の学習で、何も見ずに正解できるまで思い出す練習を繰り返す
  2. 数日あけて、もう一度思い出す練習をする。忘れていたら、正解できるまで繰り返す
  3. さらに日をあけて、同じことを繰り返す

Rawson、Dunlosky & Sciartelli(2013年、Educational Psychology Review誌)は、大学の心理学入門の授業を受けている学生を対象に、実際の授業の中でこの方法を試す2つの実験を行いました。その結果、連続的再学習で学んだ内容は、授業の試験の成績も、その後の長期的な記憶のテストの成績も、意味のある大きさで向上したと報告しています。

理想的な間隔は、研究でもまだ一つに決まっていません。Cepedaら(2008年)が1,350人以上を対象にインターネット上で行った大規模な実験では、覚えておきたい期間が長いほど、復習の最適な間隔も長くなる傾向が示されました。目安として、1週間後に思い出したい場合は、その期間の20〜40%(1〜3日ほど)、1年後に思い出したい場合は5〜10%(2〜5週間ほど)の間隔がよかったと報告されています。

資格試験に当てはめるなら、「試験日が先なら間隔は広めに、試験日が近づいたら間隔を詰める」と考えると分かりやすいです。

消防設備士・危険物の過去問で実行する手順

ここからは、研究の知見を、消防設備士や危険物取扱者の過去問演習に当てはめた手順です。研究そのものが資格試験で検証されたわけではないので、手順は私たちの提案として読んでください(研究の限界は後半で詳しく書きます)。

テキストを1回通読、過去問を見ないで解く、自信あり・迷った・間違いに仕分け、日をあけて迷った・間違いを理由を言いながら解き直す、本番形式で8割を確認、の5段を円で回し、解き直しから過去問へ「翌日・数日後・1週間後」に戻る流れを示した図

手順1:テキストを1回通読したら、すぐ問題に移る

最初からテキストを閉じて思い出すことはできません。1回目の通読は必要です。大事なのは、2回目、3回目の読み返しに時間を使う前に、問題を解き始めることです。

私は『消防設備士0類』で、一発合格の方法として「参考書2冊(テキストと問題集)を用意して丸暗記」を勧めています(第1章「消防設備士試験の秘密」)。丸暗記と聞くと抵抗がある方もいると思いますが、消防設備士の類題を解ける程度には、2冊分の情報が頭に入っていれば十分だという考えです。

研究の言葉に言い換えると、丸暗記の「やり方」が大事です。読み返して覚えるより、問題を解いて思い出しながら覚えるほうが、同じ時間で記憶に残りやすい、ということになります。

読み返して安心するより、問題を解いて「分からない」に早く出会うほうが、結局は近道だと思います。

手順2:間違えた問題だけでなく「迷った問題」にも印をつける

過去問を解いたら、答え合わせのときに問題を3つに分けます。

  • 自信を持って正解した
  • 正解したが、迷った(まぐれを含む)
  • 間違えた

迷った問題は、本番では間違える可能性があります。次の復習では、間違えた問題と迷った問題を優先して解き直します。

手順3:答えを覚えてしまった問題は「理由を言えるか」で確かめる

過去問を何周もしていると、問題文を見ただけで答えの番号を思い出せるようになります。これは「問題と番号の組み合わせ」を覚えた状態で、中身を思い出しているとは限りません。

そこで、2周目以降は次のどれかを足してください。

  • 選択肢ごとに「正しい/誤り」と、その理由を声に出して言う
  • 誤りの選択肢を、正しい文に直して書く
  • 問題文の数字を隠して、数字を思い出す

私は、消防設備士の試験は過去問と同じ問題が出やすいので、過去問を覚えて同じ問題に出会えば解けると、動画でも何度も話してきました(YouTube「【🚨難関】国家資格「危険物取扱者」甲種の試験に一発合格できる勉強方法を解説!」6:13〜6:18 ほか)。一方で、甲種の製図のように、覚えたルールを使って自分で判断する問題は、丸暗記だけでは突破しにくいとも話しています(YouTube「誰でも国家資格「消防設備士」甲種4類に一発合格できる勉強方法を解説【🚨製図】」1:20〜1:50)。理由まで言える状態にしておくと、少し聞き方を変えられた問題にも対応しやすくなります。

手順4:日をあけて解き直す

解き直しの間隔は、試験日から逆算して決めます。目安の例を挙げます。研究で決まった数字ではなく、分散学習の考え方を当てはめた私たちの提案です。

試験までの期間 解き直しの間隔の例
2か月以上 翌日 → 1週間後 → 2〜3週間後
1か月前後 翌日 → 3〜4日後 → 1週間後
2週間以内 翌日 → 2〜3日後 → 試験直前
試験まで2か月以上・1か月前後・2週間以内の3つの時間軸に、翌日から試験直前までの解き直しのタイミングを点で示した図(研究で決まった数字ではない目安)

ポイントは、「前に解いた問題を、少し忘れかけたころにもう一度思い出す」ことです。忘れかけた状態で頑張って思い出すほうが、記憶に残りやすいと考えられています。

手順5:仕上げに本番と同じ形式で解き、8割を目安にする

最後は、本番と同じ問題数・同じ形式で、時間を計って解きます。これは実力を測るためだけでなく、試験全体を通して思い出す練習にもなります。

青木マーケ(株)の勉強時間シミュレーターでは、参考書2冊を一通り終えたら過去問テストに取り組み、正答率8割を目標にすることを勧めています。8割を超えていれば、合格基準の6割は堅いという経験則です(青木マーケ(株)「消防設備士試験の勉強時間シミュレーター」)。6割に届かない場合は、一度参考書に戻ってください。

消防設備士の筆記試験は、各科目40%以上かつ全体60%以上、さらに実技試験60%以上が合格基準です(一般財団法人消防試験研究センター「試験の方法」)。危険物取扱者試験は、試験科目ごとにそれぞれ60%以上が合格基準です(同センター)。どちらも「合計点が足りていても、1科目でも基準を下回れば不合格」になるので、間違えた問題が特定の科目に偏っていないかも確認してください。

私は危険物取扱者の甲種を一度落ちています。乙種を全類持っていて、大学院で化学を専攻していたのに、問題数の少ない物理化学で5割しか取れず、それだけで不合格になりました(YouTube「【🚨難関】国家資格「危険物取扱者」甲種の試験に一発合格できる勉強方法を解説!」2:53〜5:14)。問題数の少ない科目は、1問の失点が重くなります。

乙種を全部持っていて化学も専攻していたのに、物理化学で5割…。10問しかないから、5問間違えたら終わりなんですよ。
消防設備士
強欲な青木
問題数が少ない科目こそ、油断できないんですね。

テキストの読み返しとマーカーは、やめるべきか

結論から言うと、やめる必要はありませんが、主役にしないでください。

Dunloskyらの総説は、読み返しとハイライト(マーカー引き)を「効果が低い」と評価しています。ただし「効果がない」とは書いていません。読み返しにもある程度の効果はあり、ほかの方法と比べると効果が小さい、という評価です。

Fowler & Barker(1974年)の研究では、大学生が長い記事を読むときに、自分でマーカーを引く、他人がマーカーを引いた文章を読む、引かずに読む、の条件を比べ、1週間後のテストで、全体の成績に差は見られませんでした。自分でマーカーを引いた人は、引いた箇所に関する問題の成績がよく、引かなかった箇所の問題ではわずかに低かった、という結果も紹介されています(Dunloskyらの総説による紹介)。マーカーは、引いた場所の記憶を助けることはあっても、それ以外の部分の記憶までは助けない、と読むのが妥当です。

資格試験での付き合い方としては、次のように使い分けるのがおすすめです。

  • 読み返しは、問題を解いて間違えた箇所を確認するときに使う
  • マーカーは、最初から引かず、間違えた箇所・迷った箇所にだけ引く
  • ノートをきれいにまとめる時間は、問題を解く時間に回す

覚えにくい数字や分類は「イメージ」と「物語」に変える

消防関係法令には、覚えにくい数字や分類がたくさん出てきます。動画では、覚えにくいものを、具体的な物や人、感情が動く場面に変えて覚える記憶術が紹介されていました。

私も、消防法施行令の別表第1(防火対象物の用途の区分)を、イメージと物語で覚えています。たとえば1項イの劇場・映画館は、テレビの画面に最初に映し出された文字が「イ」だったという話と結びつけています。前半の項目は「映画を見に行って、遊んで、ご飯を食べて、買い物をして、家に帰って朝を迎えて、病院に寄ってから学校へ行く」という1日の流れの物語にしています(YouTube「【🧠9分で暗記】消防法施行令別表第1の覚え方【消防設備士】」0:32〜3:30)。

一方で、すべてを語呂合わせにする必要はないとも思っています。消火器の講義で大型消火器の薬剤量の規格を説明したときは、語呂合わせもあるけれど、個人的には表をそのまま覚えるのがよいと話しています(YouTube「【🧯過去問・解説まとめ】国家資格「消防設備士」乙6構造・機能(機械、点検・整備、規格)【⏰2時間 集中講義】」1:29:51〜1:29:59)。

強欲な青木
語呂合わせって、使ったほうがいいんですか?
僕は語呂合わせしない派なんです。表を覚えて、過去問を繰り返していたら覚える、って考えですね。
消防設備士

使い分けの目安(編集部の整理)

ここからは、青木マーケ(株)編集部が、研究の評価をもとに整理した使い分けの目安です。青木本人の考えではなく、編集部の提案として読んでください。

覚えたい内容 向いている覚え方 研究での評価(Dunloskyら、2013年)
理由や仕組みがあるもの(消火の原理、設備の構造、製図のルールなど) 「なぜそうなるのか」を自分に問いかけ、テキストを見ずに説明してみる 自分に理由を問う方法(精緻化質問)と、自分で説明する方法(自己説明)は「中程度」
条件ごとに数字が並ぶもの(規格の数値、設置基準など) 表にまとめ、表を隠して空欄を埋める 思い出す練習(練習テスト)は「高い」
意味のつながりがない名称や番号の並び(用途区分の項番号など) どうしても覚えられないものにだけ、イメージや語呂を使う イメージと結びつけて覚える方法(キーワード記憶法)は「低い」。効果が出る教材が限られ、記憶が長続きしない場合がある

どの覚え方を選んでも、最後は過去問を解いて「見ずに思い出せるか」を確かめてください。イメージや語呂で覚えたものも、思い出す練習をしないと本番で使える知識になりません。

私の考えを一言でまとめると、こうです。理由がある知識は理解して、数字は表で、どうしても覚えられないものだけ語呂やイメージで。最後は過去問で確かめる。これが一番の近道です。

例:点検と報告の期間を思い出す練習にする

具体例として、消防用設備等の点検と報告の期間で考えてみます。

  • 機器点検は6か月に1回、総合点検は1年に1回
  • 点検結果の報告は、特定防火対象物は1年に1回、それ以外の防火対象物は3年に1回

(消防法施行規則第31条の6、平成16年消防庁告示第9号。2026年10月19日にe-Gov法令検索と消防庁の資料で確認)

これを覚えるとき、上の文を何度も読むのではなく、次のように「空欄を埋める問い」にして、日をあけて解きます。

  • 機器点検は( )に1回
  • 特定防火対象物の点検結果の報告は( )に1回
  • 特定防火対象物以外の報告は( )に1回

答えられなかったものだけ、解説記事やテキストで確認します。この論点は、既存の解説記事「法令共通⑦:消防用設備点検と点検結果報告の義務とは?【過去問】」で詳しく説明しています。

研究の限界:この記事の内容が当てはまらない場合

研究の知見を資格試験に当てはめるときは、次の点に注意してください。

  1. 研究の対象は、大学生や小学生が中心です。仕事をしながら資格試験を受ける社会人を対象に、同じ条件で検証した研究は多くありません。社会人に近い例としては、医師の研修や生涯教育で、練習テストをしたほうが約半年後の成績がよかったという研究があります(Larsenら、2009年:研修医40人/2015年:米国神経学会の生涯教育講座の受講者35人)。ただし、どちらも人数が少なく、医学の内容に限られています。
  2. 研究で使われた教材は、短い説明文、単語、理科の文章などです。消防設備士の製図や鑑別、危険物の物理化学の計算問題で同じ大きさの効果が出るかは、確かめられていません。
  3. 研究結果は、平均するとそうなるという話です。一人ひとりに同じ効果が出ることを保証するものではありません。
  4. 消防設備士試験で過去問と似た問題が出やすいというのは、私の受験経験と、受験者の方から寄せられた声にもとづく見方です。試験機関が過去問の再利用を公表しているわけではありません。
  5. 理想的な復習の間隔は、研究でもまだ決まっていません。この記事の間隔の表は目安です。

それでも、「読み返すより思い出す」「一度にまとめるより日をあける」という方向性は、多くの研究で一貫して支持されています。資格試験の勉強でも、試してみる価値は十分にあると考えています。

研究は道具です。自分に合っているかどうかは、最後は過去問の点数で確かめてください。

次にやること

この記事で紹介した方法は、どの教材を使っても実行できます。教材を買わなくても、テキストと問題集があれば今日から始められます。

これから勉強を始める方、勉強の進め方を見直したい方は、次の順で進めてください。

  1. まず、受ける資格の学習ガイドで、出題範囲と勉強の順番を確認する
  2. 消防設備士:各類の無料Web講座(例:甲4・乙4 https://aokimarke.com/kakomon4/ 、乙6 https://aokimarke.com/kakomon6/ )
  3. 危険物取扱者:https://aokimarke.com/kiken/
  4. 予防技術検定:共通科目 https://aokimarke.com/kyotsu-1/
  5. 勉強時間の目安:消防設備士試験の勉強時間シミュレーター https://aokimarke.com/study-time/
  6. 次に、過去問の解説記事で、思い出す練習をする
  7. 過去問の使い方:消防設備士の試験に過去問だけで合格する方法 https://aokimarke.com/kakomon-only/
  8. PDF形式の過去問で勉強する方法 https://aokimarke.com/setsubishi-pdf/
  9. 消防関係法令(共通)の過去問・解説まとめ https://aokimarke.com/kyotsu/
  10. 法令共通⑦:消防用設備点検と点検結果報告の義務 https://aokimarke.com/inspection-report-obligated/
  11. 令別表第1の用途と判定例 https://aokimarke.com/botai-yoto/
  12. 仕上げに、本番と同じ形式で実力を確かめる
  13. 過去問テストの商品一覧(aokimarke.store)https://aokimarke.store/collections/all
  14. 例:消防設備士4類 甲種【冊子版】https://aokimarke.store/products/2026%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E7%89%88-%E6%B6%88%E9%98%B2%E8%A8%AD%E5%82%99%E5%A3%AB%EF%BC%94%E9%A1%9E-%E9%81%8E%E5%8E%BB%E5%95%8F%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88-%E7%94%B2%E7%A8%AE-%E5%86%8A%E5%AD%90%E7%89%88 /甲種【PDF版】https://aokimarke.store/products/2026%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E7%89%88-%E6%B6%88%E9%98%B2%E8%A8%AD%E5%82%99%E5%A3%AB4%E9%A1%9E-%E9%81%8E%E5%8E%BB%E5%95%8F%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88-%E7%94%B2%E7%A8%AE-pdf%E4%BB%98%E3%81%8D /乙種【冊子版】https://aokimarke.store/products/2026%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E7%89%88-%E6%B6%88%E9%98%B2%E8%A8%AD%E5%82%99%E5%A3%AB%EF%BC%94%E9%A1%9E-%E9%81%8E%E5%8E%BB%E5%95%8F%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88-%E4%B9%99%E7%A8%AE-%E5%86%8A%E5%AD%90%E7%89%88 /乙種【PDF版】https://aokimarke.store/products/2026%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E7%89%88-%E6%B6%88%E9%98%B2%E8%A8%AD%E5%82%99%E5%A3%AB4%E9%A1%9E-%E9%81%8E%E5%8E%BB%E5%95%8F%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88-%E4%B9%99%E7%A8%AE-pdf%E4%BB%98%E3%81%8D
  15. 例:消防設備士6類 乙種【冊子版】https://aokimarke.store/products/2026%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E7%89%88-%E6%B6%88%E9%98%B2%E8%A8%AD%E5%82%99%E5%A3%AB%EF%BC%96%E9%A1%9E-%E9%81%8E%E5%8E%BB%E5%95%8F%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88-%E4%B9%99%E7%A8%AE-%E5%86%8A%E5%AD%90%E7%89%88 /乙種【PDF版】https://aokimarke.store/products/2026%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E7%89%88-%E6%B6%88%E9%98%B2%E8%A8%AD%E5%82%99%E5%A3%AB6%E9%A1%9E-%E9%81%8E%E5%8E%BB%E5%95%8F%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88-%E4%B9%99%E7%A8%AE-pdf%E4%BB%98%E3%81%8D
  16. 例:危険物取扱者 甲種【PDF版】https://aokimarke.store/products/2026%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E7%89%88-%E5%8D%B1%E9%99%BA%E7%89%A9%E5%8F%96%E6%89%B1%E8%80%85-%E9%81%8E%E5%8E%BB%E5%95%8F%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88-%E7%94%B2%E7%A8%AE-pdf-ver /乙4【PDF版】https://aokimarke.store/products/2026%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E7%89%88-%E5%8D%B1%E9%99%BA%E7%89%A9%E5%8F%96%E6%89%B1%E8%80%85-%E9%81%8E%E5%8E%BB%E5%95%8F%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88-%E4%B9%99%EF%BC%94-pdf-ver
  17. 類ごとの使い方の説明:消防設備士「過去問テスト」全類の案内 https://aokimarke.com/setsubishi-kakomon/

過去問テストは、本番と同じ問題数・形式でマークシートを使って解く教材です。参考書を一通り終えた後に、自分が本番で思い出せる状態かどうかを確かめる「仕上げの思い出す練習」として使ってください。過去問テストだけで勉強を完結させるのではなく、参考書で基礎を固めてから使うことをおすすめしています。

参考文献

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  • 一般財団法人消防試験研究センター「消防設備士 試験の方法」https://www.shoubo-shiken.or.jp/shoubou/annai/way.html (2026年10月18日確認)
  • 一般財団法人消防試験研究センター「危険物取扱者 試験の方法」https://www.shoubo-shiken.or.jp/kikenbutsu/annai/way.html (2026年10月18日確認)
  • 消防法施行規則 第31条の6(e-Gov法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/law/336M50000008006 (2026年10月19日確認)
  • 総務省消防庁「消防用設備等点検報告制度について」(平成16年消防庁告示第9号による点検の種類と期間を掲載)https://www.fdma.go.jp/mission/prevention/suisin/items/h30_betten03.pdf (2026年10月19日確認)
  • 青木マーケ(株)「消防設備士試験の勉強時間シミュレーター」https://aokimarke.com/study-time/ (2026年10月18日確認)
  • 安川康介「最高の勉強法・効率的な覚え方【科学的根拠のある効果的な学習方法について医者が解説】」YouTube、2023年5月13日 https://www.youtube.com/watch?v=DDGVsAWgdYc

  • この記事を書いた人

aokimarke

平成元年生まれ
消防設備士12年目の経営者

【◎経 歴】
鈴鹿高専 ⇨ 静岡大学(3年次編入)⇨ 院 ⇨ 鈴与㈱ ⇨ 消防設備士など

【◎免 許】
消防設備士全類、危険物取扱者全類、第二種電気工事士、工事担任者(AI・DD総合種)、電験三種、予防技術検定(消防用設備等)など

【◎活 動】
月刊誌:電気と工事(オーム社)にてコラム執筆、消防設備士「過去問テスト」および予防技術検定「過去問テスト」の制作・販売、YouTubeチャンネル「強欲な青木&消防設備士」の動画作成・編集、青木マーケ㈱、㈱防災屋、(一社)予防団など

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